1周年祭のチケットは完売、まだ関われる枠は?
おちつきAIラジオは、初の単独イベント「おちつきAIラジオ 1周年祭 2026」を10月3日に東京で開きます。チケットの販売は収録の前週の金曜日で締め切られ、配信時点ではもう買えない状態です。
かねりんさんは、客が5人しか来ないような事態を一番恐れていたと話します。しぶちょーさんも単独イベントは今回が初めてで、Podcastの単独イベントにそこまで人が集まるイメージはなかったといいます。
一番恐れていたね。5人しか来ないとか、そういうことにはならなさそうなんでね。
チケットがなくてもイベントに関われる枠として、2人は「1年後のAI予想」のアンケートを案内しています。集まった予想は公開収録の企画で読み上げられます。
もう1つの枠は、名言入りの1周年記念Tシャツです。Tシャツはイベントの翌日ごろまで買える予定で、背中の名言は攻めたものと無難なものがほぼ半々で売れているそうです。
番組は1周年を迎え、今回の収録は事実上「2年目最初の放送」にあたります。
Claude Opus 5.5はなぜ「トークンが減らない」のか
最初のニュースは、Anthropicが公開したClaude Opus 5.5です。2人がまず口をそろえたのは、使っていて「トークンが減らなくなった」という実感でした。
なんかトークン減らなくなった。一つのアカウントでみんな足りるようになったんじゃない?
Anthropicの課金額下げてもいいかなって思うぐらいには、トークンコストってかそのパフォーマンスが非常に良くなったね。
しぶちょーさんの説明では、Opus 5.5は上位モデルのFable 5.1とほぼ同等の性能で、一部のベンチマークではFableを上回ります。そのうえで、前のOpus 5より40%低いコストで動くといいます。
公式の表現は「Fable相当以上」で、かねりんさんはこの言い回しを「ちょっとひよってる」と笑いました。
基本はこれで十分。磨き込みやコーディングに強く、Opus 5より4割安い
Opus 5.5でもできないタスク向け。SNSではゼロから案を出す「ゼロイチ」に強いという声
公式の案内でも、基本はOpus 5.5を使い、Opus 5.5でできないタスクがあればFableに移る形が勧められているそうです。ただ、かねりんさんはFableを使うとOpus 5.5の5倍ほどトークンを使うのではないかと話し、できれば使いたくないといいます。
(Opusで)ガンガン回しててさ、結構減ったなと思ったら、まだ残りの週次90何パーセントですみたいな出てて、えっ、まだこんなにできるのかみたいな。
このあと話題は収録中の通信の遅延に移ります。しぶちょーさんは東京の借りている部屋の回線が遅く、自分のビデオPodcastのアップロードに12時間ほどかかると明かしました。
毎週金曜の夜に夜行バスで愛知県へ帰る前に投稿を終えられず、Wi-Fiのある場所を探し回っているそうです。しぶちょーさんは、ビデオをやめたいと思うほどのストレスだと話しています。
「減速する」はずのAnthropicは矛盾しているのか
しぶちょーさんによると、世間ではOpus 5.5の登場に「Anthropicは減速すると言っていなかったか」という声が上がり、「二枚舌だ」というミームも出回っているそうです。Anthropicはこれに何も表明していないといいます。
しぶちょーさんは、Anthropicの出し方はぎりぎり矛盾していないと見ています。最上位のFableの性能をさらに上げるのではなく、下位のモデルを上位に近づけながらコストを下げるアプローチだからです。
Fable5をFable6、Fable7みたいに性能上げていくんじゃなくて、その下位のやつをなるべく今上位に合わせながらコストを下げていくみたいなアプローチだから、ギリギリ矛盾してないよね。
かねりんさんは、GoogleのGeminiも同じ作戦ではないかと応じ、しぶちょーさんも「Proが永遠に上がっていかない」と同意しました。
リセットチケットとCodexの違い
Claude Codeには、新しく「リセットチケット」も入りました。詫び石のように配られるチケットで、週ごとの使用量の上限をリセットできます。
かねりんさんは、Codexのようにリセットした時点から新しい1週間が始まるのかと尋ねます。しぶちょーさんの答えは違い、Claudeのチケットは通常の更新周期を変えないといいます。
通常の更新曜日・時間はそのまま。足りない週だけ使える量を足せる
かねりんさんの理解では、リセットした時点から新しい1週間が始まる
しぶちょーさんは、使い切る週はたいてい使用量が多い週なので、周期を保ったまま「この1週間だけ2週分ブーストできる」Claudeの方式のほうが使いやすいと考えています。
一方で、リセットチケットを入れたこと自体は、Codexに寄せた動きだとも見ています。かねりんさんは、両社がお互いに取り入れ合いながら良くなっている、と受け止めました。
GPT-6 SolとLunaはAstraの下で何を担うのか
次はOpenAIのGPT-6 SolとGPT-6 Lunaです。しぶちょーさんは、アプローチはAnthropicとほぼ同じだと説明します。
