Claude Fable 5はなぜ「やっぱり」だったのか
この回の最初の話題は、AnthropicのClaude Fable 5が定額のサブスクリプションに統合されるというニュースです。しぶちょーさんの紹介によると、Anthropicは7月17日、最上位モデルのFable 5を7月20日から有料プランのMaxとTeam Premiumに標準搭載すると発表しました。
Fable 5はこれまで「いずれ従量課金でしか使えなくなる」と告知されながら、1週間ずつ延長が繰り返されてきました。今回はその延長ではなく、恒久的に定額プランで使えることが正式に決まった、というのがニュースの中身です。
使える範囲は、両プランとも利用上限の50%までです。しぶちょーさんは、これまで延長のたびに使えていた環境が、そのまま今後も続くと説明しています。
もうはいはいって感じ。はいはいって感じ。
(定額で残るのは)これ以外考えられないよねみたいな感じで。
かねりんさんがTeam Premiumを知らなかったため、しぶちょーさんは、会社や組織など複数人で使うチーム向けプランの上位版だと補足しました。
「恋の駆け引き」でFableなしでは生きられない体に
しぶちょーさんは、Fable 5の提供の仕方が非常にうまかったと振り返ります。1週間限定と打ち出されれば、ユーザーは急いで使い、その良さを知ってしまいます。
だってさ、一週間しか使えませんよってバーってやるじゃん。バーってやったらもうみんな使うじゃん。一週間限定だから。
これは恋の駆け引きだ。
限定期間のあいだに、多くのユーザーが月3万円ほどの最上位Maxプランに上げ、上限に当たるほど使うようになりました。かねりんさんも、最初から提供されていたら、いきなりMaxにする人はそう多くなかったはずだと同意します。
期間限定の告知
「1週間しか使えない」と言われ、みんなが一気に使う
良さを知る
出力の質と量を体験し、手放しにくくなる
延長とリセット
「もう1週間」と延長され、上位プランに課金して上限まで使う
恒久化
定額プランに残ると決まり、下げられない状態が続く
この図は、しぶちょーさんとかねりんさんが「うまいやり方だ」と語った流れを整理したものです。Anthropicの公式な意図として説明されたわけではありません。
Fableの賢さは思い込みかもしれない
かねりんさんは、AI素人の自分はFable 5が本当に優れているのか判断できていないと打ち明けます。しぶちょーさんは、Opusを使うと物足りなく感じると言いつつ、ワインのソムリエと同じで、中身を入れ替えても気づかないかもしれないと笑いました。
なんかFable5とOpaas逆にして提供しても、「うわ、すげえ頭がいい」つって。で、Fableの方をさ、「頭悪っ」とかっていう風に言いそうだよね。
話は、トークンを消費すること自体が「仕事をした気分」になる、という自己分析に進みます。かねりんさんは、使用量のゲージが半日で50%進むと仕事をした気になると語りました。
止まってない、動かしてることが仕事になってるからね。
しぶちょーさんは、ウルトラワイドモニターに3つのエージェントを並べ、長い仕事を走らせたまま寝ているそうです。視界の端でエージェントが動いていないと落ち着かない、とまで話しています。
ダークモードとライトモード、目に優しいのはどちら?
