P4U2とはどんなゲームなのか
この回でスナアさんが取り上げるのは、『P4U2』こと『Persona4 The Ultimax Ultra Suplex Hold』です。名前が長く、なかなか覚えられないと苦笑しつつ紹介しています。
前作にあたるのが『P4U』、正式名称『Persona4 The Ultimate in Mayonaka Arena』です。略称は1がU、2がU2ですが、正式名称は大きく違うため、そこもややこしいとスナアさんは話します。
ジャンルは2Dの対戦格闘です。前作『P4U』が2012年にアーケード版やPS3版で登場し、今回の『P4U2』はアーケード版が2013年、PS3版などが2014年に出ています。
その後、2022年にPS4・Switch・Steamへ移植版が出ました。今回スナアさんが遊んだのは、この移植されたSwitch版です。
なぜこれまで番組で取り上げてこなかったのか
ゲーム薄暗ポッドキャストでは、これまでもペルソナ ── アトラスのRPGシリーズ。主人公が内面の力『ペルソナ』を使って戦う。個性的なキャラクターと物語が人気で、スピンオフ作品も多く展開されていますの話を続けてきました。以前はクヌギさんとユウタロウさんを招いてシリーズの話もしています。
ただ、そのなかでスピンオフには触れてきたものの、『P4U』および『P4U2』は取り上げていませんでした。
理由はシンプルで、スナアさん自身が格ゲーをあまり得意としないからです。プレイ自体は数年前にしていたものの、理解度が低すぎて話せないと感じていたと打ち明けます。
転機になったのが、今年しっかり遊んだ『ストリートファイター6』です。「格ゲー筋」のようなものがついた自認があり、今なら向き合えるのではと考えて、久しぶりに『P4U2』を再開したそうです。
さらに、ユウタロウさんがペルソナ回の流れで『P4U2』を購入したことも後押しになりました。対戦に備えて、自分も仕上げておかないと、という気持ちもあったといいます。
(『P4U2』を)今ならいけるんじゃないかと思って、結構最近久しぶりに遊んでみてたりしたんですね。
その到達点を、スナアさんは門にたとえます。数年前は「アークの格ゲーの門の最寄り駅に着いたぐらい」、今回ようやく「門の前に立てたぐらい」だと表現しました。
ストーリーとキャラクター
Switch版の『P4U2』には、ダウンロードコンテンツだけでなく、前作『P4U』のストーリーモードも丸ごと収録されています。そのため、両方の物語を遊べます。
ペルソナのスピンオフは、スピンオフとしては異様なほどストーリーが充実しているのが特徴です。『P4U』『P4U2』も例外ではなく、ストーリーを追うだけで1と2合わせて10時間ほどかかるとスナアさんは話します。
時系列は『P4G』の後日談です。主人公が地元に帰った1カ月後ぐらいのゴールデンウィークに、久しぶりに安居納へ来ると変なことが起き、またテレビの中に入ってしまう、という流れで進みます。
オリジナルキャラクターとして、ラビリスと水無月翔が追加されます。さらに『ペルソナ4』のメンバーに加え、『ペルソナ3』のキャラクターたちもプレイアブルとして登場します。
『ペルソナ3』側は主人公以外がおおむね参戦し、光琉さんや真田、アイギス、竹林ゆかり、伊織純平、エリザベス、天田くんとコロマルのセットなどが含まれます。楓花はサポート役で、実際に動かして戦うことはできません。
ダウンロードコンテンツでは、『ペルソナ4』から足立が参戦しています。
初心者向けをうたうシステムの中身
『ペルソナ4』のファンが遊ぶため、格闘ゲームに馴染みのないユーザーが多くなります。そこで『P4U2』は、初心者向けのシステムをいろいろ入れているのが売りだとスナアさんは説明します。
たとえば一番弱いAボタンを連打するだけでコンボがつながり、最終的に超必殺技(SPスキル)まで届きます。スト6でいうアシストコンボ ── 弱攻撃の連打など簡単な操作で、あらかじめ用意された連続技が自動でつながる補助システム。コマンド入力が苦手な人でも派手なコンボを出せますのようなものです。
ほかにも、弱ボタンを押しっぱなしにして離すと状況に応じた必殺技が出る仕組みや、スーパーアーマーをまといながら攻撃を当ててコンボを狙えるアクションもあります。スト6のドライブインパクト的な要素です。
ここまで聞くと親切に思えます。しかしスナアさんは、そう単純ではないと釘を刺します。
システムが盛り盛りすぎて理解不能
数年前に全然理解できなかったことからもわかるとおり、アークの格闘ゲームはスピードが速く、システムが多いとスナアさんは言います。お世辞にも、ここから格闘ゲームに入るといい、とは言えないという見立てです。
(アークの格闘ゲームは)お世辞にも初心者向け、ここから格闘ゲーム入るといいよってゲームではないと思うんですよ、僕は。
基本ボタンは弱攻撃・強攻撃・ペルソナ弱攻撃・ペルソナ強攻撃の4つです。ところがこの4つの同時押しが大量にあり、組み合わせごとに異なるアクションが割り当てられているため、技の数が膨大になります。
