月見バーガーはなぜ毎年人気なのか
冒頭は、翌週に控えた十五夜と月見バーガーの話から始まります。ツバサは月見バーガーが毎年出るほどの人気メニューであることを不思議がります。
月見バーガーってなんであんな人気なの?あれ。
テツトは月見バーガーを食べたことがないと言い、卵が入っているだけではという疑問を口にします。
一方でツバサは、グラコロには特別感があるとしつつ、月見バーガーの魅力にはピンときていない様子でした。
テツトは、マックにしては分厚めの卵が入っているのが珍しいのではないか、と一応のフォローを入れます。
家族のトラブルで疲弊した夜、千葉公園へ
近況を聞かれたツバサは、最近家族のことでトラブルがあり、疲弊していると打ち明けます。詳しい内容は言えないものの、当事者ではないが対応に動いていた状況だと話します。
もうそのことで本当に、疲弊してて。
2週ほど前、テンパっていたツバサはテツトにLINEをして電話をしてもらいました。他の友達にはタイミングでもないのに電話を頼んでシカトされた経験もあったといいます。
電話で現状を話して少し落ち着いたものの、モヤモヤとアドレナリンが残っていました。夜11時ごろ、ツバサは「行くしかない」とお得意の千葉公園へ向かいます。
公園の隣にあるドーム型の体育施設の前は、コンクリートの広場になっていて、長いベンチがあります。ツバサはそこに寝転がり、星を見ながら家族のことを考えていたそうです。
暗闇から聞こえた「シャー」という音の正体
上を向いて空を眺めていたツバサの耳に、「シャー」という音が聞こえてきます。最初は車のタイヤの音かと思いましたが、車にしては軽い音でした。
次に自転車かと考えたものの、音は3、4分ずっと鳴り続けていました。自転車にしては長すぎると感じたツバサは周りを見渡します。
すると少し離れたところに、一人の人影がありました。11時過ぎの真っ暗な広場で、その人から音が鳴っていたのです。
眼鏡もしていなかったツバサがよく注意を払ってみると、その音は鼻をすする音でした。どうやらその人は泣いていたのです。
どうやらね、泣いてんのよ、その人。
3、4分以上ずっと泣き続けている様子に、ツバサは何があったのだろうと好奇心と心配が入り混じった気持ちになります。
「どうしたの?話聞こうか」と声をかける
近づいてみると、泣いていたのは下スウェットに上Tシャツというラフな格好の若い女性でした。後に大学1年生だと判明します。
通り過ぎるべきか声をかけるべきか迷いながらも、すでに近づいてしまっていたツバサは、思い切って「あの」と声をかけます。相手は驚いた声をあげました。
自分も寝巻きのような格好で、真っ暗な公園。不審者に見えかねない状況です。それでもツバサは、まさか自分が言う場面が来るとは思わなかったフレーズを口にします。
すると女性は、自分に自信が持てず、自分のことが嫌いで、自分はダサいのだと言って泣き出しました。
(女性が)私ほんとダサくて、みたいな感じで泣き出して。
ツバサは危険を避けるため、隣ではなく2メートルほど離れたベンチに座りました。電車で3人分ほど間を空ける感覚だったといいます。
脈絡のない話を、ただ聞くことに徹する
泣いてテンションが高まっている女性の話は、脈絡がありませんでした。親のこと、姉妹のことといった家庭環境の話が次々と出てきます。
大学1年生になり友達と仲良くなりたいけれど、人にいつもいい顔をしてニコニコしてしまい、不安を見せられないのが癖になっている、という悩みも語られました。
(女性は)こういう風にメソメソしてる自分もダサいしみたいな。
とにかく自分が「ダサい」と言い続ける様子を、ツバサは映画『宮本から君へ』の主人公のようだと感じます。自意識との戦いだと受け取ったのです。
当初はアドバイスをしようと思っていたツバサですが、小さな悩みが集積して爆発している状態だと察し、相槌を打って話を聞くことに徹しました。
褒めても泣き、笑わせるしかなかった夜
話を聞いてもらって女性が落ち着いてきたところで、ツバサは自信がないという彼女に、そうは思わないと伝えます。自分の悩みを言葉にして相手に伝わるように説明できているからです。
(君は)ある程度客観的に見えてる部分もあるんだから、それってやっぱ君がちゃんと強い人間だから。
ところがこう褒めると、女性は今度は「うわぁ」とまた泣き出してしまいました。テツトは「正解出してんじゃん」と評しますが、ツバサ本人は褒めてもいけないのかと戸惑います。
アドバイスも褒めるのもだめなら、次はユーモアだと考えたツバサ。しかしその日はハンカチを持っておらず、バッグにはギャッツビーの冷感の顔拭きシートしかありませんでした。
事情を説明して顔拭きシートを渡すと、女性はニヤッとして受け取り、うまい返しをします。
(女性が)じゃあ私これで頭冷やしますね。
この一言で場が少し和らぎ、女性にも余裕が出てきました。軽い世間話をして、気づけば1時間以上経っていたそうです。
握手で別れた「人生で初めてさらけ出した」夜
夜1時ごろ、落ち着いてきたので帰ろうと立ち上がると、女性はお礼を言いました。親にも友達にも本当のことを言える人がいなかったといいます。
