図面の変更理由は「why」まで書く
設計した図面を出図するときには、その図面がどういうものかを示す書類も一緒に出します。
新しい図面のときは分かりやすいのですが、変更図のときが重要だと話されています。
つい手を抜いて「形状変更」「寸法修正」といった簡単な言葉だけで済ませてしまうことがよくあります。つねぞうさん自身も以前はそうだったそうです。
「図面を見れば分かるだろう」と思いがちですが、これが数年後に効いてくると言います。
例えば出荷した機械で障害が起きたとき、いつからこの部品を使っているのか、なぜこう変更したのかという背景を遡りたくなる場面があります。
書類に理由が書いてあれば簡単に分かりますが、「寸法変更」の一言だけだと、図面を一枚ずつ見比べて意図を推測する羽目になります。
さらに数年経つと担当機種が変わったり、担当者が異動・退職していたりして、質問すらできない状況になってしまうと話されています。
「寸法修正」の一言でも、それがミスの修正なのか、相手側部品に伴う変更なのか、規格変更なのかは分かりません。
特に安全規格や法規制製品が守るべき法律・規格上の要求。産業機械では安全性に関わる規制対応が求められることが多い。対応の変更だと、理由が書いてあること自体が後の重要な証拠になると言います。
実際に、使用中の部品が生産中止になり、その部品だけ頼めばいいのか隣り合う部品まで変えるべきかを過去資料から追えず、苦労した経験があったそうです。
だからこそ「〇〇と干渉するため」「隙間を〇ミリにするため」といった、whatだけでなくwhyまで書くべきだと話されています。
書く側は数十秒余分にかかるだけなので、その数十秒で数年後の何時間を救うことになるんですよ。
出図しようとしているときは、その内容を一番把握している人だからこそ、その手間を惜しまないでほしいという、自身への戒めを込めた話でした。
「寸法変更」「形状変更」で済ませる。数年後に意図が追えなくなる
「〇〇と干渉するため」など理由を書く。数十秒の手間で後の何時間かを救う
図面サイズはA3まで、が正しいのか
昨日Xで、図面のサイズはA3サイズまでにすべきだという話を見たそうです。
理由は、現場や加工屋さんのプリンターがA3までしか印刷できないため、それより大きいと印刷できないから、というものでした。
一理あるとしつつ、つねぞうさんの実務感覚とは少し違うと話されています。
実際にはA2やA1、A0も普通に使うそうです。2〜3メートル、大きいものだと10メートルほどの部品もあり、A3では縮尺が小さすぎて使えないからです。
ただし、現場でA3までしか印刷できないのはその通りなので、A3で印刷したときに潰れすぎないよう注意はしていると言います。
細かくなりすぎる部分には拡大図や詳細図を描いて気を使っているそうです。
A0をA3で印刷すると見やすくはないものの、頑張れば寸法を読み取れる程度にはしていると話されています。
正直見やすくはないんだけど、頑張れば見れるよねと。頑張れば寸法を読み取れるよねという程度にはしてます。老眼には辛いと思います。
どうしても厳しい場合は、今はPDFで出力するので、パソコンの画面で見てほしいとのことです。
一方、自分が検図するときは、A0で描いた図面ならA0で印刷したいと言います。老眼が進むと大きな図面はA0で刷らないと辛いからです。
そのため開発の部屋には、A0まで印刷できる機械がちゃんとあるそうです。
ただし組立図は別で、必ずA3で書くべきだと話されています。組立図は現場で毎日のようにパラパラ見られるものだからです。
部品図は加工プログラムを作るときなど調べる場面だけなのである程度許容されるが、組立図は可読性が落ちないようにすべき、という考え方でやっているそうです。
43歳頂点論と、AIで衰えを補うという発想
3つ目は「43歳頂点論」の話です。支部長さんのプレミアム放送で紹介されていた本で、つねぞうさんも面白そうだと思って買ったそうです。
経験は積み上がって能力は上がるものの、体力はピークを過ぎて下がってくる。その交点として43歳付近がピークではないか、という話です。
つねぞうさんは今年43歳になるそうで、まさにそれを感じていると話されています。
能力がピークに達したとは思わないものの、体力、特に目が辛くなってきたと言います。一日中図面を描き続ける集中力が続かないそうです。
何だろうな。ただ単純な体力というよりも目ですね。目が辛い。目がしょぼしょぼしてくるんですよ。
3DCADはまだいけるものの、図面の検図や作図で衰えを感じる、いわゆる老眼だと話されています。
ただ、そこで43歳を頂点にしていいのかという問いも立てています。
昔なら、体力の衰えは後輩や部下の育成に力を注ぎ、そちらのアウトプットを増やすことで補ってきました。
今も後輩の育成は自身の評価項目の一つであり、業務としても自分の下がったアウトプットを補う意味でもやるべきことだと言います。
しかし、それだけでは今までと変わらず、会社としてのプラスにはならないのではないかと感じているそうです。
そこで、生成AIやLLMをうまく活用し、出せなくなったアウトプットを補えれば会社全体のプラスになると考えていると話されています。
