『ラブトランジット』の3つの楽しみ方とは
最初の話題は、ホストが最近ハマっているという恋愛リアリティ番組の紹介から始まります。番組名は『ラブトランジット』で、いなけんさんはまったく知らないと答えます。
ホストの説明によると、『ラブトランジット』は横浜のホテルに男女10人が5対5で集まって恋愛をする番組です。ただし、よくある恋愛リアリティショーとは違う仕掛けがあります。
参加者は元付き合っていた恋人同士でしか参加できず、しかもその関係性を公開しないまま5対5で集まります。いなけんさんはこの設定を「人狼みたい」と表現します。
ホストは、この番組には3つの面白い見方があると整理します。1つ目は「これって誰を好きになっていくんだろう」という物語を正当に楽しむ見方です。
2つ目は「これは誰と付き合ってたっけ?」という、元恋人ペアを当てにいく推理の楽しみ方です。視聴者にもペアが明かされていない点がミソだといいます。
そう、それが楽しい。
3つ目は、参加者が元恋人と向き合わざるをえない点です。ホストは、だからこそ本人の本性や本質に向き合えると話します。
(元恋人と向き合うのは)えぐってくる感じだよな。
ホストは、元恋人と向き合う構造ゆえに、他の番組より本物の涙や本物の感情が出やすいのではないかと話します。配信はアマゾンプライムで、現在はシーズン3が放送中とのことです。
『バチェラー』との違いは「日常への近さ」
ホストは、『ラブトランジット』のもう一つの魅力として「リアルさ」を挙げます。比較対象に出したのは『バチェラー』です。
『バチェラー』が海外でヘリコプターに乗ってデートするような非日常の演出なのに対し、『ラブトランジット』は横浜のホテルという日常に近い舞台で展開します。
なんか日常に近いなって。
さらに参加者が元々恋人同士だった点も含め、視聴者にとって共感ポイントが多いとホストは話します。参加者の年代は25歳あたりから20代・30代が中心です。
いなけんさんは、番組のゴールがどこにあるのか疑問を投げかけます。『バチェラー』のように一人に絞られていくわけではないからです。
(いなけん)5対5だと全員がくっつくわけじゃないし、どこがゴールなの?
ホストによれば、ゴールは「復縁」か「新しい恋人への挑戦」です。結ばれたら一緒に帰り、結ばれなければ一人で帰るという形で番組が締めくくられます。
喧嘩する元恋人に見た「対話できない関係」の限界
ホストは、番組内で印象に残った元恋人同士の喧嘩の場面を紹介します。うまくいかずに別れた相手に、女性が感情をむき出しにしている場面です。
女性は、久しぶりに会うから男性の方から話しかけてくれると思っていたのに来なかった、と不満をぶつけます。男性は「ちゃんとお前のことを考えていた」と返します。
しかし女性は「自分がこうしようじゃなくて、私の気持ちを考えてよ」「自分の気持ちばっかじゃん」と繰り返したといいます。ホストは、それを言うなら女性自身も相手の気持ちを考えるべきだと感じたと話します。
いや、ね、それ言うんやったらお前も人の気持ち考えろって思うんですよ。自分の気持ちをぶつけてるだけってとこ全く変わってないのに。
ここからホストは、関係を続けるために必要なのは対話だと語ります。感情と事実を分けて話し、お互いの許容範囲を確認していく作業だという考え方です。
女友達との付き合い方や料理の頻度など、論点ごとに「私はここまで」「俺はここまで」を出し合い、一致すれば続けていく。ホストは、恋愛とはその一致点を探していくだけの作業ではないかと話します。
その前提として必要なのは、賢さではなく、自分の感情を素直に出せるかどうかだとホストは強調します。だからこそ素直な人に強く惹かれるといいます。
浮気は「手段の違い」? 男性の本能をめぐる持論
話題は浮気に移ります。ホストは、浮気という言葉自体がくだらないと感じていると切り出します。
ホストの持論では、男性が浮気するときの感情は付き合っている相手へのものとはまったく違い、ただ性欲を解消したいだけの動機でしかないといいます。
相手に性欲が向かないときは誰にでもあり、だから一人で解消することもある。ホストは、浮気もそれと同じで、一人でするか彼女以外の相手で発散するかの手段の違いにすぎないと語ります。
(浮気は自分一人で解消するか)彼女じゃない人で発散するかの違いであって。
