新しいAIエージェントの何がよかったのか
番組の冒頭は、岡島さんが最近使い始めたAIツール「GlockBot」の話題から始まります。玉置さんに使い心地を聞かれた岡島さんは、まず体験のよさを挙げました。
岡島さんによると、ClaudeCodeやCodexではやることごとにチャットが際限なく増えていき、そのことに自分が疲れていたと気づいたそうです。
(GlockBotは)役割ごとに、例えば会計担当とか、コンテンツ担当とか、botを作って、その一人ずつに「これどうなってる?」って聞くんです。
そうすると、Claudeとか他のAIツールを操って、仕事をバーってやってまとめて戻してくれるみたいな感じですね。
岡島さんは、会話のトーンや仕事の進め方を覚えるメモリ機能がしっかりしている点も評価しています。ChatGPTの新しいエージェント機能を試したうえで、こちらのほうが使いやすそうだと乗り換えたといいます。
さらに、朝に向こうから連絡をくれることや、星や雲のような形のアバターの目が動いて「頑張っている感じ」がする可愛さも、岡島さんにとってはポイントが高いそうです。玉置さんも、とっつきやすさは大事だと応じていました。
Appleの総合チャート入り、番組史上最高の数字に
続いて岡島さんは、番組のフォロワーが3000人に達したことを報告します。ある記事をきっかけに、聴いてくれる人が一気に増えたそうです。
番組はPodcastのキャリアカテゴリーで2位、ビジネスカテゴリーでも4位ほどに入り、さらにAppleの総合チャートでも80位前後に入ったといいます。周りはタレントや芸人の番組ばかりだったそうです。
僕2年ちょっとぐらい、何個か番組持たせてもらったりしましたけど、入るの難しいんですよ、総合チャート。
Spotifyの急上昇チャートでも30位台に入り、番組史上で最も数字が出たとのことです。1年3〜4か月ほど続けてきた番組で、最初から聴き続けているリスナーへの感謝が語られました。
一方で玉置さんは「浮かれずにやっていきましょう」と話し、いいときも悪いときもあるので、これからもコツコツ基礎の話を続けようと二人で確認しています。
なぜ今「ブラックな職場」を取り上げるのか
本題のテーマは「あなたの会社のブラック度と、自分を守る働き方」です。きっかけは、玉置さんがヒトハタのオンライン無料相談会を4回続けて開き、入塾者との初回面談で多くの人の仕事の話を聞いたことでした。
その面談では、適応障害 ── 特定の環境や出来事が強いストレスとなり、気分の落ち込みや不安、体調不良などが現れる状態。原因となる環境から離れると改善しやすいとされていますになったという話や、本人ではなく聞いている玉置さんの側が「それはひどい」と感じるような職場環境の話が多かったそうです。
まずその、自分が働いてる環境のブラック度がどれぐらいかっていうことを客観的に知ることと、一番大事なのは自分の心身が壊れないように守ることだと思うんですよね。
岡島さんは、組織の中にいると何が当たり前なのか判断しにくいと指摘します。結果を求められているだけなのに「ブラックだ」と言えば成長の機会を逃すかもしれず、逆に本当にブラックな環境で「こんなのはブラックじゃない」と頑張りすぎる人もいる、という難しさです。
玉置さんは前提として、適応障害になったからといって、必ずしも会社がブラックだったとは限らないと話します。ホワイトな会社でも本人との相性で適応が難しいことはあり、どちらが悪いという話ではない場合もあるといいます。
楽で給料が高い仕事は、なぜ見つからないのか
ブラックかどうかを考える前提として、玉置さんは「お給料が上がる仕組み」を挙げます。基本的に、仕事の負荷と給料は比例する傾向があるという考え方です。
負荷が低くても報酬が高いのは、伸びている市場で、人に頼らず仕組みとして高い収益を出せる構造ができた企業に限られます。ただ、そうした会社は大人気なので、経験者や学歴・経歴で選ばれたり、新卒で入るのが一般的だったりして、誰でも選べるわけではありません。
それ以外で高い給料を得るには、負荷が高いか、希少性・専門性が高いかのどちらかになると玉置さんは話します。ただし、急いで資格の勉強をしても、すぐに身につく専門性は希少性が低いといいます。
それでもなんかこれお給料がいいなっていう仕事があった場合って、結局負荷が高いんですよ、その仕事って。
| パターン | 成り立つ理由 | 注意点 |
|---|---|---|
| 仕組みで稼ぐ企業 | 成長市場で、人に頼らず高収益の構造がある | 人気が高く、誰でも入れるわけではない |
| 希少な専門性 | 何万人に1人といった希少性に市場価値がつく | すぐに身につく専門性は希少ではない |
| 高い負荷 | 長時間労働やプレッシャーで収益を上げる構造 | 成果報酬型では人による差が大きい |
