日曜恒例、まったりコメント返しの回
今回の配信は、8月最終の日曜日。川上牧場では毎週日曜に、1週間で各SNSや音声配信に寄せられたコメントをまとめて返す「まったりゆったりコメント返し」のコーナーをやっています。
今週は子牛も生まれて、たくさんのコメントが届いたそう。10分から15分ほどの配信で、牛乳を飲みながら気軽に聞けるスタイルです。
そもそもこの番組は、スーパーやコンビニでいつでも買える牛乳の魅力や、酪農の魅力を酪農家自身が語る放送。牧場の日常や牛の鳴き声を聞きながら、手元にホットミルクを準備して聞くのがおすすめなんだそうです。
今日も今日も牛乳飲んでいただいてありがとうございます。いやー、美味しい牛乳になっております。
成績表は「牧場の地図」?牛群検定の話
最初のコメントは、Xのケルンさんから。牛群検定についてのnote記事に寄せられたものです。
成績表を牧場の地図と呼ぶのすごくしっくりきます。数字は評価されるためではなく、次にどこへ進むかを教えてくれるものですね。
川上さんはいつも牛群検定を「現在地や、どこに行きたいかという目的地を示してくれるもの」と説明しています。ただ、これは自分のオリジナルではなく、牛群検定を教えてくれた方の受け売りなんだとか。
通信簿のように「今のすごさ」を見るものと思われがちですが、「地図」という言葉のほうがしっくりくると川上さんも共感していました。
子牛が生まれた!ミルクの飲み方が上手な子、下手な子
続いては、子牛が生まれるたびにコメントをくれるメイプルさんから。黒毛和牛の女の子が生まれた投稿への「可愛い」というコメントです。
この子牛は、島根県の期待の種牛「秋吉久」を使って採卵で産ませた牛。ゲノムを測って自分の牧場で残そうと考えているそうですが、ひとつ悩みが。
ミルクの飲み方が下手くそすぎるんです、こいつ。本当にずっと哺乳ロボット覚えたい。本当にどうしたらいいですか?
一方、別の黒毛和牛のIVF(体外受精)で生まれた子は、初乳を3リットル飲み切って哺乳ロボットも自分で覚えたそう。ただ飲むペースはとてもゆっくりで、人懐っこい子だと話されています。
この子は3ヶ月ほどで市場に出す予定とのことでした。
給食の牛乳はまずい?瓶牛乳との味の違い
ここからは牛乳の味にまつわるコメントが続きます。まずTikTokのまゆさんから、給食の牛乳について。
給食の牛乳が苦手だったのはご飯(お米)と絶望的に合わなかったからです。パンの時は気にならなかったんですけど。
川上さんによると、令和の今も「お米と合わない」と牛乳を残す子がいるそう。福岡県では週1回、牛乳をお茶に変える取り組みをしたところ、今度はお茶を絶望的に飲まない子がたくさんいたという話も紹介されました。
続いて、瓶牛乳と紙パックの味の違いについてのコメント。娘さんが紙パックは苦手だったけれど、瓶牛乳を探して買ったら「全然違う、美味しい」と喜んだそうです。
中身は同じはずなのに、なぜ味が違うのか。川上さんは、雰囲気や冷たさ、口に入る感じで美味しく感じることは、海外で精度の高い研究がされていると話します。
娘さんは素晴らしい、あの、口をお持ちです。舌をお持ちですね。褒めてあげてください。伸ばしてあげてください、そこをね。
低温殺菌牛乳が好きというコメントもあり、牛乳の風味を損なわず、牛乳臭さが少なくなると評判なんだそうです。過去の配信で殺菌方法の違いも解説していると案内していました。
牛乳もお肉も。酪農家が作っているもの
Instagramには「酪農家は牛乳だけじゃなくてお肉も作っている」というスライド投稿へのコメントが。クイーンズファームさんから「もっと多くの人に知ってほしい」と届きました。
最近は酪農業界の人も見てくれるようになったそう。川上さんは、応援してくれるのはありがたいとしつつ、こんな呼びかけをしています。
ぜひあの、僕の方を応援するんではなくて、自らがですね、発信する側の方に移っていただけたら嬉しいなと思いながら。
投稿はAIで簡単に作れるので、やり方がわからないときは川上牧場が作った「ファームエコーAI」に聞けばすぐわかる、と案内していました。