いなけんさん自身は浮気をしたことがないとしつつ、男性の本能としてそうした欲があるのは自覚しており、その中身は純粋に気になると話します。
ホストは、だから付き合うときには、伝え方は変えつつも、そういう可能性があることを相手に示唆しようと思っていると語ります。ここでも大事なのは事前のすり合わせだといいます。
ただしホストは、その考えを超えて「この子となら許容のキャパが広がる」と思える相手なら浮気はしないかもしれない、とも付け加えます。考えが変わったら共有し、共有できなければ別れればいいという立場です。
遺伝子と生存戦略から浮気を語り直す
いなけんさんは、話を人間の本能へと広げます。生物として、自分の遺伝子をどれだけ残せるかがDNAに刻まれているという視点です。
男はさ、別にその妊娠をするっていうことがないからさ、いかに自分の子種をばらまくかっていうのがさ、生存戦略としては本能的に一番大事っていうのがさ、多分インストールされてる。
いなけんさんは、社会通念や法律の枷がなければ、昔の権力者が何人も妻を持ちはべらせていたように、男性の本能が表れるのではないかと話します。
その例として、いなけんさんは海外ドラマ『ゲームオブスローンズ』を持ち出します。中世ヨーロッパ風の世界で、日本の戦国時代のように複数の国を統一する者を描く物語です。
いなけんさんは、この作品に出てくる「落とし子」という概念を紹介します。落とし子とは、正式な妻ではない女性との間に生まれた子供のことで、王位継承権を持ちません。
ホストは、その説明の途中で「でも落とし子の方が優秀ですよね」と先回りします。正妻がいても欲しくなった相手との子だから、優秀な人物になる可能性が高いという理屈です。
落とし子は優秀っすよ。だって正妻がいる、いても欲しくなったってものなんで。
ホストは、権力者が多くの妻を持つのも性欲ではなく生存戦略であり、自分の世界観を共有できる人が多いほど幸せになれるからだと解釈します。そのうえで、浮気も関係を作るときに前提をすり合わせればいいだけだと締めます。
「子供は親より優秀」は本当か。遺伝の話でぶつかる
いなけんさんは、誰かから聞いたという話を持ち出します。自分が産んだ子供は、必ず自分より能力が高いはずだという主張です。
その理由は、子供が自分と奥さんの遺伝子をミックスした集合体だから、生まれた時点で自分より能力が高い存在になる、というものでした。
ホストはこれに対し「それはちょっと違うと思いますね」とはっきり否定します。人の能力は脳と環境の掛け算であり、生まれた瞬間に超えているわけではないという立場です。
ホストによれば、優秀な親のもとで子供が優秀に育ちやすいのは、良い試行錯誤の環境で時間短縮ができるからであって、生まれ持って優れたものが生まれるという構造ではないといいます。
いなけんさんは論点を「すごい子供が生まれる」ではなく「自分より子供の方が生物として優れている」に修正します。風邪をひきやすい自分と、それがない奥さんの遺伝子がミックスされれば、ウイルスに強い子供が生まれ、自分より強い存在になるのでは、という例です。
ホストは遺伝の仕組みを持ち出して反論します。優性・劣性の組み合わせで発現する形質が決まるため、必ずしも強い形質だけを受け継ぐわけではないという説明です。
風邪に強い個体を表す形質。組み合わせで優先的に発現しやすい
風邪に弱い個体を表す形質。優性と組み合わさると表に出にくい
AAでもAaでも子に伝わり得るため、必ず強い形質だけを受け継ぐとは限らない
結果として、いなけんさんは「また聞きで、あまりロジックに納得していなかった話だったから今論破された」と認めます。ホストも「直感的におかしいと思っちゃう」と応じます。
MBTIは直感100%。ホストが語る「自分を分類する楽しさ」
ここで話題はMBTI診断に移ります。ホストは自分のタイプがENFPだったと明かします。
ホストによれば、課金すると各指標の度合いが割合で見られ、性格はグラデーションで表されるといいます。E寄りの人にもI的な面は必ずあるという考え方です。
ホストは、そのなかで唯一100%だった項目が「F」、つまり直感型だったと話します。ロジックか直感かでいえば、自分は完全に直感側だという自己認識です。
自分が「これだ!」と思ったらもうこれしかならないんですよ。
