続けている人の「日常を面白く話す力」に感じるすごさ
蒼葉レイさんは、2022年か23年ごろからスタエフの配信を本格的に始めたそうです。振り返ってみると、そこそこの時間が経っていると話します。
もっと古参の配信者もいて、2、3年前から続けている人はスタエフの最初期世代にあたるといいます。蒼葉レイさんは、そうやって続けている人たちのある力に注目します。
それは、そのときどきの人生の出来事を、いかに面白く話す視点を持っているか、という力です。
続けていらっしゃる方は、その時々のいろんな自分の人生の出来事を、いかに面白く話す視点を持っているかっていうところがすごいなと思ってて。
ボーっと生きていると変わらない日常が過ぎていくだけ、という人もたくさんいます。でも蒼葉レイさんは、その日常自体も本当は努力の連続だと言います。
普通の生活を送るだけでも、いろんな努力をして、いろんな人に巡り会っている。それをどう面白い話として組み立てるかという力を持っている人が、ずっと聞かれ続ける人気の配信者になるのではないか、という見方です。
1、2年前に話していたテーマへの関心が薄れてきた
ところが最近、蒼葉レイさんは自分自身の変化に気づきます。1、2年前に話していたSNSや不登校といったテーマへの関心が、だいぶ薄れ始めたそうです。
では今いちばんニュースで気になるものは何かというと、国際政治や安全保障の話だと言います。
今何に一番ニュースとか見るかなと思ったら、結構国際政治みたいな話とか安全保障みたいな話の方が気になってるんですよ。
蒼葉レイさんは、いまは政治や外交に関心が集まりやすい時代のような気もする、と話します。今年に入ってからのホルムズ海峡の封鎖による原油価格の上昇や、2022年のロシアによるウクライナ侵攻、台湾有事が起きるかどうかといった話題を例に挙げます。ホルムズ海峡 ── ペルシャ湾の出入り口にあたる海峡で、世界の原油輸送の大動脈とされます。封鎖されると原油の供給に影響し、価格が上がるとされています
中国がどうなるのかといった動画がYouTubeで再生されていたりもする。かつては経済や福祉の話がメインで、安全保障を前面に出す政治家はあまりいなかったイメージだといいます。
蒼葉レイさんは、高市さんのように安全保障を前面に出すタイプがいることも含めて、時代の変化を感じると話します。ただし、今回の本題はそこではないと断ります。
自分が話す意味のあるコンテンツがわからなくなった
蒼葉レイさんが本当に話したかったのは、自分自身の関心が移ろっていく中での戸惑いです。
今の自分が本当に面白いと思っていて、かつ自分が話すことに意味のあるコンテンツとは何なのか。それが漠然とわからなくなってきた、と言います。
今の自分が本当に面白いと思っていて、かつ自分が話すことに意味があるコンテンツって何なのかっていうのが、結構漠然と分からなくなってきたなっていう。
そこから蒼葉レイさんは、そもそも自分がスタエフで発信している意味はどこにあるのか、という問いへ進んでいきます。
音声メディアはビジネスとして成立しづらかった
蒼葉レイさんは、この数年「音声メディアが来るのではないか」と注目され、スタエフにビジネス界隈の人も参入した時期があったと振り返ります。
ただ、スタエフやVoicyは、なかなかビジネスとして成立する規模には至っていないと見ています。
すでにインフルエンサーになっている人が参入して、それなりの収益を成立させる例はあった。でも、スタエフの中から出てきた人がすごく稼ぐレベルまでは、プラットフォームの性質上どうしても難しかったといいます。
実際、ビジネス系で配信していた人を1、2年ぶりに見てみると、配信をやめている人が多いそうです。蒼葉レイさんは、その多くはシンプルに思ったより稼げなかったからだと考えています。
その多くがシンプルに思ったより稼げなかったというか、そこまで持っていけなかったっていうのが大きいと思ってて。
蒼葉レイさんは、それは個々人の能力の問題というより、プラットフォームの性質上の話の方が大きいと話します。
もともとの知名度を持ち込んで参入し、それなりの収益を成立させられた
プラットフォームの性質上、すごく稼ぐレベルまで持っていくのは難しかった
稼ぐことより「話す訓練の場」になっていた
稼ぐことや、どうやってたくさんの人に聞いてもらうか。蒼葉レイさんは、そういう話は一旦どうでもよくなってきたと言います。
では発信する意味は何かというと、だんだん完全な趣味になってくる。それでも蒼葉レイさんには、スタエフを始めてよかったと思うことがあります。
昔は人と話すのが異常に苦手だったそうです。スタエフを続けるうちに話すのが少しだけ上達し、自分の思いを声にすることが日常生活でもできるようになったといいます。
昔はもうほんと人と話すのが異常に苦手だったので、ある程度人に自分の思いを説明できるくらいにはなれたっていうのが、スタエフ始めてすごい良かったなと思うところなんですよね。
蒼葉レイさんは、聞いてくれる人や反応をくれる人がいる中でこそ、自分の話を組み立てられると話します。誰にも聞かれず一人で喋っていても続けられるタイプではない、とも認めます。
一人でもされなくても続けられるかって言ったら、多分そういうタイプじゃないんですよ。やっぱさすがに一定数の人には聞いて欲しくて。
副業として成立させられるかは疑問に感じつつ、今のスタエフは自分の考えを言葉にして話す訓練をする場所になっている、というのが今の蒼葉レイさんの位置づけです。
Z世代・SNSの話はもう話し尽くされた感じがする
戦略的なものはもうどうでもいいと思う一方で、蒼葉レイさんはXやYouTube、noteで何か発信するなら、これまではコンテンツとして価値のあるものを撮りたいと思ってきたと話します。