お肉についてのコメントもありました。母牛は子牛を産まないと牛乳が出ないため、牛乳を出しながら食肉にも貢献しているんですね、という内容です。川上さんは消費者が食べてくれるから作れる、と感謝を伝えていました。
2週間で作った和牛交配チェックアプリ
川上牧場は、和牛の交配チェックができるアプリも自分で開発しています。TikTokには「自費開発すごい」というコメントが届きました。
AIがほぼ作ってくれたそうですが、サーバー代やAIに支払う費用はかかっていて、自費開発とのこと。ただ、外注すれば数百万から数千万かかるアプリだといいます。
本当にコードとかね、あのプログラミングとか全然できないこの酪農家がですね、二週間ぐらいで作れましたんで。
和牛を飼っている畜産農家の参考になるアプリができたと話し、InstagramやXにリンクをつけていると案内していました。
農業の人手不足に関するタイミーの投稿にも、YouTubeの求人動画が「車を止める位置から丁寧に説明してあって、見てわからない人はいないでしょう」というコメントが。それでも、内容ではなく空き時間で仕事を選ぶ人もいると、現場のリアルを語っていました。
牛乳が届くまでには「2年前の投資」がある
YouTubeのメイプルさんからは、牛乳が売れないという投稿に、印象的なコメントが届きました。
作ったんだから飲んでくださいだけではダメなんですね。酪農家は二年後に牛乳を生産してくれるかもしれない牛に、今日のお金と労働を投入しているんですよね。
妊娠する前に重度の肺炎で死んでしまい、預託料だけかかった子もいた、という現場の声も添えられていました。川上さんはこれを「現場の声ですね」と受け止めます。
今搾っている牛乳は、2年前に生まれた子牛が育って出てきているもの。その年月分の投資があって、はじめて牛乳が届くという事実を知ってほしいと話しました。
今後もね、牛乳を飲み続けたいなと思うんだったら、その投資の分回収できるような金額とかで、購入していただけたら嬉しいなと。
牛乳が安いと感じる人は、他の乳製品や乳飲料も手に取って応援してもらえたら嬉しい、とも添えていました。
乳製品が棚から消えて気づいたこと
最後のコメントは、スレッズのエリツインさんから。牛を飼っている方のようで、災害についての率直な思いが綴られていました。
いつも勉強させてもらって感謝です。牛たちには感謝しかありません。
先月の災害で工場がやられたり、お店から乳製品が売り切れるという光景を見聞きして、悲しいやら嬉しいやら。
飲みたいと言ってくださる方がいるので、楽しんで仕事ができるので逆にありがたいですね。
川上さんは、能登半島の大雨や熊本の地震、千葉の災害などに触れ、そうした被災地にも酪農家がいて、日々牛乳を搾り続けていることを語ります。
搾った牛乳を運ぶ乳業会社や餌屋さんなど、たくさんの関係者が頑張って届けていることを知ってほしい、と話しました。
一方で、「飲みたい」と言ってくれる人が減ってきているのも事実。だからこそ、エリツインさんのような酪農家にも発信を頑張ってほしいと呼びかけます。
飲んでくれてない方でも、どうやったら酪農業界に参加できるだろうみたいなことを考えていただけると嬉しいなと。
まとめ
日曜恒例のコメント返しを通して、牛群検定という「牧場の地図」から、子牛の成長、牛乳の味の話、そして牛乳が届くまでにかかる時間と投資まで、酪農の現場が丁寧に語られた回でした。乳製品が棚から消える光景をきっかけに、あらためて「届いていることのありがたさ」に気づかせてくれます。
- 牛群検定は評価のためではなく、次にどこへ進むかを教えてくれる「地図」
- 瓶牛乳が美味しく感じるのは、雰囲気や冷たさによるもので、海外でも研究がある
- 今搾っている牛乳は、2年前に生まれた子牛が育ったもので、その分の投資がある
- 災害の被災地にも酪農家がいて、多くの関係者が牛乳を届けている
- 応援する側だけでなく、自ら発信する側に回ることも酪農業界への参加になる

