紙カタログ廃止で何が変わったのか
ゲームマーケットでは紙のカタログが廃止され、ゲームマーケット2026秋から電子版に切り替わりました。電子版になったことで、ブースカットをすべてカラーで掲載できるという良い点もありました。
ただ、Manaさんは実際に出来上がった電子カタログを見て、正直げんなりしたと話します。公式に対して申し訳ない気持ちもあると断りつつ、率直に「見にくい」と感じたそうです。
実際に出来上がったカタログを見たところですね、まあ見にくいわけなんですよ。
Manaさんによると、電子カタログには電子版ならではの工夫が見られず、紙カタログ用の版レイアウトをそのままPDFにしただけの状態だといいます。
今までの紙カタログのまあ版レイアウトといったものをそのまま利用して、それを印刷ではなくてPDFに変換しただけっていうような、ほんとそんな感じだったんですね。
画面上で紙のレイアウトを読むのは見にくく、かといって印刷しようにも相当なページ数になります。PDF配布の電子カタログは、画面で読むにも紙に戻すにも向かない形になっていると語られています。
カタログを眺める楽しさはどこへ消えたのか
Manaさんにとって、紙カタログは見るだけで楽しいものでした。どんなゲームが出るのか、知り合いの作者がどこにブースを出すのかを眺めながら、当日のことを想像できたからです。
あれ(電子カタログ)はちょっと開いた瞬間にそもそも見る気が起きなかったですね。
電子カタログのPDFはデータ量も重く、特にスマートフォンで見るのは厳しいとManaさんは話します。今後も電子版で続くのであれば、情報収集がしにくい状態をなんとかしたいと考えていたそうです。
作者たちが自分で作る有志カタログという発想
ゲームマーケットに出展する作者たちは、SNSやnoteなどを使ってそれぞれ宣伝活動を頑張っています。Manaさんはそこに目を付け、出展者から別途情報を募集して有志で独自のカタログを作れば、公式カタログより見やすいものができるのではないかと考えました。
PDFの電子カタログは、ひたすらスクロールして読むしかありません。Manaさんは最低限の改善として、ウェブサイトでよく見るページをめくるタイプのビューワーを挙げます。
あの(ページをめくる)アクション自体は私もちょっとめんどくさいなとは思うんですけれども、あれの利点って、この一気にダウンロードしなくても、こうページごとにダウンロードされるので、多少軽くなるんですね。
ページ単位のビューワーにはページという概念があるため、ブックマークや目次からのジャンプなど、さまざまな機能を追加できるとManaさんは説明します。
さらにManaさんは、PDFではなく電子書籍として読めるレイアウトに組み直し、EPUB ── 電子書籍の標準的なファイル形式の一つ。端末の画面サイズに合わせて文字やレイアウトが調整されるため、スマートフォンでも読みやすいのが特徴ですなどの形式で配布する案も挙げています。Amazonでの無料ダウンロードやEPUBファイルの直接配布にすれば、読者は手持ちの電子書籍ツールで読めるようになります。
紙の版レイアウトをそのままPDF化。一括ダウンロードで重く、スクロールで読むしかない
ページごとに読み込めて軽く、ブックマークや目次ジャンプなどの機能を付けられる
ブースカット以外に何を載せるべきか
有志カタログを作る場合、まずXなどで宣伝を積極的に行っている作者たちに募集をかけるのが一つの方法だとManaさんは考えています。そこで問題になるのが、何を募集するかです。
ゲームマーケットの公式カタログが基本的に募集しているのはブースカットだけです。Manaさんは、せっかく新たに作るなら、作者のアピール、簡単なルール説明、そのゲームを作った背景や思いなども掲載すると面白いのではないかと提案します。
Manaさんが挙げる電子版の利点は、何ページ作っても印刷代がかからないことです。紙では大量の参加者を載せるとページ数が膨大になるため、ブースカットという1枚の画像にまとめる形式だったのだろうと推測しています。
電子版ってなりますと、ほんとサークル1ページぐらいを与えてしまっても全然問題はないと思うんですね。
紙カタログ:印刷代とページ数の制約から、ブースカット1枚にまとめる
