メキシコの唐辛子フルーツと、島暮らしの珍しい食材
冒頭はリスナーからのコメント返し。前回は面白い漫画を紹介する回だったこともあり、いっ平さんからは料理にまつわる体験談が寄せられました。
メキシコシティの露店では、カットフルーツに唐辛子の粉をかけ、ライムを絞ってくれるのだそうです。辛いのが苦手な投稿者でも、これは辛くなくておすすめだといいます。
唐辛子辛くないって、辛いよね、海外のね。ちょっと食べただけでウワーってなるぐらい。
マンゴーやパイナップルと相性がよく、フルーツと中和されて美味しいとのこと。幸あれこは「よくこれ合わせようとしたよね」と、その組み合わせの発想に驚いていました。
話は収録スタジオのある瀬戸内の島の食材へ。島のスーパーではオコゼが普通に売られていて、幸あれこは移住して初めて見たと話します。
島に来て初めて見たもん。そんな魚いるんだと思って。
揚げる以外の食べ方が思いつかないオコゼを島の人が買っていく様子や、骨取り加工がされていない魚が並ぶ島のスーパーに、しゅうへいも幸あれこも「島の文化はすごい」と感心します。
幸あれこは、島の人からイノシシをもらったものの、下処理の仕方がわからず冷凍庫に入ったままだとも打ち明けました。
イノシシの心臓なんて。僕が紹介した漫画とかで出てきそうなやつだね。
島には24歳で自分で獲物を獲り、船で釣りにも行き、エアコンも自分で設置する猟師がいるそうです。しゅうへいは「生き方の師匠だね」とその自給自足ぶりを称えていました。
高校時代、3人はどんな青春を送っていたか
続いてのコメントは、漫画『ブルージャイアント』を取り上げた回への感想。投稿者は高校の頃、田んぼの真ん中で詩吟の練習をしていた経験から、主人公の大に共感したといいます。
これをきっかけに、幸あれこは3人に「高校生の頃、夢中になっていたことは何か」と問いかけました。
しゅうへいは吹奏楽部で、勉強よりも音楽漬けの日々。朝は5時台に学校へ行き、鍵の担当だったこともあると振り返ります。
鍵の人が遅れるとみんな入れなくて困るから、一番最初に行かなきゃいけないみたいな感じでやってた記憶がありますね。
一方でイケハヤは、ソフトテニス部の3人で「メイベル」というバンドを組み、ライブハウスを借りて演奏していたと語ります。ギターのFコードが弾けず練習したエピソードも。
ソフトテニス部の3人でメイベルっていうバンド。CDとかに焼いたりとかして。
さらにサッカーチームまで作っていたというイケハヤに、幸あれこは「幅広かった」と笑います。本人は「あれこれやって何してたのかよく覚えてない」とのことでした。
対照的に、幸あれこ自身の高校時代はひたすら勉強一色だったといいます。通学に使う駅の下にどんな店があるかも知らないほど、遊ばなかったそうです。
高校と家の往復を過ぎて、ちょっとも遊ばなかったから、その駅の下にどんなお店があるかも全く知らない人間で。
努力型だったからこその猛勉強だったと明かす幸あれこ。だからこそ、リスナーの高校生には「ちょっとは遊んでほしい」と、実感のこもったメッセージを送っていました。
収録しきれなかった、本当に怖いホラー漫画
コメント返しを終え、話題は今回のテーマ「怖い本」で紹介しきれなかったホラー漫画へ。犯罪系や熊の話が中心だった本編に対し、しゅうへいはもっとホラー漫画を紹介したかったと語ります。
まず挙げたのは『光が死んだ夏』。しゅうへいの推薦は「怖くていいですよ」という独特な言い回しで、幸あれこは「あんま聞かないレコメンド」と反応しました。
普通に結構怖くてちゃんと怖い。ちゃんと怖くていいですし。
イケハヤが好きだという『彼岸島』については、しゅうへいは「あれはギャグ漫画」と分類。ホラーには、ギャグ寄りのものと、ガチで怖いものがあると整理します。