(女性が)私人生で初めてで、こういう自分の心の内をさらけ出すっていう。
家が近所だった女性となんとなく二人で歩き、明日も学校かと聞くと夏休みだと返ってくる、そんな会話をしながら交差点まで来ます。
最後は握手だけして「頑張って」と別れました。テツトはこれを「いい話だった」と受け止めます。
テツトは、赤の他人に街で話しかけることなど普通はないと指摘します。ツバサも、同じことがまた起きても話しかけるとは限らないと振り返ります。
Uber Eatsを始めてから変わった、他人への声のかけ方
テツトは、ツバサがちょうど自分の気持ちを整理していて頭が働いていた時間帯だったから声をかけられたのでは、と分析します。
ツバサ自身は、副業でUber Eatsの配達員を始めて以降、街中で困っている人に声をかけるようになったと感じています。
要は街中で出会う他人に対して困ってる人がいたらなんか声かけるようになっちゃって、俺。
例として、配達で訪れたホテルで車椅子の老人が喫煙所を探していたときも、ツバサは声をかけ、近くにいた別の男性に喫煙所の場所を尋ねて橋渡しをしたといいます。
テツトも、電車でAndroidスマホを操作していた高齢女性に、亡くなった夫の写真を待ち受けに設定してほしいと頼まれた経験を話します。iPhoneユーザーながらなんとか設定できたそうです。
ただしツバサは、普段から常に人助けをしているわけではなく、たまたま今そういうゾーンに入っているだけかもしれない、と冷静に付け加えます。
「ダサい自分」との戦いは、ある種のナルシズム
話は再び、公園で泣いていた女性の「ダサい」という言葉に戻ります。テツトは、我慢して自分をあまりわかっていない自分にはああやってさらけ出すことはできないと言います。
ツバサは、女性の「自分はダサい」という悩みが、20歳ごろの自分を見ているようだったと語ります。かっこよく生きたいのにギャップに悩む点で共感したのです。
さらにツバサは、「私は本当にダサい」という言葉を、ある種のナルシズムだと解釈します。
(それは)本当の自分はかっこいいから、そこに今自分が達してない、やばい、どうしようみたいな。
自分はかっこいい存在であるという前提があるからこそ、今の自分が悲しくなる。テツトは、ツバサもそれをパワーにやってきたのではと指摘します。
ツバサは、理想の自分に近づこうとするエネルギーはガソリンになると同意します。ダサい自分のままでいると自己肯定感が下がっていくとも語りました。
星野源が語った「ダサいことをしない」という一点
ツバサは、かつて星野源が『オールナイトニッポン』で語っていたという話を紹介します。今でこそ活躍する星野源にも、売れない役者で恨みつらみを抱えていた時代があったといいます。
その星野源が言っていたのは、かっこよくなるためにやるべきことはたった一つだ、という考え方でした。
自分がダサいと思うことをやらなければ、どんどんかっこいい自分に近づいていく。テツトは、否定する部分をなくすことで肯定できる部分が増える、と言い換えます。
ツバサは、ポイ捨てや赤信号無視のように、ダメだと思いながら欲望に負けてしまう小さな行動の積み重ねが、自己肯定感を下げていくと話します。
一方でテツトは、それをダサいと思うかどうかは人それぞれで、ツバサにとってはマナーを守らないことがそもそも「最低限」の当たり前になっているのでは、と指摘します。
二人にとっての「ダサいこと」とは何か
ツバサに問われて、テツトは自分にとってのダサいことを挙げます。店員にタメ口で横柄な態度を取ることです。父親がそのタイプだと言い、丁寧に敬語で接するほうがかっこいいと話します。
テツト自身のダサさとしては、土日にずっと外に出ず家にいることが挙がりました。
ずっと家にいる自分ダセえな。
さらにテツトは、誰も見ないサッカーに関するストーリーズをインスタに上げてしまうことも打ち明けます。誰かに反応してほしいという承認欲求が理由だと自己分析します。
一方でツバサは、それは単に情報提供やニッチなものを見ている優越感であって、そこまでダサいだろうかと疑問を投げかけます。ダサさの基準は人によって違うという話に落ち着きます。
SNSやレビューの情報を、どこまで信じるか
ツバサは、SNS上の意見、特にXの投稿がほとんど機能していないと感じていると話します。本音がどれだけあるのか疑わしいというのです。
思ってないことを言うみたいなのが常態化してると思ってるのね、Xって。
例として、サロモンより履き心地がよいと紹介されたスニーカーの投稿に、アフィリエイトらしきリンクがついていたケースを挙げます。個人の素朴な感想ではなく広告なのです。
テツトは、インフルエンサーの収益源が広告である以上その意見は難しく、一般人のツイートまで嘘に見えてくると応じます。話は食べログやGoogleマップの口コミへと移ります。
テツトは、Googleマップのほうがネガティブもポジティブも含むリアルな口コミが多く、ユーザーが判断できると評価します。グルメ口コミサービスはよい情報しかないように感じるといいます。
