けんすうの「入り」が毎回下手
冒頭は、番組の入り方をめぐる二人のやり取りから始まります。
こんにちは。まだないです。
はい、樋口です。
けんすうです。いや、どうですか。
下手やな。めちゃくちゃ下手やな、びっくりした。全然うまくなんないですね。
だってそういう仕事じゃないですもん。一番嫌かも、入り。
「いえー、なんとかです」みたいな、タレントでもないのにやるのも嫌だし。「コテンラジオ」みたいな、ちょっと伸ばして大きな声で言うみたいな、ああいうのよくできますね。
もうなんか決まってることやってるだけなんで簡単ですよ。
番組が作るか、リスナーが作るか
樋口さんが今日のテーマを切り出します。ポッドキャスト番組のLINEスタンプについてです。
今日話したいテーマがあって。あのポッドキャスト番組におけるLINEスタンプです。
結構LINEスタンプがある番組多いと思うんす。例えばコテンラジオもありますし、ゆる言語学ラジオとかもありますし、多分皆さん結構あると思うんですけども。
ちなみにけんすうさん、結構LINEスタンプ作ってますよね、今まで。
作ってないです。
なんかそのロケスタくんっていうけんすうさんのキャラがあるじゃないですか。あれのLINEスタンプとか。
(ロケスタくんのスタンプは)みんな勝手に作って勝手に金稼いでますね。
あれ誰が作ってんすか?
わかんないです。一応作っていいよって言っていて。皆さん自分でイラスト描く方もいらっしゃいますし、AIで描く人もいて、それで稼いだお金は別に全部持ってっていいよみたいな感じにしてますね。
あの、だいぶ特殊っすよね、それはね。
比較的特殊ではあるが、逆に言うと、ポッドキャストやってる人とかは、自分で作るのは大変だし手間暇かけたくないけど欲しい、お金も別にそんなにいらないみたいなケースあると思うので。
ポッドキャスト番組ぐらいだったらやってもいいやり方だとは思ってますね。
大きく二つ、番組の公式LINEスタンプを番組側が作るのか、リスナー側が作るのかで、まず大きく違うと思ってんですよね。
番組が作るなら「可愛くて広まるやつ」
まず、番組側がデザイナーに発注して作るパターンについて話が進みます。
番組側で作る側、スタッフの人とかポッドキャスター側がデザイナーさんにお願いして作ってもらうみたいなパターンですよね。
どういうものがいいのかでいうと、一般論的にはおそらく汎用的なもの。おはようとか了解とかいいねとか、日常的によく使えるやつ。
誰でも使えるような可愛いものだったりクオリティが高いものをプロに発注して作ってもらう。これをいろんなところで使ってもらって広げてもらうみたいなのが、一個手法としてありますよね。
「このLINEスタンプ可愛いね」って全然知らない人が使って、「あ、これってポッドキャストのLINEスタンプだったんだ」みたいなものを後々知るとかも見込めるなと。
でもあんまなくないっすか?(スタンプが)可愛くて、「あ、ポッドキャストなんだ、聞こう」みたいなの。
「聞こう」はないかもしれないですね。ただなんか「あ、これ何?」みたいな、そこで一個の会話になるとかはあるような気がしてて。
例えばうちでいうと息子がスタンプ作ったんですよ。本当に手書きの鉛筆で書いたやつで。それを僕がスキャンしてLINEスタンプにしたんですけど。
うちの息子そろばん習ってて、そろばんの先生に毎朝そろばんの宿題を写真で送るっていうのをやってるんですけど、そこで自分のスタンプをポポポって送ってたんですよね。
説明なしに。そしたら「可愛いね」って言われて、めっちゃ喜んで。先生にプレゼントしたら「いろんなとこで使うね」って言ってくれて使ってくれてるんですけど。
あーなるほどなぁ。可愛いスタンプだったらあり得ますね、確かに。
リスナーが作るなら「内輪ネタとミーム」
もう一つの方向、リスナーが作るスタンプについて話が移ります。
もう一個が、ファンが作る、リスナーが作るみたいなやつですよね。こっちは汎用的なものよりも、どっちかっていうと内輪ネタとかミームとか、なんかそっちかなと思ってるんですよね。
ありますね。なんかポッドキャストのスタンプって、もうほぼ聞いてる人にしか伝わらないだろうっていうのがあり。
なので身内にすごい寄せた方がいいのではっていう感覚があるから、リスナーさんが作ってもいいのかなっていうのはありますね。
これに関してはもう、デザイン力ですよね。単純にイラストとしてのデザイン力とか、そういうクオリティは別に求められないですよね。
どっちかっていうと、これリスナーの○○さんが作りましたみたいな、そっちの文脈とかバックボーンの方が多分大事になってくるというか。
大事なのは、この一回しか出てこなかった何十何回の中でパーソナリティがポロッと言ったこのセリフみたいなのが入ってるとかが結構大事ですよね。
あとやっぱりコミュニティが今LINEオープンチャットとかで結構あるから、その中で使うっていうのも抜群に相性がいいですよね。