寝室で画面をつけっぱなしにしている話から、しぶちょーさんのダークモード愛が語られます。エンジニアの道具は基本的に黒い画面なので、それほど明るくならないというのがしぶちょーさんの言い分です。
しぶちょーさんによると、白い画面は長く見ると眩しく、黒地に白い文字が一番読みやすいとのこと。「明るいと虫(バグ)が寄ってくる」というエンジニア向けのジョークも紹介しました。
一方のかねりんさんは、調べた範囲では、ダークモードのほうが目に負担が大きいという説もあると返します。画面が暗いと瞳孔が開き、光を多く取り込むためだという説明です。
眩しくなく、黒地に白文字が一番読みやすい。エンジニアの道具は基本的にダーク
瞳孔が開くぶん負担が大きいという説もある。文字が頭に入りやすく、VS Codeもライトに変えた
話はVS Codeの緑のテーマへと脱線し、緑好きのしぶちょーさんは、会社で緑にしたら「気持ち悪い」と言われた過去や、持ち家の部屋の壁紙を全面緑にしようとして妻に一面だけにされた話まで披露しました。
週の上限50%増しは8月中旬まで
本題に戻り、かねりんさんが「今までと何か変わるのか」と尋ねます。しぶちょーさんによると、5月か6月ごろから、1週間のレート制限が50%増しの状態になっていたそうです。
この50%増しは本来そろそろ終わる予定でしたが、1か月延長され、8月中旬ごろまで続くとのことです。二人とも、それでも上限に当てるほど使っていると笑います。
本当は従量課金にした方が当然いいに決まってんのね。
しぶちょーさんは、従量課金にすればAnthropicは儲かるものの、ユーザーが下位プランへ移ってしまうため、それを防ぐ戦略ではないかと見ています。延長を重ねて「やめさせない理由」を作っている、という見立てです。
8月にはまた新しいモデルが出ているかもしれない、という話から、「Fable 5.1」「5.2」と刻んでいくのではないかと冗談交じりに予想する場面もありました。
トークンを使い切る生活と、番組の10か月
しぶちょーさんは今後も最上位のMaxプランを使い続けるつもりだと言います。作れなかったものを作っているのか、トークンを消費するためにやっているのか、手段と目的がわからなくなっているとも話しました。
具体的には、ブログのテコ入れや技術ブログとの連携、ポートフォリオ作りなど、個人の発信を横に広げる仕組みをAIに作らせているそうです。かねりんさんがショート動画をAIで作っていることに刺激を受けたといいます。
かねりんさんは、番組開始から10か月を迎えたこの番組の各プラットフォームのアナリティクスデータをまとめて分析したと明かします。最近は2時間を超える回が続いているのに、よく聴かれているのは「異常値」だといいます。
これから、もう最初の1年でこんなに手応え感じられると思わなかったよね。ポッドキャストでね。
しぶちょーさんも、製造業の人たちから「あれは面白い」とよく言われるそうです。番組開始時に話していた「これくらい伸びなければセンスがない」という目安を、大きく超えているといいます。
Kimi K3は「第二のDeepSeekショック」なのか
2つ目のニュースは、中国のMoonshot AIが公開したKimi K3 ── 中国のAIベンチャー、Moonshot AIが開発した大規模言語モデル。チャットサービス「Kimi」やAPI経由でも使えますが、Fable相当のオープンモデルとして話題になっているというものです。
しぶちょーさんの説明では、オープンモデル ── モデルの重み(ウェイト)が公開され、誰でも入手して使えるAIモデルのこと。中身を開示しない非公開モデルと対比されますはモデルそのものが公開されていて、「持っていっていいですよ」という状態のものです。Kimi K3はパラメーター数が3兆クラスで、公開モデルとしては世界最大の規模だといいます。
性能は「Fable相当」とされ、一部のベンチマークではFableを上回るかもしれない、という絶妙なラインです。しぶちょーさんは、平均するとOpusとFableの中間ぐらいという見立てで、「相当」は便利な日本語だと笑いました。
注目点は値段です。しぶちょーさんによると、Kimi K3はFableの3分の1以下のトークン料金で使えるそうです。
| モデル | トークン料金の目安 | 性能についての発言 |
|---|---|---|
| Claude Fable 5 | GPT-5.6のSolの約2倍 | 最上位 |
| GPT-5.6のSol | Fableの約半分 | コスパではSolが優秀 |
| Kimi K3 | Fableの3分の1以下 | Solといい勝負で、人の評価型ベンチマークでは上回る部分も |
しぶちょーさんは、人が評価する形式のLLMアリーナのようなベンチマークでは、Kimi K3が高く評価されている部分もあると話しています。