最上位のGPT-6 Astraの性能を、日常で使える価格と速度に落としたのがSol、さらに安くしたのがLunaです。SolはOpus 5.5相当の性能になったといいます。
GPT-5.6の時代は、Solがハイエンド、Terraが中間、Lunaが最下層でした。そこにAstraが加わって4段構成になっていましたが、GPT-6ではTerraがなくなり3段に整理されました。
GPT-5.6までは、Astraの登場でAstra・Sol・Terra・Lunaの4段構成に
GPT-6は、Astra(最上位)・Sol(中間)・Luna(安価)の3段構成。Terraは消滅
(使ってて)Solでだいたいいいよねって感じはする。ここぞって時にAstraぶん回すみたいな。
しぶちょーさんは、Opus 5.5と比べるとCodexで使うGPTは「硬い」とも話しています。
かねりんさんは、2社でバージョン番号をそろえてほしいとこぼしました。しぶちょーさんは、「6」というすっきりした数字になったことと、Astra・Sol・Lunaと名前が付いたことを評価しています。以前はEffortの段階で切り分けていて、グレード感はあまりなかったといいます。
使用量の面では、200ドルのプランならEffortをMAXにしてAstraを使うような使い方をしない限り、上限に当たることはほとんどなくなったというのが、しぶちょーさんの実感です。
(トークンが)0になるとさ、人生終わりみたいな気持ちになる。エンストしちゃうみたいな、車がみたいな。
AIが止まったら仕事にならない?トランプ氏の「SI」と工業高校の改名
かねりんさんは、みんな仕事をAIネイティブに組み替えているので、AIが使えなくなるともう仕事にならないと話します。しぶちょーさんは、数か月前に「Fableを輸出しない」という出来事があり、囲い込まれると騒がれたのに、もう忘れてがっつり依存していると指摘しました。
そこから話題は、トランプ大統領が言い出したという「SI(スーパーインテリジェンス)」という呼び方に移ります。かねりんさんは「勝手に言葉を作り始めた」と冗談めかし、しぶちょーさんも「言葉遊び」だと受け止めています。
しぶちょーさんは、呼び替えがイメージの切り替えとして大事な場合もあると認めつつ、本気なら言葉狩りになりかねないと懸念します。行政はそういう呼び替えが好きだ、という話から、工業高校の改名の例を挙げました。
工業高校から「工科高校」「科学技術高校」へ
工業高校出身のしぶちょーさんによると、「工業」という言葉が油まみれの工場を連想させて人気が出ないため、呼び方をやめる自治体があるそうです。新しい名前は「工科高校」や「科学技術高校」などです。
学校行ったら別に昔の工業高校と一緒やん。油まみれてますけど。
しぶちょーさんが問題にしているのは、中身より先に名前を変えることです。校舎をきれいにする、設備を新しくする予算を付ける、何をしているかを発信するといった取り組みがないまま、コストのかからない名前から変えてしまう、という見方です。
少子化の影響を除いても、高校生のうち工業高校を選ぶ比率は下がり、定員割れの学校も出てきているといいます。しぶちょーさんは、名前は目的を持って変えることが大事だと強調しました。
このSIはトランプさんどういう目的でやりますか?っていうと、気分で変えてねえかって感じはすごくした。
ただ、しぶちょーさんは言いたいことは理解できるとも話します。AIが人の能力を超え始めたので「人工知能」ではないと言いたいのではないか、そしてシンギュラリティ ── AIが人間の知能を超え、社会や技術の進歩が予測できなくなる転換点を指す言葉。技術的特異点とも呼ばれますの後はSIだ、とポジションを取りたいのではないか、という見立てです。
Grok 4.7はなぜ静かなリリースになったのか
xAIのGrok 4.7は、静かにリリースされ、ほとんど話題になっていません。イーロン・マスク氏がAGIが近いと豪語し、期待を背負っていたモデルです。
話題にならなかった理由の1つは、GPT-6のSol・LunaやOpus 5.5とほぼ同時の発表で、そちらのニュースに隠れたことだとしぶちょーさんは説明します。
性能面では、Grok 4.6からコーディングとエージェント能力を強化しました。ただ、GPT-5.6 SolやFable 5.1には若干届かず一部で勝つ程度で、新しく出た各社のモデルと比べると「絶妙に中途半端」だといいます。
しぶちょーさんによると、コミュニティでは「Grokらしさが損なわれた」という声も出ているそうです。自由な会話や制限の少なさが好まれていたのに、ジェイルブレイク耐性を高めるなど安全性に大きく振ったためです。
制限が少なく自由。アイデア出しで優等生が出せない変わった視点をくれる存在
Grok 4.7は安定性・安全性志向に。全体は少し良くなったが突き抜けた強みが見えにくい
ちょっと変わったやつだけど、面白いこと言うやつみたいなポジションだったじゃん。
それでもしぶちょーさんは、GrokがOpenClaw系のエージェントを動かすモデルとして役に立っているとし、強みを見つけてあげたいと話しています。
Gemini 3.8 Flash TTSで自分の声をクローンすると?
