スマホを1年使ったのは「長い」のか?
この回のお題は、ラジオネーム「ホットケーキ」さんから届いたお便りです。
これだけはずっと使い続けてるものというのと、ためらいなくどんどん変えていくものの違いを教えてください。
最初に答えたけんすうさんは、GalaxyFold7というAndroidスマホを買ってから1年間ほぼそれだけを使っていたと話し、自分としては珍しいことだと振り返ります。
だからスマホを1年使い続けたっていう、すごい珍しい。
ところが田中渓さんは、スマホの平均買い替え期間を最近調べたばかりでした。昔は5年ほどだったのが今は3年ほどだといい、1年では「ずっと使い続けている」には当たらないという結論になります。
昔はなんか5年くらいだったのが、今は3年くらいだって言ってて、それが平均です。
5000円の爪切りはなぜ「毎回気分がいい」のか
けんすうさんが改めて挙げたのは、諏訪田の爪切りです。価格は5000円ほどで、ペンチのような見た目の大きな爪切りだといいます。
けんすうさんは、爪切りで一番いいものを探したときにこの製品に行き着きました。切れ味がずっと落ちず、大きくて使いやすい点を気に入っています。
けんすうさんが高い爪切りを選んだ理由は、使う年数にあります。爪切りは10年、20年と平気で使うものなので、1000円のものを買うのはもったいないと考えたそうです。
で、5000円のもの買うと毎回「これ最高だな」と思って爪切れるんで、ずっと気分がいいんですよ。
けんすうさんはここから、そんなに買い替えないものほどいいものにする、という自分の傾向を言葉にしています。
生まれた時から手放せないタオルケット
田中渓さんが挙げたのは、こだわりというより習慣に近いものでした。田中さんは生まれた時から、寝るときにタオルケットがないとダメなのだそうです。
けんすうさんが「スヌーピーにいそうなキャラ」と返すと、田中さんはライナス ── 漫画『ピーナッツ』(スヌーピーが登場する作品)のキャラクター。いつも毛布を手放さない姿で知られていますのような感じだと認めます。旅行先ではなくても眠れますが、家では欠かせないといいます。
田中さんのタオルケットは、同じものが手に入らなくなったため途中で買い替えています。ただし新品のままでは落ち着かないそうです。
でもなんか適度にボロボロになって、適度になんかほつれてるぐらいの状態じゃないと嫌なんで、
なんか買ったばっかりなんですぐなんかガサガサになるように洗濯したりとか、その状態になるように。
一方のけんすうさんは、ほぼ日が出しているタオルケットを愛用しています。夏用と冬用があり、夏は涼しく冬は暖かく、値段は2万円ほどする高級品だといいます。
田中さんは興味を示しつつも、くしゃくしゃの状態がいいという幼い頃からの刷り込みがあるため、上質なもので満足できるかはわからないと話しています。
使いこなせない「伝説の剣」と、1000円のマグカップ
爪切りの話を受けて、田中渓さんは「買い替えないけれど高級なもの」の失敗例としてワインオープナーを挙げます。一流とされるのはラギオールというブランドのものです。
田中さんによると、ラギオールはソムリエが皆使うような伝統的な道具で、ソムリエの資格を取ったお祝いに店のシェフが贈ることもあるといいます。ところが田中さんには、とても使いにくいものでした。
熟練した人に言わせれば、ラギオールのワインオープナーは手に馴染んでくるもので、使いこなす技術があるかどうかが問われるのだそうです。田中さんはその感覚を漫画にたとえます。
よく漫画とかに出てくるレベルが足りないと、なんか剣が抜けないやつあるじゃないですか。「お前の力じゃまだこの伝説の剣は抜けない」みたいな。
結局、田中さんは1000円ほどで買ったワインオープナーのほうがサクッと開くため、高いラギオールは使えないまま家にあるといいます。
けんすうさんもこれに共感し、引っ越しのときにコップがなくて適当に買った1000円ほどのマグカップをずっと使っている、という例を挙げています。
雑貨屋のスプーンより100均、白Tはユニクロで毎年入れ替え
田中渓さんは、木のスプーンについても同じ経験を語ります。木のスプーンは劣化する消耗品なので、もともと買い替えて使っていました。
旅行先の京都や鎌倉などの雑貨屋で買う小洒落た木のスプーンは、大きすぎたり小さすぎたり細かったりと個体差があって合わなかったそうです。そこで試した100均の木のスプーンが、とても良かったといいます。
こいつ(100均のスプーン)を消耗したら何回も買い換えた方がいいじゃんってなって、