表のように、高い報酬にはそれぞれ理由があります。玉置さんが危ないと見るのは、やりたい仕事やキャリアプランが不明確なときに、理由を考えずに報酬の高い仕事を選んでしまうことです。
なんでその高い報酬がもらえるのか、他に比べて高いのかっていうことを考えないと、そこにトラップがある可能性がある。
ブラック企業が「ブラックのまま」いられる条件
次に玉置さんは、ブラックな会社が成立する条件を説明します。社員に強い負荷をかけ、心身を疲弊させて辞めたい気分にさせる会社が、それでも続いていけるのはなぜか、という問いです。
もう1つの条件は、耐えかねて辞める人がいても、代わりをすぐに採用できることです。耐えられた人だけが残ればいいという構造なら、ブラックのままでも会社は回ってしまいます。
逆に人が辞めて採用もできなければ、残った人の負荷がさらに高まり、いずれ続かなくなります。大規模にブラックとして残っている会社は、辞められないか、すぐ補充できるかのパターンが多いと玉置さんは整理しています。
外から見ると「なぜそんなにつらいのに辞めないのか」は不思議ですが、渦中にいる人は「辞めないのが当たり前」「辞められない」と思っていることが多いといいます。玉置さんはその理由として、次のようなものを挙げました。
- 給料が高く、転職すると下がるので辞めたくない
- 仕事の市場価値が低い、業界が狭い、競業禁止などで転職先がない
- 社内でしか通用しないスキルしか身についていない
- 住宅ローンや家族など、生活の固定費のために失敗できない
社内でしか通用しないスキルについて、玉置さんは、同じ会社で10年以上働いて30歳を過ぎてから転職すると、社会人経験は10年あっても他社ではゼロからになってしまう、という例を挙げています。
「自分が悪い」と考える人ほど辞められない理由
玉置さんがとくに厄介だと話すのが、心理的な拘束です。世の中では「他責は良くない、自責であるべきだ」という考えが広く通っていますが、自責が強すぎる人ほど、ブラックな環境で働き続けているケースが多いといいます。
外から見たら「もうそんなの辞めればいいのに」なんですけど、「自分の能力不足のせいです。自分が悪いんです。だから頑張って責任を果たすべきです」っていう。
ほかにも、就職したことを「この会社に拾ってもらった」と表現し、その恩義から辞められない人もいるそうです。玉置さんは、面談で話を聞いていて、こうしたケースが多かったと振り返っています。
岡島さんは、責任感が強いことはいいことのように思える、と率直に返します。仕事を任せたくなるし、頼れる感じがするからです。玉置さんも、責任感が強いこと自体は悪くないと認めたうえで、それがブラック企業の構造と組み合わさったときの危うさを、次の話で説明していきます。
使い潰し型・辞められない型・育成不在型の3タイプ
玉置さんは、ブラック企業には大きく3つのタイプがあると話します。1つ目は、高い負荷をかけてインセンティブで大量に採用し、辞めてもまた採用する「使い潰し型」です。
2つ目は、転職先が少ない、スキルが社内でしか通用しない、固定費や心理的な拘束があるといった理由で、社員が辞められない文化になっている「辞められない型」です。
3つ目の「育成不在型」は、教える仕組みが体系化されていない会社です。評価基準があいまいなまま「とりあえずやってみて」と言われ、出したものにダメ出しをされ、ルールは後出しになりがちです。
玉置さんによると、育成不在型の会社は「OJT ── オン・ザ・ジョブ・トレーニングの略で、実際の業務を通じて仕事を覚えさせる育成方法。教える内容が整理されていないと「見て覚えろ」になりやすい面があります」の名のもとに「見て覚えて」と言うだけになりがちです。明らかなブラックではないものの、人を辞めさせてしまうといいます。
こうした会社では中間の世代が辞めてしまい、辞めていない上の世代と新卒しかいないことが多いそうです。ジェネレーションギャップで常識が通じず、若い世代は正解がわからないまま怒られ、「自分は能力がない」と思い込んでいくといいます。
そして玉置さんは、どのタイプに自責の強い人が入っても、同じ結論にたどり着いてしまうと指摘します。
| タイプ | 会社の構造 | 自責の強い人の受け止め方 |
|---|---|---|
| 使い潰し型 | 高い負荷をかけ、辞めても大量に採用する | 成果が出ないのは自分の能力不足だ |
| 辞められない型 | みんなが耐えるしかないという空気がある | 自分が何とかするしかない、抜けるのは悪い |
| 育成不在型 | 教える仕組みがなく、ダメ出しとルールの後出し | できなかった自分が悪い |
使い潰し型の会社は、そもそも人を成長させたり成果を出させたりする思想ではありません。それでも自責の強い人は「自分の責任だ」と受け止めてしまいます。育成不在型についても、玉置さんは「誰が入ってもこの環境だと難しい」場合があると話しています。