リスナーに作らせる意味と、WEB3的な考え方
けんすうさんは、リスナーがスタンプを作ることを、経済圏やコミュニティのあり方から捉え直します。
なんか個人的にWEB3的な考え方が好きで。情報発信してるポッドキャスター側だけが儲かっていくみたいな世界って、もうあんまり受け入れられないだろうなっていうのがあるんですよ。
例えばひろゆきさんが切り抜きを解放して収益シェアしてるって、非常に彼らしいというか、コミュニティの動かし方としてうまいなと思っていて。
これからある程度の経済インセンティブがあった上でコミュニティに参加するのが良いっていうのがあると思うんですね。
今やっぱり推し活ブームとかでプロの消費者にさせる方向があまりに多いと思ってて。要は消費した方が偉いみたいなメッセージになっちゃってると思うんですよ。
推し活でもたくさんバッジ持ってるとか、ライブ全部行ってる人が偉いっていう風になってて。良くないわけではないけれども、なんかそんなにときめきがなくて。
一緒にコミュニティのメンバーとして活動し、それによって経済的インセンティブもあるみたいな方が全員のクリエイティビティが上がるのではないかと。その意味でポッドキャスターはユーザーにスタンプを作らせるっていうのはいいんじゃないかなと。
これまたこれだけで一個のテーマですね。でかい。実は僕、『ギチの完全人間ランド』っていう番組はバリバリにそれをやろうとしてて。
最初はお金を払ってくれるのがリスナーの方、例えばギチのグッズを作って売るっていうのはそうなるんですけど、今ギチカンってBASEショップに商品出してくれてるのってリスナーなんで。
だからリスナーがリスナーに商品売るっていうのがステップ2として出てきてるんですよ。最初はパーソナリティや番組側がリスナーに売る、これがステップ1。
次が一部のリスナーがその他のリスナーに売るのがステップ2。次のステップ3で計画してるのが、もうリスナーが全然番組関係ないところに売っていくっていう。
僕はこれは外貨を稼ぐって言い方をしてるんですけど。『ギチの完全人間ランド』という国の中だけで経済圏を回してるのを、外から外貨稼いで俺らの経済圏を豊かにしていこうやっていう。
イメージ、ギチの人参みたいな野菜を作って、人参食べたい人はギチを知らなくても買うみたいなことが行われるっていうことですね。
まさに。だから今そのIPをギチからちょっと離したものを作ろうとしてるんですけど。
「ようこそ」を1文字ずつ、スタンプで自己表現
樋口さんが、LINEオープンチャットで実際に起きているスタンプの使われ方を紹介します。
LINEオープンチャットで、新しい人がポンって入ってきたら、○○さんが入ってきましたって出るじゃないですか。僕らのスタンプでいうと、ようこその「よ」「う」「こ」「そ」って一つずつひらがなのスタンプがあったりするわけですよ。
誰か見つけた人が最初に「よ」をポンって押すんですよね。そしたら二番目の人は「あ、次だ」と思って「う」をポンと押して、次の人が「こ」を押してみたいな感じで「ようこそ」を作るみたいなノリがあって。
それがタイミング被って「よ」「う」「う」とかになったら「あ、失敗だ」みたいなノリがあったりするんですよね。
ようこさんが入った時は「ようこ」で止めたいっすもんね。やりたくなりますね。ようこ。
「ん」っていうのを作れば「うんこ」ができるな、これ。今思ったら。
小学生のブレストですね、これ。別に言わなくてもいいブレスト。
(一同笑)
いや、いいですね。世界観を表すってことですよね。一体感もあるし。
おもちゃとして使うことによって参加する側になれるってことだと思うんですけど。
どっちかっつうと物具に近いというか。「これを使ってる」っていうことが表現です、多分。このLINEスタンプを買って使ってるっていうことが、そのコミュニティ内では一個の自己表現というか。
ゆる言語学ラジオで最近ラーメン二郎の話が出ていて。「ニンニク入れますか?」って聞かれた時に、「はい、入れます」とは言わないみたいな話をしていて。
そういうのに近いですね。ここでこのスタンプ出すことは、仲間であることの表れだよみたいな感じで使われる。
いわゆるアイデンティティの機能というか。我々ってここに集まっているリスナーだよねっていうことの確認作業というか、共通言語というか。
内輪ノリは新規を遠ざける?宗教勧誘の話
盛り上がるコミュニティには、新規が入りづらくなる難しさもあります。けんすうさんが問いを立てます。
これ、あえて逆のこと言うと、(コミュニティに新規が)入りづらくなったりしないんすか?文脈わかんない。
ありそうですね。でもLINEスタンプぐらいだと。今言ってるのってLINEオープンチャットの中でLINEスタンプ使うって話だから、そこに入っている時点でありなのかな?
