パパの保活は「情報がない」ところから始まる
秋は、来年度の保育園の案内が出始める時期です。見学を考えている家庭も多い頃合いです。
ハイエナさんは、パパ育休を1年以上取り、保育園探しも自分の手でやっていると話します。本気で保活に取り組むパパが世の中にどれくらいいるかはわからないとしつつ、主にそうしたパパに向けて話を進めます。
前回のラジオでも触れたとおり、パパが保活を始めようとすると、ネット上にはほとんど情報がないといいます。大きな事件が起きればニュースにはなるものの、そうした保育園は論外で、一般的な情報以外はほぼ落ちていない、というのがハイエナさんの実感です。
そこで今回は、本を使って保活のいろはを学べないかと考え、書店で探した1冊を紹介します。あくまで「この本を自分がどう読んだか」という視点で語られます。
『保育園一年生』はどんな本か
紹介するのは、サンマーク出版の『保育園一年生』です。「はじめての親と子のためのお助けBOOK」シリーズの1冊です。
この本は6名の専門家が監修していて、ハイエナさんはそのうちの一人であるてぃ先生に注目したといいます。
ハイエナさんは、てぃ先生の動画をいくつか見て、幼児教育に関する説明のわかりやすさに惹かれたといいます。てぃ先生の著書がいくつかある中で、今の自分に一番必要だと感じてこの本を選んだと話します。
内容は保育園一年生というタイトルのとおり、幅広い時期をカバーしています。保育園探しの方法から、入園までの準備、入園後の1か月にあたる慣らし保育、病気などのイレギュラー対応、便利なサービス、保育園で起こりうること、性やジェンダーに関する話、そして幼児クラスの話まで続くといいます。
親が持つ「子育ての地図」は保育園時代が空白
この本を良い本だと感じた理由を、ハイエナさんは親の「子育ての解像度」から説明します。
多くの親は、子育てのロードマップに対する解像度が小学校高学年ぐらいからしかない、とハイエナさんは指摘します。理由はシンプルで、自分自身が子供だった頃の記憶がそのあたりからしか残っていないからです。
たとえば、男の子なら運動部に入った方がいい、私立の滑り止めはこうする、中学生の告白は黒歴史になるからやめておいた方がいい。こうした人生のいろはは、記憶がある時期のことなので子供に伝えたいと思える、というわけです。
一方で、自分が生まれてから保育園を出るまでの間に何があったかは、ほとんどの人が覚えていません。だから親は、ほぼ初見の状態で育児に挑むことになります。
妊娠出産も、一人目なら初めての経験で、まさに未知との遭遇です。この本は保育園探しから卒園までに何があるかをわかりやすく解説してくれるため、保育園探し中の人だけでなく、子供が生まれたばかりで育休がある人でも読んで損はない、とハイエナさんは話します。
「保育園」は一括りじゃない。認可・認可外・こども園
本の序盤から、ハイエナさんが知らなかったこととして「保育園の種類」の解説があります。こども園、認可、認可外、認証保育園など、それぞれに区切りと特徴があるといいます。
東京都では、認可保育園であれば年収制限なく無償になっているとハイエナさんは説明します。そのため認可保育園に入れたい家庭は多く、ハイエナさん自身も基本は認可を希望していると話します。
この本で知ったものとして、認定こども園も挙げられます。幼稚園と保育園の機能を併せ持つ施設で、ハイエナさんの住むエリアからはだいぶ遠いものの、施設が豪華でとても良い、という印象を語ります。
ここでハイエナさんは、対象を子供が生まれた人だけでなく、生まれる前の人にも広げます。毎日子供を通わせることを考えると、自宅の近所にどんな保育園があるかは知っておいた方がいい、という理由からです。
ただし、こうした認定こども園のそばのマンションは、とんでもない金額になっている可能性もある、とハイエナさんは付け加えます。最近の不動産価格の上昇を受けて先に家を買っておこうと考える人にこそ、この本を読んでほしいと話します。
「早めに動くが保活の鉄則」保活カレンダー
一番ありがたかったものとして、ハイエナさんは冒頭近くにある「保活カレンダー」を挙げます。
多くの自治体では、保育園の申し込みが10月後半から12月に行われます。そのため、保育園見学は6月頃から10月頃までに完了させておいてほしい、と本には書かれているといいます。
本にある「早めに動くが保活の鉄則」という言葉について、ハイエナさんは本当にこれはその通りだと同意します。
見学予約で実際にハマる落とし穴
見学の申し込み方法は自治体によってさまざまだと、ハイエナさんは前回のラジオを引きつつ説明します。ポータルサイトから一括で申し込めるところもあれば、各園ごとに申し込みページがあるところ、それすらなく電話が必要なところもあるといいます。
そのうえで、よくある落とし穴を挙げます。見学を担当する保育士が固定されていて、その人の出勤日・出勤時間帯でないと対応できない園があるというのです。
さらに、電話を受け取ること自体も同じで、担当者が休みだと見学の相談を一切受け付けてもらえないこともある、とハイエナさんは話します。だからこそ、かなり余裕を見ておいた方がいいといいます。
東京都のような人口密集地なら、徒歩圏内に保育園が10園ほどある場合もあります。毎週1園ずつ回れば10週で回り切れると最初は思うかもしれませんが、担当者の都合という落とし穴があるため、心して臨む必要がある、というのがハイエナさんの結論です。
保育園は「立地・箱・人」。先生で選ぶのは危ない