ただ、「Z世代のSNSがどう」といった話題も、そろそろ言われなくなってくるのではないか、と感じているそうです。
蒼葉レイさんの世代は、Z世代のかなり最終盤にあたるといいます。今の高校生くらいが最後のZ世代で、それ以降はアルファ世代 ── おおむね2010年代以降に生まれた世代を指す言葉。Z世代の次の世代として、新しいトレンドの中心になっていくとされていますと呼ばれる新しい世代がトレンドの中心になっていくと話します。
蒼葉レイさんは、高校生に何が流行っているかも知らないし、それ以上に自分の関心がそこにないので、あまりキャッチアップしていないと言います。
SNSはこれからもある程度は見られるテーマなので扱うこともあるけれど、もういろいろ話し尽くされている気もしてしまう。今の自分が話す価値のあるものは何なのか、という感覚だそうです。
AIで海外のトレンドを調べる。言語と時期を絞るコツ
そんなとき、今はAIがあるので、蒼葉レイさんは海外の傾向をClaudeやChatGPTに調べてもらったそうです。
蒼葉レイさんが挙げる使い方のコツは、時期と言語を絞ることです。たとえば2026年9月に掲載された記事だけ、という条件をつけ、さらに英語で調べてくれと頼むと、今アメリカで何が流行っているかを出してくれるといいます。中国語や韓国語にすれば、現地の言葉で最新のものを調べてくれるそうです。
蒼葉レイさんによると、アメリカで何が流行っているかをただ日本語で出力してもらうと、AIは2025年のものや、日本語訳された少し遅れた記事を出してくることがあるといいます。
2026年9月だけの記事に限定して、かつちゃんと英語とか韓国語とかその現地の言葉で調べるっていう風にAIに頼むと、結構いろいろ出してくれるんですけど。
そうやって調べると、SNSの話題では「SNS疲れでSNSから離れよう」というトレンドがたくさん出てきたそうです。ほかにも、2010年代に流行ったものが再注目される動きがあると話します。
蒼葉レイさんは、韓国で2013年から14年ごろに流行った曲がダンスコンで再注目されている例や、中国や韓国で伝統文化をアップデートして再定義し、もう一度注目される動きがあることを挙げます。
当事者だから話せたテーマ。いま話す価値をどこに置くか
そんな海外の傾向を知っても、蒼葉レイさんは、日本人である自分が何を話すのか、トレンドを解説したいかというと、なぜか気力が湧いてこないと言います。
今の自分が何に関心があるかはなんとなくある。それでも、人に対して自分が話す意味のあるものが、なかなか見つからない感覚だそうです。
人にすごい自分が話す意味のあるものっていうのがまだまだなかなか見つからないなっていう感じではありますね。
蒼葉レイさんは、フォロワーの多いインフルエンサーでも最近配信のペースが落ちている人が多いと感じています。その理由の一つに、もうやり切ってしまった感がある人もいるのではないか、と話します。
ある程度のお金を稼いで、子どもが生まれて子育てに時間を取る事情もあるだろう。でも、ネタが切れてきた、やり切ったと思っている人もいるのではないか、という見方です。
蒼葉レイさん自身も、この半年ほどはあまりSNSで発信しなかったといいます。興味を持つものはあっても、自分が話す価値をあまり感じられないことが多かったからです。
たとえば政治やホルムズ海峡の話もできる。でも、冷静に考えて自分が話してどうするのか、専門家が話した方がいい、と思ってしまうそうです。
ホルムズ海峡の話とかもしてみることもできるんですけど、でも冷静に考えて自分がホルムズ海峡の話してどうするのかなっていう風に思ったりとかして、専門家の人が話した方がいいじゃないですか。
一方で不登校やSNSの話は、当事者が話すことに意味があったと蒼葉レイさんは振り返ります。当事者ではないことを話しても、自分が話す価値を見いだせないというのです。
自分が当事者だったため、自分が話すことに意味を見いだせた
関心はあるが当事者ではなく、専門家が話した方がいいと感じてしまう
答えは出ないけれど、また発信したいという気力はある
新しいサービスを作って打ち出したいと思えるものも、まだ自分の中で作りきれない。蒼葉レイさんは、今はそういう時間だと思いながら過ごしていると話します。
それでも、また発信したいという気力はあるので、何かは見つけていくと思う、と前を向きます。今回は「今迷っている」という、ただそれだけの話をしてみたそうです。
また発信したいっていう気力があるので、どう何か見つけていくと思うんですけど、今迷ってるっていう、ただそれだけの話をしてみました。
最後に蒼葉レイさんは、聞いている人に問いを投げかけます。皆さんは配信すること、発信することをどう決めているのか。決め方があればコメント欄で教えてほしい、と締めくくりました。
まとめ
関心が移ろう中で、自分が話す意味のあるテーマが見つからない。蒼葉レイさんは、そんな戸惑いをそのまま言葉にした回でした。稼ぐことより「話す訓練の場」としての価値に立ち返りつつ、当事者だから話せたテーマの強さと、今の自分の関心とのズレを率直に見つめています。
- 続けている配信者のすごさは、日常の出来事を面白く話す視点を持っていること
- SNSや不登校などかつて話していたテーマへの関心が薄れ、今は国際政治や安全保障が気になっている
- 音声メディアはプラットフォームの性質上、ビジネスとして成立させるのが難しかった
- AIに海外トレンドを調べさせるなら、時期を絞り現地の言葉で検索させると新しい情報が出やすい
- 不登校やSNSは当事者だから話せた。今は話す価値のあるテーマを探している途中


