一般的な餃子の2倍、直径15センチの津ぎょうざ
一般的な餃子の皮は、直径8センチから9センチほどが目安だと小野寺さんは話します。
一方で今回紹介する津ぎょうざは、直径15センチ。一般的な餃子の2倍程度の大きさがあります。
この津ぎょうざは学校給食から生まれ、B-1グランプリや文化庁の百年フードにも選ばれた、三重県津市の食文化です。
学校給食室で生まれた大きな揚げ餃子
津ぎょうざが誕生したのは1985年頃。場所は三重県の県庁所在地である津市の、小学校の給食室でした。
当時の栄養士が、子どもたちの記憶に残るメニューを作りたいと考え、手作りの餃子を出そうとしたのがきっかけです。
ただ、学校給食は何100人分も一気に作る必要があります。普通の餃子を一つずつ包んでいては大変です。
そこで、一人一粒の大きな餃子をドーンと食べさせようという発想になりました。1個で通常の3、4個分のボリュームがあります。
大きくすれば包む回数も減り、子どもたちの満足度も上がります。ただ、これだけ大きいと焼くのが難しいという問題がありました。
そこで、油で揚げる方法が選ばれます。揚げれば冷めても美味しく、給食にはちょうど良かったと小野寺さんは話します。
パリパリの皮にジューシーな餡。これが子どもたちの間で爆発的な人気メニューになりました。
記憶に残る給食を
栄養士が手作り餃子を出そうと考える
大量調理の壁
何100人分を一つずつ包むのは大変
一人一粒の大きな餃子へ
包む回数を減らし満足度も上げる
焼けないから揚げる
冷めても美味しく給食に最適
卒業後の「懐かしい」から始まった地域グルメ化
人気だった津ぎょうざも、学校を卒業すると食べる機会がなくなります。
そこで市民がイベントで津ぎょうざを出したところ、「懐かしい」という声とともに、「こんなメニューもあったんだ」という新鮮な反響もあったそうです。
その反響を受け、津の食文化としてしっかり守っていこうと、津ぎょうざ協会が発足しました。
市内の飲食店が津ぎょうざをメニューに取り入れていくことで、ご当地グルメとしての道が始まったといいます。
公式の定義は「直径15センチ」と「揚げ餃子」
津ぎょうざには公式の定義があり、条件は2つです。
直径15センチの皮を使う
揚げ餃子である
この2つが最低限必要な条件で、中の具材や食べ方までは決まっていません。
そのため津ぎょうざは、ちゃんこ料理の店や旅館などでも提供されます。道の駅で津ぎょうざをパンに挟んで食べるという情報もあるそうです。
そこら辺、私も食べたことがないので、もし津ぎょうざに詳しい方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。
2つの団体と市が守る津ぎょうざのブランド
中身は自由な津ぎょうざですが、「津ぎょうざ」と名乗るには津ぎょうざ協会の許可が絶対に必要です。
これは「津ぎょうざ」が地域団体商標として登録されているためで、許可を得て販売する仕組みになっています。
この商標を管理しているのは、特定非営利活動法人の津教育委員会という団体だと小野寺さんは話しています。
津ぎょうざを支えるのは2つの団体です。町おこしをする市民団体の津ぎょうざ小学校と、提供する飲食店で構成される津ぎょうざ協会です。
その裏側では津市役所も動いており、市民、飲食店、市が連携している点が津ぎょうざの強みだといいます。
B-1グランプリと百年フードへ
この両輪で動く津ぎょうざの知名度を全国的に押し上げたのが、2019年のB-1グランプリ優勝でした。
さらに津ぎょうざは、文化庁の百年フードにも選ばれています。
百年フードに選ばれている餃子は、宇都宮餃子、福島の円盤餃子、そして津ぎょうざの3つだけです。津ぎょうざは2024年に認定されました。
百年フードは地域団体からのエントリーが必要で、選ばれること自体が地元で団体活動をしている証でもあると小野寺さんは話します。
海外への発信も進んでおり、2024年12月にはB-1グランプリin台湾でゴールドグランプリも受賞しました。
お取り寄せできる津ぎょうざと、津の意外な名産
今週のお取り寄せ餃子として紹介されたのは、津市内に2店舗を構え、通販も行う「麦一等兵」の津ぎょうざです。
販売されている津ぎょうざは2種類。冷凍でおうちで調理する生タイプと、すでに揚げてありレンジで温めるだけのタイプがあります。
生タイプは170度の油で約9分、両面を返しながら揚げます。揚げたては熱々でパリパリ、ジューシーで、一つでお腹いっぱいになる餃子だといいます。
揚げるのが面倒な人や手軽に食べたい人には、レンジで温めるだけのタイプが向いています。揚げ餃子ならではの手軽さです。
最後に、津は全国的に有名なおやつの名産地でもあると紹介されました。1つはベビースターやブタメンを作るおやつカンパニー、もう1つはあずきバーを作る井村屋です。
この回のきっかけは、先週末に開催されたスペチャオ餃子バンドのライブで津ぎょうざが振る舞われたことでした。小野寺さん自身も約10年前、ライブで津ぎょうざを揚げる手伝いに行った経験があるそうです。
実際に私もまだ津に行ったことがないので、機会があったら一度行ってみたいなと思います。
まとめ
津ぎょうざは、学校給食の大量調理という現場の工夫から生まれ、市民、飲食店、市が連携してブランドを守ってきた三重県津市のご当地グルメです。
- 津ぎょうざは1985年頃、津市の小学校給食室で生まれた直径15センチの大きな揚げ餃子
- 公式の定義は「直径15センチの皮」と「揚げ餃子」の2つで、中身や食べ方は自由
- 「津ぎょうざ」は地域団体商標で、名乗るには津ぎょうざ協会の許可が必要
- 2019年にB-1グランプリで優勝し、2024年には文化庁の百年フードにも認定された
- 麦一等兵の津ぎょうざは通販で購入でき、生タイプとレンジタイプの2種類がある

