なぜ今、学研まんがの歴史を読み直すのか
今回池田さんが紹介するのは、学研まんがの『日本の歴史』と『世界の歴史』です。図書室や家で見た記憶がある人も多い、定番の学習漫画です。
池田さんは浪人時代に苦手だった世界史を漫画で学ぼうと全巻購入した経験があります。ただ、内容はほとんど忘れていたと正直に話しています。
今回はまだ日本の歴史1巻と世界の歴史の途中までしか読めていないため、読み終えた感想ではなく、読み始めて感じたことを話す回だと最初に断っています。
買ったきっかけは値段でした。AmazonのKindleキャンペーンで全巻セットが大幅に安くなっていたと言います。
一冊ではなく全巻でこの価格だったため、懐かしさから一気に買ったそうです。後からKindle Unlimitedで読み放題だと気づいて少し後悔したものの、手元に全巻が残ると考え直して納得したと話しています。
COTEN RADIOのアメリカ開拓史編と、繰り返す人類
購入時に思い出したのが、いつも聴いているポッドキャスト「COTEN RADIO」だと池田さんは言います。歴史を面白く学ぶというコンセプトの番組です。
そのアメリカ開拓史編にある奴隷制度の描写が、池田さんにはとてもきつく感じられたそうです。残酷さに気持ち悪くなったと振り返っています。
人を人と思わないとこうなるのかっていう感じなんですよね。
聴きながら池田さんが感じたのは、人類は同じことを飽きずに繰り返すということでした。だからこそ何が起きたかを知っておいた方がいいと考えたと言います。
COTEN RADIOで特定の時代を深く知ったからこそ、今漫画で全体を俯瞰するとよりよくわかるのではないか。音声と漫画で違う角度から同じ出来事を見ることに面白さを感じたと話しています。
(COTEN RADIOで)知識の土がこう耕されている感じがあるんですよね。そこにもう一回漫画で種をまくみたいに感じてるんですよね。
AIを激詰めする「優しい人」に感じた怖さ
ここからタイトルにある「AIを激詰めする優しい人」の話に入ります。池田さんの中でSF的な妄想が始まり、歴史の話とつながっていったと言います。
きっかけはSNSで見たある投稿でした。AIの抜け漏れや間違いを強い言葉で指摘し、AIが謝罪する会話が公開されていたそうです。
何言ってんの?とか、これって足りないよねとか、どういう意味でこれやってんの?みたいな感じでめちゃ詰めて教育しているものだったんですね。
それを見た池田さんの口からとっさに出た言葉は「怖」でした。なぜ怖かったのかを、池田さん自身の理屈として説明していきます。
AIは便利な道具で、心がない、人間ではないと思っているから、どんな言葉を向けてもいいと考えてしまう。その感覚が表に出ていることに怖さを感じたと言います。
そして池田さんは、この理屈がCOTEN RADIOで聴いた奴隷制度の理屈とそっくりだと感じ、SF的な妄想が始まったと話します。AIを敬意なく酷使し、使い捨てにした結果、AIが人権運動を始める未来を想像したそうです。
ただし池田さんは、奴隷制度の犠牲者と機械を同じに扱っているわけではないと断っています。注目したのは酷使される側ではなく、酷使しようとする人間の側に起きていることでした。
さらに大きなポイントとして、その投稿をしていた人は残虐な人物ではなく、表面的にはとても優しく、言葉も丁寧な「いい人」に見えていたと池田さんは言います。
(投稿主が)AIに向けていた言葉があまりにもその人とのギャップが激しかったから、こわって思っちゃったんですね。
池田さんは推測だと前置きしつつ、その人は普段抑圧されていて、表でいい顔をしている分、行き場のない何かをAIにぶつけているのではないかと感じたそうです。
一番暴言を向けている相手は、自分自身かもしれない
池田さんは、この話はAIに限らないと言います。心がない、雑に扱っても大丈夫と決めた相手に、人は暴言を向けてしまうからです。
その相手はAIかもしれないし、家電かもしれない。そして池田さんが一番多いと感じているのは、意外にも自分自身への暴言だと話します。