入社前にチェックしたいブラック度の見分け方
玉置さんは、明らかなブラック企業を避けるために、入社前に確認できるポイントを挙げていきます。まずは残業の実態と、長時間労働が常態化していないか、休みが取りやすいかです。
次に役割や仕事が明確かどうかです。玉置さんは、求人の「裁量権を持ってやってもらいます」「自由に」「提案型で」といった言葉は、裏返すと責任範囲や成果の基準が決まっていないケースも多いと注意を促します。
ノルマやプレッシャーについては、責任のない仕事はどのポジションにもないという前提に立ちます。そのうえで玉置さんが見るべきだとするのは、責任を果たせなかったときにどういう話になるかです。
「ここが問題点ですよね」と仕事の中身を指摘する。どの職場にも共通で、ブラックではない
「お前がダメだろ」と人を否定する。これは完全にブラック
ハラスメントやコンプライアンスも重要な確認点です。玉置さんは、怒鳴るのはアウトだと知られてきたぶん、無視のような裏返しのハラスメントもあると話します。問題のある人がたまたまいることはどの会社でもありえますが、それを正す自浄作用や、相談できる仕組みがあるかが大事だといいます。
さらに、性別・年齢・雇用形態による差別的な扱いがないか、新人や中途入社の人が育つ仕組みがあるか、評価や給料、方針といった情報が社員に開かれているかも挙げられました。
玉置さんは、こうした項目は個人の努力で変えられるものではないと強調します。岡島さんも、使い捨てで利益が出ている会社なら、社員が改善を訴えても経営側が聞く理由はないだろう、と応じました。
今の自分が変えられない、会社としての体制のところっていうのは、入社前だったら入社しないっていう判断をして、今いるんだったら、我慢するか辞めるかみたいな選択肢ですよね。
真っ白な会社はない。だから「我慢をやめるライン」を決めておく
すべての項目がクリーンな会社で働けたら理想ですが、岡島さんは、そんな会社がどこにあるのか、外から見定めるのも大変そうだと感じたそうです。
玉置さんも、今いる会社を含めて真っ白な会社はほとんどないと話します。いい会社でも上司の指示があいまいだったり、何を達成すればいいかわからなかったり、繁忙期だけ残業が増えたりと、グレーな部分はいろいろ起こりうるからです。
自分が今ある環境で決めるべきことは、「もうここまでなったら自分は我慢するのをやめよう」とか、「転職を考えよう」とかっていうのは、ちゃんと考えておいた方がいいと思うんですよね。
岡島さんは、その判断基準は人によって違うはずだと受け止めます。冒頭の「相性」の話ともつながり、「こうなら幸せに働ける」「これを下回るとダメだ」という自分なりの基準を持つことが大事に思える、と話しました。
玉置さんは、心身が壊れる手前で一度考える基準を持つこと、そしてその前に、どんな会社でも使える「自分を守るムーブ」を身につけることを勧めます。ここから、その具体的な方法が3つ紹介されます。
自分を守る技術1:正解を「クイズ」にしない
1つ目の技術は、自責の強い人や育成環境のない職場で起きやすい「何が正解かわからず、ダメ出しされて病んでいく」パターンを避けるためのものです。玉置さんは、正解を自分なりに考える力を身につけることを勧めます。
玉置さんが例に出したのは、サイトの色を赤・青・黄色の3パターンから選ぶ場面です。部長の好みを当てなければならないなら、それはもう仕事ではなくクイズだといいます。
赤って言ったら「お前バカじゃないの?」って言われて、「青だろ、青」。で、「なんでですか?」って言ったら、「これは青に決まってるんだよ」って言われるような仕事。
理由を教えてもらえなければ再現性がなく、次に紫と緑が出てきたらどちらを選べばいいかわかりません。そこで玉置さんは、自分で仮説を立て、理由とセットで提案することを勧めます。
部長の好みを当てようとして赤を出し、「青に決まってるだろ」と否定される。理由がわからず次に生かせない
「親しみやすく元気になれる印象を伝えたいので黄色」と仮説を添えて出す。違えば「信頼感を出したいから青」とロジックがわかる
玉置さんは、上司自身が言語化できていない場合も多いと話します。職人系や現場上がりの上司は直感でわかるため言葉にしていないだけで、その人が悪いわけではありません。こちらが言語化して持っていくと「そうそう、そういうことが言いたかった」となることもあるそうです。
同じ考え方は仕事の進め方にも使えます。「ここまでできたら一旦経理に数字の相談をしたい」と手順を事前にすり合わせておけば、「なんで経理に先に連絡してないんだよ」と頭ごなしに怒られることは減るといいます。
