営業を受ける側に立ってみると
普段の僕は、クライアントさんからお問い合わせがあれば商談をして、発注をいただいたら制作をする立場です。
ただ逆に、僕が営業を受けることもあります。いちばん多いのは協業の提案ですね。
「リソースで困ったらお声がけください」という、下請けをやらせてほしいという提案のメールもよく来ます。
そして、これはもう完全に断るし、なんなら僕はちょっと怒ってしまう営業があります。「クライアント案件を紹介しますよ」というものです。
「うちには数千件のクライアントさんがいて、全国に支店もある。ホームページの話があっても、これまでは断っていた。でもクライアントの力になりたくて、紹介できる人を探して御社にたどり着いた」という流れです。
僕は個人事業主なので、そもそも「御社」と呼ばれること自体が間違っているんですけども。
話の続きはだいたい決まっていて、優先的に紹介するので会員になってほしい、毎月このぐらいの金額を払ってほしい、というサブスク的な提案なんです。
これは全て断ります。
本当にクライアントのためなら、紹介料はいらないはず
断るだけでなく、電話口で結構言ってしまいます。「それは売れないと思いますよ」と。
本当にクライアントの困り事を解決したいなら、その困り事を利用して商売しようとは思わない方がいい。まずはクライアントのために全力を尽くしてくれる相手を、ちゃんと見極めなきゃダメなんです。
僕が言うのは、こういう形です。紹介料はいらない、直接クライアントさんとやりとりしてもらっていい、順当な見積もりを出して、とにかくいいものを作ってほしい。
実は昨日も、そんな営業がありました。聞いてみると、案件を紹介するたびにいくら払ってほしい、という単発のスタンスだったと思います。
もし「とにかくちゃんとやってくれ」と言われたら、僕も胸が熱くなります。ヒアリングさせてもらって、力になりたいと思えば全力を尽くしますし、紹介してくれた会社の顔に泥を塗るようなことはしません。
いい仕事をしてクライアントさんが喜んでくれたら、紹介した会社も「いいところを紹介してくれてありがとう」と感謝されるはずなんです。
そうすれば、紹介した会社とクライアントさんの絆が深まって、新しい仕事や継続的な契約にもつながっていく訳です。目先の売り上げより、将来を考えるとそっちの方がいいと、僕は本当に思っています。
僕自身、継続してくださっているクライアント様がいるのは、そこに信用と信頼の関係があるからだと思っています。目先の売り上げや利益を追いかけると、多分続かないんです。
それに、紹介料をもらおうという発想になると、案件の質もどうでもよくなってくるんですよね。思い入れはないけど、受けてくれたらお金も入るしラッキー、という感じになってしまう。
だから僕は、紹介料を請求してくるような案件は絶対に受けません。だいたい質が悪いので。
逆に「紹介料はいらないので、本当に力になってほしい」という場合は、その人が本気で困っている人の役に立ちたいと思っているので、僕も力になります。実際、素敵なクライアントさんだったりするんです。
こう言われたら、僕は本気で考えます
今のところまだ出会ったことはないんですが、もし「紹介料はいらない。うちのクライアントさんが困ったときに、引き出しがないとクライアントさんを困らせてしまう。だから山家さん、力になってくれませんか」と営業されたら。
僕は本当にマジで考えると思います。
まず「営業してくれてありがとう」と伝えて、決裁権がある代表者同士で一度話したいので、代表につないでもらえませんか、と多分言いますね。
いまはPodcastの文字起こしも載せているので、検索やAIを通じて僕を見つけてくれたら嬉しい。そう思って、ここに自分の思いをぶつけておきます。
コピペの営業メールは一文でわかる
もう1つ多いのが、「パートナーになりたい」という営業です。フリーランスの方が、業務委託先として自分を使ってほしいと送ってくる。
これがもう半端なく多くて、逆に慣れたものです。
最近は、お問い合わせフォームの下に「営業や協業の提案が目的の問い合わせではありません」というチェックボックスを設けています。チェックしないと送信できない仕組みです。
それでも、チェックをつけて営業してくる人がいるんです。
多くは、1件でも多く送りたい営業代行の人がお構いなしに送っているんだと思います。最近ならAIを動かして、フォームに自動送信している人もいるのかもしれません。
ご本人が、長い同意文を読まずにチェックするのと同じ感覚で送っているケースもあると思います。まあ僕もやっちゃいますけども。
その時点で、僕の中のオーディションはもう落ちているんですけどね。
とにかく最初の一文を見れば、他の人にもコピペで送っている文面だとわかります。