コンボ中の緊急回避(バースト)、回避しながら近づくローリング、各キャラ固有のカウンターや中段など、防御と攻めの選択肢も多彩です。空中では2段ジャンプ、空中ラッシュ、空中ガードもできます。
さらにキャラクター固有システムが豊富です。アイギスは弾を撃てるが弾切れで一部の技が使えなくなり、自分をオーバーヒートさせて性能を上げるオルギアモードもあります。天田くんはコロマルと同時操作、ラビリスは斧の色で技の動きが変わります。
極めつけは伊織です。『ペルソナ3』本編では昔野球をやっていたという設定がほとんど話題程度だったのに、ここでは少年野球のコーチという野球キャラに膨らまされています。
バトル中は画面下にストライク・アウト・ボールのカウントやランナーの塁、得点が表示されます。バット攻撃を当てるとヒットでランナーが進み、ガードされてもフォアボールで進塁、空振りが続くとアウトが増え、スリーアウトでチェンジになります。
スペシャルスキルを当てるとホームランになり、得点を10点取ると大幅強化されるキャラクターです。もはや格闘ゲームをやっているのかわからないほど、システムが盛りだくさんだとスナアさんは語ります。
コマンド入力自体は簡単です。必殺技はほぼ波動拳か竜巻旋風脚、スペシャルスキルは真空波動拳か真空竜巻に統一されています。それでもシステムはあまりにも盛り盛りすぎて理解はまず無理というところから始まるゲームだと総括します。
格闘ゲームを楽しむための二つの壁
ここからスナアさんは、初心者として入る側の視点で、格闘ゲームを楽しいと感じるための壁を2つに整理します。あくまで詳しくはない立場からの話だと前置きしています。
1つ目の壁は、そもそも技が出せないことです。波動拳を出したいのに別の技が出てしまう、勝負どころで狙った技が出せない、といった段階です。ここはアシストコンボや簡単な必殺技コマンドで、ある程度は越えられます。
2つ目の壁は、自分が駆け引きをしているという実感です。不利だからこう動く、相手はこう考えているだろうからこう動く、と考えて狙いどおりにいく楽しさ、あるいは裏をかかれてやられる悔しさが、ここにあたります。
システムを理解し、そのなかで駆け引きや読み合いをする。この2つ目の壁まで越えて、初めて格闘ゲームの楽しさが味わえるとスナアさんは考えています。
1つ目の壁
技が出せない。アシストコンボや簡単なコマンドで越えられる
2つ目の壁
駆け引きの実感。システムを理解し読み合いができて越えられる
楽しさ
二つの壁を越えて初めて味わえる
スト6と比べて見えたP4U2の入りにくさ
この観点から、スナアさんは『ストリートファイター6』のモダン操作を評価します。まず、技が出ないという壁を越えているからです。
さらに『スト6』は状況ややれることがシンプルです。空中ガードがないため、飛べば対空を食らうか飛びを通すかに絞られ、遠距離では波動拳を飛び越えるかどうかといった読み合いになります。
ゲーム進行のスピードも遅いため、今自分がどんな駆け引きをしているのかを理解しやすいとスナアさんは言います。加えて「みんなウェルカム」のような空気があり、入りやすいゲームだと感じたそうです。
翻って『P4U2』を初心者として遊ぶと、最初は何が起こっているかわけがわからない状態から始まります。自分が何をしているかも、相手が何をしているかもわからないと振り返ります。
ガードはしてるけど、とにかくめちゃくちゃ振ってAボタンのアシストコンボを当てるゲームみたいな感じになる。
その結果、前回は少しかじった程度で終わってしまいました。「格ゲー難しいな」となってしまったといいます。
技が出る。空中ガードなしで状況がシンプル。進行が遅く駆け引きを理解しやすい
コマンドは簡単だがシステムが膨大。最初は何が起きているかわからない
門の前に立てるまでの10時間
『ストリートファイター6』をある程度遊んで戻ってきたスナアさんは、一番の推しである里中千絵を使い、コンボ練習を重ねました。よいコンボをいくつか覚えたそうです。
すると、システムの方に割ける意識の割合が増えてきました。そこでようやく、駆け引きの舞台、いわば門の前に立てたのが今だと語ります。
ただし到達度はまだ限定的です。起き攻めや、相手の行動に対して択をかけるところには行けておらず、何が起きているかがある程度わかり始めた段階だといいます。
それでもストーリーをクリアし、コンボ練習も重ね、再開してから10時間以上は遊んでいます。それでやっとここか、というのが率直な実感です。
再開してから、割と時間的にはもう10時間以上はやってるはずなんですよ。それでやっとここかっていう感じ。
一方で、システムを理解してくると、アーク格ゲーの考えられた面白さも見えてきて、面白いと思い始めているとスナアさんは話します。
その感覚を、硬い殻の果物にたとえます。表面はペルソナの味でまぶされているが、割ると中身が硬くてかじれない。ようやく中身の汁が少し吸えるようになってきた、という段階です。
