ネタ切れの原因はエコーチェンバー
番組は医学、経済学、AI、ビジネス、哲学など、バラバラな領域の知識を混ぜ合わせる場として続いています。
今回で5回目を迎えますが、JIntaroはポッドキャストの難しさとして、ネタがなくなってきたことを率直に打ち明けます。
その原因として挙げられたのが、エコーチェンバーから抜け出せないことです。
情報を仕入れようと思っても、周りの人もネットもAIもSNSも全部最適化されてしまっていて、自分が今までやってきたことに関することがほとんどになってきています。
医学やAI関連の人が周りに集まり、SNSにも同じ系統の投稿ばかりが流れてくると話されています。
何かを調べようにも、そもそも検索する語句すら出てこないため、新しい情報にたどり着けないのだといいます。
そんな中で最近新しく学んだこととして、北極振動指数という概念が紹介されました。今年が涼しいと感じて気温について調べる中で遭遇したそうです。
それが今の気温に影響しているかまではわからないとしつつ、面白いことがあると気づけて幸せだと語られています。
新しいことは必ず失敗する
ここから本題として、まず「変化するもの」の話が始まります。
きっかけは、AIなどで既存の仕組みを変えていこうという動きへの関心でした。人間ではなくAIがやりやすい業務フローにした方が効率がいい、という考え方です。
その考え自体には共感しつつも、実際に行うとほぼ失敗すると話されています。
何かいつもとやらないことをやると、往々にしてあらゆる事象は失敗するかなと思っていて。もはや何かやってみようと思うと絶対に失敗するなと思っています。
ここでの新しいものは、ゼロから1を生むことよりも、今1で流れていることをいい感じにして10にしようとする類のものだと補足されます。
なぜ失敗するのか。理由は、1のやり方も10のやり方も、どちらも完全ではないからだといいます。
今の既存のやり方が完璧でないのは想像しやすいですが、新しくやろうとしていることも同じように完璧ではありません。
そもそも新しい試みが完璧であった例など、この世に存在するのか、と問いかけられます。
80点をどう受け止めるか
新しいことをして失敗すると、トラウマになって次の挑戦をしなくなる人は多いと話されます。
一方で、いろいろな新しいことをして成功している風の人もいます。その違いはどこにあるのか、という話に移ります。
JIntaroの見立てでは、成功風の人も実は完璧ではなく、100点を目指して80点くらいの結果になっているのだといいます。
同じ80点でも、失敗したと思う人と成功したと思う人がいる。その差が分かれ目だと語られます。
失敗したなと思う人って、その失った20点をめちゃめちゃ気にしていて、自意識過剰なんですよね。100点じゃなくて80点だったみたいな。
変化前のフローが78点だったとすると、労力をかけたのに2点しか上がっていない、と落ち込んでやめてしまうパターンです。
逆に成功する人は、前が78点だったから2点も上がったと捉えるといいます。
さらに、次は82点を目指すのではなく、なぜかもう一度100点を取れると思っている、謎の自信があるのではないかと分析されます。
失った20点を気にしすぎる。2点しか上がっていないと落ち込む
2点上がったと捉える。次もまた100点を取れると信じる
そして、80点を許容できなかった人が、80点で喜んでいる人を「2点しか変わっていない」と馬鹿にしてしまう。結果として全体の足を引っ張る存在になってしまうと指摘されます。
変化しないやつ優秀説
前に進み変化する人は素晴らしく、現状維持の人はダメだ、という風潮はよくあります。ここでJIntaroは、あえて逆の視点を持ち出します。
「変化しないやつ優秀説」です。変化しないことも結構難しいのではないか、という考えです。
変化しないことのメリットとして挙げられたのが、アクシデントが発生してもパフォーマンスがブレにくいことです。
例として、医師として関わる健診の話が語られます。健診は異常の有無を見ていく反復的な作業で、見落としがなければ問題ない仕事だといいます。
一日に何十件も回していると作業が定式化されてくる、という前提があります。
そんな中で、身内に不幸があった時に、ちょうど検診を回している最中だったといいます。
作業があまりにも定式化されているがゆえに、自分の中での心情の変化やストレスや余裕のなさを全て無視して、普段と全く同じパフォーマンスを出せたというのがあって。
これが変化しないことのメリットだと話されます。
対比として、絵を描くようなクリエイティブな作業の途中で大事な人を失えば、作品に何かしらの影響が出てしまうだろう、と例示されます。
安定して変化のないことをしていると、外的な要因の影響を受けにくいというわけです。
変化しないものは本当にあるのか
話はさらに進みます。変化しようとすると変化できない問題がある一方で、変化しないでいようとしても変化してしまう問題もあると気づかされます。
そもそも世の中に、まったく変化しないものはあるのか。JIntaroは3分ほど考えたそうですが、ほとんど見つからなかったといいます。
最初に思いついたのは光の速さでした。光速は一定と言われるからです。
しかし速さはスカラーであり、実際には向きも関わるため、ベクトルとしての光の運動を見ると向きは変わる、と考え直します。
さらに光は屈折もするので、やはり変わってしまうのではないかと話されます。
化学的に安定しているヘリウムやネオンのような元素も、核分裂や核融合はしやすい。逆に鉄は核反応しにくいが錆びる、と例が続きます。
一方向だけ見ると変化しないものっていっぱいあるんですけど、複数の方向から見ると変化しないものとかなくね、と思っているんですよね。
現状維持を伝統工芸品のように
この視点から、現状維持バイアスで世の中の足を引っ張っているとされる人たちへの見方が語られます。
現状維持をしている人たちは、AIやDXといった世の流れに逆らうため、むしろものすごいエネルギーを使って頑張っているのではないか、と捉え直されます。
とんでもない速度で社会が変わろうとしている時には、それなりのリスクもあります。現状維持を貫く人は、その辺りのリスクヘッジをしているのかもしれない、という見方です。
最後は、何の話だったのか自分でも不思議に思いつつ、勉強にはならないが暇つぶしに聞いてほしい、と締めくくられました。
まとめ
今回は「変化するものとしないもの」をテーマに、変化を続ける人の捉え方と、あえて変化しない人の強みが語られました。どちらか一方を正解とせず、両方に意味を見出そうとする雑談回でした。
- 新しい試みはほぼ失敗する。1のやり方も10のやり方も完璧ではないから
- 80点をどう受け止めるかで、続けられる人と諦める人が分かれる
- 変化しないことには、アクシデントでパフォーマンスがブレにくいメリットがある
- 複数の方向から見ると、まったく変化しないものはほとんど存在しない
- 現状維持を貫く人も大きなエネルギーを使っており、リスペクトの対象になり得る