ホストは、直感で「これだ」と決めたものを人に話すときには、むしろ理路整然と説明できるといいます。それは自分の直感を言葉で証明しているだけだからだと語ります。
MBTIと血液型占いは「日本と韓国だけ」? いなけんの否定論
いなけんさんは、ここでMBTIへの否定的な見解を展開します。まず、MBTIは科学的に否定されていること、そして流行っているのはほぼ日本と韓国だけであることを挙げます。
いなけんさんは、同じく日本と韓国だけで流行っているものとして血液型占いを引き合いに出します。ホストは血液型占いについては「バカだよなと思う」と即答します。
いなけんさんの説明では、血液型占いが日本と韓国で流行るのは、両国で血液型がおよそ25%ずつ綺麗に分布しているからだといいます。
でも例えば確かブラジルだっけな、8割がO型みたいな。
いなけんさんは、ブラジルのようにO型が8割を占める国では、O型はこういう性格だと言っても全員に当てはまってしまい、占いとして成立しないと指摘します。
ホストはこれにも「ちょっと違うと思う」と返します。血液型占いが機能するのは、4分類という多様性によって「当たっているかも」と共感できる人が一定数出るからだという見立てです。
バーナム効果 vs 傾向値。占いの当たる仕組みで論戦
いなけんさんは「バーナム効果」という言葉を持ち出します。誰にでも当てはまることをそれっぽく言って「自分のことだ」と思わせる心理効果です。
いなけんさんは、「昔つらいことがありましたか」と聞けば大小あれど誰でも一つはあるため、当たっていると感じてしまう、と例を挙げます。
ホストは、それは起こっている事象の説明にすぎず、ロジックへの展開が難しいのではないかと問い返します。いなけんさんのように当てはまらないと感じる人もいる以上、当てはまる人だけが当たると感じているだけだと整理します。
ホストは、それでも血液型には傾向値があるはずだと主張します。血液型の遺伝には法則性があり、似た価値観の親から生まれた子は価値観が似やすいため、その傾向を誰かが分解したのが血液型占いだという考え方です。
誰にでも当てはまることをそれっぽく言うから「当たっている」と錯覚するだけ
血液型には遺伝的な法則性があり、一定の傾向値として当たる部分が実在する
なぜMBTIは女性に流行るのか。いじめの記憶へ
いなけんさんは、MBTIを流行らせているのは男性より女性ではないか、と話題を変えます。自分のように診断を腐す人は、女性より男性に多いと感じているといいます。
その理由として、いなけんさんはGeminiに尋ねたという説明を紹介します。女子は小学生の頃から群れやすく、ハブられることへの恐怖が本能的に組み込まれているのではないか、という見立てです。
なんか女子ってトイレ行きたくもないのにさ、なんか5人ぐらいぞろぞろって行ってる時なかった?小学生の時。
いなけんさんは、だからこそ分かりやすく自分を分類し、「このタイプは相性がいい」といった話題作りにMBTIがマーケティングとして効いているのだろうと分析します。
一方ホストは、全員がそうではないと返します。MBTIは血液型より抽象化の精度が高く、自分を分類することそのものが楽しいと感じているといいます。
ホストにとって自己分類が楽しいのは、自分の解像度が高くない領域まで先に言語化してくれる可能性があり、時間軸を短縮できるからだといいます。
科学的根拠がなくても構わない。ホストの「信仰」観
いなけんさんは、MBTIが科学的に否定されていることについてどう思うかとホストに尋ねます。
ホストは「別にどうも思わない」と答えます。科学は後追いの証明でしかなく、証明されるまでに長い時間がかかることもあるという立場です。
ホストは、仏陀の世界観が量子力学で証明できるまでに2000年ほどかかった例を挙げ、科学を絶対視することも一種の「科学教」だと語ります。自分は証明したいのではなく、自分が分かっていればいいという考えです。
「大衆に流されたくない」アマノジャクな性格の正体
いなけんさんは、話しながら自分がMBTIを嫌う理由が分かってきたと語ります。自分はアマノジャクで、みんなが右に行くと右に行きたくない性格だといいます。
MBTIがここ数年で流行っていることそのものに対し、いなけんさんは「キモいと思っちゃう」「そっちに分類されないぞ」と反発を覚えると打ち明けます。