GoogleのGemini 3.8 Flash TTSは、テキストから音声を作るモデルです。TTS ── Text to Speechの略で、文字を音声として読み上げる技術のこと。音声合成とも呼ばれますと呼ばれ、読み上げ性能の高さで話題になっています。
しぶちょーさんは、自分のAIポッドキャストでQwenのTTSと日本のオープンソースの彩どりTTSの2つを使っていて、このGemini 3.8 Flash TTSを3つ目として加えようと考えています。実際に自分の声をクローンしたところ、とても自然だったといいます。
ナレーション、ナレーターみたいにスラスラ読んでくれる。
彩どりTTSは絵文字で感情を指定できますが、Gemini 3.8 Flash TTSはたどたどしい読み方は苦手で、内容に沿った感情表現を自動で付けてくれるそうです。
番組では、しぶちょーさんのクローン音声で3Dプリンターの特許裁判のニュースを読み上げたサンプルを流しました。かねりんさんは「支部長の声に聞こえるけど、よそ行き」「スタジオで喋ってるみたい」と感想を述べています。
クローンに使ったのは30秒ほどの自分の声です。そのうえで、クローンを許可すると本人が話した音声も一緒に送らないとクローンできない仕組みになっています。
この文言を言ってくださいみたいな、その音を自分の声でそれを入れたやつがないとクローンできない。
かねりんさんは「声紋認証みたい」と面白がり、しぶちょーさんは他人の声を勝手にクローンできないようにしている点を「さすがGoogle」と評価しました。試すならGoogle AI Studioが手っ取り早く、APIやClaude Code・Codexに仕様を読ませて組む方法もあるといいます。
AIの声か本人か分からないとき、ElevenLabsとは何が違う?
しぶちょーさんは毎週土曜のAI回で、AIに読ませた音声を時々流すと予告していました。すると、まだ流していないのに「もうやっていませんか」というコメントが2件届いたそうです。
本当に俺が読んでるのかAIが読んでるか、わかんない。
以前かねりんさんがテストしたElevenLabsは、2〜3時間分の音声で実際にモデルを学習させる方式でした。一方、Gemini 3.8 Flash TTSや彩どりTTS、QwenのTTSは、仕組みが異なるとしぶちょーさんは説明します。
2〜3時間の音声を入れて本人の声でモデルを学習させる。ただ読み上げ性能や日本語が弱い面も
10〜30秒のサンプルから、すでにある声のマップの中で近い声を指定する。長く入れても精度は変わらない
今ボイスクローン作るんだったら絶対10秒20秒で全然いいなって感じ。
名古屋弁チャレンジがベンチマーク?
かねりんさんは以前、彩どりTTSで名古屋弁を試し、少しおかしかったといいます。しぶちょーさんは、関西弁と違いコテコテの名古屋弁を話す若い人が少なく、学習サンプルが足りないのではないかと推測しました。
2人は「とっきんとっきんだがや」などと名古屋弁を掛け合い、名古屋弁チャレンジがベンチマークになると笑い合いました。しぶちょーさんは静岡出身で方言がほとんどなく、妻は三河弁の「じゃんだらりん」を使うそうです。
Gemini 3.8 Flash TTSには、より安いFlash Lite TTSもあります。大量の音声を作るならLite、ちょっとしたナレーションなら通常版で十分で、10秒で0.00225ドルほどと「ほぼタダ」だとしぶちょーさんは話しています。
Metaはなぜスマートグラスに「Muse」を載せるのか
最後のニュースは、MetaがAIエージェント「Muse」をAIグラスに載せると発表した件です。対象はカメラ付きのMeta Ray-Banです。
Museは音声で呼び出し、グラスのカメラが映すものを解析して指示を出せるエージェントです。商品を調べる、壁のチラシを読んで要約させる、といった使い方が挙げられています。
かねりんさんは「一世代古くない?」と疑問を投げます。しぶちょーさんは、スマホで撮る代わりに日常的に身に着けたカメラでエージェントとやりとりする体験を目指しているのだろうと説明しました。
Museには外部サービスとつなぐ「コネクターズ」も加わります。ショッピングではShopifyやPayPal、旅行ではExpedia、仕事ではNotionやGitHubなどと連携するといいます。しぶちょーさんは、OpenClaw系のエージェントにメガネ経由で指示を出せるイメージだとたとえました。