電子版:印刷代がかからないので、1サークル1ページでアピールやルール説明、作品の背景まで載せられる
レイアウトはなぜ統一したほうがいいのか
一方でManaさんは、作者に1ページを渡してレイアウトまで自由に作ってもらうのは負担が大きいとも考えています。ブースカットだけでも、自分でデザインできない人はデザイナーに依頼し、別にコストをかけている可能性があるからです。
そこでManaさんが考える最も簡単な方法は、紙面のレイアウトをあらかじめ決めておき、GoogleFormのような入力フォームに必要事項を入れてもらう形です。集まった情報をレイアウトに流し込み、EPUB化して配布するという流れです。
フォーマットを決める
紙面のどこに何を書くかを事前に固定する
作者が入力
GoogleFormのようなフォームに必要事項を入れる
流し込み
集まった情報をレイアウトに自動で流し込む
EPUB化して配布
電子書籍として読める形で届ける
フォーマットを決めておけば、参加する作者は参加しやすく、制作側も流し込むだけで手間が少なく、読む側も比較しやすくなります。統一フォーマットは、作者・制作者・読者の三者にとって利点があるとManaさんは話します。
ルールが重要だっていう人は、ルールが掲載しているところをバババッて見ていきますし、もっと概要でいいんだみたいなところ、キャッチコピーであったり、おすすめポイントであったり、そこでバババッて見ていく。
たとえば2人用のゲームを探している人にとって、プレイヤー人数が右上や左下など作品ごとにバラバラの場所に書かれていると探しにくくなります。Manaさんは、どの情報を紙面のどこに書くかというルールは定めておいたほうが絶対に見やすいと強調します。
作者なりのこだわりで配置したいというニーズがあることは、Manaさんも認めています。それでも読む側がまず知りたいのは情報なので、世界観などの表現は、見やすさと伝わりやすさが担保された後でよいという考えです。
検索と絞り込みで何ができるようになるのか
Manaさんは、オンラインのウェブページや専用ビューワーを通せば、見やすさ以外にもさまざまな機能を付けられると話します。その一つがしおり機能です。
昔であれば紙カタログの時も付箋でこうページとかにチェック入れたりだとか、貼ってとか、そういったことをやっている人多かったかなと思うんですけども、それはオンラインでもできるようになりますと。
さらにフォーマットを統一しておけば、検索もしやすくなります。プレイヤー人数、キャッチコピー、世界観といった情報がはっきり項目分けされているため、50音順やブース順だけでなく、項目での絞り込みが可能になるとManaさんは説明します。
あとはなんか世界観、異世界ファンタジーで絞り込んだりだとか、トリックテイキングで絞り込んだりだとか、そういったことも全然できるようになると思います。
Manaさんは、情報の見やすさに加えて、情報の検索性も大きく高められるのではないかとまとめています。
チェックした作品が自分用のしおりになる
Manaさんのアイデアはさらに広がります。カタログを見ながら気になる作品に「いいね」のようにチェックを付け、出力するとお買い物リストがエクセルや印刷用PDFで書き出される機能です。
書き出されるリストには、サークル名、ブース番号、作品タイトル、金額などが一覧で並びます。自分でお買い物リストをまとめ直す必要がなくなるとManaさんは話します。
ブース番号が入っていれば、ゲームマーケットの会場マップと連動させ、チェックしたブースに自動で色を付けることもできます。予約済みかどうかのチェックや、受け取り時間の情報を加えれば、何をいつ受け取るべきかも把握できるといいます。
いわゆる(ゲームマーケットに)遊びに行くにあたっての自分用のしおりができるみたいなイメージですね。
Manaさんは、こうした仕組みは今ならAIもあるため、情報さえ集まればそれほど難しくなく実現できるはずだと考えています。
オンラインなら直前の修正も追加もできる
有志カタログの場合、ゲームマーケットの素材そのものは使えないため、会場マップなどは独自に作る必要があるとManaさんは話します。それ以外は作者から直接情報をもらって掲載するので、問題はないという見立てです。