XなどでAIが生成した画像が流れてきたとき、言語化は難しいけど「これはAIだな」「これは人間が作ったな」と感覚でわかるじゃないですか。それと一緒で、全員に無作為に送っているのか、自分にだけ送っているのかはわかるんです。
人間、なめない方がいいですよ。
「数打ちゃ当たる」で当たる相手は
コピペ営業をしているのは、そういう教えを受けてきた純粋な人が多いんです。
スクールかサロンかはわかりませんが、案件をもらうために、とにかく100件でも200件でもメールを送れ、99件はスルーされても1件ぐらいは引っかかる、と指導されるんでしょう。
百歩譲って、その理論は合っています。送れば何かしらの反応はあると思います。
ただ、その反応があった1件の質は、ほとんどの場合悪いんです。
たとえば制作会社Aがあるとします。これまでも駆け出しのクリエイターさんを、安く短納期で、将棋の駒や使い捨てのように使い倒してきた会社です。
「どうせ駆け出しで仕事が欲しいんだろ」と上から目線で依頼して、相手は疲弊して、飛ぶか辞めるか。そうすると枠が空くので、ちょうど来た営業メールの人を「こいつ利用してやろう」となることが多いんですよ。
そういう案件、やりたいと思いますか?疲弊しますよ。
本当にいい会社に当たる可能性は、ゼロとは言い切れないけれど、高額な宝くじを当てるぐらいのパーセンテージじゃないかと僕は思っています。
だから、少なくとも僕の教え子たちには絶対にさせません。もししていたら、めっちゃ怒ると思います。
送るなら、その人だけへの激アツなラブレターを
ただ、営業メールをするなとは言いません。
本当にこの人と仕事をさせてもらいたい、と見極めた相手に向けて、その人だけに向けた激アツなラブレターを書きなさい、ということです。
だって、100人200人に同じラブレターを印刷して渡さないですよね。1人でも当たったらラッキー、とも思わないですよね。
なぜ僕と仕事をしたいのか、なぜ僕なのか。理由を添えて激アツに書いてくる人は、最初の一行でわかるし、終わりまでスラスラ読めるし、読む側としてやっぱり嬉しいんです。
そうなると、一度Zoomででも話しましょうか、と僕は時間をとって向き合います。実際、数は少ないけれどそういう方はいて、一緒に仕事をさせてもらっている人もいます。
逆に、コピペ営業メールをしてくる人と仕事をしたことはありません。僕が説教して、その人が考え方を改めたうえで面倒を見た、というケースはありますけども。
1件ずつ文面を考えるのは大変で、時間もかかると思います。100件なんて無理で、1日1件ぐらいかもしれない。
それでも、100件のうちの1件より、1件に対しての1件になる確率の方が高いと、僕は本当に思います。断りのメールだとしても、ちゃんとした返答は来るし、話だけ聞いてみようという人も多いんじゃないかと思います。
スクールやサロンで教わったことを、純粋だから信じてしまう。でも、そうじゃないよ、ということです。
仲間を迎えるからこそ見極めたい
僕は人を雇用していなくて、みんな業務委託というつながり方です。定額の報酬を約束できないことは、むしろ僕の弱みだと思っています。
でもその分、たくさんの方とつながれるし、仲間同士でもつながれる。そこは強みだと思っています。
信用し信頼する仲間のところに新しい人を入れるからには、しっかり見極めたいんです。せっかくいい関係性でチームが作れているのに、変な人が入ると「なんで山家さんがこんな人を入れたんですか」と怒られちゃうので。
もちろん、僕に本当についていきたいかを、相手にも見極めてもらいたいと思っています。
協業の提案もパートナー希望も、結局は同じです。自分都合ではなく、相手が喜んでくれるにはどうしたらいいかを考えること。
僕にもクライアントがいます。山家さんのクライアント様に喜んでもらうにはどう提案したらいいか、という考え方で来てくれるのがいいと思うし、それは僕以外の会社や人に営業するときも同じです。少なくとも僕が営業するなら、そうします。
仲間は募集中です。困っていないから募集していません、ということはありません。僕と仕事をしたいと思う方がいるなら、激アツなラブレターをお待ちしています。本当にちゃんと話を聞きますし、向き合います。
その代わり、ちゃんと気持ちを込めてくださいね。いつも読んでくれてありがとうございます。ではではでは。
まとめ
僕がされて嬉しいのは、自分の利益より相手とそのクライアントのことを考えた営業です。紹介料ビジネスやコピペの一斉送信ではなく、「この人に」と決めて本気で書かれた提案なら、僕は時間をとって向き合います。
- 紹介料や会員費で稼ごうとする紹介営業は、案件の質も落ちるので全て断る
- 紹介料なしで「困っている人を助けてほしい」と言われたら、本気で考える
- コピペの営業メールは一文でわかり、反応があった相手も質が悪いことが多い
- 送るなら、なぜその人なのかを書いた激アツなラブレターを1通ずつ