かねりんさんは、カメラが付いていることがむしろ問題だと指摘します。しぶちょーさんも、アメリカでもカメラ付きグラスは気味悪がられているらしいと応じました。
それでもしぶちょーさんは、ハードウェアを手がけてきたMetaやGoogleだからこそ取りやすいアプローチだと評価しています。
Muse Charmは「たまごっち」になれるか
Metaは、専用AI端末「Muse Charm」も開発しているそうです。しぶちょーさんは、たまごっちのような見た目だと説明しました。
スマートグラス中心の展開では、眼鏡をかけない人はどうするのかという問題が出ます。そこで、ポケットに入る小型のエージェント端末として用意するのがMuse Charmだといいます。
バッグやストラップに下げられる小ぶりな端末で、本体の指紋センサーで認証するとMuseとリアルタイムの音声会話を始められ、画面にはアニメーションのアバターが表示されます。追加情報は2026年後半に出るとされています。
AIの勝負どころはハードウェアなのか
かねりんさんは、AI企業の覇権を握る鍵はハードウェアなのかと問いかけます。しぶちょーさんの答えは、ハードウェアではないというものでした。
ハードが増えるのはめんどいよね。もうスマホっていう完成されたデバイスがあるから。
しぶちょーさんの見立てでは、こうした端末は本体ではなく利用のためのサブスクリプションで稼ぐビジネスになるはずです。かねりんさんは「プリンターみたいなもの」と受け止め、しぶちょーさんはAIボイスレコーダーと同じだと話しました。
ハードを安く出す
グラスやMuse Charmなど、エージェントを呼び出す入り口を用意する
利用料で稼ぐ
使い続けるためのサブスクリプションでプラットフォームに抱え込む
中身で決まる
呼び出すエージェントがしょぼければ誰も使わない。ハードはすぐまねされる
2人は、勝負を決めるのはハードより中身だという点で一致します。各社がハードに向かう理由については、しぶちょーさんが「ジョブズのようなプレゼンをしたいのでは」と冗談交じりに推測しました。
一方でしぶちょーさんは、Muse Charmが本当にたまごっちのような端末なら逆に欲しいとも話します。例に挙げたのは、プレイステーションのメモリーカードを兼ね、猫のトロと会話できたポケットステーション ── 1999年にソニーが発売した、初代プレイステーション用のメモリーカード兼小型携帯ゲーム機。液晶画面とボタンが付いていますです。
キャラクターが紐付くとより愛着が湧いてくる可能性もあるからね。
しぶちょーさんは、かわいいキャラクターならAIへのパワハラもしなくなるかもしれないと笑い、ガジェット好きとして期待したいと締めくくりました。
2年目の目標は全国ツアーとおちつきサミット?
エンディングでは、2年目最初の放送として、まずは1周年祭の成功を目指すと2人は確認しました。リアルイベントが盛り上がれば、毎月の開催や全国ツアー、名古屋での開催も、と話が広がります。
おちつきシリーズの番組も増えています。企画会議をゼロから流す「おちつきブランディング」が始まり、イベント当日の10月3日には「おちつきクラシック」も始まります。
本当に(おちつき)サミットをさ、やらなきゃいけない。来年にはやらなきゃいけないでしょ。
シリーズの番組は9〜10月に始まったものが多いため、2周年に合わせた「おちつきサミット」にしてもいい、という構想も語られました。速報回のほか、毎週金曜には1つのトピックを深掘りする回も配信しています。
まとめ
この回の軸は、各社が最上位モデルの性能を上げるより、その下のモデルを上位並みにして安く提供する方向へ動いていることでした。そのうえで、声のクローンの手軽さと安全策、AIハードウェアの勝ち筋を、使い手の実感から落ち着いて見ています。
- Claude Opus 5.5はFable 5.1並みの性能をOpus 5より4割安く実現し、2人とも使用量が減りにくくなったと実感している
- GPT-6はAstra・Sol・Lunaの3段構成になり、Terraが消えた。Anthropicと同じく下位モデルを上位に近づける出し方
- Grok 4.7は同時発表に埋もれたうえ、安全性に振ったことでGrokらしさが薄れたという声がある
- Gemini 3.8 Flash TTSは数十秒のサンプルで自然な声をクローンでき、本人の同意音声がないとクローンできない
- MetaはMuseをグラスやMuse Charmに載せるが、しぶちょーさんは勝負を決めるのはハードより中身だと見ている