ホストは、それでも素直な方がいいのではないかと返します。流行を拒むと、MBTIからしか気づけないことという選択肢を捨ててしまうのがもったいないという考えです。
それやってみてクソやったらクソでいいんですけど。
いなけんさんは、MBTIも恋愛番組の『ラブトランジット』も、流行っているという現象をメタに見て「マーケティングとしてうまい」と面白がる一方、自分は絶対に課金しないと語ります。
ホストは、楽しさを摂取したいという目的だけなら、手段が叶えばそこにこだわる必要はないはずだと返し、いなけんさんが大衆というものに強く執着しているのではないかと指摘します。いなけんさんはそれを「めっちゃある」と認めます。
反骨心の原点は、女子集団からのいじめ
いなけんさんは、流行りをただ後追いする人とは価値観が合わないと語ります。芯がない、というのがその理由です。
ホストは、芯がない人から何か嫌なことをされた経験があるのではないか、と踏み込みます。いじめられたことはあるか、と直接尋ねます。
いなけんさんは、小学校の頃にいじめられていたと打ち明けます。ホストは、いじめをするのがまさにその「大衆」の層ではないかと指摘します。
いなけんさんによれば、小学校低学年の頃は足も速く目立つ方だったものの、身長が小さく、当時は女子の方が体格で勝っていました。そして、目立つことをやっかんだ女子の集団からいじめを受けていたといいます。
いじめられてたのが、女子の集団にやっかまれていじめられてた。
ホストは、そこにヘイトの根があるかもしれないと受け止め、心から悲しくなると反応します。いなけんさんは、自分の価値観や反骨心はその時に刻まれたのかもしれないと振り返り、この話は自己開示しすぎるからこの辺で留めておこうと切り上げます。
つらい経験を経た人が持つ「達観」と美しさ
話題はさらに、つらい経験をした人が持つ達観へと移ります。ホストは、マッチングアプリで3年前に出会い、最近になって会うようになった女性の話を切り出します。
その女性は二人きりになることが怖いと話していたといいます。断り文句ではなく、過去に男性から無理やり何かをされた経験があったからだとホストは受け止め、悲しい気持ちになったと語ります。
ホストは、そうした経験を持つ人はとても達観していることが多いと話します。いなけんさんも、自分も人生の初期にマイノリティになったことで、子供ながらに大人びた思考になったかもしれないと重ねます。
いなけんさんは、自分の経験を漫画『ONE PIECE』にたとえます。まだ村を出ていない序盤にとんでもない強敵が現れたようなものだったが、今冒険している視点から見れば「初手でボスが来てよかった」と思えるようになったといいます。
初手でボス(強敵)来てよかったなみたいな感じになってる。
ホストは「間違いない」と応じ、強敵に向き合うことの大切さを語ります。そして達観する人には、圧力がかかって達観が早まった人と、もともと圧力がなく達観し続けている人の2種類がいるのではないかと整理します。
最後にいなけんさんが「スタートの浮気の話からここまで発展するとは」と振り返ると、ホストも笑いながら、雑談のつもりが良い話になったと締めくくります。
まとめ
恋愛リアリティ番組『ラブトランジット』の紹介から始まったこの回は、浮気や遺伝子、MBTIや血液型占いをめぐる論戦を経て、最後は幼少期のいじめと「達観」の話にまで行き着きました。ライトな雑談のはずが、二人の価値観の根っこが見えてくる回になっています。
- 『ラブトランジット』は元恋人同士が正体を隠して5対5で集まる恋愛番組で、物語・推理・元恋人との対峙という3つの楽しみ方がある
- ホストは、恋愛で大事なのは賢さではなく感情を素直に出せることで、浮気も含めて前提をすり合わせる対話がすべてだと考えている
- 「子供は親より優秀」という遺伝の話は、能力は脳と環境の掛け算であり優性劣性の仕組みもあるとして、ホストが否定した
- MBTIをめぐり、科学的根拠がなくても楽しめればいいとするホストと、大衆に流されたくないと否定するいなけんさんの姿勢が対比された
- いなけんさんの反骨心の原点には小学校での女子集団からのいじめがあり、つらい経験が人に達観と美しさをもたらすという話で締めくくられた



