そもそも週休3日制はどれくらい普及しているのか
働き方シリーズの最終回のテーマは週休3日制です。安田さんが「自然と笑顔になる」と話すほど、働く人にとっては魅力的な響きがあります。
私、サラリーマン時代に、もし社長が「来週から週休3日制にするぞ」なんて言ってくれたら、まあ笑いが止まらないと思います。
では実際にどれくらいの企業が導入しているのか。吉田さんによると、東京都の調査で大体2パーセント程度にとどまっているといいます。
100社あって2社ほど。これから徐々に広がるとは考えられるものの、まだまだ導入されていないのが現実だと話されています。
労働時間が減らない週休3日制もある
週休3日制はそもそも法的に可能なのか。吉田さんの答えは「できる」で、そのうえで複数のパターンがあると説明します。
1つは、1日8時間労働をそのままに週4日にして、労働時間が減るケースです。週40時間が週32時間になります。
一方で、本来の趣旨からは外れるものの、1日10時間かける4日にして週40時間を維持するケースもあります。この場合、労働時間の合計は変わりません。
じゃあ、その労働時間全体の合計数は変わらない週休3日もあるんですね。
この形だと「今までと変わってないじゃん」と言われることもあるといいます。1日の労働時間が伸びるため、体への負担は増します。
ただし通勤が1日なくなる点はメリットになり得ます。毎日1時間以上満員電車に揺られている人にとっては、こうした働き方でも意味があるかもしれないと話されています。
1日8時間×週4日で週32時間。労働時間そのものが減る本来の趣旨に近い形
1日10時間×週4日で週40時間。合計は変わらず1日の負担は増えるが通勤が1日減る
流行に乗って導入するとうまくいかない理由
どういうときに経営にとってメリットがあるのか。吉田さんは「どういう人を採用したいのかが明確になっていること」を前提に挙げます。
週休3日が流行ってるから、じゃあうちも週休3日にしちゃおうみたいな、流れに身を任せて導入しても、あまりうまくいかないなと思ってます。
注意点として、一度導入すると簡単には戻せないことがあります。原則的な考え方では、週休2日制に戻す際に対象となる従業員全員の同意が必要になるためです。
だからこそ、導入は慎重に進めた方がよいと話されています。
週休3日がハマる「生活型」の人材
鍵になるのは、どんな人材を採用したいかです。吉田さんは中小企業で働く人を大きく仕事型と生活型の2つに分けて説明します。
仕事型は、キャリアや自分がいくら稼げるかに関心が強い人です。残業も積極的にこなし、休日にセミナーや交流会に出て人脈を広げようとするタイプだといいます。
こういう人は正直、週休3日制、合わないんですね。
週休3日にしても、休みの1日を家での仕事に充ててしまいそうだと吉田さんは指摘します。
一方の生活型は、家から近い会社を希望したり、今の生活が破綻しないような労働条件を志望したりする人です。仕事の選び方の基準が仕事型とは異なります。
キャリアや収入を重視し、残業や休日の交流会にも積極的。休みが増えても仕事をしがちで週休3日は合いにくい
通勤距離や生活のしやすさを基準に会社を選ぶ。働きやすさが増す週休3日制がマッチしやすい
部門ごとの導入と、給料をどう扱うか
会社全体で一律に決める必要はないと吉田さんは言います。営業などバリバリやりたい部門は週休2日、事務部門は週休3日、といった使い分けも可能です。
この形なら求人面でも有利になり、採用に苦労している企業にとっては工夫の余地になると話されています。
気になるのは給料です。単純に日数で考えれば下がりそうですが、労働基準法上、会社が勝手に給料を下げることはできません。
そこで、給料を維持したまま週休3日制にする方法や、選択制にする方法が挙げられます。従来の給料を100とすると、100のまま週休2日で働くか、7〜8割ほどになる週休3日を選ぶか、本人が選べる形です。
選べること自体が満足度につながるとされ、しかもその選択は一度きりではありません。子育てや介護で状況が変わったときに週休2日から3日へ切り替えられるよう、会社が制度を用意しておくこともできます。
今は仕事を大切にしたいから週休2日にする。子育てや介護のことが大変になってきたから週休3日制にチェンジするというのも、会社でちゃんと制度を用意しておけばできるんですよ。
まとめ
週休3日制はまだ普及率2パーセント程度の制度ですが、採用したい人材像を明確にし、生活型の人や特定の部門に合わせて設計すれば、経営者にとっても働く人にとってもメリットのある仕組みになり得ると語られました。
- 週休3日制の導入企業は東京都の調査で約2パーセントにとどまる
- 労働時間が減る型と、1日10時間×週4日で合計は変わらない型がある
- 流行で導入せず、採用したい人材像を明確にすることが前提
- 仕事型には合いにくく、生活のしやすさを重視する生活型にマッチしやすい
- 部門ごとの導入や、給料を維持・選択制にする設計で無理なく運用できる