オンラインのもう一つの良い点として、Manaさんは後から修正できることを挙げます。印刷ほど前もって内容を確定する必要がなく、誤字脱字が見つかった場合もギリギリで直せます。
さらに、締め切りを決めて一度流し込んで終わりにするのではなく、直前まで受け付けて追加していくこともできます。新しい作品のページを足すことも、オンラインならすぐにできるといいます。
もうなんか色々と話してていいことずくめだなというふうにちょっと改めて思ってきましたね。
最大の壁はどれだけ情報が集まるか
自分でやるか、募集をかけるかを考えているManaさんですが、有志カタログの一番の肝は、どれだけ情報を集められるかだといいます。
ゲームマーケット公式カタログの最大の強みは、すべての参加者の情報が載っていることです。個人レベルで募集して100〜200件程度しか集まらなければ、全体から選びたいという需要には劣ってしまうとManaさんは話します。
だってあのゲムマ公式のブースカットでさえ未提出の人もいますし、あとゲムマサイトですね。ゲムマサイト内のページ、あれも自分たちで簡単に作れるのに、それさえも作っていない人たちってまあいるわけなんですよ。
公式サイトであれば、少なくともブース一覧でブース番号はわかります。しかし有志カタログに登録しない出展者については、ブース番号さえわからない状態になることが懸念だとManaさんは語ります。
全参加者の情報が載る。ただし現状はPDF配布で見にくく、機能もない
フォーマット統一や検索・リスト出力などの機能を盛り込める。ただし集まるのは一部の出展者にとどまる懸念
本来は公式に実現してほしいこと
Manaさんは、ゲームマーケット公式はゲムマサイトという巨大なデータベースを持っているのだから、本来は公式で実現してほしいと話します。参加者はゲムマサイトのアカウントを持っているため、そこでブースカットや情報を登録し、自動的にオンライン書籍や検索機能につなげる形が考えられるといいます。
もちろん、あれだけの規模のサイトではシステム改修に手間もお金もかかり、提出期限などさまざまな事情が絡むこともManaさんは理解しています。公式での実現が難しいなら、有志でゲームマーケットを盛り上げるために取り組んでもよいという考えです。
なおManaさんは話の途中で、ブースカットはかつてゲムマサイト内で提出していたものの、その後Googleフォームでの提出に変わった記憶があると補足しています。ただし記憶が曖昧だとして、誤った情報を話していたら申し訳ないと断っています。
一緒に作る人を募る夢の話
今回の話の起こりは、電子版にすれば今の時代いろいろと面白いことができるのに、PDFで配布しただけだったことへの残念さだとManaさんは振り返ります。そして、こうすればいいのではないかという夢の話でもあると位置づけています。
もしこの話を聞いてちょっとやってみようかなっていう人がいたらぜひお願いしたいです。いなければちょっと自分でやっちゃうかもしれないです。
一緒にやりたいという人がいれば議論しながら進めたいとして、Manaさんはコメントやリアクションを呼びかけています。
カタログの見やすさは、単なる使い勝手の問題ではありません。Manaさんは、新規ユーザーの参加しやすさと業界全体の盛り上がりにつながる重要なポイントだと考えています。
まとめ
ゲームマーケットの電子カタログは、紙のレイアウトをPDFにしただけで見にくいというのがManaさんの問題提起です。そこから、フォーマット統一、検索、お買い物リスト出力を備えた有志カタログの構想が語られ、情報がどれだけ集まるかが最大の課題として示されました。
- 現在の電子カタログは紙の版レイアウトをそのままPDF化したもので、重く、画面でも印刷でも読みにくい
- 電子版なら印刷代がかからないため、1サークル1ページで作者のアピールやルール説明まで載せられる
- 掲載フォーマットを統一すれば比較しやすくなり、プレイヤー人数やジャンルでの絞り込み検索も可能になる
- チェックした作品をお買い物リストや会場マップと連動させ、自分用のしおりにする機能が提案された
- 有志カタログの最大の壁は情報の網羅性で、本来はゲムマサイトを持つ公式での実現が望ましいと語られた