本には見るべき保育園のポイントも書かれていて、外遊びの頻度や保育室の環境などが挙げられているといいます。ただハイエナさんは、実際に見学した印象として、どの園もそんなに大差はないと感じたと率直に話します。
そのうえでハイエナさんは、保育園を構成する要素を「立地・箱・人」の3つに整理します。
立地
大きな公園に面している、駅からのアクセスが良いなど、利便性や子供の環境にあたる部分
箱
園が広い、面白い遊具があるなど、施設そのものの要素
人
保育士。転職や、グループ運営の園では定期的な転勤もありうる
ハイエナさんは、人にあたる保育士は流動的だと指摘します。転職もあれば、グループで運営される園では定期的な転勤もあるためです。
実際、見学に行くと「2年前まで別の園にいて転園してきた」と自己紹介する保育士もいたといいます。そのため、いい先生がいるからという理由で園を選ぶのは危険なのではないか、とハイエナさんは考えています。
一方で立地や箱は、そばの公園がなくなるといった明らかな変化がない限り基本的に変わりません。だからこそ、そうした変わらない環境は重視してもいいのではないか、というのがハイエナさんの見方です。
疲弊していない保育園は、いい保育園か
本には、保育士たちが疲弊していない保育園は良い保育園ではないか、という趣旨のことが書かれているといいます。
ハイエナさん自身が見学した範囲では、保育士は生き生きと働いている印象だったと話します。ただ、いくつかの園では疲れているように見える保育士も何人かいたといいます。
これについてハイエナさんは、子供一人ですら日中ずっと相手をすると疲れることを引き合いに出します。保育士が疲れるのはもうそういうものなのだろう、と受け止めていると語ります。
先輩パパママ60人のアンケートが良かった
この本には、監修者6名のメッセージとは別に、先輩の親たちへのアンケートが随所に載っているといいます。
たとえば「保育園選びでチェックしたポイントは?」という問いに対して、保育士の雰囲気が一番、必要な持ち物が少ないこと、といった回答が紹介されているとハイエナさんは説明します。
こうしたアンケート結果があることで、保育園見学で何を見ればいいか、どう動けばいいかを総合的に知ることができる、良い書籍だとハイエナさんは評価します。
ハイエナさんが特に良かったと挙げるのが、このアンケートの中身です。パパやママがいろいろ考えて園を選んだのに、実際は全く思い通りにならなかった、という声が書かれていて、参考になったといいます。
見学後に読んだら、8割が「答え合わせ」だった
ハイエナさんは、この本を保育園見学をほぼ終えた後に読みました。もっと前に読んでおけばよかったと思う一方で、複雑な気持ちも語ります。
生成AIが大好きだというハイエナさんは、見学のベストプラクティスを事前に自分で調べまくっていたといいます。そのため、見学は完璧にこなせた自信があると話します。
その結果、本を読んで感じたのは自分への答え合わせでした。自分の中にあった仮説の8割ほどがそのまま当たっていたため、この本を良い本だと感じているのかもしれない、と収録中に気づいたと打ち明けます。
自分の中で、こうなんだろうっていう仮説があって、その答え合わせ通りだったから、この本いい本だって感じてるんだなって、今このポッドキャスト収録していて思いました。
他の親の質問を聞くと、保活の進み具合がわかる
最近のハイエナさんは、保育園の探し方をお母さんたちに教えたくてウズウズしているといいます。ママ友はまだできていないものの、伝えたい情報がたまっているようです。
たとえば見学に行くと、他の親から「この園はどうですか」といった質問が出ます。そうした情報の多くは、市役所などで配っている保育園一覧の最後の方に小さな表として載っている、とハイエナさんは指摘します。
ハイエナさんはその一覧を全部読み込んでいるため、聞かれた情報はそこに全部ありますよ、と教えてあげられるといいます。
同時に、これは安心にもつながると話します。ハイエナさん自身も見学を始めた頃はそうした資料を読んでおらず、園で直接聞いてしまっていたからです。
今は、その資料がPDFで発行されていることを知り、AIに読み込ませて条件で再検索しながら園を選べるようになったといいます。
他の親がどんな質問をするかを聞いていると、その人がまだ見学を始めたばかりなのか、あるいは自分にはない視点を持っているのかが見えてくる、とハイエナさんは話します。なかなか得難い経験をしていると振り返ります。
保育園ネタは尽きない。不定期に発信していきたい
話はとりとめなくなったとしつつ、ハイエナさんは保育園探しの奥深さに触れます。
今は別に、エビデンスで教育を見る本も読んでいるといいます。そちらを読んでいると、保育園にまつわるネタがさらに増えていくため、不定期に発信していきたいと語ります。
長くなったため、この回はここで一区切りとされます。
まとめ
ハイエナさんは、パパ目線で保活に挑む中で見つけた『保育園一年生』を、自身の見学体験と照らしながら読み解きました。園の種類や見学の落とし穴、選び方の考え方まで、実体験に裏打ちされた読み方が語られました。
- 親の子育ての地図は保育園時代が空白になりがちで、この本はその空白を埋めてくれる
- 保育園には認可・認可外・認定こども園などの種類があり、まず違いを知ることが出発点になる
- 申し込みは10月後半〜12月が多く、見学は6月〜10月に終える「早めに動く」が鉄則
- 見学予約は担当者の出勤日しか受け付けない園もあるため、余裕を持った計画が必要
- 保育園は「立地・箱・人」で捉え、流動的な先生ではなく変わりにくい立地や箱を重視する視点が語られた