3兆パラメーターを手元で動かすには
かねりんさんが「オープンなら自分たちに関係あるのか」と聞くと、しぶちょーさんは、理論上は自分のローカル環境で動かせると答えます。ただし、必要な機材はスーパーコンピューター級です。
しぶちょーさんの試算では、最上位のMac Studioを4台並べたセットを、さらに4つ並べるような構成で、約700万円かければぎりぎり動く程度。きちんと動かすなら1億円近くかかるとも言われているそうです。
Mac Studioの話から、かねりんさんのMacBookの画面が壊れた話に脱線します。修理中の代替機は貸してもらえず、約70万円の機種を一括で買い、14日以内に返品するしかなかったそうです。
一日でも超えたらお買い--そのままお買い上げですってなって。破産するから。やべってなって。
本題に戻ると、しぶちょーさんは、Kimi K3を研究機関や国産LLM開発にすぐ活かす流れにはなりにくいと見ています。驚くポイントは、安さと、オープンモデルでFableと並ぶものがついに出てきたことだといいます。
なぜ中国企業は隠さずに公開するのか、というかねりんさんの疑問に、しぶちょーさんは予想としたうえで、DeepSeekと同じく、公開し合いながら国内全体のAIを育てる流れがあるのではないかと答えました。
OpenAI初のハードウェア「Codex Micro」の値打ち
3つ目は、OpenAIが7月15日に発表した、Codex操作用の物理コントロールパッド「Codex Micro」です。OpenAI初のハードウェア製品で、価格は230ドル(約3万7000円)。発表時点で売り切れになっています。
国際送料が8000〜9000円ほどかかり、日本からだと送料込みで約4万5000円になるそうです。機能は、Codexのエージェントと連携して待機状態などを光で知らせたり、承認ボタンを押せたりするものです。
こんなもん支部長が3Dプリンターで作るやんって思ったよ、俺。
しぶちょーさんも、自作キーボードをやっている人なら設計できる程度のもので、テンキーのような製品はいくらでもあると答えます。「何がいいんだろう」というのが率直な感想でした。
買うならStream Deckか分割キーボード
しぶちょーさんは、自作キーボード界隈で有名な秋葉原の遊舎工房 ── 秋葉原にある自作キーボードの専門店。キースイッチやキーキャップなど、キーボードを組み立てるためのパーツを多く扱っていますによく行くそうです。今のメインは、左右に分かれた金属削り出しの分割キーボードConixです。
プレーリードッグですよね、これね、みんな。
普通のキーボードでは肩が縮こまるのに対し、分割キーボードなら肘掛けに腕を置いたまま打てるといいます。価格は約2万7000円で、納期は半年ほどかかるそうです。
しぶちょーさんがCodex Microの代わりに勧めるのはStream Deck ── ボタン1つ1つに小さな液晶が付いた物理キーのデバイス。配信者向けに広まり、好きな操作をボタンに割り当てられますです。汎用性が高く、同じことができるはずだといいます。
| 製品 | 価格 | しぶちょーさんの評価 |
|---|---|---|
| Codex Micro | 230ドル(約3万7000円)、送料込みで約4万5000円 | ブランド価値はあるが、できることは多くない |
| 分割キーボード | 約2万7000円 | 肩を開いて打てて、めっちゃいい |
| Stream Deck | 言及なし | 汎用性が高く、同じことができるはず |
しぶちょーさんは、OpenAIが年内に出すとされる別のハードウェアに期待していると話します。既存の製品で代わりがきく道具ではなく、「こんなものがあったのか」と驚けるものを見たい、というのがしぶちょーさんの本音です。
Gemini Sparkは「AIエージェントの民主化」のフックになるか
4つ目は、GoogleのGemini Spark ── Googleのアカウント内で動くパーソナルAIエージェント。GmailやカレンダーなどのGoogleのツールをまたいで、自律的にタスクをこなしますが日本でもリリースされたというニュースです。まずは上位プランのUltraに加入している人から使えます。
しぶちょーさんの説明では、Gmail、Googleカレンダー、ドキュメント、スプレッドシートなど、自分のアカウントに紐づくツールを使って24時間動き続けるエージェントです。パートナー企業のアプリやMCP ── AIと外部のツールやサービスをつなぐための共通規格。対応していれば、AIからさまざまなアプリを操作できるようになりますでつなげるものも使えるそうです。
しぶちょーさんは、最新モデルの話題に比べるとインパクトは弱いとしつつ、インフラとの連携で足元を固めるのは良い動きだと評価します。