ツバサは、Googleマップのレビューは曲者が書いていることが多いと笑いつつ、レビュー投稿がYahoo!知恵袋の回答のような趣味になりうると話します。
病院や歯医者は、口コミでどう選ぶか
テツトは、病院のレビューは総じて点数が低いと指摘します。患者は大満足でないと高評価をつけず、受付の口調がきついだけで0点や1点になってしまうからです。
ツバサは、待ち時間の長さへの不満も多いと補足します。テツトは、医師に言ってほしい言葉が叶わなかったときのフラストレーションが評価に反映されるのではと推測します。
歯医者の選び方について、テツトは自分と同じ悩みが親切な施術で解決したという口コミが一つでもあれば信じる、と話します。数分で3軒ほど見て決めるそうです。
一方でツバサは、まず家から一番近いところに行こうとするタイプだと言い、サッカー選手の伊東純也が近いからと神奈川大学を選んだ話になぞらえます。
「あ、市原なんですね」の一言で変わる印象
ツバサは、引っ越し先で近いという理由で選んだ歯医者の体験を話します。院長がカルテを見て、ツバサの出身地である市原に触れてきたのです。
その院長は元々ツバサが住んでいた市原の五井駅前の歯医者に勤めていて、一度体調を崩したのち千葉市に新しく開業したという物腰の柔らかい人でした。共通点があり、選んでよかったと感じたそうです。
テツトは、医師はサービス業でありながらそれを習っているわけではないと指摘します。毎日流れてくる患者に対し、常に親切であり続けるのは難しいはずだといいます。
(会話を)一個挟むだけで医院への印象変わるじゃん。
だからこそ、ぶっきらぼうになりがちな医師のほうから歩み寄ってくれると嬉しい、というのが二人の共通した実感でした。
ポッドキャストで身についた「話す力」
ツバサは、Uber Eatsに加えてこのポッドキャストを始めたことも自分の変化につながっていると話します。マッチングアプリで自分の話をするとき、よどみなく話せるようになったといいます。
つまりその場でそういう風に喋れるってことは、自分の思考がこのポッドキャストやることによって整理されてる状態。
一方でテツトは、自分はまだその域に達していないと打ち明けます。エピソードを話すのはほぼ常にツバサで、自分は出来事を組み立てて話す方法がわからないというのです。
ただ俺の人生は流れてるだけだったのよ。
テツトは、これまで立ち止まって何かを考えることがなく、日常に何もないと思ってしまうと語ります。対してツバサは、掘り下げれば何にでも話す材料はあると返します。
唐揚げ弁当から話を広げられるか
ツバサは、テツトに前日食べたものを尋ね、エピソードトークを実演してみせます。テツトの答えはオリジン弁当の唐揚げ弁当でした。
テツトの受け答えは質問と回答の往復にとどまりますが、ツバサはそこから話を広げてみせます。
数日前に唐揚げ弁当食って、これうまいなと思って。その唐揚げ弁当、めっちゃニンニクの風味効いてんのよ。
さらに「ニンニクって人と会う前は気になるじゃん」と続け、一つの出来事から話が広がっていく様子を示します。テツトは素直に感心しました。
テツトは、日記でも「昨日唐揚げ弁当を食べた」で終わってしまい、その周辺に何もないと思い込んでいると打ち明けます。話す材料という「資源」がないと感じているのです。
ツバサは、掘り下げれば何にでも材料はあると励まします。テツトは、やったことがないから話す勇気がなく、結論も欲しくなってしまうと自分の課題を挙げます。
「整理して話せる」は、気づいていない武器
テツトは、まずツバサの例題を文章に書いて練習するしかないと言います。何でもノートに書かないとできないタイプだからです。ツバサは、書くことで整理されるのは確かだと同意します。
テツトは、話しながら思考を整理できるツバサの力を「すごい能力」であり「武器」だと評します。自分はそれなしでやってきたと言うのです。
当のツバサは、それを武器だと思ったことがなく、恩恵を受けている気がしないと戸惑います。しかしテツトは、ライブのMCや生徒会長として話せたことを挙げ、それが自己肯定感につながっていると指摘します。
ツバサは、自分は喋るのが下手ではないという自負が多少はあるかもしれない、と認めました。
まとめ
夜の千葉公園で泣く女性に声をかけた体験を入り口に、「ダサさ」との向き合い方やレビューの信じ方、話す力の育て方まで、二人の雑談が幅広く広がった第24夜でした。
- 家族のことで疲れたツバサは夜の千葉公園で泣く若い女性に声をかけ、話を聞き、笑わせ、握手して別れた
- 「自分はダサい」という悩みは、本当はかっこいい自分を前提にしたある種のナルシズムでもある
- 星野源の「ダサいことをしない」という考え方が、かっこよさと自己肯定感に近づく指針として語られた
- SNSやレビューは本音や広告が入り混じり、Googleマップのほうがリアルだがそれでも本当のところを探るのは難しい
- テツトはポッドキャストで身につけた「整理して話す力」をツバサの武器だと評し、自分も文章から練習したいと語った