それ以来、田中さんは雰囲気で木のスプーンを買うのをやめました。けんすうさんは、ダイソーや無印良品のものが残り続けるのは質が高いからで、なくなってもすぐ同じものが手に入る安心感もあると応じます。
しかもなくなった時にまたすぐ手に入るっていう安心感がありますね。
田中さんは白Tとリネンシャツにも同じ考え方をしています。1枚3万円の白Tや専門店もあり、気分のいい日用に少しいいものは持っていますが、普段用は別です。
田中さんの普段用の白Tやリネンシャツは、ユニクロでシーズンごとに買います。着終わったら雑巾などとして「次の世界に輪廻転生」させ、翌年はまた新しいものを買うそうです。
購入
シーズンの初めにユニクロで買う
着用
そのシーズンの普段着として着る
転用
着終わったら雑巾などに回す
買い直し
翌年また新しいものを買う
まな板シートと、毎年買い替えるしゃもじ
けんすうさんも使い捨て側の例を挙げます。まな板はいいものを試していましたが、洗うなどのメンテナンスが大変で、木のまな板ではカビが生えることもあったといいます。
そこでけんすうさんは、使い捨てのまな板シートに切り替えました。
まな板シートっていう使い捨てのにしてからすごいストレスなくなりましたね。
けんすうさんがもう1つ挙げたのが、しゃもじです。しゃもじは最初はご飯がくっつかないのに、使ううちにだんだんくっつくようになります。
けんすうさんは油を塗るなどいろいろ試していましたが、いいしゃもじでも800円ほどだと気づき、1年に1回買い替えるようになりました。
ご飯がくっつくようになったしゃもじに、油を塗るなどして手入れを続ける
800円ほどのいいしゃもじを1年に1回買い替え、常にくっつかない状態を保つ
田中さんは、しゃもじにもテフロン加工のような概念があることに驚き、「そっちの方が限界突破してる」と笑っています。
ティファールからバーミキュラ、そしてヘックスクラッドへ
田中渓さんは、フライパンで遍歴を重ねてきました。かつては100均にある300円ほどのテフロン加工のフライパンを、テフロンが剥がれるまで使っていたそうです。
ただ、田中さんは剥がれたテフロンを食べているのではないかとだんだん嫌な気持ちになり、安いフライパンの使い倒しをやめました。
けんすうさんのフライパンはティファールです。田中さんも一度ティファールを使い、バーミキュラを経て、今はヘックスクラッドに行き着いています。
田中さんによると、ヘックスクラッドは加工ではなく技術で張り付かない状態を再現しているフライパンです。10年保証があり、くっつくようになったら手入れをしてもらえるといいます。
もう3年くらい使ってるけど、もうしっかりもうつかないし、めちゃくちゃいいですけどね。
アーロンチェアは「年単位で割ると高くない」
けんすうさんが長く使うものの代表として挙げたのが、椅子のアーロンチェアです。12年保証があり、ずっと使っていても全くダメにならないといいます。
けんすうさんは、安い椅子は1年ほどでギシギシ言い始めることもあると比べ、アーロンチェアの値段を使える年数で考えています。
要はずっと使えるんで、高く見えるけど年単位で直したら実はそんなに高くないみたいな。
田中渓さんも会社と家の両方でハーマンミラー ── アメリカの家具メーカー。オフィスチェアのアーロンチェアを手がけていることで知られていますの椅子を使っているそうで、「あれは投資の価値がある」と同意します。
ここでけんすうさんは、ここまでの話を2つのタイプに整理しました。
諏訪田の爪切り、ほぼ日のタオルケット、ヘックスクラッド、アーロンチェア
100均の木のスプーン、ユニクロの白T、まな板シート、1年ごとのしゃもじ
ランニングシューズの寿命は500km
田中渓さんがランナーに伝えたいのは、ランニングシューズをきちんと買い替えているか、という点です。ランニングシューズには寿命があり、真面目にやるなら500kmほど走ったら替えてほしいといいます。
走らないけんすうさんが「じゃあ一生使えますね」と返して笑いを誘いますが、田中さんは、買い替えないとパフォーマンスにも足にも悪く、何万歩という単位で効いてくると説明します。
田中さん自身、昔はそれを知らず、かかとが無くなりつま先がパカパカになるまで履いていたそうです。
昔、ドラゴンボールの3巻かなんかに出てくるんですけど、クリリンと悟空が徒競走してなんか負けちゃうんですよ、悟空。で、まあ靴がぶっ壊れてたと。
田中さんは、その状態で走っていたことを「なんて愚かなことを」と振り返ります。けんすうさんも、しゃもじと同じく寿命のあるものは替えないといけないと受け止めています。
