副作用を伝えることで生まれるジレンマ
薬局で働いていると、患者に副作用を説明する場面が出てきます。それは薬剤師の大事な役割です。
ただ、副作用を伝えたことで、患者が薬に対して過度な不安を抱いてしまうこともあります。その結果、治療を中断したり、治療を拒絶してしまう場面も実際に存在すると話されています。
そうした経験から、「だったら副作用は伝えない方がいいのでは」と考える薬剤師もいるかもしれません。しかし、たいぞーさんはそれとは話が違うと考えています。
そもそも「副作用を伝える目的は何なのか」を捉え直すと、関わり方の糸口が見えてくると言います。
1つ目の役割は「伝えて早期発見・早期対処につなげる」
たいぞーさんは、副作用に対する薬剤師の役割は大きく2つあると整理します。
1つ目は、副作用の初期症状などを伝えることです。これにより、患者自身が早い段階で副作用の兆候に気づき、薬を継続するかどうかを早期に判断できるようになります。
つまり、早期発見・早期対処という目的を達成するために、患者へ副作用の情報を伝えるという役割です。
つまりは早期発見、早期対処、この目的を達成するために、患者さんに副作用に関する情報を伝える。これが一つ薬剤師の役割かなというふうに思います。
2つ目の役割は「薬剤師自身が経過を見極める」
もう1つの役割は、薬剤師というプロの目を通して、副作用が起きているかどうかを見分けることです。
患者本人が予見できることであれば自分で気づいてもらうこともできます。ですが、継続して服用している患者の経過を追い、的確なタイミングで状態を確認し、副作用の有無を薬学的な観点で判断していく関わり方も重要だと話されています。
そのうえで、治療をどうするかは、患者が受けている治療のメリットとのバランスもあるため、最終判断は医師と決めていく必要があると整理しています。
一方で、薬剤師ならではの見立てを持って医師と話をすると、医師はその見立ても含めて考えを進められます。それぞれの専門性を活かした、より良い治療につながると考えられます。
今の患者に必要なのは「伝える」か「見極める」か
ここでたいぞーさんは、2つの役割を並べて考えることを提案します。
1つは、情報を伝えて患者が早期に気づけるようにする役割。もう1つは、薬剤師自身が能動的に関わり、副作用の兆候を見極める「患者を診る」役割です。
大切なのは、今目の前の患者に必要なのは、情報を伝える役割なのか、状態を見極める役割なのか、それとも両方なのか、という視点を持つことだと言います。
この視点があると、情報を伝えて終わりではなく、その後どう治療経過を一緒に見ていくかまで話すことができます。治療経過に薬剤師が関わると意識するだけで、患者は安心して治療を進められるようになると考えられます。
副作用の初期症状などを伝え、患者が早期に気づき早期対処できるようにする
薬剤師が経過を追い、プロの目で副作用の兆候を薬学的に判断する
見極めは薬剤師が担う、と伝えて伴走する
情報だけを伝えられ、「あとは自分で判断して見極めてね」と言われたらどうでしょうか。
専門領域でもない判断を、自分の体のこととはいえ急に委ねられると、とても不安に思うのは当然だとたいぞーさんは話します。
だからこそ、情報を踏まえたうえで、見極めるのはプロの目で行うから安心してほしいと伝え、一緒に経過を進んでいく。そうした関わりをするだけで、薬剤師が副作用に関われる範囲は大きく広がります。
患者自身も安心して薬物治療を進められるようになり、薬剤師はその一翼を担う大事な存在になれるのではないか、と締めくくられています。
まとめ
副作用を伝えることには、患者を不安にさせるというジレンマがあります。だからこそ、伝える目的を捉え直し、伝える役割と見極める役割を使い分けて伴走することが大切だと語られた回でした。
- 副作用を伝えると患者が不安になり治療中断につながることがある
- 薬剤師の役割は「伝えて早期発見・早期対処を促す」ことと「経過を見極める」ことの2つ
- 今の患者に必要なのが伝えることか見極めることか両方かを見定める視点が重要
- 見極めはプロが担うと伝えて伴走することで、患者は安心して治療を進められる




