聞いた夜に即実践、リスナーの行動力に驚く
番組冒頭では、前回のお便りを読んだリスナーのつばささんから、続報が届いたことが紹介されます。放送を聞いた夜に、早速自分から動いてみたという内容でした。
つばささんは前回、家族の愚痴に上の空で応じていた自分を振り返り、それが愚痴を再生産していたと指摘されていました。放送後、自分の内面を掘り下げ、関係を切りたい本音と責任感の板挟みで「体だけ置いて心は逃げる」防衛反応を選んでいたと気づいたといいます。
つばささんは、放送を聞いた夜に自分から「今日仕事で何かあった?」と能動的に妻へ聞きに行ったと報告しています。すると妻の愚痴の量やトーンが落ち着き、自分の聞くストレスも変わる即効性に驚いたと書いていました。
これはね、私たちのアドバイスうんぬんの前に、つばささんの行動力ですよ。
玉置さんは、もし一対一で相談されていたら、相手を気遣ってもっと寄り添った回答をしたと明かします。ポッドキャストでは聞き手がつまらないと考え、あえてズバッと言ったため、つばささんが傷ついていないか気にしていたそうです。
つばささんのおかげで私たちが救われました。
スモールステップの話を修正したくなった理由
玉置さんはこれまで、行動しやすくするために最初の一歩を小さく刻む「スモールステップ」を勧めてきました。筋トレなら「まずダンベルを棚から取り出す」くらい小さくてもいい、という考え方です。
行動を信じる宗教です、って答えるぐらい行動教なので。
ところが玉置さんは、その説明を修正しなければいけないことをしてしまった、と切り出します。スモールステップには罠があり、その背景に学習ポルノ ── 何かを見る・聞く・知るといった消費活動をしただけで「やった感」を得てしまい、実際の行動を減らしてしまう現象を指す言葉。自己啓発ポルノや感動ポルノと同じ「〜ポルノ」の系譜にありますという言葉があるといいます。
学習ポルノとは、知る・見る・聞くといった消費活動をしただけなのに「やった感」だけを搾取してしまい、実際の行動を減らしてしまう現象だと玉置さんは説明します。
玉置さんは、24時間テレビで体の不自由な人を出してコンテンツとして消費する形が批判される「感動ポルノ」を例に挙げます。本来は自己変革を促すはずのコンテンツが、消費して終わり、いいことをした気分で止まってしまう構造は同じだといいます。
その学習ポルノの中にポッドキャストが入ってるんですよ。
玉置さんによれば、ポッドキャストを聞くと勉強した感が出ます。YouTubeや無料セミナーのように気軽に摂取できるものほど、本当にすべきことをやっていなくても勉強した感が出てしまうといいます。
なぜ「やった気」が行動を止めるのか
玉置さんは、学習ポルノが厄介なのは、大した努力でないのに「行動しなきゃ」「勉強しなきゃ」という罪悪感を減らし、免罪符として働く点だと指摘します。
一方で、多額のお金を払ったり長く努力を重ねたりしたものには、サンクコストが発生するため「せっかくここまでやったから」と行動を続ける気持ちが湧きます。玉置さんは、無料や安価なコンテンツにはこのサンクコストがないため、免罪符を得ただけで止まってしまうと説明します。
玉置さんは、行動が止まる仕組みを示すいくつかの実験を紹介します。まず、メニューにサラダを加えると、サラダではなくポテトの注文量が増えるという現象です。
サラダを見てるんですよね。見ただけで健康になった気になるんですって、人。
玉置さんによれば、サラダという選択肢を見ただけで免罪符を得て、結局ポテトを選んでしまうといいます。選択肢を見た、あるいは語っただけでやった感が出るのも同じ現象だそうです。
玉置さんは、SNSでそれっぽいことをつぶやいたり、ポッドキャストの感想を書いたりするだけで「行動してる感」が出る例を挙げます。象徴的な行為で満たされると、本物の行動をしようというニーズが下がってしまうといいます。
玉置さんは、目標を公言した人は公言しなかった人より取り組んだ時間が短くなったという実験も紹介します。宣言しただけで、一つ成し遂げた感覚になってしまうためだといいます。
消費する
ポッドキャストを聞く、SNSでつぶやく、選択肢を見るなど、軽い接触をする
やった感を得る