入ってきていきなり「ようこそ」ってあると、「うわ、このコミュニティのノリなんかあんだろうな」は気づくんですけど、その情報が開示されてるわけではないので。
そこで「こんにちは。最近聞き始めたなんとかです」って投稿しやすいかというと、結構きつそうみたいなことにはならないのか。
確かに今見たらすげえことになってますもんね、ギチカンの。一人入ったらバーってなんか来るもんな。
なんかね、ここがコミュニティの難しさが、どうしても排他性があるのがコミュニティの特徴だと思っていて。ハマれば楽しいが、最初入った時の敷居の低さをどうやるのかみたいな問題が両方ありそうだなと。
まあ、それは一個ありますね。バランスっすよね。逆にでも排他性があるからこそ結束力があるみたいなとこあるから。若干トレードオフ感はありますよね、そこね。
よく新興宗教とかが、学生を入れた時に、大学の中で宗教勧誘させるんだけど、下手な人ほど勧誘させるらしいんですよね。
下手な人が勧誘するとめっちゃ断られるし、気持ち悪いみたいな感じで見られるので、どんどん孤立して孤独になるので、そうするとその宗教にしか居場所がなくなるので、ハメられるっていう。
居場所をなくすために勧誘とかさせてるので、だから宗教の勧誘って下手な人が多いように僕らは思うっていう。
ちょっと待って、おもろすぎこの話。いい話やった。これ知っといた方がいいやつやな、これ。
マダナイのゲームを作ってもいい
話はスタンプから、リスナー同士がつながる仕掛けへと広がります。けんすうさんはゲームを挙げます。
ゲーム作るはあるかなと思っていて。まだないのゲームを作ろう。
スタンプはなんかありそうじゃないですか。でも世界観伝えるのにゲームはいいんじゃないかなと思っていて。我々二人がなんかポッドキャストをやるゲームみたいなものを作ることによって、世界観が伝わりやすくなる。
おそらくインターフェース的にはゲームってすごい優秀で、なのでなんかできないかなとは思ってます。
デジタルでしょうね。アナログはプレイ相手を探すのが大変なんで、コテンぐらいにならないと無理だと思うんですけど。
デジタルでしょうね。アナログはプレイ相手を探すのが大変なんで、コテンぐらいにならないと無理だと思うんですけど。
例えばオンライン飲み会が流行った時に、間がみんな持たなくて。リアルで会ってると飲食物が中間にあると間が持つんですけど、オンラインだとちょっと違ったんですよね。
オンラインでコミュニケーションして雑談させるのが一番良かったのが、多分オンラインゲームで。人とのコミュニケーションの間に何かがあった方がみんなコミュニケーションしやすい。
リアルだと飲食物だし、ネットだとゲームみたいなのがいいと思うので。リスナー同士が仲良くなる場としてゲームがあったらいいなと思いました。
そうですね、もうゲームは絶対。僕もうちの弟と弟の嫁が、GAUっていうボードゲームリゾートやってるんで、まさにコミュニケーションとか学びにゲームをみたいなことやってるんですよね。
YouTubeのコメントに、みんなでいいねする仕組み
さらにけんすうさんは、リスナーが応援を楽しめるアプリの構想を語ります。
一人でもできる超カジュアルゲームと呼ばれるもので、点数を競ったりするみたいな。千点出しましたぐらいで。そういうのがあるとかもいいなと。
あとアプリ?僕今最近アプリをAIで作って自分で使うことにハマってるんですけど。まだないならではのアプリがあって、みんながそれを使ってるといいとか、作れないかなと思ってます。
超どぎつくやんなら、例えばYouTubeでコメントをつけてくれた人にみんなでいいねしようみたいな。いいねしたらポイントが貯まりますみたいにすると、コメントしたらすげえみんなからいいねされて嬉しいからコメントしたくなるみたいな仕組みを作るとか。
それめちゃくちゃいいな。それもなんか僕昔思ったことあって。ちょっと前に仮想通貨を自分で作れるようになったじゃないですか。それを使ってなんかポイントが貯まっていくみたいな仕組みできないかなと思ったんですよね。
本当にやりたくて。推し活として消費だけじゃない、例えば時間がある大学生とかだと再生をすごい回すとか、その推し活コミュニティでやっていて。
運営者が嬉しいと思うことをやることによる、なんかその応援ってあると思うんですよ。フォローしてくださいとか高評価をしてくださいとかもそうだと思うんですけど。あれをもうちょい楽しくできるアプリとかはないかなとは思ってますね。
