たくみが乗り換えた「月900円」の24時間ジムとは
この回は、他の人がやっているビジネスを紹介しながら、自分たちに何ができそうかを考える趣旨で始まります。きっかけは、たくみが先月ジムを変えたことでした。
たくみはこれまで月6000〜7000円ほどのジムに通っていましたが、乗り換え先はキャンペーンで年間契約1万円ちょっと。月あたりにすると約900円という安さでした。
これまでのジムは、だいたい月7000円とか6000円ぐらいしてたんだけど、キャンペーンで年間契約すれば1万円ちょっとでいけますみたいな、やってて。
(月にしたら)本当900円とかそんなもんで。安すぎん?と思って、契約しちゃったんだけど。
それでいて器具の質も良く、混んで使えないこともないといいます。まおはジムの月額契約の経験はなく、市が運営する都度払いのジムに友達と行ったことがある程度だと話しています。
同い年の起業家が、50万円のホームジムから始めていた
たくみが「何なんだこのジム」と思って調べると、運営していたのは自分と同い年の起業家、加藤さんでした。株式会社FiTが運営するLifeFitです。
加藤さんはコロナ禍のころ、大学生の時に約50万円かけてホームジムを作るところからスタートしたといいます。ただ、本人が教えるのはあまり好きではないと気づいたことが、転機になりました。
(加藤さんは)あんまり教えるの好きじゃないみたいなって気づいたらしくて、コミュニティ運営みたいな方に舵を切って。
そこから、学生向けにジムを貸し出すレンタルジムのようなコミュニティ運営に方向転換し、これが人気を集めます。フィットネス業界の課題を感じたことをきっかけに、資金調達をして実店舗の展開へと進んでいきました。
記事によると、店舗数は全国約390店舗。関東圏でもよく見かけ、電車の広告でも目にするほど拡大していると、たくみは話しています。
無人運営とITで、後発でもなぜ安くできるのか
気になるのは、エニタイムなど既存のジムがある中で、後発のLifeFitがなぜ安くできているのかという点です。理由の一つとして、ITを駆使した無人運営が挙げられています。
LifeFitは基本的に無人で、入館はQRコード、会員登録はアプリから、混雑具合もアプリで確認できる仕組みです。
このLifeFitっていうジムは基本無人でやってて、入る時もQRコードで入ったりとか、会員登録する時もアプリからできるし、混雑具合とかもアプリで見れたりとか。
一方で他のジムには、たいてい受付や器具のメンテナンスをする従業員が常駐しています。エニタイムのように入館は自動化されていても、店舗に人はいて、入会時は人のところで紙に記入する必要があると、たくみは指摘します。
LifeFitはそうした人の常駐がありません。掃除についても、たくみがジムにいたとき、掃除の人がパッと来て掃除してすぐ帰っていったといいます。
多分(掃除は)1回掃除したらいくらとかもらえるのかわかんないけど、そういうので人件費のコストとか削ってるんだろうなみたいな。
たくみは、ジム自体はレッドオーシャンだと思っていた分、後発でもITでまだ改善できる余地があったことに驚いたと話します。
チョコザップとエニタイムの「隙間」を狙うポジション
まおはAIを使ってLifeFitや加藤さんについて調べ、レッドオーシャンの中でのポジション取りに注目しました。
まおの見立てでは、LifeFitはチョコザップよりは器具が揃っているが、エニタイムよりは初心者・中級者を狙う位置にあり、その隙間に入り込んでいったのではないかといいます。
チョコザップよりは器具が揃ってるけど、エニタイムよりは、もうちょっと初心者とか中級者を狙ってるとか。安いんだけど、割と本格的なジムっていう、いいとこ取りというか。
安さと本格さのいいとこ取りだからこそ、レッドオーシャンでも成長できているのではないか、という整理です。
手軽で安いが、器具は絞られている
本格的で24時間だが、受付など人が常駐しコストがかかる
中山きんに君と東京メトロ。マーケティングと出資の動き
まおがLifeFitを調べて気になったのが、ホームページに中山きんに君が起用されていた点です。ジムの広告塔としては誰もが欲しい人物だと、まおは指摘します。
中山きんに君って、ジムの広告塔としては誰もが欲しい人だと思うんだよね。認知度もあって、印象も良くて。
絶対にどこのジムも欲しかったはずなのに、(LifeFitが)獲得できたのってなんでなんだろうなと思って。
たくみも電車のつり広告でよく見かけると話し、今は店舗を増やし会員数を伸ばすフェーズとして、マーケティングに投資しているのではないかと2人は見ています。
もう一つ、まおが面白いと感じたのが東京メトロとの資本業務提携です。もともとフランチャイズオーナーだった東京メトロが、追加で出資したといいます。
今年、東京メトロがライフフィットに出資したみたいなのがあるらしくて。単なるフランチャイズ契約ではなくて、資本業務提携らしくて。
まおは、東京メトロが駅周辺への出店を望んでいるのではないかと推測し、駅からの需要にうまく応えている点や、沿線の土地の価値向上への寄与という観点でも意味があるのではないかと話しています。
筋トレブームは続くのか、自然志向のジムはあり得るか
話は、フィットネス市場そのものの持続性へと移ります。まおは、コロナ禍で一気に来た筋トレブームがまだ続いている印象を持っていました。
俺正直、筋トレとかっていうのは一過性のものなのかなって思ってたんだけど、割と結構みんな継続してるから、なんか終わらないのかなってちょっと思ってる。
