日曜のコメント返し、今日はどんな一日?
この回は9月13日の日曜日に配信されました。島根県出雲市の川上牧場から、酪農家の川上さんが牛乳や酪農の魅力を届けるいつもの朝の放送です。
この日の天気は最高気温30度で曇りのち雨。日中は暑いのに朝は寒いという寒暖差に、子牛の体調も影響を受けていると話します。
子牛がなんかちょっと、うんちがペチャッとなってたりしまして、寒暖差が厳しいのを、やっぱ敏感ですね、子牛は。
日曜のお仕事は育成牛舎の掃除と、注文が来ている堆肥の運搬。6台ほどの依頼があり、今日中に半分は運びたいと話しながら1日が始まります。
そして日曜日の配信は、1週間に各SNSや音声配信に寄せられたコメントを読み上げて返していく、まったりゆったりのコメント返し回です。今週もたくさんのコメントが届いているとのことでした。
消費税ゼロ?農家への直接支援はどうなる
牛乳で乾杯する前に、川上さんは制度の話に触れます。来年4月からの消費税の扱いについて、日本農業新聞で農家への直接支援が議論されていると紹介しました。
(消費税を)0%に、1%ですか、0%ですか、結局。早く判断してほしいと思いながら。
農家に直接、差額を支援するような政策が議論されているという内容で、川上さんは「農家さんに負担がないようにしてほしい」と願いを口にします。
番組では毎日の音声配信を文字起こしして再構成したノート記事や、週1回まとめが届く公式LINE、ハッシュタグ「未来の牛乳」のデジタルアートなどの取り組みも紹介されました。
資格があれば効率的に働ける?中学生の職場体験から
ここからコメント返しが本格スタート。今週は中学生の職場体験を受け入れた回に、たくさんの反応が届きました。
資格持ちの人の方が効率的に仕事ができる話をもっと掘り下げて聞きたかった。なぜ効率的にできるのか。資格持ちイコール効率化ができるということ?自分の職場では資格持ちの職員より無資格のパートのお姉様の方がよっぽど効率的です。
この問いに対して、川上さんは配信内の「令和8年中学生職場体験受け入れ中パート5」で答えていると案内しました。この日の放送では深掘りせず、該当回に誘導する形です。
別のコメントでは、職場体験に来た中学生が牛乳を「めっちゃ好き」と即答したことが話題になりました。若い世代は牛乳離れが言われるなか、今回の子たちは牛乳が大好きだったと川上さんは嬉しそうに振り返ります。
若い子も牛乳飲まない飲まないって言うんですけど、今回の子たちは本当に牛乳大好きという子でしたね。
さらに、牛のお尻に手を入れる直腸検査の体験について、視聴者から前向きなコメントも届きました。
人生でつまずいた時はポジティブ思考になるのも大事なので、牛のお尻の中に手を入れた経験を思い出して、みんながやったことない経験を俺はやったんだと自信の一つになるといいですね。
この言葉を紹介しつつ、川上さんは「別に牛のお尻に手を入れなくても、部活や勉強を頑張るだけでも自信はできる」と補足し、自分の反応を「酪農家のエゴ」と笑っていました。
つなぎ飼いで牛が隣を邪魔する?川上牧場の工夫
つなぎ飼いに関する専門的な質問も届きました。牛が立ち上がろうとするとき、隣の牛が邪魔をすることはないか、という問いです。
つなぎ飼いだと立ち上がろうとする隣の牛を、立っている牛が邪魔をすることはありませんか?
