フレックスタイム制とは何か
まず吉田さんは、フレックスタイム制の基本を説明します。1か月に働く総時間だけを決め、その中で従業員が働く時間を自分で決められる制度だといいます。
フレックスタイム制っていうのは、1か月、例えば160時間とか150時間働きますっていうのを決めて、従業員さんが何時から何時まで働くのかっていうのを自分で決められる制度なんですね。
安田さんは、従来の9時から5時のように会社が時間を決めるのではなく、従業員側が始業と終業を決められる制度だと確認します。
今までの普通のよくあるのが9時から5時までとか、時間決まってるのが普通ですけど、その時間を従業員の方が決めれるっていうのがフレックス制度。
吉田さんはこれを肯定しつつも、いい制度に見える一方でデメリットもあると早い段階で釘を刺します。
フルフレックスと通常のフレックスの違い
続いて吉田さんは、エピソードのテーマである「フルフレックス」が通常のフレックスとどう違うのかを整理します。一般的なフレックスタイム制は、フレキシブルタイムとコアタイムの2つを決めるタイプだといいます。
具体的には、フレキシブルタイムを朝7時から夜20時までとし、コアタイムを11時から15時までと決めるようなイメージだといいます。コアタイムの時間だけは必ず出社が必要になります。
そのうえで、コアタイムのないフレックスがフルフレックスにあたると説明します。
コアタイムがないフレックスっていうのをフルフレックスとかスーパーフレックスとか、そういう呼称で呼ぶことが多いですね。
フレキシブルタイムとコアタイムの両方を決める。コアタイムの時間帯は必ず出社が必要。
コアタイムがない。出社が必須の時間帯を設けず、より自由度が高い。
吉田さんがフレックスをあまり勧めない理由
ここで吉田さんは、個人的な見解としてフレックスをあまり勧めていないと打ち明けます。いい制度だと感じていた安田さんは驚きます。
フレックスをあまりお勧めしていないというのは、どういうことでしょうか。
従業員から見れば、いつ来ていつ帰ってもいい働きやすい制度です。ただし、全員が自立して自分をコントロールできる集団でなければ、うまく機能しにくいと吉田さんは考えています。
吉田さんは、学生時代の夏休みを例に挙げます。だんだん起きる時間が遅くなり、深夜に活動するようになった経験は自分にもあると振り返ります。
フレックスも安直に導入しちゃうと、朝髪ボサボサな感じで、やる気ない感じで昼頃に来るようなスタッフさんが出来上がっちゃう可能性があるんですよ。
ルール上は問題なくても、そうなってしまう可能性を踏まえる必要があるという指摘です。安田さんは、前回のリモートワーク回にも通じる「人間は見ていないところでだらけてしまう」という点を確認します。
働きやすさが生む採用面のメリット
一方で、デメリットをクリアできればフレックスは大きな強みになると吉田さんは続けます。事情のある社員が柔軟に働けるようになるからです。
例えば、小さな子どもがいる社員が午前中に子どもの診察を受けてから出社する、介護中の家族がいる社員が早めに帰る、といったことが自由にできると説明します。
小さなお子さんがいらっしゃるとかであれば、午前中少し子供を病院に診察を受けてから出社したいって言った時も、柔軟に出社時刻を設定できたりとか。
9時から5時と決まっている会社では働きづらいと感じていた優秀な人材が、フレックス制の会社へ転職してくることもあると吉田さんはいいます。
だらけさせないための具体的な工夫
では、けじめをつけるとは具体的にどういうことなのか。安田さんの問いに、吉田さんはまず避けるべき運用を挙げます。
会社に来た時間が始業時刻っていうのはやめた方がいいと思いますね。
当日その場で始業時刻が決まる形にすると、時間はどんどん遅くなりがちだという理由です。制度上は当日決める必要はなく、あらかじめ従業員が決めておけばよいと説明します。
そこで吉田さんが勧めるのが、勤務時間を1週間先まで先出ししてもらう運用です。事前に予定を出しておけば、会社としてのけじめも保てるといいます。
週間先出ししてもらって、その時間には来てくださいと。そういう形にすれば、一定のけじめとか、会社の中での予定というのは決めれるので、フレックス入れた方が企業としては健全かなと思います。
安田さんは、その日ごとに決める形だと時間が遅くなっていく様子が想像できると納得します。吉田さんも「遅れる自信がある」と冗談交じりに応じます。
さらに厳格に管理したい場合は、社員一人ひとりの役割を明確にし、本人と面談したうえで時間配分を任せる方法があると吉田さんは付け加えます。
安田さんは、もっと大がかりな話になるかと思っていたが、こうした小さな工夫でも人はしっかりできるものだと感想を述べます。
まとめ
フレックスタイム制は従業員にとって働きやすく、採用面でも強みになる制度です。ただし全員が自己管理できるとは限らないため、けじめとなるルールを整えたうえで導入することが健全だと吉田さんは話しています。
- フレックスタイム制は総労働時間を決め、始業・終業を従業員が決められる制度
- コアタイムがないタイプがフルフレックス(スーパーフレックス)と呼ばれる
- 自己管理できない社員がいると、だらけてしまうデメリットがある
- 勤務時間を1週間先まで先出ししてもらうと、けじめを保ちやすい
- より厳格に管理するなら、役割を明確化し本人と面談して時間配分を任せる