ただし具体策はまだできていないとのことです。検図AIを出している企業もあるものの、大々的な社内導入が必要で、一個人では難しいと言います。
個人でできる図面や検図の効率化をAIで実現したいが、そもそも検図がAIでできるのかという疑問も残ります。
寸法抜けとか寸法ずれてますよっていうのはね、見つけられると思うんですけど、結局検図ってそこよりもう一歩踏み込んでるんですよね。この寸法公差って本当にこれがいいの?とか、本当にこの寸法の引き方でいいの?とか。
寸法抜けの検出はできても、公差や寸法の引き方が妥当かといった一歩踏み込んだ判断をAIで指摘できるかは、まだ難しいのではないかと話されています。
また、支部長さんも取り組んでいる、AIとFusionという3DCADを組み合わせて設計させる流れにも触れています。うまく使えれば助けになるが、簡単な設計はともかく、まだもう少しかかりそうだという感触です。
昆布磨きのアルバイトと船酔いの思い出
4つ目は夏休みの思い出話です。つねぞうさんが聴いているポッドキャスト「気まぐれFM」の純朴さんが、夏休みのアルバイトの話をしていたことがきっかけです。
純朴さんは高専の同級生で、その方が昆布磨きのアルバイトの話をしていて、つねぞうさんも同じような経験があったと思い出したそうです。
高専のときに北海道の羅臼に行き、1ヶ月ほど昆布を磨くアルバイトをしたそうです。
海沿いの建物に高専の同級生数人と一緒に行き、毎日ひたすら昆布を磨いたと言います。
朝は船で海に出て昆布を取り、表面をゴシゴシ洗って異物を取り、砂浜に並べて天日干しをして出荷する、という作業でした。
もしかすると純朴さんと同じ場所、同じタイミングで行ったのかもしれないが、記憶ははっきりしないそうです。
つらかったのは船だと言います。つねぞうさんは船酔いするタイプで、沖に出て数分でゲーゲー吐いてしまったそうです。
船で沖に出て、もう数分後にもうゲーゲー吐いてましたね、本当に。その日の朝食を海に吐いちゃうような感じで。
一、二回行ってもう無理だと言って、その後は免除してもらっていた気がすると話されています。船だけでなく、運転しない車やバスでも酔うタイプだそうです。
1ヶ月ほどのバイトで20万円ほどもらったそうで、高校2年生には大金だったと振り返っています。何に使ったかは覚えていないとのことです。
おもちゃの旋盤ノベルティのキーホルダー制作
最後は、支部長さんの「おもちゃの旋盤」プロジェクトのノベルティ制作の話です。
ミニチュア版のおもちゃの旋盤のキーホルダーを大量生産していて、すでに70個ほど組み立て済みだそうです。
手持ちのフィラメントを使えばあと30個ほど、合計100個ほど作れる見込みです。
全部で5色ほど使っていますが、そのうち2色がなくなってしまい、今の色使いでは100個が限界だと言います。
写真を上げた際にグレー一色のものがいいというコメントがあったため、緑一色バージョンやグレー一色バージョンを作ることも検討しているそうです。支部長さんとの相談次第とのことです。
さらに、そのキーホルダーにつけるタグの話もありました。支部長さんから、作った人に焦点を当てたいという要望があったそうです。
最初は20ミリ角ほどの小さなタグを作ったところ、自己主張が弱いと言われ、もっと強めにとリクエストされたと話されています。
そこで、つねぞうさんのアカウントのキャラクターであるゾウの横顔のキーホルダーを作ったそうです。
耳の部分が丸い形なので、そこにNFCタグスマホをかざすと情報を読み取れる近距離無線通信の小型タグ。URLなどを書き込んでおける。を埋め込み、おもちゃの旋盤のホームページのURLに飛べるようにする構想です。
試作したゾウの横顔をプリントしたところいい感じにできたので、これでいこうと考えているそうです。
今後は直径25ミリ、厚さ0.8ミリほどのNFCタグを購入し、読み書きができるか確認してから量産する流れです。
印刷済みの100個以上のおもちゃの旋盤にゾウの顔をひたすらプリントしてつける作業が、8月の仕事になりそうだと話されています。
9月に開催されるMaker Faire Tokyo個人や企業がものづくりの作品を持ち寄って展示・交流するイベント。ここではメイカーズフェア東京として言及されています。で配りたいという目論見なので、それに間に合うよう用意したいとのことです。
まとめ
図面実務の小さな工夫から、43歳という節目での働き方、そして夏の思い出やノベルティ制作まで、産業機械の設計者ならではの視点が詰まった回でした。日々の一手間や体力の変化との向き合い方が、地に足のついた言葉で語られています。
- 図面の変更理由は「何を変えたか」だけでなく「なぜ変えたか」まで書くと、数年後に何時間もの手間を救える
- 図面サイズはA0〜A2も普通に使うが、A3印刷で潰れないよう配慮し、組立図は必ずA3で書く
- 43歳を頂点にしないため、後輩育成に加えてAIで衰えたアウトプットを補う可能性を模索している
- 高専時代の羅臼での昆布磨きバイトは、船酔いに苦しみつつも1ヶ月で20万円を得た思い出
- おもちゃの旋盤ノベルティは、作り手を示すゾウの横顔キーホルダーにNFCタグを埋め込み、9月のイベントで配布予定