川上さんの答えはケースバイケース。立ち上がるときだけでなく餌を食べるときに邪魔することもあれば、しないこともあり、状況によっていろいろだと話します。
そのうえで、川上牧場では事故が起きにくい工夫をしていると説明しました。子牛や育成のころからずっと隣同士だった牛を、そのまま隣同士で繋いでいるそうです。
(子牛の時から)ずっと隣同士で一緒に飼ってた牛を隣同士にするよみたいな感じで繋いでるんで、乗りかけして足痛めたりとか、そういうのは全然ないですね。
気心の知れた相手を隣にすることで、ぶつかり合いや怪我を防いでいるというわけです。つなぎ牛舎の農家に向けて「ぜひやってみてほしい」と勧めていました。
「若い時間を貯金だけで過ごすのはもったいない」
中学生の職場体験パート6の回には、自分への投資についてのコメントが届きました。
自分への投資は努力次第で無限の可能性が広がりますもんね。貯金すれば安心できるけど、貯金だけで若い時間を過ごすのはもったいないですよね。
川上さんはまず、この深い言葉は他の人が言っていたものを受け売りしたもので、自分のオリジナルではないと正直に打ち明けます。
深い言葉は、他の人が言ってたやつを受け売りしてるんで、僕の言葉ではないんですけどね。
そのうえで、若い世代への「貯金しろ」という声について、自分の考えを語ります。無駄遣いを心配する気持ちはわかるし、川上さん自身も子どもに言ってしまうと認めながら、こう続けました。
安心のための貯金は大事でも、若い時間はいろんなことに使ってほしいという思いがにじむコメント返しでした。
「しわ寄せは農家に来る」その先に返ってくるもの
牛乳1リットルの原価を扱った投稿には、「しわ寄せは農家に来る」というコメントが届きました。川上さんは、そのしわ寄せが最終的に消費者にも返ってくると説明します。
農家が負担に耐えられず続けられなくなれば、支援のための税金が増える。つまり回り回って消費者の負担になるという流れです。
しわ寄せが来たやつがもう続かなくなったら、結局皆さんのところに来て、また税金が増えますよっていう話ですよね。
さらに川上さんは、農家がいなくなることの影響を具体的に挙げます。耕作放棄地や空き家の問題、景観、田んぼや畑の排水管理まで、農家が担ってきた役割は幅広いと話しました。
農作物の値段が上がっても下がっても「何やってんだ農家」と思われるかもしれない。それでも最終的には自分たちのところに返ってくる話だと、消費者にも当事者意識を促します。
牛乳はなぜ白い?世界から届くコメントと飲み方の願い
「牛乳はなぜ白い?」の配信には、大事に飲みますという声や、ドイツからドイツ語での「こんにちは」というコメントも届きました。国境を越えて反応が寄せられています。
「牛さんいつもありがとうございます」という感謝のコメントには、川上さんならではのやわらかい返しがありました。感謝しながら飲んでもらえるのは嬉しいけれど、ガチガチに考えすぎると飲みにくくなってしまう、というのです。
求めるのは1日にコップ1杯だけ。それを続けてもらうことがいちばん嬉しいと、川上さんは繰り返し伝えていました。
農家の負担と大臣への期待、決めるのは誰?
牛の最期と食の安全を扱った配信には、農家の負担を心配し「杉大臣、何とかしてほしい」というコメントが届きました。
川上さんは、これまで農家の件数が多く支える人も多かったが、それが減り続けている現状を説明します。支える人が減り、限界を超えれば税金で何とかしようという話になっている、というのが今の構図だといいます。
杉大臣については「かなり頑張ってくれている方」と評価します。ただし、政策を決めるのも、その大臣を選ぶのも、最終的には一般の人の投票や選挙だと指摘しました。
心配で終わらせず、アクションにつなげてほしいというのが川上さんのメッセージでした。
年に何頭生まれる?夜の見回りと熊のリスク
「とても分かりやすい動画」というコメントに、川上さんは「AIで全部作ったスライドなので、AIのレベルが上がるほど質が上がる」と種明かしをします。音声配信の文字起こしをAIで整えているだけだと謙遜していました。
年に何体(子牛が)出るのでしょうか?
