緊縛のコントロールは「どの指を使うか」で決まる?
たかせ秦之助さんは、東京・新宿で緊縛教室「縛楽式」を運営する縛師 ── 緊縛を専門の技術として扱い、仕事にしている人の呼び名。縛り手として実演や指導を行いますです。この番組では、教室で教えている内容をもとに、緊縛の考え方やコツを解説しています。
たかせさんは冒頭で、緊縛は一般にアダルトなイメージが強いものの、あくまで表現やコミュニケーションの手段だと説明します。この配信も汎用的な技術の解説で、アダルトな内容は含まないと断っています。
今回のテーマは指遣いです。緊縛では縄を手、とくに指先で扱います。親指、人差し指、中指、薬指、小指が左右にあり、その時々でどの指を使うのかを細かく理解することが大切だといいます。
どの指を使うのかっていうものをより解像度高く理解していくと、緊縛のコントロールですね。テンションコントロールとか縄の運びの精度が格段に上がります。
たかせさんによれば、指遣いの解像度は、縄の張り具合を調整するテンションコントロールや、縄の運びの正確さに直結します。
指を1本ずつ独立させるのは、なぜ難しいのか
たかせさんは、指先を1本ずつ独立して扱うことは意外と難しく、この点は勘違いされがちだと指摘します。
(指を独立して使うのは)楽器だったりとか、指先を細かく使うようなジャンルの趣味なり、お仕事をされてる方以外は、ほとんどの人がまずいきなりできないですね。
そのため、指遣いにはトレーニングが必要だといいます。たかせさんの見立てでは、縄のコントロールや運びの精度が甘い人は、指の使い方をなんとなく済ませていることが多いそうです。
本来は、この場面では人差し指をこう使い、中指や薬指はこう使う、というように指を使い分けます。さらに、それを左右の手でうまく組み合わせていくことになります。
たかせさんは、これを身体操作の解像度の問題として捉えています。身体操作というと、腕や足、体幹をどう使うかといった大きな括りで考える人が多いといいます。しかし精度の高い身体操作では、どの指をどう使うか、さらに突き詰めればどこの筋肉を使うかまで踏み込んでいくそうです。
大きな括り
腕、足、体幹をどう使うか。多くの人が身体操作と聞いて思い浮かべるレベル
指遣い
どの指をどう使うか。トレーニング次第で一般の人もある程度理解できる入り口
筋肉
どこの筋肉を使うか。突き詰めた先にある、次元の違うレベル
たかせさんは、筋肉のレベルになると話の次元が変わってしまうため、まずは入り口として指遣いに注目するよう勧めています。
たとえば結びを1つ作る場面でも、左手のどの指と右手のどの指をどう使うかを意識して、緻密にコントロールできるようになると、緊縛の仕上がりが格段に変わるといいます。
教室で指まで指定しても、なぜ多くの人はできないのか
たかせさんは緊縛教室でも、「この時はここの指を使ってください」「この指をこういうふうに置いてください」というレベルで指導しています。
だいたいできないですね。その通りにできる人はほとんどいないですし、その場ではある程度繰り返しやってできるようになったとしても、やっぱり数日経つとまたできなくなってしまうぐらい意外と難しい。
たかせさんによれば、話を聞くだけなら「それくらいできるだろう」と思う人も多いそうです。しかし、指遣いは実際にはそれほど簡単なものではないといいます。
そのため、最初から指遣いを鍛える前提でトレーニングを積むのが望ましいと、たかせさんは話します。ある程度縛れるようになった人でも、このレベルまでは身についていないことが多いそうです。
たかせさんは、縄を自分の体の延長として捉えています。そのうえで、指遣いまで意識して、より精度高く緊縛を実践するよう聴き手に呼びかけ、この回を締めくくっています。
まとめ
たかせ秦之助さんは、緊縛の精度を上げる鍵として、左右の指を1本ずつ使い分ける身体操作を挙げています。指遣いは聞くと簡単そうに思えますが、多くの人がすぐにはできず、意識的なトレーニングが必要な技術だと語られています。
- どの場面でどの指を使うかを細かく理解すると、テンションコントロールや縄の運びの精度が大きく上がる
- 指を1本ずつ独立して扱うのは難しく、楽器などの経験がない人はほとんどすぐにはできない
- 身体操作は、腕や体幹といった大きな括りだけでなく、指や筋肉のレベルまで解像度を上げられる
- 教室で指を指定しても、その場でできた動きが数日後にはできなくなることがあるため、継続したトレーニングが欠かせない