売れるトークンはゲーム性を失う
トークンやコインの設計について、二人の議論が深まります。
トークンコミュニティもまだまだ俺、掘りがいがあると思ってるんですよね。けんすうさんフィナンシェやってたと思うんですけど、良くも悪くもあれって日本円で買うわけじゃないですか、トークンを。で、売れるわけですよね。
それによって面白さもメリットもあるが、なんかゲーム性やはちゃめちゃ感を失ってると思うんですよ。
そうですね。あと、どうしても売り抜けたい人の力が強すぎて、頑張れば頑張るほど、金だけ欲しい人に吸い取られるっていう形なので。
だからもうちょっと交換不可能というか、ゲーセンのメダルみたいな設計の方がいいと僕思ってて。接続するんだったら買えるけど売れないみたいな。
ゲーセンのメダルと一緒で。じゃあ何のために貯めるの?って言ったら、いっぱい持ってる人がなんか偉いように見えるとか。ワンチャンそのコミュニティ内でリスナー間の移動はできると。
マダナイコインって仮にあるとすると、移動はできるがアプリ上でパパンとできると。お金で払うのはちょっとやらしいから、じゃあもうトークン五万トークン送っときますよみたいな。
いいですね、それがグッズと交換できるぐらいだったらいいですよね。
もうちょい、何かをやってる人を労働力で応援するはあってもいいなと思うんですよ。校正とかちょっとした編集とか、コメントするでもいいんですけど。それの経済圏作れないかなと思いました。
ですよね。それがお金ってなると、違う意味が一個足されるけど。ただの点数というかね。
お金だとね、みんな時給換算して、これ750円だから割が悪いと思うと嫌いになっちゃうんすよね。
結局スタンプは、ミームが生まれてから作ってもらえばいい
最後に、今日のテーマだったLINEスタンプに話が戻ります。
というわけで、じゃあLINEスタンプはどうしますか?
そうだ、LINEスタンプの話だった、これ。僕的にはもう、こっち側が作るっていうよりは、もう作ってもらう方がいいと思ってて。作ってくれるならね。
作るタイミングで言うと、まだもうちょい後でもいいのかなと思ってて。今すぐじゃなくてもっていう。
やっぱりある程度そのミームとか名言とかノリとか、そういうのが生まれたぐらいであってもいいのかなと思ってるんで。
ていうかこれ、LINEオープンチャットってあったっけ?まだない。
まだないですね。ややこしいな。まだない。Xアカウントもないですね。
誰か作ってくれてもいいですけどね。LINEオープンチャットのコミュニティね。
あ、そこもリスナーが。それこえー。LINEスタンプぐらいだったらあれだけど、ユーザーが集まってるコミュニティの運営がユーザー怖いですね。
ちなみに僕、ギチカンは僕作ってないですよ。リスナーが作った。
いきなりアフィリエイトとかやり始めたら、とかを考えちゃいますね。
一応なんか、非公式だけど公認みたいな感じで。僕とかも管理者権限はもらってるって感じ。
公認の代わりに万が一のためにBANできたり記事消したりできるように、その管理者権限だけもらっとくみたいなね。
じゃあもうちょいしたら「作っていいよ」ってお知らせをしようぐらいですかね。
そうしましょうかね。これもね、コミュニティをどのタイミングで作るかとかもいろいろお話できそうですけど。
次回それ話しても良さそうですね。
っていう感じで。まあ一旦これぐらいですかね。
はい、ありがとうございます。
ありがとうございました。楽しかった。ういーす。
まとめ
この回では、ポッドキャストのLINEスタンプを番組が作るか、リスナーが作るかが語られました。二人は、可愛くて広まる公式スタンプより、内輪ネタやミームを詰めたリスナー発のスタンプの方が面白いと話します。使うこと自体が「ここの仲間だよね」という合図になるからです。話はゲームやトークンなど、リスナーが消費だけでなく参加できる仕組みへと広がりました。
- スタンプは番組が作るなら汎用的で可愛いもの、リスナーが作るなら内輪ネタとミームが向いている
- リスナーが作るスタンプはデザイン力より「誰が作ったか」の文脈が効く
- スタンプを使うこと自体が、コミュニティ内での自己表現になる
- 内輪ノリは結束力を生むが、新規が入りづらくなるトレードオフもある
- マダナイはまだオープンチャットもXもない。ミームが生まれてから作ってもらえばいい