OpenClaw ── AIエージェントを自分の環境で常時動かすためのツールとして、AI界隈で流行しているもの。情報の扱いにリスクがあるとも指摘されていますのようなツールは、情報漏えいなどのリスクがあり、早い人以外にはなかなか広がりません。Googleのアカウント内で完結するなら、その心配が増えにくい、という見立てです。
なんかAIエージェントって概念がよりこう民主化される上で、このGoogleのSparkって結構一個フックになりそうだなっていうふうには思った。
かねりんさんはWorkspaceを法人向けと思っていましたが、しぶちょーさんは、ドキュメントやフォームなどのツール群のことで、個人のUltra契約者も対象だろうと答えています。Ultraは月1万5000円ほどです。
200ドル分の元は取れているか
月200ドルのプランを払っている人からすると、Geminiの月1万5000円は安く感じてしまう、という話から、元を取れているかという問いに移ります。
しぶちょーさんは、お金に限らず、200ドル分の価値が生まれているかが大事だと話します。自分が成長したか、時間が節約できたか、キャリアにつながったかといった指標です。
別にお金じゃなくてもいいんだけど、その、じゃあ二百ドル分の元が取れてるかという話だよね。
かねりんさんは「トークンを溶かして喜んでいるだけならパチンコと同じ」と返します。二人は、確率で使用量がリセットされるガチャ要素や、パチンコのハンドル型デバイスが出たらもっと溶けるのでは、と冗談を膨らませました。
笑い話の一方で、しぶちょーさんは、いいものができたときの「脳汁」は確かにあり、いずれ「AI依存」のような名前がつくかもしれないと話します。まだ名前はないが自分も病気な気がする、とも認めていました。
エージェントの稼働状況を顔で見せたい
エージェントを何体も回していると、どれが終わってどれが待っているのかがわからなくなります。しぶちょーさんは、その状態をキャラクターの様子で一目で見せるソフトを開発中です。
キャラクターが6人ほど並び、働いている、休んでいる、落ち込んでいるといった状態が見え、クリックすれば続きの指示を出す画面に移れる、という構想です。ただ、Fableの週の上限を使い切ってしまい、完成はあと1週間ほど先になりそうだといいます。
Codexも3D設計の実験で使っていて、上限の減りが早いそうです。上位プランに上げ続ける理由について、しぶちょーさんはサンクコスト ── すでに支払って取り戻せない費用のこと。これにとらわれて、合理的でない判断を続けてしまうことを「サンクコストの呪縛」と呼びますの呪縛だと表現しました。
でも今必要なのか必要じゃないか判断できないね。自分の意思では。
かねりんさんが「ClaudeCodeは今年の正月にはなかったのでは」と言うと、しぶちょーさんは去年からあると返します。かねりんさんがもう1つの番組「おちつき地方創生」でもClaude Codeを布教している話から、地方との情報格差にも触れました。
しぶちょーさんは、愛知と東京でも差を感じるとし、岐阜など地方に行くほど最新のAIの話は薄まると話します。身近に熱量を持って話せる人がいないことが大きい、という見方です。
なぜポッドキャストでは本音が話せるのか
毎週ネタが尽きないため取捨選択が必要だ、という話から、番組の役割に話が移ります。かねりんさんは、SNSの発言は本音かどうかわからないため、良いか悪いかはこの番組で聞かないと判断できないと話します。
良くないものは、あの紹介はしないよ。大丈夫。
しぶちょーさんは、悪いものに悪いとは言わず、そもそも触れないのだといいます。Codex Microのキーパッドも、良いと思っていないからSNSでは触れていないそうです。
文字は残って切り取られるため、SNSでは言い方を変える必要があります。ポッドキャストは「そういう場所」なので話せるし、後で切り取られても吐いた唾を飲み込むつもりはない、としぶちょーさんは言います。
かねりんさんは、対談型のポッドキャストは、相手を引き出すトークスキルがないと面白くならないと考えています。自分が属人的にやってきたことを書き出し、再現できる形で教えるパッケージにし始めたそうです。
俺あんまりさ、聞き手向きじゃないんだわ、ポッドキャスターとして。
しぶちょーさんは、脱線して深掘りしてくれるかねりんさんとの掛け合いが、話す側として気持ちいいと語ります。かねりんさんは、脱線したあとで本線に戻すしぶちょーさんの手際が上手だというリスナーの声を紹介しました。
しぶちょーさんの手元には話の流れのメモがありますが、かねりんさんにはほとんど共有していないそうです。戻さなければ「1本4時間」になってしまう、と笑っていました。
当初の企画は、週1回30〜40分ほどのゆるいAIトピック紹介
