今日はどんな一日?牛の暑熱対策から会議づくしまで
配信は6月27日の金曜日、天気は晴れです。湿度が高くて牛さんたちもきつそう、と川上さんは話します。
そこで今年試したのが、AIに相談しながらの暑熱対策。日中、集乳車が早めに来るのを利用して、バルクで冷やした水を噴霧してみたそうです。
噴霧装置吹いてみたところ、めちゃめちゃ涼しかったです。今年はこれで夏を乗り切ろうかなと思いますけど、やっぱり電気代は怖いですね。
この日は昼に会議、夜には来月の総会に向けた役員会もあり、午前中の整体もふくめて一日中会議づくしだそうです。
割引シールのお肉、買うのは恥ずかしい?
今回の質問はSpoonという配信アプリで、キウイさんという方から届いたものです。
割引シールが貼ってある牛乳やお肉を買おうとすると、恥ずかしくないですか?と言ってくる人がいるそうです。どうしたら良いですか?そして牛肉の食べ頃はいつでしょうか?
川上さんの答えは、はっきりしています。恥ずかしくない、むしろ狙って買っていく、とのこと。
学生時代の飲食店バイトの経験から、賞味期限が切れそうなものが普通に捨てられていく現場を見てきたそうです。
本当に賞味期限切れそうなやつって、マジでもう普通に捨てちゃうんで、あれもったいないですよ。マジで。
そういう積極的に買ってくれるの、めちゃめちゃありがたいんですけどね。恥ずかしくないですか?って言ってる人は、どこかでバイトしましょう。
立場が変われば見え方も変わる、という話ですね。川上さん自身も、値引きシールのお肉から買っていくそうです。
食品ロスと「食のありがたみ」の話
農家目線で見ると、値引きシールのお肉を買ってくれることは、捨てられるはずだったものが救われるということ。むしろ「ありがとうございます」なのだと川上さんは話します。
値引きされているということは、賞味期限が近いということ。誰かが買ってくれないと、そのまま捨てられてしまうものです。
日本では年間で500万トンから600万トンほどの食品が捨てられている、と川上さんは説明します。コンビニのおにぎりや、恵方巻き、クリスマスケーキが大量廃棄されるニュースを思い浮かべる人も多いかもしれません。
さらに気になるのが、世界からの見え方です。日本は食料自給率が低く、海外から食品を運んでいます。
わざわざ外国から船を使って食品を運んで、それをわざわざ捨ててる国だって思われてます。
だからこそ、ちょっと捨てれば済むものでも、少し食のありがたみを知ってもらえたら嬉しい、というのが一次産業をやっている川上さんの思いです。
牛肉の食べ頃はいつ?旨味が増す理由
もうひとつの質問、牛肉の食べ頃についてです。賞味期限が切れそうなお肉って食べられるの?という疑問ですね。
川上さんによると、牛肉は解体してカットした直後より、数日から10日前後置いた方が旨味が増すそうです。
理由は、お肉のなかの酵素が時間をかけてタンパク質を分解し、アミノ酸に変えていくから。アミノ酸になると旨味成分が増えるんですね。
解体・カット直後
鮮度は良いが、旨味成分はまだ少なめ
酵素がはたらく
時間をかけてタンパク質を分解していく
アミノ酸に変化
旨味成分が増え、味わいが深くなる
3〜10日置く
筋繊維の水分が落ち着き、ジューシーで柔らかな食感に
適切な温度と湿度で冷蔵庫で3日から10日ほど置くと、旨味が増して口当たりもまろやかになる、と言われているそうです。
こうした手法はウエットエイジングやドライエイジングと呼ばれ、一時期ブームになった熟成肉ともつながる考え方です。
ただし、これはあくまで牛肉の話です。鶏肉はむしろ鮮度がいい方がおいしく、豚肉は少し置いた方がいいとも言われるそうです。
数日〜10日置くと酵素の働きで旨味が増す
鶏肉は鮮度重視、豚肉は少し置いた方が良いとも言われる
腐ったお肉の見分け方と、おいしいお店の選び方
置けばいいとはいえ、注意も必要です。傷んだお肉には、はっきりした特徴が出ると川上さんは話します。
色が黒ずんでいたり、アンモニア臭のような酸っぱい匂いがするものは、もう腐っているのでやめてほしい、とのこと。
ドリップがたくさん出るのは、温度変化が多かったサインでもあるそうです。そういうものは避けた方が安心ですね。
おいしいお店選びのコツとして、川上さんが挙げたのが「回転率」です。
お客さんがいっぱい来て、お肉があまり在庫として長期間置かれないようなところが、やっぱり美味しかったりする。
スーパーでも同じで、回転率がいいところはおいしい、と話します。いちばんいいのは、お肉屋さんでプロに直接聞くこと。
こういうお肉が欲しいんですけど、っていうのが一番だと思うんで、そういう買い方もしてもらったら、食の楽しさも増えるかもしれませんね。
なお、日本の食品衛生法はとても厳しく、問題があればすぐ保健所が来るので、スーパーで売っているお肉は基本的に安心して食べられる、とも補足しています。
まとめ
割引シールのお肉は恥ずかしいものではなく、食品ロスを減らす前向きな選び方。そして牛肉はねかせることで旨味が増す、という2つの疑問に酪農家の視点から答えた回でした。
- 値引きシールのお肉を買うのは恥ずかしくない。捨てられるはずのものを救う前向きな行動
- 日本では年間500万〜600万トンの食品が捨てられていて、食のありがたみを考えたい
- 牛肉は解体後3〜10日置くと酵素の働きでアミノ酸が増え、旨味と柔らかさが増す
- 鶏肉は鮮度重視、豚肉は少し置く方が良いなど、おいしさは肉の種類で変わる
- 黒ずみやアンモニア臭、大量のドリップは傷んだサイン。回転率の良い店を選ぶと安心


