40代になって「好きな服が似合う服じゃなくなる」
今回のテーマは「好きな服を着ることで心地よくする」です。伏見さんは、40代になって好きな服が似合う服ではなくなっていく現象が起きていると切り出します。
その感覚は、自分でそう思うより、周りがそう言い出すのを聞いて気づくことも多いと伏見さんは話します。実際に「ママがこの服着てたらやばくない?」と考えて服を捨てた友達がいたそうです。
(似合う服になってきたと)自分がそう思ってるかっていうより、周りがそういうふうに言ってるのを聞くみたいな。
伏見さんは、その友達の話を10年ほど前に聞いて、そういう考え方があるのかとカルチャーショックを受けたと振り返ります。ただ、良い悪いの話ではなく、あくまで驚きだったと言います。
もっとも、その驚きが自分の服選びを変えたかというと、そうではなかったそうです。結局は着たい服を着ているからです。
(カルチャーショックを受けても)自分に影響が起きたかといったら、全然起きてなくてですね。
2人はもともとスーツを着るような仕事ではなく、年齢を気にせず着たいものを着てきた自覚があると話します。それでも、周りの言葉にハッとする瞬間はあったようです。
着たい服か、似合う服か。伊藤さんの答え
ここから、着たい服と似合う服のどちらを優先するかという話になります。伊藤さんは、中学生の頃に好きだった雰囲気のファッションが今もずっと好きだと言います。
伊藤さんの場合、ブランドは変わっても、着るものの大まかな方向性は昔から変わっていないそうです。伏見さんは、伊藤さんが普段から好きな服を着ている感覚が強いのではと問いかけます。
(伊藤さんは)似合う服と好きな服、着たい服、それの違いがあんまり自分の中ではない方ってことかな。
伊藤さんは、好きだけど似合わないから諦めるという感覚が自分には全くわからないと答えます。服でも髪型でも同じで、優先するのは着たいかどうかだと言い切ります。
一方の伏見さんは、伊藤さんとも少し違うと感じたようです。着たい服は着ているけれど、そもそも似合うものの中からは選んでいないかもしれないと話し、何が起点なのか自分でも難しいと悩みます。
似合わない服は、好きから自然と消えていく
伊藤さんは、何十年も生きてきた結果、似合わないものは好きなものから自然と除外されているのかもしれないと言います。伏見さんも、まさにそれだと共感します。
伏見さんは、もはや似合わないものの中から着たい服が生まれないため、以前のように似合う・似合うで悩む感覚ではなくなっているのかもしれないと分析します。
さらに、色や素材の好みが定まってくることで、それがそのまま着たい服につながっていくのではないかと2人は話します。
素材なんて若い頃は一切気にしたことなかった。けど今もう本当に逆に、素材めっちゃ見るっていうか。
見た目の可愛さで選ぶ。素材や着心地はあまり気にしない
似合わないものは好きから外れ、色や素材の好みが着たい服になる
着心地の悪い服は、クローゼットの奥へ
話は着心地に移ります。着心地が悪い服は、見た目が可愛くても登場回数がどんどん減っていくと伏見さんは言います。
若い頃はチクチクする服でも「可愛いから着る」と我慢していたけれど、そういう服は結局クローゼットの奥で優先順位が下がっていくそうです。それでも、可愛くて買ったから捨てられないと伏見さんは笑います。
これちょっとなんか蒸れるっていうか、暑く感じちゃって着れないんだよなとか、ゴワゴワしてて着心地が悪いんだよなとか、そういうのはどんどん登場回数が減るよね。
伊藤さんも、若い頃は寒い時の薄着や暑い時の重ね着、窮屈さも平気だったけれど、今はそういうものが難しくなってきたと話します。
靴も同じで、かつては10センチのピンヒールも履いていた2人ですが、今は履き心地で選ぶようになったと言います。周りでも高いヒールを履く人は減ってきたと感じているそうです。
その日の服、何から決める?