行動していないのに、勉強した・前に進んだという感覚が生まれる
罪悪感が減る
勉強しなきゃという焦りや罪悪感が免罪符で相殺される
行動が減る
本物の行動をしようというニーズが下がり、実際の行動が止まる
わかった気になる「流動性の錯覚」
玉置さんは、聞いて「なるほど」と思った内容が身についたように勘違いし、勉強に取り組まなくなる流動性の錯覚 ── 話がすっと理解できたことを、その知識が定着し使える状態になったことと取り違えてしまう錯覚。理解のなめらかさを習得と混同する現象を指しますという現象があると紹介します。
玉置さんは、AがBでBがCだからAがCだと聞いてすっとわかることと、その内容が定着して使える状態になっていることは全く別物だと説明します。それでも身についた感がするため、改めて訓練しようという気持ちが減ってしまうといいます。
入り口なのに(気持ちが減っちゃう)。
玉置さんは、いろんな人と話す中で、ポッドキャストを聞き始めたばかりの人のほうが行動に移せ、長く聞いている人のほうが行動に移せないパターンが多かったと明かします。その理由が学習ポルノで腑に落ちたといいます。
玉置さんは、自分が月額数百円のサービスを運営していたことにも触れつつ、無料や安価でサンクコストが小さすぎるものは、免罪符だけを確保して行動しようという気持ちを相殺してしまうと語ります。
消費で終わらせないための3つの手順
玉置さんは、皆に行動してほしくて話しているのに、それが免罪符になっていたら悲しいと述べ、どうすればよいかを考えたといいます。
玉置さんがまず挙げるのは、見る・聞く・知るという消費で終わらせないことです。積ん読も、買ったことで免罪符を得るという点で同じ現象だと指摘します。
次に、進んでいる一歩が、自分のゴールに対して本当に一歩になっているかを考える必要があるといいます。玉置さんは、キャリアアップしたい人がペットのトリマーの無料講座に参加しても、やった感はあってもゴールには繋がらない例を挙げます。
そして三つ目は、最初の一歩の次まで決めておくことです。玉置さんは、踏み出しやすい一歩で終わらせず、次の一歩を決めておくことで二歩目になると説明します。
インプットを受けたらすぐさまアウトプットする。これがまず大事なんですよね。
具体的には、コンテンツを消費したらすぐに何かを生み出すことだと玉置さんはいいます。考えたことや感想でもよく、自分で書くという行為が学習ポルノを打ち消してくれるそうです。
玉置さんは、消費を完了形にせず、本気で取り組んでいるという文章に置き換えるといいと語ります。「ポッドキャストを聞いた」で終わらせず、「本気で転職活動や勉強に取り組んでいる」と自己認識することがポイントだといいます。
インプットだけは危険になることもある
消費って怖いんですよね。
玉置さんは、娯楽としてコンテンツを消費すること自体は悪くないと前置きします。ただし、行動やスキル・キャリアを積み上げたいなら、消費だけで済ませるのはマイナスになると強調します。
インプットだけが危険になる場合があるってことを覚えておいていただきたい。
岡島さんは、たくさんインプットして良かったと思っても、動けば行動に反映される気がするが、実際はそうでもないのかと確認します。玉置さんは、それがやった気になる罠だと応じます。
玉置さんは、凝った料理をしていると食べた気になってお腹いっぱいになることや、セミナーでモチベーションが上がると何か成し遂げた気分になることも同じだといいます。YouTubeを見て前に進んだ感が出ると焦りが減り、それが行動にマイナスに働くと説明します。
玉置さんは、自分は本を読んだ後に必ずアウトプットすると明かします。書いてある内容を受けて自分がどう考えたか、目の前の仕事にどう活かせるかを書きたくてしょうがなくなるといいます。
読んでその気になってて終わっていたら、本の中身もいずれ頭から消えちゃって。食べたご飯と一緒ですよ。
岡島さんは、読んでも思い出せない本が無限にあると同意します。玉置さんも、自伝などで気分が高まり冒険した気持ちになっても、何も残っていないことがあると振り返ります。
玉置さんは、書きたくなる理由について、目の前の課題や普段目指していることが明確だからだと分析します。行動がありきで摂取しているため、本からヒントを得てすぐ動けるのだといいます。
