今週のお取り寄せは鹿児島のエンパナーダ専門店
今回のお取り寄せ餃子コーナーで紹介されたのは、鹿児島市にあるエンパナーダ専門店「PARA TI(パラティ)」です。
エンパナーダは南米の揚げ餃子です。丸くて少し大きめ、スパイスが効いた餃子で、餡には肉や野菜のほか、豆、卵、チーズなどが入ります。
パラティは鹿児島餃子協議会の会員店です。鹿児島駅からバスで坂を登った住宅街のなかにあり、部活終わりの高校生が立ち寄るようなファーストフード店の雰囲気だと話されています。
オーナーはパラグアイ出身のディエゴさん。弁護士を目指して大学に通っていたところ、鹿児島の方と出会って移住し、異文化交流やインバウンド向けのサービスをしながらエンパナーダ専門店を開いたそうです。
店名の「パラティ」はスペイン語で「あなたのために」という意味です。今まで食べたことのない美味しさを届けたい、という思いが込められています。
お取り寄せでは、6種類のエンパナーダが入った「ディエゴさんオススメパック」があります。鹿児島県産の鶏肉と卵を使った「ポジョ」、ニンニクがアクセントの「パラグアイじゃ」、7種のスパイスとハーブを使った豆入りピリ辛「ピカムーチョ」などが含まれます。
オススメパックには生と火を通したものの2種類があります。生は油で揚げて、火を通したものはトースターで温めて食べる内容になっています。
焼き餃子は英語で何と言うのか
本題は「焼き餃子は英語で何て言うのか」です。この問いは、ポッドキャスト番組「アテクシの屍を超えてって」のコミュニティ内で出た質問がきっかけになっています。
諸説あるものの、結論としては焼き餃子は英語でもそのまま「Gyoza」と呼ぶのがポピュラーだと話されています。
焼き餃子はGyoza、これがポピュラーな呼び方でございます。寿司、ラーメン、天ぷら、Gyozaという感じですね。
いつからそうなったのかをインターネットで調べたところ、一番古い記事として出てきたのが2013年のイギリスの放送局BBCのウェブサイトでした。「Gyoza(Japanese dumplings)」という餃子のレシピ紹介ページです。
もう一つは、味の素がEUで餃子を作り始めたという、こちらも2013年のプレスリリースです。パッケージ写真にもしっかり「Gyoza」と書かれていました。
このことから、2013年ごろがGyozaという呼び方がポピュラーになるターニングポイントだったのではないか、と推測されています。ただし諸説あるとした上で、詳しい情報を持つ人に教えてほしいと呼びかけています。
Gyozaを補足する呼び方として「Japanese dumplings」もあります。ただしダンプリングはかなり広い意味を持つ言葉です。
ダンプリングは、小麦粉を練って何かを包んだ料理全般を指します。餃子はもちろん、団子も含まれるほど広い意味です。この後紹介される世界の餃子の兄弟たちも、すべてダンプリングにあたります。
もう一つの呼び方が「ポットスティッカー(pot sticker)」です。ポットは鍋、スティッカーはくっつく・貼り付くという意味で、鍋に貼り付けて焼く料理を指します。
この語源は中国語です。焼き餃子を意味する中国語「鍋貼(グオティエ)」は鍋に貼ると書き、それを直訳したものがポットスティッカーだと説明されています。主にチャイナタウンで焼き餃子を出す際に使われ、そこから他の場所でも使われるようになったそうです。
世界に広がる餃子の兄弟たち
ここからは世界の餃子の紹介です。「それも餃子なのか」と改めて感じられるかもしれません。
まず、焼き餃子のルーツでもある中国の餃子です。中国では呼び方がいくつかあります。水餃子はジャオズーと呼ばれ、これが餃子のルーツです。鍋に貼って焼くのがグオティエ、蒸しパンのような生地で具を包んだ中華まんはバオズー(包子)です。
日本の餃子はおかずとして食べられますが、中国の餃子は基本的に主食です。皮の厚さもしっかりあり、日本人の感覚ではうどんのように食べるイメージだと話されています。
東側の朝鮮半島に渡ると「マンドゥ」になります。日本でも「ワンマンドゥ」として売られています。小麦粉の皮に肉、野菜、春雨を包み、焼いたり蒸したりスープに入れたりします。味付けはしっかりめで、皮は厚めで少し大きめです。
中国から西へ、陸のシルクロードに沿ってモンゴルへ行くと「ボーズ」になります。蒸し餃子で、日本人になじみのある小籠包にあたるものです。餡には羊肉が使われることも多いそうです。
さらに西のロシア、ポーランド、ウクライナへ行くと、似た料理が並びます。ポーランドのピエロギ、ウクライナのヴァレーニキ、ロシアのペリメニです。
これらは小麦粉を練った生地にひき肉、ジャガイモ、チーズ、玉ねぎなどを包んだ料理で、基本は茹で料理です。ペリメニ以外は果物を入れてデザートにすることもあります。ペリメニやヴァレーニキはサワークリームをかけて食べ、寒い時期の保存食として作られてきました。