2週目ごろには週2本に。最近は2時間を超える回が続いても、よく聴かれている
CapsLockを「閉じても止まらない」スイッチにするCapsomnia
5つ目は、Xで話題になったMac向けツール「Capsomnia」です。使い道のないCapsLockキーをオンにすると、MacBookを閉じてもスリープしなくなる、というシンプルなソフトです。
閉じてもエージェントが動き続けるため、電車を降りるときなどにそのまま鞄に入れられます。設定で同じことはできるものの、切り替えが面倒なのをキー1つで済ませ、ランプの光で状態もわかるのが良い点だといいます。
注意点として、ノートパソコンはキーボード面も放熱に使っており、特にファンのないMacBook Airは閉じたままだと熱がこもります。鞄に入れっぱなしでエージェントを動かし続けるのは避けたほうがいい、とも補足されました。
スリープさせないスイッチ自体は二人とも自作していたそうですが、CapsLockに割り当てる発想のセンスが良いと評価します。ものづくりは自分の困りごとから始めるのが基本で、同じことで困っている人がいるから広がる、という話にもつながりました。
キャプスロックが役に立たないと。この役に立たないボタンを一番役に立てるボタンにしようみたいな、そういうコンセプトもすごく良かったから。
かねりんさんのほうも、ポッドキャスター向けの新サービスをほぼベータ版まで作っていて、基本無料で7月中か8月初めに出すことを考えているそうです。
NVIDIAのイベントで、ジェンスン・フアンがサプライズ登場
最後のニュースは、しぶちょーさんの活動報告です。友人でポッドキャスターのからあげ先生の紹介で、NVIDIAの広報担当者からインフルエンサー枠で声がかかり、東京・白金台の八芳園 ── 東京・白金台にある日本庭園を備えた会場。結婚式や式典などに使われる、由緒ある施設として知られていますで開かれたNVIDIAのイベントに参加しました。
会場では、OpenClawとNVIDIAのソフトを連携させたデモの体験や、セミナーが行われていたそうです。そこに、予告なしにジェンスン・フアンが現れました。
NVIDIAの人たちがざわつき出し、「みんな上に集まれ」と呼ばれて集まると、革ジャンの人物が登場したといいます。最前列にいたしぶちょーさんは、手を差し出して握手できたそうです。
約90万円のDGX Sparkが2人に当たる抽選もあり、ジェンスン・フアンが直筆サインを書いて手渡していたといいます。しぶちょーさんは当たりませんでした。
スピーチは10分ほどで英語でした。しぶちょーさんが後から翻訳して確認した内容では、AI用コンピューターのDGXを作った2016年ごろはAIに誰も関心を示さず、唯一興味を示したのが当時OpenAIにいたイーロン・マスクで、最初の1台を買ったのも彼だった、という話だったそうです。
しぶちょーさんは、実際にオーラと圧倒される感じがあり、カリスマ感は間違いなかったと振り返ります。隣では、NVIDIAのTシャツを着たからあげ先生が、NVIDIAのJetsonを取り出して推し活をしていたそうです。
オーラ感じたよ、やっぱ。なんか、その、せ-鮮明さとかなんかすごい、うお、圧倒される感じはやっぱあったよ。
フィジカルAI ── AIがロボットや機械などの物理的な体を持ち、現実世界で動いたり判断したりする分野。NVIDIAが力を入れているテーマの1つですを言い出した本人に会えた、とも語り、いつか番組に出てもらえるフェーズを目指したいと話が広がりました。
教授だらけの審査会と、白い作業着の理屈
しぶちょーさんは前日、学生向けのフィジカルAIコンテストチャレンジアトムの審査員も務めていました。G検定を運営するJDLA(日本ディープラーニング協会)のつながりで声がかかったそうです。
審査員はしぶちょーさん以外ほぼ大学教授で、「支部長です」と名乗ると「どこの支部長さんですか」という、いつものやり取りになったといいます。StationAIのCEOのサハシさんとのYouTube対談も公開されたそうです。
下着の色の話から、本田宗一郎が作業着を白にした話に移ります。汚れが目立つと掃除するようになる、という考え方です。
かねりんさんは警察官時代、パトカーのボンネットの裏を毎回拭くよう指導されたと話しました。しぶちょーさんは、汚れていれば故障箇所がわかるので、掃除が一番のメンテナンスというのは機械の基本だと答えています。
AIを使うと学習効果は下がるのか
番組に寄せられたお便りを1通紹介するコーナーです。6月19日に届いた、ゴリライモさんからのお便りです。
『落ち着きAI』を妻に薦めたらとてもハマり、子供の寝かしつけをしながら初回から順番に聞いているようです。妻はG検定の公式本も購入して、僕より行動変容を起こしており驚かされてます。