ゴールは壮大でなくていい
岡島さんは、結局のところ自分がどうなりたいかというゴールを見つけるのが難しいと投げかけます。玉置さんは、みんな欲張ってゴールを大きく考えすぎているのではと答えます。
玉置さんは、自分が摂取しているコンテンツからゴールを逆算する方法を提案します。なぜこれを聞きたいのかを考え、「教養があると言われる人間になりたい」など、自分のゴールを推測してみるとよいといいます。
大人になったからって、そんなにシュッとしたゴール設定ができるようになるわけじゃないですよね。
玉置さんは、幸せや自由が何かは何千年も人間が考え続けてきた難しいテーマであり、人生の半ばで無理に定義する必要はないと語ります。今、何に向かって行動したいのかが定義できるくらいのゴールでいいといいます。
玉置さんは、ポジティブな願いがなくても、「この不安をなくしたい」「経済的な不安がない状態になりたい」といったものでも立派なゴールだと述べます。ゴールは全然壮大である必要はないという考えです。
立派で壮大なゴールを決めなければと欲張り、シュッと定義できずに動けなくなる
今どこに向かって行動したいかが定義できる程度でよく、不安から脱したいでも立派なゴール
10億円のゴールから見えた、行動と学習の関係
玉置さんに岡島さんのゴールを問われ、岡島さんは漠然と10億円くらいあれば自由になれる気がすると打ち明けます。ただ、やっているうちにそんなにお金はいらないかもという気持ちにもなってきたと語ります。
岡島さんは、10億円あってもマンションを適当に買えると思っていたが、持っていないのに親族での争いや使い切る大変さを考え出し、むしろ自由を奪われるのではと最近は考えていると明かします。
安心してください。10億じゃ、大したマンションも買えませんし。
玉置さんは、経済的な不安から自由になりたいのがゴールなら、10億円は少ないと指摘します。したいと思った瞬間に何かできる状態を望むなら、プライベートジェットも持てないといいます。
10億円逆に自由奪われるくね?みたいなことを変に考え出して。
玉置さんは、山を登るとだんだん見える範囲が広くなるように、ゴールに向かうと視界が広がると語ります。10億円が少なかったら100億円にすればよく、上には上があると気づけば違う方法を探すかもしれないといいます。
岡島さんは、ここで自分がメタ認知を発動させ、大した事業もやっていない30歳の男が上場企業を経営した相手に10億円の運用の話をしている構図に気づき、話を本筋に戻します。
ゴールがあれば学習ポルノに陥りにくい
岡島さんは、ゴールがあれば学習ポルノのような罠に陥りにくいのではないかと確認します。玉置さんは、ゴールに向かって行動できるよう、インプットの次はすぐアウトプットし、ネクストステップまで考えることが大事だと応じます。
これがマイナスになるんだったら、もう悲しいけど聞かない方がいいです。
玉置さんは、行動しましょうと言っているのに番組が足止めになるなら嫌だと語ります。岡島さんは、コンテンツで得た気づきから日々の仕事を変える人も多いはずで、その比率が高いのではと補います。
岡島さんは、前回の傾聴のテーマは難易度が高いとも話しつつ、それを聞いた夜に実践したつばささんの行動力の早さと素直さを改めて称えます。玉置さんも、行動できずに困っている人はどしどしお悩み相談を寄せてほしいと呼びかけます。
まとめ
この回では、ポッドキャストや無料コンテンツを消費するだけで「やった気」になり行動が減る学習ポルノの罠と、それを避けるための具体的な手順が語られました。ゴールを決め、インプットしたらすぐアウトプットし、次の一歩まで決めておくことが鍵とされています。
- 学習ポルノとは、見る・聞く・知るだけで「やった感」を得て、実際の行動が減ってしまう現象
- 無料や安価なコンテンツはサンクコストが小さく、免罪符だけを得て止まりやすい
- 聞いてわかった気になる流動性の錯覚により、長く聞く人ほど行動に移せないこともある
- 消費で終わらせず、インプットの後にすぐアウトプットし、次の一歩まで決めておく
- ゴールは壮大でなくてよく、今どこに向かいたいかや不安から脱したいでも立派なゴールになる