そのうえでしゅうへいが最も熱く推したのが『青野くんに触りたいから死にたい』。恋愛とホラーが混ざったラブストーリーで、直近読んだ中で一番良かった作品だといいます。
漫画好きな人は読んでほしい。こんな漫画はもう見たことないってくらいすごい。圧巻。
その怖さは霊的というより、嫌な夢を見るような、ねっとりとした心理的な怖さ。描写もコマ割りも見事で、芸術として圧巻だと、しゅうへいは完成度の高さを絶賛しました。
一方、怖いものが苦手な幸あれこは、ホラーを楽しめる人の心理そのものに関心を寄せます。「嫌な感情になるのに、それを見るのが好きな心理を知りたい」と率直な疑問を投げかけました。
楽しめる人が羨ましいし、その人の気持ちを知りたいっていつも思ってます。どうやって楽しめてるんだろう。
イケハヤは「怖いホラーを見ながら単語を覚えたら一発で覚えられるのでは」と提案しますが、幸あれこは「その単語も怖いものと連想して結びついてしまう」と返し、忘れっぽいのに怖い記憶だけは残ると嘆いていました。
本を書くと起きる怪異と、崇徳天皇にまつわる歴史
話は、本編でしゅうへいが紹介した『怨霊になった天皇』の裏話へ。イケハヤによれば、著者がこの本を書き始めた際、パソコンが3台いきなり壊れるという出来事があったといいます。
3台いきなり壊れるっていう。怖いよね。
天皇の歴史、とりわけ裏側を書くのは難しく、お参りの際に原稿を持っていると異変が起きたという話も。天皇にまつわる本は、その扱いの難しさ自体が独特だとイケハヤは語ります。
この本には崇徳天皇だけでなく、鬼や天狗になったとされる人々の話も収められています。イケハヤが強調したのは、怨霊も結局は生きた人間から生まれるという点でした。
日本ではそうした怨霊を鎮魂し、むしろ味方につけようとする文化があるとイケハヤは指摘します。自分たちが生んだ存在を味方に変えるという発想が、日本独特だと考察していました。
さらに話は三種の神器へと広がります。壇ノ浦の戦いで幼い天皇が海に沈んだ際、草薙剣も海に沈んで失われ、その後の天皇家は政治する力を失ったという流れを、イケハヤが語ります。
草薙剣はもともと海や龍宮の神のものだったという神話と、ヤマトタケルが大蛇を斬った出雲の逸話、そして崇徳天皇の呪いや平清盛が、一本の線でつながっていく。イケハヤはそこに面白さを見出します。
今までの日本史が違う観点から見えてくるというか、神話とか古事記と日本史の共通点みたいなとこが見えてくる。
正統な歴史を書いた著者による考察だからこそ説得力があり、天皇にまつわるジャーナリズムとしても読めるとイケハヤは評価。地理や地学、地震とのつながりにも話が及びました。
そんなイケハヤの語りに、しゅうへいは驚きを隠しません。番組を始めた頃には絶対に紹介しなさそうな本だと、その変化を面白がります。
今までだと絶対紹介しなそうな本なのに、そんな周平氏の口からそんなのが出てくるとは思わなんだ。
番組も間もなく2年。天皇と怨霊の本を紹介できるようになったイケハヤの成長を、しゅうへいと幸あれこは「勝手に成長を実感してしまう」と温かく見守っていました。
怖い夢は楽しいのか、それとも恐怖なのか
怨霊の話の流れで、イケハヤは本を読んで以来、良くない夢や金縛りにあうようになったと打ち明けます。金縛りにあっているのか、あっている夢を見ているのかわからなくなるほどだといいます。
ここで、ホラー好きのしゅうへいと、怖いものが苦手な幸あれこの感覚の違いが際立ちます。しゅうへいは怖い夢を「楽しい」と言い切りました。
自分が読んだ世界にそのまま没入することあるよね。
夢の中では現実だと思い込み、起きた瞬間に気づく。すごく怖い世界に入ってもそれを覚えていられるから楽しいと、しゅうへいはホラー好きらしい感覚を語ります。