ChatGPTとGoogle検索ではどちらが学習効果が高いかという研究がありました。この記事の中では、原理原則を飛ばしていきなり結果を出すAIは学習効果が薄いと書かれていました。とはいえ、子供の学習ではAIで結果がいきなり出て、体系的に学ぶ癖がなくなるのは危険な気もして落ち着きません。
しぶちょーさんは、個人的にはAIで学習効果が落ちている気はせず、むしろ効率は上がっていると答えます。本の説明が飛んでいる箇所をAIに聞けば、失われた文脈を補ってくれるからです。
学ぶ意思があるものに対してはすごい強いツールになると思うね。
しぶちょーさんの考えでは、宿題の答えだけを出させて貼るような使い方では効果がありません。学ぶことを楽しいと思えるかどうかが本質で、好奇心がくすぐられていればAIは強力な学習ツールになる、という答えでした。
手書きの調書と住宅地図は「老害」か
かねりんさんは、刑事時代に「調書は手で書け」と言う先輩がいたと振り返ります。テンプレートを埋めてばかりいると、白紙を渡されたときに何を聞けばいいかわからなくなる、という点には一理あると感じたそうです。
しぶちょーさんは、製造業でも「2次元の手書き図面で設計を学ぶべき」と言う人が多いと話します。しかしそれは、その人たちがそう学んできただけで、今は3D CADでも本でも学べるというのがしぶちょーさんの立場です。
かねりんさんは、50年前には小説、20年ほど後には漫画が「頭が悪くなる」と言われていた、という話を挙げます。摂取する形が変わっても、新しいものを否定する構造は同じだという指摘です。
一方で、古いやり方が生きる場面もあります。かねりんさんの警察時代は、GPSに頼らず住宅地図を頭に叩き込めと言われましたが、犯人は待ってくれないので、確かに一理あったといいます。
あ、ちょっと3Dモデル見てきますって言って、こういちいちさ、事務所戻ってって、あ、これこんな感じでしたみたいなこと言ってたら遅いんだよね、やっぱ。
しぶちょーさんによると、機械設計でも図面が頭に入っていれば、異音を聞いた瞬間に頭の中で断面を切り、どのベアリングが傷んでいるか見当をつけられます。Fableに聞いても1〜2分はかかるため、瞬発力が要る現場ではアナログの知識が生きるのです。
学び方としての手書き図面など。今は3D CADや本で同じことを身につけられる
現場で即座に判断が要るとき。頭に入った地図や図面なら、道具を開くより速い
では、受け手はどう振る舞えばいいのか。しぶちょーさんの答えは、まず全部受け止めて、あとで自分の中で仕分けるというものです。いちいち反発するのは良くないので、「全部いただきます」と受け取り、要るものと要らないものは自分で分ければいい、と語りました。
子どもの絵が動き出す、かみやしろファミリーフェスティバル
最後は告知です。7月25日(土)に名古屋の上社(かみやしろ)で開かれる「かみやしろファミリーフェスティバル」で、しぶちょーさんが子ども向けのAIワークショップを行います。午前・午後の2部制で、当日まで申し込みできるそうです。
ソフトウェアはしぶちょーさんの自作で、親子で楽しめるよう、ひらがなを使ったUIにしたといいます。かねりんさんは、その作り込みに愛を感じたと話しました。
動画生成のAPI代が1回100円ほどかかるため、このまま一般公開するのは難しいそうです。参加費の範囲で3回ほど生成すると採算が合う設計にしている、と説明していました。
エンディングでは、Apple Podcastのレビュー数が上位10%に入ったことや、Spotifyの評価が120件ほど・星4.8に達していることも紹介されました。
まとめ
今回の速報回は、Claude Fable 5の定額プラン残留という「やっぱり」のニュースから始まり、Kimi K3の安さ、Codex Microへの辛口評価、Gemini Sparkの地固め、NVIDIAのイベントでの遭遇まで、驚くべき点とそうでない点を二人が仕分けていく回でした。後半のお便りでは、AI時代の学び方と古いやり方との付き合い方にも話が広がっています。
- Claude Fable 5はMaxとTeam Premiumで、利用上限の50%まで追加費用なしで恒久的に使えることになった
- Kimi K3は3兆パラメーター級のオープンモデルで、Fableの3分の1以下の料金とされるが、手元で動かすには700万円〜1億円規模の機材が必要
- Codex MicroはOpenAI初のハードウェアだが、しぶちょーさんはStream Deckや分割キーボードのほうが良いと評価した
- Gemini Sparkは、Googleのアカウント内で完結するため、AIエージェントが一般に広がるきっかけになりうると見られている
- AIは学ぶ意思がある人には強力な学習ツールであり、古いやり方は受け止めたうえで、生きる場面かどうかを自分で仕分ければよい