伏見さんは、その日の服をどう選んでいるかを伊藤さんに尋ねます。伊藤さんは、その日の予定に左右されると答えます。
たとえば1日中立っている仕事や、よく動く日は、スニーカーや動きやすい服を選ぶそうです。伏見さんは、それを「大人ですね」と受け止めます。
一方の伏見さんは、その日の服を靴から決めると明かします。珍しいと言われることもあるそうですが、理由は伊藤さんと通じています。
服、その日の服って靴から決めるんだよね。
立つ日や移動が多い日は疲れにくい靴を選び、雨が降りそうな日は革やハラコ、布の靴を避けると伏見さんは説明します。まず靴を決め、そこに予定や誰に会うかを重ねていくそうです。
友達に会う日は「前回もこれを着た気がするからやめておく」と考えることもあると伏見さんは話します。最近は暑さ寒さや気温も大きな判断材料だと2人は口をそろえます。
夏はリネン、冬はニット。決まっていく素材の好み
夏の素材について、伊藤さんはリネンとインド綿の服ばかり着ていると話します。どちらも涼しく、サラサラして汗をかいても乾くのが良いそうです。
今夏はリネン、リネン、リネン系の服か、あとインド綿の服。
冬は冬で、これとこれしか着ないという定番が決まっているそうです。伏見さんは、伊藤さんはニットをよく着ているイメージがあると言います。
伏見さんは、体型を拾わないテロっとした素材が綺麗に見えて気に入ると話します。今年はサッカー生地のようなポコポコした素材が着やすく、そればかり選んでいるそうです。
(体型を)拾わないテロっとしたやつが結構綺麗に見えるなとかで気に入ったりとか。
重い服が着られなくなったという感覚は、2人に共通しているようです。
柄物とアースカラー。他人から見た「自分のイメージ」
伊藤さんは、伏見さんを見ていると柄物がとても多いと指摘します。伏見さんは「バレバレているね」と応じます。
伏見さんは、柄がどこかに入っていないと落ち着かないと言います。無地と無地を上下で合わせるのは自分に似合わない気がするそうで、思い込みもあると認めつつ、柄が入っているのは前提かもしれないと話します。
柄がどこかに入ってないと落ち着かないの。
興味深いのは、伏見さん自身は指摘されるまでそれに気づいていなかった点です。柄物を選ぶのが当たり前になっていたと言います。
さらに伏見さんは、自分にはアースカラーのイメージもあるようだと話します。友達とアウトレットで「これいいな」と言うと、「それもう持ってるじゃん」と言われることが多いそうです。
それあるじゃんみたいな。
他人から見た自分のイメージをたまに聞くと面白いと2人は語り合います。伊藤さんに柄物だと言われて、伏見さんも改めて「確かに」と気づいたようです。
5年悩んだドレスと、名前がついた服の力
最近買った服の話題になり、伊藤さんが記事にも書いたマリハのワンピースが登場します。5年ほど前から欲しいと思い続けていた一着だそうです。
値段が張るため悩み続けていましたが、今年「こんなに悩んでいるなら」と思い切って購入したと伊藤さんは話します。伏見さんは、5年は結構悩んだねと笑います。
マリハの服には素敵な名前がついていて、その名前を見るだけでワクワクすると伊藤さんは言います。伏見さんは、それはブランディングの成功エピソードなのだろうと受け止めます。
伊藤さんは、美容の仕事で扱うコスメも、色番だけでなくイメージした名前が一つひとつ付くのが定番になっていると話します。名前が素敵だからつい買ってしまう、という話も多いそうです。
その名前が素敵だからつい買っちゃったみたいな話とかも結構あるから。
好きな服を着ることは、自分を肯定する行動
伏見さんは、Sense of…で大事にしていることとして、心が動いた瞬間を言語化してもらうようライターに頼んでいると話します。言葉の響きや、しっくりくるものを選べている感覚が、自分の持ち物に意味を宿らせるからです。
服を選ぶことも、自分の居心地を良くするための一つの行動だと伏見さんは言います。着やすいから着るという感覚も、突き詰めればそういう感覚的なことなのではないかと話します。
好きで選んだものを着ることは、モチベーションが上がるだけでなく、自分を肯定しているような気持ちにもつながると伏見さんは語ります。「これを着ている自分が好き」という感覚です。
伊藤さんは、5年越しの希望を叶えたと満足げに振り返ります。伏見さんが「いわゆる清水買いってやつでしょ」と言うと、伊藤さんも同意します。
伏見さんは、迷っているなら買ってしまうのは勇気のいる行動だけれど、その後に自分へもたらされる影響を考えればプライスレスだと話します。
朝すごい急いでて、もういいや、これでいいやみたいな風に選んじゃうと、その日一日、あ、失敗したなみたいなのってあるからね。
変わる自分も、着たい服を着る自分も
最後に伏見さんが今回の話をまとめます。世代や似合わなくなったことを理由に好きな服をやめてしまうのも、変わっていく自分を受け止めることとして悪くないと言います。
一方で、逆に「着たいものを着るんだ」という姿勢も悪いことではないと伏見さんは付け加えます。どちらかが正解というわけではありません。
変わってく自分を受け止めたりとか、そういうのも大事な気持ちかもだけど、まあ逆に着たいものを着るんだっていうのも別にね、悪いことじゃないので。
2人は、これからの季節も着たいものを着て心地よく過ごそうと語り合い、秋冬の着たい服を探す旅に出ようと締めくくります。
まとめ
40代になって変わってきた服選びを軸に、好きな服・似合う服・着心地の関係を語り合った回でした。似合わない服は自然と好きから外れ、色や素材、着心地、その日の予定が新しい選び方の基準になっていきます。好きで選んだ服を着ることは、居心地を良くし、自分を肯定する行動でもあると2人は話しました。
- 40代になると、似合わない服は好きなものから自然と除外されていく
- 着心地の悪い服は、見た目が可愛くても登場回数が減っていく
- その日の服は、予定・天候・誰に会うかから選ぶ。伏見さんは靴から決める
- 夏はリネンやインド綿、冬はニットなど、素材の好みが定番化していく
- 好きで選んだ服を着ることは、モチベーションだけでなく自己肯定にもつながる