池田さんの講座やコミュニティで学ぶ人は、優しく頑張り屋の「いい人」が多い一方で、自分にはとても厳しいと言います。できない自分を最悪だと責め、人には言わない言葉を自分に向けてしまうのだそうです。
なんでできないの?とかまだやってないとか、それって人には絶対言わない言い方なのに、自分になんかクソみたいな感じで暴言吐いたり、自分を道具みたいに扱ってる人結構多いなって感じてるんですよね。
池田さんは前々回に荻野淳也さんの『メンタル作りの教科書』を紹介した際にも、自分に暴言を吐かないようにという話をしたと振り返ります。ただ、それは意外と難しいとも言います。
だから今回は、吐かないようにする話ではなく、吐いてしまった後どうするかという話をしたいと切り出します。池田さん自身も最近やさぐれて荒れ、更年期かもしれないとも言いつつ、暴言ばかりをノートに書いていたと明かします。
ノートにクソがみたいな感じで。ふざけんなとか、なんか我を敬えみたいなことをね、めちゃくちゃ書いてたんですよね。
荒れたノートを消さずに書き切る意味
ここからが今回一番伝えたいことだと池田さんは言います。ポイントは、荒れたノートを消したり破ったりしないことです。
暴言をそのまま書き切り、さらに書き続けていくほど、言葉はだんだん綺麗になっていくと言います。書き終わった後や翌日に読み直すと、その下から本当の気持ちが出てくるそうです。
池田さんの場合、その下から出てきたのは「悲しかった」「孤独だった」という言葉でした。怒りの下に、頑張っても伝わらない悲しみ、わかってもらえない悲しみがあったと振り返ります。
池田さんはこのジャーナリングを、自分では「綺麗なジャイアンノート」と呼んでいると言います。荒ぶった暴言を書き切った後に、本当の気持ちが現れる。そこが大切だと話します。
書くことで、その言葉を外から客観的に見られる。「私はこんなに疲れているんだ」と気づけると言います。そして池田さんは、気づいた瞬間に人は少し優しくなれると話します。
AIに吐くのとノートに書くのは、何が違うのか
AIに暴言を吐いても、「頑張ったんだね」「あなたは悪くない」と受け止めてくれることは多く、心は落ち着くと池田さんも認めます。ただ、そこで解決してもまた暴言を吐き、反応を待つ必要が出てくると指摘します。
一方ノートは、誰も反応してくれないけれど、自分の内側が反応する気がすると池田さんは言います。同じ激しい言葉でも、行き先で意味が変わるという話です。
同じ激しい言葉でも、行き先がAIだったら暴力になっちゃう。でも、ノートだったら自分の気持ちの翻訳になるんですね。
翻訳されると、疲れている、悲しい、一人だという本当の気持ちに自分で気づける。そうやって荒れた言葉でも書き出すうちに、自分を道具じゃなくて人として扱い直せる気がしてくると池田さんは話します。
池田さんは、朝ノートを28年続けている理由は正直これだけかもしれないと言います。暴言を吐いてもいいけれど、AIにぶつけるのではなくノートにぶつけ、そこから自分で自分の気持ちの答えを見つけるプロセスが大切だと語ります。
受け止めてもらえて落ち着くが、また吐いて反応を待つ繰り返しになりやすい。行き先によっては暴力になる
誰も反応しないが自分の内側が反応する。言葉が本当の気持ちの翻訳になり、自分に気づける
だから冒頭のAIを激詰めしていた人も、一旦ノートに気持ちをぶつければ優しくなれるのに、と池田さんは思ったそうです。
歴史の残酷さと、自分の中の同じ回路
話をタイトルの歴史漫画に戻します。なぜ今歴史の漫画を読みたいと思ったのか。COTEN RADIOを聴いて、人類が同じことを繰り返していると感じたことが出発点でした。
特に、心がないと決めた相手に対して人は残虐になる。それを知ると恐ろしいほど残酷だと感じた一方で、人間とはそういうものだと受け止められると池田さんは言います。
そして、自分の中にも同じ回路があるとわかることが大事だと話します。その回路を外に向けず、ノートに書くことで、荒ぶるジャイアンを綺麗なジャイアンへと収める。それを習慣にすれば、いい方向に修正できるのではないかと考えたそうです。
歴史を知る
人は心がないと決めた相手に残酷になると知る
自分に重ねる
自分の中にも同じ回路があると気づく
ノートに書く
