風邪は喉から?葛根湯を止められた話
この回は、岡島さんが少し風邪気味の状態から始まります。喉に違和感を覚えた岡島さんは、前に玉置さんから教わった通り、まず葛根湯を飲みました。
ところが翌日に薬局へ行くと、思わぬことを言われます。法律が変わって風邪薬がレジの中に置かれるようになり、初めて症状を尋ねられたそうです。
喉で、葛根湯飲んだんですけどって言ったら、絶対ダメですって言われて
理由は、風邪のタイプによって薬が違うから。喉から来る風邪の場合、葛根湯は体温を上げて喉の腫れを悪化させることがあると説明されたといいます。
代わりに勧められたのが、喉風邪向けの銀翹散でした。飲んで寝たら、いつもなら3日目に絶望する喉の痛みが和らいでいたと話しています。
「できた人」に見られるのが気まずい
本題は「品のいい人がやらないこと」。きっかけは、玉置さんの最近の悩みでした。
受講生の中に、玉置さんを「できた人」として美化して扱う人がいるといいます。ありがたい一方で、期待値が上がりすぎることに気まずさを感じているそうです。
本当に私が完璧な人だったらいいんですけど、いやいや、全然そんなことなくて
玉置さんは、なぜ「こうしたらいい」と語れるのかを説明します。それは最初からできていたからではなく、逆だといいます。
起業のきっかけも「当時の彼氏と結婚したかったから」という動機だったと明かします。全然ピュアじゃないスタートだったと振り返ります。
「欲がない」のではなく「欲が広がった」
玉置さんは、自分を「いい人」と見る評価にも違和感を示します。ひと旗の説明会で、合わないと感じた人には「入らない方がいい」と伝えることも、その一例です。
これも善意ではなく計算だといいます。合わない人が入れば結果が出ず、不満が悪評につながる。それを避けるための損得勘定だと語ります。
欲がないんじゃなくて、欲が広がっちゃってるだけなんですよ
自分だけではうまくいかないから、周りの人やお客さんにも良くなってほしい。その欲の範囲が広がっただけだ、という整理です。
人間としても完成形ではない、と自分の過去も並べます。20年前には社員をビンタしたこともあると、率直に打ち明けました。
いっぱい失敗しても、何も成長しなかったり、何も学んでなかったら、そっちの方がやばいじゃないですか
そもそも「品」とは何なのか
玉置さんが今回このテーマを選んだ理由は明快です。上品なトークで語れば「できてるから言うんでしょ」と思われる。だから、あえて自分に足りないと自認する品性を選んだといいます。
岡島さんは「むしろ上品だと思っていた」と返しますが、玉置さんは市販の「品のいい人になる本」の基準では自分は当てはまらないと言います。
今もこう、普通にあぐらかいて収録してますからね
では品とは何か。玉置さんは、下品だと感じることの方が言語化しやすいと指摘します。
- 「月収いくら」と見せびらかすような発言
- 火事場泥棒のような振る舞い
- 人の悪口を言うこと
こうした「品がないこと」を集めながら、逆算して「品が良いとはこういうことではないか」を整理してきた、というのが玉置さんの発想です。
アリストテレスと「輝きを曇らせない」定義
話は玉置さんの会社名「ユデイモニア」に及びます。初期のChatGPTに「こんな会社を作りたい」と入力して出てきた候補だそうです。
アリストテレスによれば、人間が本来持つ「徳(アレテ)」を発揮し続ける状態がユデイモニア、つまり本当の幸せだといいます。
ここでの「徳」は道徳ルールではなく「卓越性」を指します。玉置さんは、馬の徳は速く走ること、人間の徳は理性と品性で本来の自分を生きることだと紹介します。
この「卓越性」という言葉を、玉置さんは自分なりに言い換えます。それが、この回のいちばんの核になる定義です。
品性をつくる5つの要素
玉置さんは、AIと対話しながら自分の価値観を整理し、品性を5つの要素に分類したといいます。行動が「輝きを曇らせるかどうか」で考えた結果です。
1つ目の誠実さは、他人以前に自分への誠実さだといいます。人によって態度を変えたり、誰も見ていない時に悪いことをするのは、この誠実さがない状態です。
誰かが見ているからやっているのでなくて、誰も見ていなくてもやるだろうか
2つ目は、自分の利益だけでなく周りや社会への影響を考えられているか。玉置さんは、配慮の範囲が広い人ほど品が良く見えると話します。
