指先には、その人が正直に出る
番組の冒頭で、舩木いつかさんはネイルへの見方をこう切り出します。装飾だと思われがちだけれど、その人の考え方や今の状態が正直に出る場所だと日々感じている、と話します。
舩木さんは広島でネイルサロンitsuka KIT DESIGNを運営しながら、お客様と指先を通した対話を重ねています。
デザインを決める時間は、「最近どうですか」「今どんな気分ですか」という会話から始まることが多いそうです。仕事や家族のこと、うまく言葉にできない気持ちが、その会話に混ざってきます。
この番組は、そんな日常の対話を少しだけ外に開いた場所だと位置づけられています。正解を教えるのではなく、誰かの話を聞きながら自分のことを考えてみる時間になれば、という思いが語られました。
店頭でたまたま目に留まった、最初の出会い
第2回のゲストは、オープン当初から通うちかこさんです。舩木さんが初めて来た時のことを尋ねると、ちかこさんははっきり覚えていると答えます。
一番最初に伺ったのは、多分オープンしてすぐぐらいのタイミングだったと思うんですけど、たまたまお店の前を通りかかって
店頭に置いてある商品が目に留まったんですよね。それを見てた時に声をかけてもらったのが一番最初の出会いだったと思います
お店のことは当時まったく知らず、買い物の帰りに通りかかって偶然見つけたのだと振り返ります。2017年に商業施設レクトがオープンした、その早いタイミングでした。
目に留まったのは、店頭に置かれたセルフジェルネイルの道具でした。見たことのある商品がここにあると気づいて、立ち止まってずっと眺めていたそうです。
その日に使い方を教わり、これなら自分でもできるかもと思って、商品を買って帰ったといいます。舩木さんは、この日から関係が始まったと感じています。
自分でやる限界と、通い始めた理由
ちかこさんはもともとジェルネイルに興味がありながら、欲しいと思えるものに出会えずにいました。店頭の商品はまさに気になっていたもので、自分でも始められると感じたのが購入の決め手でした。
しかし、セルフでの施術には壁があったと語ります。
最初は自分でやってたんですけど、やっぱり自分でやるには限界があって
一生懸命やるんだけど、やってもらうほど綺麗にもならなかったり、剥がれてしまったり、時間がかかったりっていうのもあって
人にやってもらうことでしか得られない仕上がりの綺麗さがあると感じ、お願いしようと決めて通い始めたそうです。
実は若い頃にサロンへ通った経験もありましたが、最初のサロンが自分に合わず、途中でやめてしまったといいます。やりたい気持ちはあってもサロンが見つからず、そこでセルフキットにたどり着いたのが流れでした。
舩木さんと出会ったのは、ちょうどまた始めたいと思っていたタイミング。今もセルフジェルはフットに使いながら、手のジェルネイルは3週間に一回ほどのペースで通い続けています。オープン当初から数えて、9年目になります。
なぜネイルは「ご褒美の時間」になるのか
舩木さんが、お店をどんなふうに感じて通っているのか尋ねると、ちかこさんは月に一回の通いを「ご褒美の時間」と表現しました。指先を綺麗に整えてもらうことが、自分のテンションを上げるのにとても良いのだといいます。
ここでちかこさんは、服やメイクとネイルの違いに触れます。
自分からは見えず、人から見てもらうためのもの
自分の視界に常に入り、自分自身を励ますもの
何かあった時に指先が見えると、頑張ろう、今日は自信が持てるかもという気持ちに切り替わる。そんな力があると話します。
サロンからサロンまでの一ヶ月も、どんなネイルにしようか考える楽しみがあり、日々の生活の支えになっているそうです。
日々生活する中で何かあればすぐ指先を見て、大丈夫、頑張れるみたいな気持ちに切り替えてくれるから
舩木さんは、施術中は最近の状況を話すことが多く、こうした思いを改めて聞く機会は少なかったと振り返ります。ネイルにそんな力があるのだと、今あらためて感じたと話しました。
ちかこさんは、色が乗っているだけで気持ちが変わること、人に触れてもらう施術そのものが癒しの時間になっていることも付け加えました。
ネイルから広がった、友達と旅の関係
舩木さんが「もっとこうしたらいい」というダメ出しはないかと尋ねると、ちかこさんは特にないと即答します。むしろ、友達を紹介した話が続きました。
友達もすごく気に入ってくれてて。自分の手の色に合う色を提案してもらったって言ってすごく喜んでて
紹介した友達は施術を一週間前から楽しみにしていたといい、綺麗な色を見るだけで嬉しいと話しているそうです。歳も感覚も近い友達との間で、ネイルが共通の楽しみになっています。
舩木さんは、この9年の付き合いの中で一緒に旅行やお茶、夜ご飯に行くようになったことに触れ、友達とはまた違う、ネイルから生まれた不思議な関係だと語ります。
私の中でもなんか一番誘いやすい、誘っていいのかわからないけど、っていう関係にまでなってるちかこさんと
対談の最後に、舩木さんはこの時間を通して感じたことを言葉にしました。
忙しい日々の中でも、一度自分の指先を眺めてみてほしい。そんな呼びかけで、第2回は締めくくられました。
まとめ
偶然店頭で目に留まったセルフジェルの道具から始まり、9年間通い続けるちかこさん。ネイルは「自分の視界に入るからこそ元気が出る」ご褒美の時間であり、やがて友達や旅までつながる関係へと広がっていきました。
- ちかこさんとの出会いは、買い物帰りに偶然通りかかった店頭のセルフジェルネイルの道具だった
- セルフでの施術には仕上がりや持ちの限界があり、人にやってもらう綺麗さを求めて通い始めた
- 服やメイクと違い、ネイルは自分の視界に常に入るため、見るたびに元気や自信を取り戻せる
- ネイルは色や施術そのものが癒しになり、友達の紹介や一緒の旅行にまで関係が広がっていった







