なぜ「地球から来ました」では雑すぎるのか
この回のテーマは「あなたが知らない宇宙の話」。幸あれこさんが宇宙人役になり、「どこから来ましたか」「1日は何時間ですか」とイケハヤさんに問いかけるところから始まります。
そこにちょっと答えを書いたんだけど、地球から来ました。
地球、知りませんってなるんですよ。もう宇宙人からしたら「地球って何?」ってなるんですね。
紹介するのは高水裕一さんの『宇宙人と出会う前に読む本』。サブタイトルは「全宇宙で共通の教養を身につけよう」で、宇宙人との会話を想定しながら宇宙を学べる科学入門書だと紹介されています。
本の説明では、宇宙人に自分の位置を伝えるには、地球ではなく太陽の位置情報が基本になるといいます。地球は遠くから見れば小さいですが、太陽は自ら輝く恒星なので目印になりやすいからです。
ただし星座も一筋縄ではいきません。地球から見た星座は平面的に見えているだけで、実際には星同士の距離はバラバラだと説明されています。
つまり、地球ではしし座に見える並びも、別の惑星からは全く違う形に見えるかもしれない、ということです。私たちの「当たり前の住所」は、宇宙規模ではかなり不親切な情報になってしまうわけです。
宇宙人に自己紹介するなら、体を座標軸にしてみる
番組では、実際に宇宙人と出会った場面を想定した「シミュレーション」を繰り返します。「どこから来ましたか」への答え方に、イケハヤさんはこう返します。
でも会ってるってことは、あなた地球わかってここに来てるんで、地球ですよね。
めんどくさいです。それだと本当に宇宙戦争が起こっちゃうから、やめた方がいい。
そこで幸あれこさんが提案するのが、自分の体を銀河に見立てる方法です。両手を銀河の端、頭を太陽に見立てて「私は顎らへんです」と説明する、というものです。
ここでのポイントは正確さではありません。地球から来ましたと雑に答えると不誠実だと思われかねないので、体を使って誠実に説明する姿勢が大事だ、というのが伝えたい点です。
「あなたは何でできていますか」に答えられるか
宇宙人が次に聞いてくるのは「あなたは何でできていますか」。しゅうへいさんとイケハヤさんは、それぞれ科学的に答えます。
難しいですね。原子の集合とか。ちっちゃい粒が集まってできてます。
主に炭素。
本によれば、地球の人間なら酸素・炭素・水素・窒素などを答えられれば十分だとされています。つまり「私は炭素系の生命体です」と言えるわけです。
ここで登場するのが理科室でおなじみの周期表です。本では、周期表は宇宙共通の共用言語のようなものだと紹介されています。
水素は宇宙でも水素、炭素は宇宙でも炭素。呼び方は惑星ごとに違っても、原子番号や性質は共通しているからです。言葉が通じなくても、元素の話なら宇宙人と通じるというわけです。
さらに本では、炭素の代わりにケイ素を土台にした生命の可能性にも触れられています。宇宙のどこかには炭素系ではなく「ケイ素系」の生命がいるかもしれない、という話です。
この点について、しゅうへいさんは慎重な見方も示しています。
多分、そんなに結びついて生命を構築できるだけの元素って、ベースで言うとそんなになさそうな感じが。
素材が違っても仲良くしよう、という締めくくりも印象的でした。幸あれこさんはこれを「素材ダイバーシティ」と表現しています。
太陽が2つあったら、明日はいつ来るのか
最後のポイントは太陽の数です。私たちは太陽は1つが当たり前だと思っていますが、本ではそうとは限らないと語られます。
本によれば、宇宙では星の半分以上が連星、つまり2つ以上の星がセットになっているといいます。太陽が1つだけの世界は、思うほど普通ではないというわけです。
もし太陽が2つあったら暮らしはどうなるのか。幸あれこさんは、夜が来ても別の太陽が出て生活リズムが崩れる、と生活者目線で想像します。
一つの太陽が沈んで「グッドナイト」と思ったら、また2つ目の太陽が出てきて、生活リズムがぐちゃぐちゃ、自律神経もぐちゃぐちゃになる可能性が。
一方でイケハヤさんとしゅうへいさんは、より根本的な問題を指摘します。
暑すぎて住めないんじゃないですか、多分。ずっと昼が続くってことは、ずっと熱せられるわけですから。
話はカレンダーにも及びます。太陽が2つ、月が複数あれば、曜日や暦の感覚も今のようにはならないだろう、と展開していきます。
結論として、1日やカレンダーも宇宙共通ではなく、地球という小さな惑星に合わせたローカルなルールでしかないとまとめられます。
悩みがちっぽけに思える「究極のメタ認知」
寸劇を経て、幸あれこさんは宇宙目線で考える意味に話をつなげます。地球で抱えている悩みや当たり前が、いかにちっぽけかを実感したといいます。
みんな元素の組み合わせでできていると考えると、対立も滑稽に見えてくる、という視点です。
俯瞰で見たら、みんな炭素じゃんみたいに思うと、なんか滑稽に見えてくる。Xの喧嘩とかも、みんな炭素なんじゃんって。
イケハヤさんは、これを過去のエピソードとも重ねて受け止めます。宇宙で考えれば人間はカスのような存在で、その悩みは気にしなくていい、という話が本つまでも出ていたと振り返ります。
番組の締めでは、宇宙人と出会ったときに自分を誠実に説明できるよう準備しておこう、と呼びかけられます。正確さよりも、どれだけ誠実に向き合えるかが大事だという点が繰り返されました。
まとめ
高水裕一さんの『宇宙人と出会う前に読む本』を入り口に、住所・体の材料・太陽の数という3つの切り口から、地球の当たり前を宇宙目線で問い直した回でした。寸劇を通して、科学の話が身近な笑いと気づきに変わっていきます。
- 宇宙人に位置を伝えるなら、地球ではなく太陽や銀河内の座標が基本になる
- 周期表は宇宙共通の言語のようなもので、元素の話なら言葉が通じなくても通じ合える
- 1日やカレンダーは地球というローカルな惑星に合わせたルールにすぎない
- みんな元素の組み合わせという「究極のメタ認知」で見れば、地球の悩みはちっぽけに思える
- 正確さより、宇宙人にも誠実に向き合う姿勢が大切だと繰り返し語られた