玉置さんは、ヒトハタで教えているロジカルシンキング、タスクマネジメント、コミュニケーションはまさにここにあたり、スキルである以前に自分を守ってくれる技術でもあると話しています。
自分を守る技術2:「無理」の代わりに条件を交渉する
2つ目の技術は交渉です。真面目で責任感の強い人は、自分が断るとやる人がいない、他部署に迷惑がかかると考え、言われたことは引き受けるしかないと思いがちです。玉置さんは、これもブラックな環境では潰れやすい考え方だと指摘します。
「えー無理、でも自分がやるしかない」ではなくって、「えー無理、でも何々があったら無理じゃないかも」をちょっと考えてほしいんですよ。
たとえば「1週間では無理でも、2週間あればできるかもしれない」「1人では無理でも、専門家をチームに入れてくれればできるかもしれない」と考え、それをその場で提案します。
玉置さんによると、「できません」というコミュニケーションはお互いにしんどいものです。一方で「こうすればできるかも」は前向きな話なので、交渉のテーブルに乗る可能性が高いといいます。責任感ゆえに何でも引き受けないことを、癖にしてほしいと話していました。
自分を守る技術3:睡眠と体調で、ストレスの兆候を知る
3つ目の技術は、自分のストレスの度合いを見る癖をつけることです。玉置さんがまず挙げたのは、ちゃんと眠れているか、睡眠時間が取れているかでした。岡島さんも、それが一番わかりやすいかもしれないと応じます。
最初に出ます、睡眠に。
寝つきが悪くなった、夜中に目が覚めるようになった、睡眠時間が削られている、8時間寝てもすっきりしない、といった変化は、体調が崩れる前兆が最初に出るサインだと玉置さんは話します。食欲の低下や、頭痛・腹痛の頻度が増えることも、セルフチェックできる範囲です。
兆候が出始めたら、まず知ること、そして休むことです。玉置さんは何より睡眠を取ることを勧め、睡眠時間がバラバラな人は起きる時間を一定にするとよいと話します。岡島さんは、これは苦手だと漏らしていました。
こうしたケアは、業績が傾いてブラックな面が出てきた職場で働く人にとっても大切です。玉置さんは、最低限自分を守りながら働き、「ここまで来たらギブアップしよう」と自分で決めておくことが大事だと話します。
岡島さんは、メンタルが本当にやられてしまうと、離れるにも転職するにもエネルギーがかかり、ロスが大きくなるという印象を語っています。落ちきる前に離脱するなどの対策をしないと、大きなダメージを受けるという見方です。
最後に玉置さんは、責任感の強い人は抱え込む癖が強いので、相談できないと決めつける前に、上司や人事、先輩など相談できる人がいないか考えてみてほしいと話しました。
「俺が無能だから」と結論を急がないために
まとめに入る前に、岡島さんは自分にも心当たりがあったと打ち明けます。「自分が無能なせいだ」とつい思い込んでしまいがちだというのです。
責任感強い人ほどそうなっちゃうので、もったいないというか。そこまで頑張んなくてもいいんですよって言いたいですね。
岡島さんは、責任を取らなければという感覚がアイデンティティになっていて、投げ出したらすべてが終わると思ってしまう気がする、と過去を振り返ります。けれど実際は、潰れてしまったほうが組織にとってもダメージになるかもしれず、何より自分が大変になると話しました。
玉置さんは、むやみにリセットしたり辞めたりするよう勧めているわけではないと補足します。組織によっては一時的にしんどい時期もあるので、状況を見たうえで、自分を守りながら働くことが大事だという話です。
岡島さんは、過去に心身の調子を崩した経験にも触れ、「俺が無能だから悪い」という単純な結論を出しそうになったときに、立ち止まって整理する発想を持っておくだけで違うのではないかと語りました。玉置さんも、1人でも整理して楽になる人が出ればうれしいと話しています。
まとめ
この回で玉置さんが伝えたのは、つらさを「自分の能力不足」だけで説明しないことです。給料と負荷の関係やブラック企業が成り立つ構造を知り、自分の職場を整理したうえで、どんな職場でも使える守り方を身につけ、我慢をやめるラインを自分で決めておくことが大切だと話されています。
- 楽で相場より給料の高い仕事はほとんどなく、高い報酬には負荷や希少性などの理由があります
- ブラック企業は、社員が辞められないか、すぐ補充できるときに成り立ち、自責の強い人ほど抜け出しにくくなります
- 使い潰し型・辞められない型・育成不在型のどれでも、会社の体制は個人が背負って変えられるものではありません
- 仮説を立てて正解をクイズにしないこと、条件つきで交渉すること、睡眠や体調の変化に早く気づくことが自分を守る技術になります
- 真っ白な会社はほとんどないので、心身が壊れる前に「ここまで来たら考え直す」という基準を持っておくことが勧められています






