MVで使われた餃子キングの餃子
今回のMVで焼かれている餃子は、調布市国領にある餃子キングの餃子です。
選ばれた理由は、SPECIAO GYOZA BANDのチームスタッフが国領に住んでおり、普段からこの餃子を食べていたためだといいます。撮影当日に用意されたのがこの餃子でした。
餃子は熱海高校の家庭科室で、みんなで焼いて食べるかたちで撮影されました。
非常にスタンダードなバランスのいい餃子で、皮も美味しいですし、野菜もシャキシャキしています。手作り感のある美味しい餃子だなと思いました。
小野寺さんは国領で無人販売を見かけたことはあったものの、撮影で初めて口にしたと話します。地元に愛されてきた餃子だという印象を語りました。
焼き餃子協会とは何をしている団体か
トークはライブ会場で、作詞作曲の川村さん、映像監督のファーリンさんを迎えて行われました。まずは小野寺さんが焼き餃子協会について説明します。
簡単に言うと、日本の焼き餃子文化を世界に広める団体です。
中国の水餃子に対して、焼き餃子は日本で進化したものであること。それが全国各地で同時多発的に始まり進化してきたことが面白いのだと小野寺さんは語ります。
協会が対象とするのは、餃子を作る人と、美味しい餃子を食べたい人です。両者をつなぐコミュニティでありたいという思いから、2018年に立ち上げられました。
餃子って多分おかずとして扱われていて、あまり食文化として見られていないよね。でも餃子職人は愛情を込めて、地元の食材を使って美味しい餃子を作ろうとしているんですよ。
楽曲に込めた「義務餃育」の意味
川村さんは焼き餃子協会のホームページを手がかりに、小野寺さんの視点を汲み取って作詞したといいます。小野寺さんはその仕上がりに驚いたと振り返ります。
焼き餃子協会っていうのはこういうことを伝えたいんだよという川村さん視点になって、ちゃんと出してきてくれて。さすが川村さんだなと思いましたね。
曲には「宇宙」という言葉も登場します。これはホームページにはなかった表現で、川村さんいわく「降りてくる」ものだといいます。
タイトルの「義務餃育」について、小野寺さんは深い意味を語りました。日本人にとって焼き餃子がもっと当たり前であってほしい、そのためには小さい頃から親しんでほしいという思いです。
小学校とか中学校の時点で餃子を綺麗に焼ける。全国民が餃子を上手に焼けていると、より皆さん美味しい餃子を目指していくんじゃないかと思っています。
さらに餃子を通せば、キャベツやニラの産地、水の沸騰温度といった社会・理科・国語・算数などさまざまな分野を学べると小野寺さんは説明します。
学校で餃子のことを教えないので、じゃあ僕が教えに行きますと。今、宮崎県高鍋町という町で義務餃育活動として、私が授業をやらせてもらっています。
MV撮影の裏側と壊れた甲冑
MVはライブ会場で世界初公開されました。上映後、川村さんは長かった制作を振り返り、乾杯を提案します。
小野寺さんが特に印象に残っているのは、冒頭の戦うシーンで自身の甲冑の兜が折れてしまったことでした。
この日甲冑の兜が壊れたんですよね。それまで壊れないと思っていたけれど、その日初めて壊れてしまって。学研で直しているんですよ。
寒い中で兜が折れる予期せぬハプニングでしたが、その後もあちこち壊れながら撮影は続いたといいます。小野寺さんは「この日のために甲冑を作ったようなものだ」と語りました。
ロケ地は熱海高校でした。監督のファーリンさんが、知り合いの作品で使われていてリーズナブルに使えるという噂を聞き、選んだ場所です。
義務餃育というアイデアが結んだ映像
ファーリンさんは、MV制作にあたって示された2つの条件を軸に構成を考えたと明かします。
甲冑を小野寺さんが持っているというのと、協会の皆さんや餃子バンドのファンの方がエキストラとして出られるという2つの点があって、それを線でつなぐのにちょうどいいのが教育だと思ったんですよね。
社会の授業なら小野寺さんが甲冑を使え、生徒として皆さんに出てもらえる。そこから「義務餃育」というテーマとも重なり、話が進んだといいます。