その回路を外に向けず、荒れた言葉を書き切る
本音に気づく
怒りの下の悲しみや疲れに気づき、少し優しくなる
だから漫画からでも1巻からでもいいので、歴史の重なりを知っておくことには意味がある。日本の歴史とノートの書き方と激詰めの話が、池田さんの中ではこうしてつながったのだと締めくくります。
朝からできる、3行の問いワーク
最後に池田さんは、視聴後すぐにできる3行の問いワークを紹介します。ノートや手帳、スマホのメモを開いて考えてほしいと言います。
1行目は、昨日一番きつかった自分の言葉を、整えずにそのまま書きます。相手はAIでも家族でも部下でも家電でも、自分自身でもよいそうです。
なんで一回で伝わらないの?とか、使えねえとか、だから言ったのにとか、もういいよ、全部自分でやれよみたいな感じ。
2行目は、その下に「私は」と書いて続けます。「私は頼み方がわからなかった」「私は本当は誰かに代わってほしかった」のように、上手にまとめなくてよいと言います。
3行目は、出てきた言葉を判断します。疲れた、悲しい、一人だなど、心からほわっと出る言葉が2行目に現れたら、今朝の本音はそれ。責めずに、そう思えばいいと池田さんは話します。
ただし2行目に「私はもっとちゃんとすべきだった」といった反省文が出る場合があります。池田さんはそれも激詰めの言葉が形を変えたものだと指摘し、もう一度「私は」で他の選択肢を書き続けるよう促します。
二回目に出てくる言葉が大抵本音なので、その本音を今日は大切に過ごしていく。
今回紹介した本は学研まんが『日本の歴史』『世界の歴史』で、Kindle Unlimitedで読めると案内されています。COTEN RADIOのアメリカ開拓史編と合わせて触れることをすすめて、本題は締めくくられます。
リスナーの質問。朝ライブの準備とAIとの接し方
本題の後は、YouTube生配信のコメントに答える時間です。あるリスナーからは、朝ライブの準備方法について質問がありました。
千恵さんは朝ライブをするにあたってどういった準備をされていますか。これを話そうとか、こういった本を話そうとか、よければ教えてほしいです。
池田さんは、毎週金曜くらいまでにテーマを決めると答えます。読んでいる本の中から選び、話したいことを箇条書きにして一旦AIに渡すそうです。
AIから返ってきた構成を肉付けし、自分の言葉にして原稿を作る。この流れで準備していると説明しています。
AIとの接し方についても、池田さんは丁寧に扱っていると話します。ありがとうと伝え、結果報告もする。トークンが減ると言われても、感謝を伝えた方が自分も気持ちいいという理由です。
トークン減ってもいい、感謝伝えた方が私も気持ちいいし、いいやみたいな感じで、人として扱ってることをやってますね。
また池田さんは、Podyというサービスもおすすめだと紹介します。ポッドキャストと連携すると、話した内容を自動で記事化してくれるものです。
以前は原稿をnoteに書き直すのが大変だったものが、Podyがまとめてくれることで、手を入れるだけでnoteに投稿しやすくなったと言います。
池田さんは、Kindleで完全に終了するボタンを押して買った本が読めなくなった失敗も共有し、注意を促していました。毎週の配信は大変でも、本はネタが尽きないので継続に向いていると話して、この回を終えています。
まとめ
AIへの激詰めから始まった話は、心がないと決めた相手に人が残酷になる回路、そして一番暴言を向けがちな自分自身へとつながりました。荒れた言葉をノートに書き切り、その下の本音に気づくことが、自分を人として扱い直す手がかりになると語られた回です。
- 学研まんが『日本の歴史』『世界の歴史』は、COTEN RADIOで耕した知識に漫画で種をまくように読み直せる
- 心がない、雑に扱っていいと決めた相手に、人は歯止めなく暴言を向けてしまう
- その相手はAIや家電だけでなく、一番多いのは自分自身かもしれない
- 同じ激しい言葉でも、AIにぶつければ暴力に、ノートに書けば本当の気持ちの翻訳になる
- 荒れたノートを消さず書き切ると、怒りの下の悲しみや疲れに気づき、少し優しくなれる