一方でたくみは、ジムからランニングやトレイルランニングへ移る動きも指摘します。SALOMONが高尾山の麓に、山を走る用の靴やリュックを借りられる店舗を作り、人気だといいます。
たくみは、ジムよりも自然や外と触れ合う方向にいきそうな気もするし、その方が健全だとも感じると話します。ハイロックスのような競技の広がりも、その流れとして挙がりました。
同時に、筋トレは脳や寿命の面でも良いと言われており、特徴のあるジムが増えれば楽しいというのが、たくみの本音でした。芝が敷いてあったり、ロープがあったりと、店舗ごとに個性があると面白いという発想です。
消費者としては、なんかいろいろ個性出してほしいみたいな。もっと個性出してほしいみたいな感じ。
「最初から新規事業を作ろうとしていない」という気づき
後半は、この事例を自分たちの仕事にどう生かすかという話になります。まおがAIに問いを立ててもらったところ、印象的な指摘が返ってきました。
この人は最初から新規事業を作ろうとしてないっていう指摘が一個あって。
加藤さんは好きややりたいの延長で、自分でジムを作り、運営し、客を集め、その過程で問題を見つけて改善していった、という流れです。
これに対し、まおは自分たちの会社では新規事業もビジコンも「うちにはこういう技術がある」というシーズから始まりがちで、しかも「うちがやる意義は何か」が強く問われると話します。
まおは、本気で新規事業を作るなら、自社の技術にこだわっている場合ではないのではないかと、やや踏み込んで語ります。会社は稼ぎ頭があるからこそ新規事業に挑めるが、スタートアップは生きるか死ぬかの中で戦っている、という対比です。
まおは、シーズ発信も必要だとしつつ、新規事業を作るときにどうあるべきかは、ちゃんと考えるべきだと締めています。
たくみも、会社でやるとシーズが強く問われる現実を認めた上で、加藤さんが一人でここまで大きくした事実を挙げます。理論上は自分たちの会社がジムを始めてもうまくいけた可能性はあったはずで、最後に問われるのはシーズではなく会社の覚悟なのではないかと話しました。
加藤さんのnoteにあった「本を読もう」というアドバイス
たくみは加藤さんのnoteも読んでいました。若い人へのアドバイスとして、大きく2つが書かれていたといいます。
たくみは「本やっぱり大事か」と反応します。noteには、人生の先輩方の言葉を頭に入れるとよく、1000円前後で先輩方の成功失敗体験を得られると書かれていたそうです。
千円、二千円で知識を学べるんだから安いものですみたいな。
一方でたくみは、本を読んでも消化できずに終わってしまうことがあると正直に話します。まおは、生かすためにも読む量が必要なのかと問い、たくみは量に加えて、自分の行動の中で出てきた悩みを本で解決する形がより染みるのではないかと答えました。
そこから、この番組で本を題材に問いを立ててディスカッションする回があっても面白い、というアイデアも出ています。
もし自分がジムを作るなら。「森の中のジム」という発想
まおが「今からジムを経営するならどんなジムにするか」と尋ねると、たくみは意外な答えを返します。
なんか森の中にいるみたいなジムが欲しい。
たくみによれば、今のジムは薄暗く間接照明を当て、鏡で見たときにかっこよく、筋肉の影ができてモチベーションが上がるように作られている、といいます。それに対して、木をたくさん置いて自然を感じられる中でトレーニングできたらいい、という発想です。
話は脱線しつつも具体的になります。「森にジムを作る」のではなく「ジムに森を作る」のではないか、森なら山でトレランすればいい、という掛け合いが続きました。
森にジム作っても混んでしょ、多分。ジムに森を作んないとダメかもしれない。
たくみは、以前めっちゃ森な居酒屋に行った経験を挙げます。田舎の古い居酒屋で、料理は自分で取りに行き、席ごとに観葉植物があって隣が見えないほど木があり、居心地が良かったといいます。そういう感覚のジムがあれば面白い、という具体例です。
まおは、そこは一つの隙間かもしれないと応じ、たくみは「50万円かけてやってみる?」と冗談めかして返しました。加藤さんが50万円から始めた事実が、そのまま会話に効いています。
今後のLifeFitと、「儲けたら本を読む」という約束
最後に2人は、LifeFitとフィットネス市場全体の今後に注目したいとまとめます。
今後のこのライフフィットにも注目したいね。どうなっていくのかっていう。
そして、この回のもう一つの持ち帰りは「本を読もう」でした。まおは腹をくくると言いつつ、読むための動機も口にします。
儲けないと俺、読めないかも。
たくみは「儲ければ読むっしょ」という感覚で、いつか本紹介回をやろうと提案し、回を締めくくりました。
まとめ
50万円のホームジムから全国約390店舗へと広がったLifeFitを入り口に、無人運営やポジション取り、資本提携といった成長の仕組みを確認しつつ、2人は「自分たちは顧客課題ではなく新規事業のネタを探していないか」という問いに行き着きました。
- LifeFitは基本無人・QRコード入館・アプリ運営で人件費を抑え、後発でも低価格を実現している
- チョコザップの安さとエニタイムの本格さの間を狙う「いいとこ取り」のポジションが成長を支えている
- 中山きんに君の起用や東京メトロの資本業務提携など、マーケティングと出店網づくりにも動きがある
- 加藤さんは最初から新規事業を狙わず、好きの延長で始めて改善を重ねた点が、シーズ起点になりがちな会社員2人の気づきになった
- 持ち帰りは「若いうちに挑戦する」「本を読む」の2つで、たくみは自然を感じる「森の中のジム」という個性のある店舗像を語った