ただし、それが自己犠牲になっては違うといいます。自己犠牲していないのに、幸せそうに他人に配慮できている姿がかっこいい、というのがポイントです。
感情のコントロールと「節制」のカード
3つ目は、欲望や感情をコントロールできているか。欲をなくす悟りの話ではなく、うまく扱えているかどうかだといいます。
感情を、どういうエネルギー源として使おうか、欲望をどういうエンジンとして使おうか
岡島さんは、承認欲求の赴くままに行動すると品がなく見える、と自分の言葉で例を挙げます。玉置さんも同意しつつ、暴走している人の愛しさは別の話だと補います。
玉置さんは、この感覚をタロットカードの「節制」で説明します。天使が水瓶から水瓶へ慎重に水を移す絵柄だそうです。
水をこぼさないよう集中してコントロールするその姿こそ、感情や欲望の扱い方そのものだと玉置さんは感じるといいます。失敗して水をこぼしながら学ぶ点も、品性と重なります。
勇気と謙虚さ、そして「濁らない」姿
4つ目は勇気です。間違っていると思いながら目をつぶったり、信念と違うのに長いものに巻かれる姿は、品よく見えないといいます。
みんなが違うなと思ってるけど目をつぶってる時に、私はこれは違うと思うって声を上げられる人
岡島さんはこれを「高潔」という言葉で受け止めます。玉置さんの中でも、高潔さと品性はほぼイコールだといいます。
5つ目は謙虚さです。玉置さんは、以前一緒に仕事をした実績あるデザイナーの例を挙げます。誰もが知る作品を手がけた人が、名前を伏せて若手向けのコンペに応募していたそうです。
自分はこれで頂点だとか、学ぶものがない完成形だみたいに思ってしまった瞬間から、その人本来持ってる輝きって濁っていく
岡島さんは「輝きが濁る」という表現に強く反応します。5つの要素はどれもゴールがなく、油断すれば欲や虚勢に寄ってしまうと確認し合います。
嘘は「効率が悪い」から、やめた
玉置さんは、自分のキャリアの出発点では5要素のどれもできていなかったと振り返ります。自信がない時ほど「私すごいんだぜ」と言いたくなるといいます。
具体例が、インターネット創成期のエピソードです。Microsoftから受けたのは、フォームからCDの申込データを配送センターに送るだけの簡単な仕事でした。
あたかもMicrosoftのサイト全部作ったような顔して書いてましたからね
嘘ではないが、誤解を誘発する見せ方だったと認めます。就活の面接など、多くの人が同じような「盛り方」をして、内心モヤっとしていることに岡島さんも共感します。
玉置さんは、品性を上げることを、このモヤモヤを消していく作業だと言い換えます。
さらに嘘については、道徳論ではなく実利で語ります。嘘をつくと言ったことを覚えておく必要があり、その上に話を組み立てなければならない。
だからめちゃくちゃコスパ悪いなってことに気づいて、やめた派なんですね。道徳的な側面よりも
岡島さんも「嘘をつくとスペックが落ちる気がする」と同意します。誰かを共犯者にして嘘に巻き込む人への負担感にも触れました。
品性を高めると、自分が一番楽になる
嘘を良くないと道徳で縛るのは難しい、と玉置さんは言います。人は事実と解釈の世界に生きており、解釈が歪めば広い意味で嘘になることもあるからです。
だからこそ、縛るのではなく「自分は誠実でいよう」という努力でいい、という結論に落ち着きます。
岡島さんは、この回で「輝きが濁る」というイメージがつかめたことで、正直でいようという意識が学びとして言語化された、と振り返ります。
最後は2人で「一緒に品性を高めていきましょう」と話し、期待値を正直にコントロールしながら、と笑い合って締めくくられました。
まとめ
品性とは、上品なマナーではなく「本来の輝きを曇らせないこと」。玉置さんは自分の失敗をさらしながら、後から磨ける5つの要素として整理しました。行動にモヤっとしたら、それを消していくことが、結局は自分を楽にするという話でした。
- 品性とは、そもそも持っている輝きを曇らせないこと
- 品性は誠実さ・利他の範囲・コントロール・勇気・謙虚の5要素で整理できる
- 誠実さの核は、誰も見ていなくてもやるかを自分に問うこと
- 嘘は道徳以前に「コスパが悪い」ため、負債になっていく
- モヤモヤを消して輝きを取り戻すと、自分が一番楽になる