難しいが面白いコンボ練習
コンボの難しさもスナアさんは強調します。練習用のチャレンジモードでも、最初の方から長いコンボが普通に出てきます。
たとえば相手を打ち上げ、空中で2回当て、ジャンプキャンセルで2段ジャンプしてまた空中攻撃を2回、ペルソナ強攻撃で叩き落として空中ダッシュで拾い、必殺技から超必殺技で締める、という流れです。
しかもコンボは最速入力すればよいわけではありません。タイミングを見る必要があったり、キャンセルではなく技が終わった後に出す場面があったりと、微妙な差があって難しいといいます。スト6のコンボと比べても難しく、長いと評します。
それでも、敵がおらず自分との戦いになるコンボ練習は、成功率が上がっていくのが面白いとスナアさんは言います。ただし、それを楽しめる人は限られるだろうとも付け加えます。
(コンボ練習を)ひたすらやってマスターするのは正直面白い。成功率が上がっていくのはすごく面白いですね。
マーベルの闘魂を見て感じた別次元
最近スナアさんは、対人戦こそまだしていないものの、CPU戦でレベルを少しずつ上げながら遊び、「わかってきた」と感じ始めていました。
そんな折、最新のアーク格ゲーであるマーベルの闘魂の大きな大会の動画を見ました。すると、あれほどわけがわからないと思っていた『P4U2』の3倍ぐらいわけがわからず、引いてしまったといいます。
闘魂はアークの基本システムに加え、4人チーム対4人チームでアシストがどんどん呼べます。ひどいときは1つの画面に6人ほどのキャラクターが暴れ、そこからプレイキャラを切り替えて挟んでいくそうです。
その超高速のスピードで、システムを理解して駆け引きまで成立させるプレイヤーを見て、スナアさんは人間ってすごいと感じたと話します。
盛り盛りのシステムと、洗練されたストーリー
システムの多さについて、スナアさんはさらに例を挙げます。ほとんどのキャラクターにはシャドウという別タイプが選べ、それにすると一部の技の性能が変わります。
シャドウタイプは一部の防御システムが使えない代わりに、暴走するとすべての技がキャンセル可能になり、オリジナルコンボ ── あらかじめ決まった連続技ではなく、通常はつながらない技を制限時間内で自由につなげて叩き込むシステム。『ストリートファイター ZERO』シリーズで知られますのように好き勝手つなげられるようになります。
ほかにも、ペルソナは攻撃を受け続けると一時的に出せなくなる、コンボが長いと攻撃力が減る、同じ技を使いすぎるとダメがある、といった制約もあります。状態異常も豊富で、被ダメージ増加、移動不能、操作反転などが用意されています。
とにかく多く、わけがわからない。それでも理解していくと面白いこともある、というのがシステムへのスナアさんの結論です。
ストーリーについては、『P4U』が各キャラごとの話で重複が多く退屈な場面もあった一方、『P4U2』のストーリーモードはそこが洗練され、本当に楽しめるフォーマットになっていたと評価します。
話の中心はラビリスとその執事あたりで、オリジナルストーリーが展開されます。ペルソナ4らしい話でファンは満足できるだろうといいます。ラビリスはペルソナらしいキャラで、水無月翔はノリとしてアーク側の人間だと感じたそうです。
『P4U』は各キャラごとの話で重複が多く、退屈な場面もあった
『P4U2』はフォーマットが洗練され、本当に楽しめる作りになった
好きなキャラを動かす喜び
スナアさんは、ペルソナのスピンオフならではの魅力にも触れます。無双系の『ペルソナ5 ザ・ファントム ストライカーズ』のときにも思ったこととして、自分の気に入ったキャラクターを自由に動かせるのは嬉しいと語ります。
格闘ゲームは1キャラあたりの技数が多く、やればやるほど自由度が上がり、好きに動かせる度合いが増えます。そのぶん愛着も強く湧くといいます。
推しの里中千絵は、ダッシュで近づき、リーチは短いが速い攻撃でボコボコ殴るわかりやすいキャラです。やり込むほどこのキャラのアクションの癖を自由に扱えるようになり、それが格闘ゲームならではの味わいだと締めくくります。
まとめ
格ゲーが得意ではないスナアさんが、スト6を経て『P4U2』に再挑戦した回です。初心者向けをうたいながらシステムは膨大で、10時間以上かけてようやく駆け引きの門の前に立てた、という体験が率直に語られました。
- 『P4U2』はSwitch版に前作『P4U』のストーリーも収録され、両作を10時間ほどで遊べる
- Aボタン連打のアシストコンボなど初心者向け機能はあるが、システム全体は盛り盛りで理解は容易でない
- 格闘ゲームの楽しさには「技が出せない壁」と「駆け引きの実感の壁」の二つがあるとスナアさんは整理する
- スト6と比べると『P4U2』は最初わけがわからず、里中千絵のコンボ練習を重ねてやっと面白さが見え始めた
- マーベルの闘魂の大会動画は『P4U2』の3倍わけがわからず、それを操るプレイヤーに人間のすごさを感じた