一方、幸あれこにはまた別の怖さがあるようです。忙しいときにうなされ、起きた瞬間にパートナーへ向かって怒り出すのだと、イケハヤが明かします。
周ちゃん、私が追いかけられてる時に無視したやろ。夢の中で僕が助けなかった。
夢の中で味方をしてくれず、一人で逃げてしまうことがあるという幸あれこ。しゅうへいは「そっちの方が怖いわ」と、現実に持ち込まれる恨みにたじろいでいました。
言いやすい会社名ほど投資される、という無意識の話
最後に幸あれこが紹介したのは、本編で扱った無意識の科学に関する本から、紹介しきれなかった一つの話題。それは「言いやすい名前の会社ほど好まれやすい」という研究です。
会社名や銘柄コードの発音のしやすさが、投資判断にまで影響しうるというのです。中身ではなく、言いやすいかどうかで評価されているのかもしれない、と幸あれこは驚いたと話します。
そこで幸あれこは、しゅうへいとイケハヤに「まっさらな気持ちで」2つの社名のどちらに投資したいかを尋ねます。1つは「ミラノア株式会社」、もう1つは発音しにくい長い名前の会社でした。
発音のしやすさで比べると、やはりすっきりした社名のほうが好印象になる。この結果を、幸あれこは「これが私たちの偏った脳」と表現しました。
思い出しやすいし、呼びやすいのは大事だよね。絶対ね。
話は、フリーランスがサービス名や会社名をつけるときの実感へ。中二病的な長い名前や必殺技のような名前をつけがちだが、呼びやすさ・思い出しやすさを優先すべきだとイケハヤは指摘します。
しゅうへい自身の会社名は「合同会社日本の田舎は資本主義のフロンティア」という長いもので、入力しようとすると途中で止まってしまうと笑います。
大体入力が止まる。フロあたりで止まっちゃう。そっちの方がおもろいかなと思って。
イケハヤが手がける「村上海賊」も、あえて漢字にせずひらがなにしたのは、わかりやすさと発音のしやすさを意識した結果だといいます。名づけの際のヒントになりそうな話です。
次回のテーマと、コメントのお願い
無意識のバイアスは他にも、DiscordやインスタのIDの読みやすさなど、身近なところに潜んでいます。読みやすい名前のほうが良いという実感を、3人は共有していました。
番組の最後には次回のテーマが発表されました。決まったのは「やりたいことが見つかる本」。
こんだけ面白いAIが出てるのに、やりたいことが見つからなくて、何やったらいいかわかんないとか眠たいこと言ってる人が多いから。
怖い本回で少しテンションが揺らいだ幸あれこも、次回は怖くないテーマにひと安心。今回はホラーを楽しめる自分になれたら、と自分自身と向き合う回にもなったようです。
番組ではハッシュタグ「#本つま」で、コメントや感想を募集しています。四字熟語ひとつでもいいので、気軽に送ってほしいと呼びかけて、この回は締めくくられました。
まとめ
怖い本特集の楽屋トークは、コメント返しから始まり、ホラー漫画の楽しみ方、崇徳天皇にまつわる歴史、無意識のバイアスまで、脱線しながらも読書好き3人の個性がにじむ回になりました。
- 『青野くんに触りたいから死にたい』は、恋愛とホラーが混ざった、心理的にねっとりと怖い完成度の高い漫画としてしゅうへいが絶賛した
- 『怨霊になった天皇』は、怨霊も生きた人間から生まれるという視点で、神話と日本史のつながりを描く一冊
- 怖い夢を「楽しい」と没入して味わうしゅうへいと、記憶に残ってしまい苦手な幸あれこの対比が印象的だった
- 会社名や銘柄コードの発音のしやすさが投資判断に影響するという、無意識のバイアスの研究が話題に
- 次回のテーマは「やりたいことが見つかる本」