イタリアまで行くと、ラビオリやトルテリーニといった詰め物パスタになります。ラビオリは2枚のパスタ生地で挟んだもの、トルテリーニは正方形の生地で餡を三角に包んでくるっと折ったもので、別名「ビーナスのへそ」とも呼ばれるそうです。
具材はチーズ、ほうれん草、肉など。茹でてソースで食べます。イタリアには地域ごとにアノリーニ、アニョロッティ、カッペレッティ、カネロニなど、さまざまな詰め物パスタがあります。
中国からシルクロードを西へ、そしてアメリカ大陸へ
中国から西へ向かう流れには、アラビア地域を経由する道もあります。アラビアでは「サムーサ」「サンボーサ」と呼ばれる料理があり、三角形という意味だそうです。小麦粉を四角く作り、三角に折ってひだを作り、揚げる料理です。
これがインドに行くと「サモサ」という揚げ餃子になります。餡はスパイス入りのジャガイモ、豆、肉などで、基本的にイスラム圏で食べられ、イラクやイランなどで親しまれてきた料理です。
そこからスペインに行くと「エンパナーダ」へと進化します。中国からシルクロードを通り、イスラム圏に入り、インドやスペイン、イタリアへと広がっていったという流れです。
一方、ネパールやチベットには「モモ」があります。これは中国からダイレクトに伝わったのかもしれない、と話されています。蒸し料理で、アチャールという辛いタレをかけて食べます。具は鶏肉、ヤクの肉、野菜などです。
エンパナーダはもともとスペイン料理で、さまざまな具材をパン生地やパイ生地で包み、オーブンで焼いたり油で揚げたりします。名前は「パンで包む」という意味のスペイン語です。
16世紀、無敵艦隊で知られるスペインが世界中に植民地を広げた時期に、中南米へもスペイン人が渡りました。パラティのディエゴさんの出身地パラグアイでも愛されるようになり、それが鹿児島にやってきたことになります。
ブラジルではポルトガルの植民地だった歴史から「パステル」「パステウ」と呼ばれます。薄い生地に肉やチーズを包んで揚げる料理で、エンパナーダより細長い形をしています。ブラジルではストリートフードとして愛されています。
アフリカのチュニジアには「ブリック」があります。春巻きの皮のような薄い生地にジャガイモや半熟卵を包んで揚げる料理で、崩すととろっと卵が出てきます。東京では羊料理で人気の「ビストロ羊屋」で食べられると紹介されています。
餃子は輸出できなくても、焼き方は輸出できる
焼き餃子はもともと中国の餃子がルーツで、戦後に日本へ伝わり、日本で進化してきた料理だと言われています。
世界中に小麦粉で肉や野菜を包んだダンプリングの兄弟がありますが、その多くは揚げたり茹でたりで、焼くものは少ないのが特徴です。
日本から餃子を輸出する際、加工肉が入っているとヨーロッパなどへの輸出が難しく、一部の東南アジアぐらいしか出せない状況だと説明されています。
そこで小野寺さんは、海外にある餃子の親戚料理を日本風に焼いてみると、また違った美味しさが出るのではないかと語ります。
焼き餃子協会のホームページには日本語で餃子の焼き方が載っています。海外在住の人に、機会があれば現地で餃子の焼き方講座をやってみてほしいと呼びかけています。
ポッドキャストアワードの結果発表を前に
最後の「今日の一言本音」では、ポッドキャストアワードについて触れています。リスナー投票はすでに終わり、10月10日に結果発表を迎えます。
小野寺さん自身も結果はまったく知らず、どのように発表されるのかも分からないと話し、公式のXアカウントをフォローしていると語っています。
大賞受賞者には副賞として餃子を送ると以前から告知されています。送られるのは、焼き餃子協会の個人会員から選りすぐった3社です。
餃子の浜田さん
まる子さん
もう1社は大分の「こはる餃子さん」です。3社の餃子を送るとされ、受賞した際は連絡を待っていると呼びかけています。
まとめ
素朴な疑問から始まった今回は、餃子の英語表現をたどりながら、世界各地に広がるダンプリングの兄弟たちを紹介する回になりました。中国を起点に東西へ広がり、各地で独自に進化してきた食文化の流れが見えてきます。
- 焼き餃子は英語でGyozaと呼ぶのがポピュラーで、2013年ごろがターニングポイントと推測されている。
- Gyozaは「Japanese dumplings」「pot sticker(鍋貼の直訳)」とも呼ばれる。
- マンドゥ、ボーズ、サモサ、モモ、ピエロギ、ラビオリ、エンパナーダなど、世界中に餃子の兄弟が存在する。
- 日本から加工肉入りの餃子輸出は難しいが、「餃子の焼き方」は輸出できるという発想が語られた。
- ポッドキャストアワードは10月10日に結果発表で、大賞受賞者には選りすぐりの3社の餃子が贈られる。