牛は基本的に1頭につき年に1頭の子牛を産みます。川上牧場は生産牛が50頭ほどいるので、年間およそ50頭前後の子牛が生まれる計算になると答えました。
酪農家の夜の仕事についてのコメントでは、「毎日が夜勤なんですね」という反応に補足が入りました。スライド投稿だと朝早くから夜遅くまで働き詰めのように見えるかもしれませんが、実際は牛の出産や夜間の事故があったときに対応するという意味だといいます。
これも牧場によりけりですしね、シフト制にして、朝昼夜みたいなんでシフト制にしてたりする牧場もありますし。
別の農家からは、夜の出産や牛が水のパイプを折ることがあるため、寝る前の見回りが大切だという体験談も届きました。川上さんも、ホースが抜けて朝来たら牛舎がビシャビシャだった経験を振り返ります。
さらに「今は熊も出るので心配」という声も。川上牧場は都市近郊酪農なので熊の被害は少ないものの、中山間の牧場では夜回りで熊の気配を感じることもあると話します。
そして川上さんは、農家がいなくなれば熊が住宅地に下りてきたり畑を荒らしたりする可能性にも触れ、牛乳やお肉を食べることが地域を支えることにつながると伝えました。
ロータリーパーラーに現場の声を、AIアプリへの反響
牛が回転する装置で搾乳される「ロータリーパーラー」の話をした投稿には、「うちもロータリーパーラーです」という現場からのコメントが届きました。
実際ロータリーパーラー入れてる方のご意見とかコメントいただけると、消費者の方に、こういう部分があるんだよみたいなのが伝わるんで。
川上さんは、自分はAIでデータを集めて話しているだけで、実際にはわからない部分も多いと率直に語ります。牧場ごとに違いも大きいので、現場の声をどんどん寄せてほしいと呼びかけました。
自作した黒毛和牛の交配チェックアプリにも「こういうの待ってました」という反響が。川上さん自身が種付けのたびに困っていた経験から作ったもので、農家が欲しかったと思えるアプリを目指していると話します。
マジで作ってそういうこと言ってくれるの、ほんと嬉しいですね。
アプリはサーバー代を自費で出していることも明かし、便利だと感じたら支援してほしいと伝えていました。
数字は道しるべ、答えではない?牛群検定のコメント
牛の飼料設計に関わる「AMTS」の記事には、数字と現場のずれについて考えさせるコメントが届きました。
数字は合っているのに牛の調子がずれるという問いがいいですね。数字が現場を見るための道しるべで、答えそのものではないのかもしれません。
川上さんは、まさにこの「ずれ」があるからこそ牛を見ないとダメだという話をしていたと応じ、うまく言語化してくれたことに感謝しました。
酪農データバンクを作ったという投稿には「入り口にこれがあると絶対役立つ」「5年も配信を続けているのがすごい」というコメントも届きました。過去の配信で答えた内容を探せるようにと作ったツールです。
ところが、利用ログを調べてみると意外な現実が見えてきました。
ほとんど8割の方がトップ画面のみしか見てないっていうね、悲しい現実でした。使ってほしい、使ってほしい。結構頑張ったよ。
せっかく作ったデータバンクを、ぜひ活用してほしいという川上さんの本音がのぞく場面でした。
「そもそも誰に向けて発信してるの?」への答え
最後のコメントは、少し辛口なものでした。牛の繁殖管理を扱った配信に対して届いた一言です。
内容の件でわかる人にはわかりますが、素人さんにはわからない話ですよね。そもそも誰に向けて発信してんの?
川上さんは、この方がSNSに投稿している短文の紹介だけを見て反応したのではないかと推測します。まずは配信本編や文字起こしを見てほしいと案内しました。
そのうえで、「誰に向けて」への答えははっきりしていました。この配信は、寄せられた質問に回答する形で成り立っているというのです。
一人の質問への回答が、他の人の参考にもなるかもしれない。その積み重ねを5年間続けてきたと川上さんは語ります。過去から聞けば話の流れがわかるし、探せない場合は酪農データバンクを使ってほしいと締めくくりました。
日曜のコメント返しは、専門的な質問への回答から番組の姿勢そのものへの答えまで、質問に一つずつ向き合うという川上牧場のスタイルがよく表れた回になりました。
まとめ
今回の日曜コメント返しは、牛の飼い方から農家の負担、そして「誰に向けて発信してるの?」という問いまで、川上さんが一つずつていねいに応じた回でした。専門的な話も、あくまで質問への回答として積み重ねられているのが印象的です。
- 消費税や直接支援の議論に触れ、農家への負担が最終的に消費者に返ってくると説明した
- つなぎ飼いでは子牛のころから隣同士の牛を繋ぐことで事故を防いでいると紹介
- 求めるのは1日コップ1杯を美味しく楽しく続けてもらうこと、と繰り返し伝えた
- 農家がいなくなれば熊の被害や耕作放棄地など地域全体に影響が及ぶと指摘した
- 「誰に向けて発信してるの?」には、寄せられた質問に答える形だと明確に応じた