川村さんが特に感動したのは理科のシーンで、餃子を宇宙に配置して「餃子の星座」を作る演出でした。餃子を切って形を作り、宇宙の中に乗せていったといいます。
さらに指揮のシーンでは、小野寺さんの4拍子の指揮の軌跡に餃子の羽を重ねる演出が加えられました。小野寺さんは川村さんの無茶振りぶりに触れます。
途中で突然演出監督になり始めて、これこうした方がとか、ここCGでこう加えてとか。4拍子を餃子のウィングにしよう、映像に餃子を入れてくださいって。
この餃子の羽の合成は、手の向こうにあるべきものが手前に写らないよう、全てをマスキングして前にかぶせる、非常に手のかかる作業だったとファーリンさんは説明します。
24フレーム。1秒24フレームですよ。それを全部、重なるところを全部消していくんですよ。手の奥に映像があるようにね。
2回目に登場するときにやっと餃子とわかるよう羽をはける構成になっており、川村さんは「一番感動して終わってくれた」と語りました。
条件1
小野寺さんが甲冑を持っている
条件2
協会やバンドのファンがエキストラで出られる
発想
2つをつなぐテーマとして「教育」を思いつく
結実
社会の授業で甲冑、生徒役でエキストラ、義務餃育とも重なり構成が決まる
手作業に込めた思いと感謝
撮影では、餃子を実際に焼いて食べる場面もありました。小野寺さんが焼いた餃子を食べた川村さんは、これまでの認識が変わったといいます。
やっぱり小野寺さんが焼いた餃子は本当に美味しかった。今まで間違ってたなというのに気づきました。
川村さんはその後、スーパーの安い餃子も小野寺さんの焼き方で焼いてみたところ、美味しく仕上がったと報告しました。
裏方の作業でも、ファーリンさんが習字やイラストを手書きで用意してきたことに川村さんは感動したといいます。当初はAIで作ったものを拡大コピーする案もありました。
拡大して分割で拡大するとセロハンテープの継ぎ目が出るじゃないですか。それをアップで撮ったときに光が映ってしまう。じゃあもう書くしかねえなと思って。
撮影後、壁に貼った習字の両面テープをみんなが健気に剥がしていた様子も、川村さんの心に残ったといいます。学校という設定を大切にした場面でした。
ファーリンさんはこの制作を、あとから思い出して励みになる仕事だったと語りました。
今回はイサミさんと小野寺さんのおかげで、不審な時に思い出したとき、あんないいものを作ったなと思い出しながら生きてよかったなと思っています。
MVは公開され、この曲はライブでバンドアレンジによる初の生演奏も披露されました。川村さんは代表曲になったと語ります。
MVに寄せられた作り手の思い
番組の最後に、小野寺さんはライブでこの曲が演奏される様子を見た感想を語りました。普段は音楽で泣くことがないという小野寺さんですが、この日は違ったといいます。
本当に目から熱い肉汁が流れ落ちましたね。焼き餃子協会のために、こんなに情熱、時間もかけて。
MV出演者が遠くから駆けつけ、監督が小道具を手作りし、多くの人が時間をこの曲につぎ込んでくれた。小野寺さんはその一つひとつに感謝を述べました。
この曲は、次回3月14日に八王子で行われるSPECIAO GYOZA BANDのライブでも披露される見込みだといいます。小野寺さんも会場に足を運ぶ予定です。
まとめ
SPECIAO GYOZA BANDの新曲「焼き餃子協会のテーマ〜義務餃育になる日まで〜」のMVは、甲冑やエキストラという条件を「義務餃育」というテーマで結び、手作業を積み重ねて完成しました。作り手の情熱が、焼き餃子文化を広めたいという協会の思いと重なった1曲です。
- MVで使われたのは調布市国領・餃子キングの餃子で、熱海高校の家庭科室で焼いて撮影された
- 「義務餃育」には、幼い頃から餃子を通じて社会・理科などを学んでほしいという小野寺さんの思いが込められている
- 甲冑を持つ小野寺さんとエキストラを「教育」でつなぐ発想が、映像全体の構成を決めた
- 餃子の星座や指揮の羽など、手のかかる合成や手書きの小道具が随所に施された
- この曲はライブでバンドアレンジの生演奏が披露され、次回3月14日の八王子ライブでも演奏される見込み