20年前にまとめ買いしたものと、10年使う財布
話題は、田中渓さんが新卒の20代の頃に買ったブランドものに移ります。田中さんはハマり始めると一気に全部買うタイプで、当時買ったものは捨てられずに残っているそうです。
田中さんは靴を買うと決めたら徹底的にリサーチして5足ほどまとめて買い、時計やカバン、シャツ、スーツも1週間日替わりで回せるほど揃えたといいます。それを20年経った今も使っています。
けんすうさんは財布で同じことを実感していました。高級ブランドの財布を10年ほど使い、1週間ほど前に買い替えたばかりだそうです。
10年使えるんだったら絶対いいやつ買った方がいいなって思いました。
一方の田中さんは、今は名刺入れを財布代わりにしています。名刺を入れる場所に少しの現金と名刺、カードを入れ、それすら持たない日もあるそうです。マネークリップと使い分けていると話します。
けんすうさんは、堀江貴文さんが使っていてかっこいいと思いマネークリップにしたことがあるものの、中がぐちゃぐちゃになったといいます。田中さんも自分のマネークリップを見せ、「話にならない」と認めていました。
デニムは10年以上、お直ししながら履く
田中渓さんはデニムも長く履くものに挙げます。10年、15年という単位で履き、破れたらお直しの人に直してもらいながら履き続けているそうです。
昔は破れてもダメージデニムとして良かったものの、今はそういう年齢や時代でもなく、直して履く形になったといいます。
けんすうさんが「買いたくないという感じなのか」と尋ねると、田中さんは新しいデニムの履き心地を理由に挙げます。
うーん、まあ馴染んでくるじゃないですか。新しいの履くとゴワゴワしていて痛いし。
さらに田中さんは、男性がデニムをあまり履かなくなっている今、自分はまだ許される世代だから履き続けたいと話します。デニムには労働階級の感じがあり、自分はずっと労働階級でやってきた、という思いもあるそうです。
革靴は「車を知ってから馬車に乗る」くらい違う
けんすうさんが革靴について尋ねると、田中渓さんは新卒の頃にいい革靴をたくさん買ったものの、今は履く機会がなく、シューキーパーを入れて綺麗に保管したままだと答えます。
田中さんは、コロナ禍を経て皆の服装がスポーティーになったことが自分にも合い、革靴を履かないと決めました。どうしても必要な場面では、アシックスのランウォークという革靴を履いています。
ランウォークは天然の革ではなく合皮ですが、見た目は綺麗で、公式に「フルマラソンを走れる革靴」とうたっているそうです。
車を知ってから馬車乗るぐらい違うと思うんですよね。
田中さんはそれ以来、いい革靴は履けないと感じ、スニーカーとスポーツ系の革靴に移ったといいます。従来の革靴については「あれ拷問ですよ」と言い切り、雨の日は滑るし染みるし乾かないし臭う、と不満を並べています。
思い入れで残すものと、「一生これでいい」を探す買い物
けんすうさんが思い入れと合理性について尋ねると、田中渓さんは、好きなアーティストの限定盤レコードを探して掘り当てたものはずっと取ってあると答えます。
田中さんは、レースで着るとパフォーマンスがいい、自己ベストが出たときのランニングウェアなど、ジンクス系のものも愛着を持って大切にしているそうです。
けんすうさんのほうは、思い入れよりも「一生これでいい」と思えるものを探す買い物が好きだといいます。
田中さんも共感しつつ、まだ見つかっていないものもあると話します。旅行カバンは一生のものが欲しいのに迷走し続けていて、サングラスもいいものがあれば一生使いたいと考えているそうです。
番組の最後に二人は、リスナーが長く使っているものや、すぐ買い替えるもの、手放せないこだわりグッズをコメントで募集しました。チャンネル登録は年内5万人を目指しているそうです。
まとめ
けんすうさんと田中渓さんの買い物には、買い替え頻度が低いものほどいいものを買い、消耗するものは安くていつでも買い直せるものにする、という共通の線引きがありました。そのうえで、寿命のあるものはきちんと替え、思い入れのあるものは別枠で残しています。
- 爪切りや椅子、フライパン、財布など、10年単位で使うものは高くてもいいものを選ぶ
- 木のスプーン、白T、まな板、しゃもじなど消耗するものは、安く同じものを買い直せる選択が快適
- ランニングシューズは500kmが目安など、消耗品の寿命を知って買い替える
- 高級品でも使いこなせなければ、性能の良い安いものや新しいものへ乗り換えてよい
- 限定盤レコードやジンクスのあるウェアのように、愛着のあるものは合理性とは別に残す






