森永乳業が始めた「ミルシ」ってどんなメディア?
この日の配信では、川上さんが久しぶりにAIでまとめたニュースを紹介します。取り上げたのは、PR TIMESに載っていた森永乳業のリリースです。
紹介されたのは、ミルクと牛と酪農のウェブメディア「ミルシ」。2025年9月1日10時から公開された、酪農と生活者をつなぐ架け橋を目指すメディアです。
このメディアは、社員向けの新規事業創出プログラムから生まれたそうです。初年度に採択された「CONNECT with 酪農」の枠組みがもとになっています。
なぜ今、酪農と消費者をつなぐメディアが必要なの?
記事によると、酪農の現場では飼料価格の高騰や労働力の不足、後継者問題など、厳しい状況が続いています。
そんな中で酪農家が強く感じているのが、消費者との距離だといいます。牛乳がスーパーに並ぶまで、どんな人が関わり、どんな思いで作られているのか。それが届かないままだと、牛乳はただの飲み物で終わってしまう、というわけです。
ミルシの特徴として紹介されたのは、若い世代に届くデザインと内容です。雑誌のように読みやすく、写真やストーリーも豊富だとされています。
記事を書くのは酪農家や研究者、社員、インフルエンサーなど多様な人たち。牧場体験や乳製品作りといった参加型企画も検討中で、読むだけでなく関われるメディアを目指しているそうです。
実際にミルシには、全国の酪農家の声も紹介されています。群馬県の須藤牧場の須藤さんは、酪農の魅力や多様性を楽しく伝えてくれる場になると期待を寄せています。
北海道のハッピーランド安達牧場の安達さんは、生産者と生活者の距離が縮まれば食農教育にもなると語っています。この「距離を縮める」というキーワードが、ミルシの本質だと川上さんは受け止めていました。
同じようなサイトが乱立している?川上さんが感じた違和感
ここから、川上さん自身の率直な感想に移ります。酪農に興味がある人は楽しめそうだけれど、興味がない人が到達するにはかなりのハードルがあるのでは、というのが第一印象でした。
森永乳業のメディアなので、ファンやフォロワーも多く、すぐ伸びるのかと思っていたそうです。ところが公開から1か月半ほど経っても、伸び悩んでいるように見えたといいます。
その理由として川上さんが挙げたのが、酪農業界で同じようなサイトが乱立していることです。取り組みがバラバラで、新しいものを立ち上げるたびに、これまで積み上げてきたものが減ってしまうのではと心配していました。
また新しいの立ち上げたら、せっかく今まで積み上げてきたものが減っちゃうじゃないですか
これまでの取り組みとして、牛乳スマイルプロジェクトや、Jミルク、中央酪農会議による「ミルクチャポン」なども挙がりました。こうしたものをもう一度積み上げていく方がいいのでは、という提案です。
さらに川上さんは、須藤さんのような酪農インフルエンサーがすでにたくさんいる点にも触れました。ゼロから始めるより、既存の発信者を育てていく方がいいのでは、と話しています。
なぜ、業界はいつも一から始めてしまうのか?
川上さんが特に引っかかっていたのが、なんでまた一から始めちゃったんだろうという点でした。今までやってきた取り組みが途中で潰れてほしくない、という思いがにじみます。
リスナーからは「個別に動いてしまうのが酪農や農業を象徴しているのかも」というコメントも届きました。川上さんも、全国団体で牛乳の需給を調整するコミュニティがあるのに、それをなぜ生かさないのか、と感じているようです。
「なんでいろいろ作るんですか?」という問いに、川上さんは自分なりの見立てを口にします。予算がつくから、というのがその答えでした。
年度内で予算がつくんで、予算消化しないといけないから新しいもの作りがちだと思ってますね、私は
これはあくまで個人的な考えだと前置きしつつも、頑張っている酪農家にこそ、予算をつけて発信を後押ししてほしいという提案でまとめていました。
何十万というフォロワーや、何百万回の再生数を持つ酪農インフルエンサーもいる。そうした力を生かす方が現実的では、というのが川上さんの見方です。
まとめ
森永乳業の新メディア「ミルシ」の紹介を入り口に、酪農業界の発信のあり方を酪農家自身の目線で考えた回でした。新しさよりも、これまでの積み重ねを生かす視点が印象に残ります。
- ミルシは、酪農と生活者の距離を縮めることを目指す森永乳業のウェブメディア
- 記事を書くのは酪農家や研究者、インフルエンサーなど多様な人たちで、参加型企画も検討中
- 川上さんは、似た取り組みの乱立で小さなパイを奪い合う現状に疑問を投げかけた
- 新しく作るより、既存の発信者や過去の取り組みを育てる方がいいのでは、という提案があった
- その背景には、年度内の予算消化のために新規事業が生まれがちという見立てがある

