夫の困りごと「同じ料理が二回目に出てこない」
この回は、ゆうちゃんの前々からの困りごとから始まります。おいしいと思った料理が、次に出てくるのが半年先になってしまうというもの。
同じ料理が二回目が出てこない。
ゆうちゃん自身は、1週間毎日カレーでもいいタイプ。出張中も昼ラーメン夜ラーメン、昼うどん夜うどんが普通で、同じものが続いても気にならないと話します。
多い時には3日連続同じシチューとかカレーとか。
むしろ気に入った料理はリピートしてほしい派。でも、なぎちゃんは同じ料理を二回作ってくれないと言います。
希望があれば作る。特にリクエストがないから。
そこでゆうちゃんは、二回目を作ってほしいという要望ではなく、なぎちゃんの料理のこだわりを言語化してもらうインタビューにしたいと切り出します。
おつまみは豆腐で作る「リコッタ風」
本題の前に、この日のおつまみを二人で味見します。イチゴ、チーズ、蜂蜜、ペッパーを合わせた一品で、ゆうちゃんはチーズの正体を当てられません。
イチゴとチーズと蜂蜜とペッパーと。ただチーズが。なんだこれ。
リコッタチーズっぽいという話になりますが、実はチーズっぽさを出しているのは豆腐でした。木綿豆腐とパルメザン(粉チーズ)を混ぜ、塩ひとつまみとオリーブオイルを加えただけだと言います。
このリコッタっぽさを出してるのは豆腐です。
作り方は、料理家の長谷川あかり ── 料理研究家・管理栄養士。手軽で作りやすいレシピが人気で、なぎちゃんが日頃から参考にしていると話しています。さんのレシピを参考にしたとのこと。豆腐の水気をチーズが吸って身が詰まり、チーズのような食感になるそうです。
なぎちゃんが推すのは、手に入りやすさです。サワークリームやモッツァレラのような淡白なチーズはコンビニで買いにくいけれど、豆腐とパルメザンならコンビニだけで済ませられます。
コンビニだけで済ませられるもので、なんかチーズっぽくなるのはすごいいいと思いました。
料理の第一原則は「バランス」
トークテーマに戻り、なぎちゃんが最初に挙げたこだわりが「バランス」でした。メインの料理に合わせて、スープもサラダも同じ系統でそろえると言います。
例えばメインが中華だったら、スープもサラダも中華なのよ。
イタリアンならパスタに合わせてスープもサラダもイタリアン風に、和食なら味噌汁や副菜もきちんと和食に。器の雰囲気までそろえていて、ゆうちゃんも普段から感じているそうです。
なぎちゃんいわく、一品一品はそこまで凝っていないのに、全体でまとまると満足度が上がるとのこと。頭の中でコースのように組み立てているといいます。
コース仕立てにしてんのよ、自分の中では。
そのコースのレシピがどこかにあるわけではありません。彩り、食感、冷たいものと温かいものの組み合わせを想像しながら、いろんなサイトのレシピから食材を入れ替えて全体を整えていくそうです。
バランスかな。お口の中のバランスというか、味のバランスとか、見た目のバランスとか。
忙しくても作りたくなる理由
二つ目のこだわりとして、ゆうちゃんは「料理を作ること自体へのこだわり」を挙げます。付き合う前から、料理を作ると落ち着くと話していたそうです。
なぎちゃんも、料理ができない日が続くと心が廃れていく感覚があると言います。外食で寿司やステーキを食べたとしても、作るという行為ができないと満たされないのだとか。
作るっていう行為ができないと、なんか本当に満たされない感がすごくて。
研修医の頃は、寝るためだけに一瞬帰るような生活でしたが、当直明けにはホットサンドのような簡単なものでも自分で作りたくなったといいます。
その理由としてなぎちゃんが挙げたのが「食べたいものを食べたいから」。ファミレスや惣菜は、あるものの中から選んでいるだけで、本当に食べたいものとは違うと話します。
今これが食べたいんだっていうものを作って、そして出来立てで食べる。これに勝ることはないのよ。
料理は「自分で自分を満たせる」という感覚
ゆうちゃんは、なぎちゃんの話を「自分で自分の食べるものをコントロールできる感覚」と言い換えます。人生でコントロールできないことが多い中で、それは心地よいのではないかと。
自分で自分の食べるものをコントロールできる感覚。それは確かに言われてみたら心地よい感覚かもね。
なぎちゃんは、味も器も盛り付けも組み合わせも食材も、全部自分で選べる点を挙げます。失敗してもまたリトライできる自分のものだ、という感覚もあります。
ただし、なぎちゃんはゆうちゃんの「コントロール」という言葉には少しだけ違和感があるようです。目的はコントロールそのものではないと言います。
もう全て自分が最も今欲してるものを自分で作り出せるのよ。
言い換えて、違ったら「違う」と返る対話の心地よさ
ここでゆうちゃんは、いまのやり取りそのものを気に入ったと話します。相手の言葉を自分なりに言い換え、違えば「それじゃない」と返ってくる会話が心地よいのだと。
俺なりの解釈で俺なりの言葉で置き換えるじゃん。で、それじゃないっていう感覚があるじゃん。
ゆうちゃんは、面談などで相手が面倒がって訂正しない場面があると言います。中途半端に言い換えて、相手が訂正するほどでもないと流したときに、齟齬が生まれるのだと。
相手が「あ、違います」って言ってくれる感覚も結構好き。
一方、精神科医のなぎちゃんによると、患者さんはむしろきちんと訂正してくると言います。限られた診察時間で不完全燃焼したくない気持ちが強いからだそうです。
一ヶ月待ってやっと10分喋りに来てるのに、そこで不完全燃焼したくないわけ。
言い換えがぴたりとはまると、患者さんがとても感動する瞬間もあるといいます。だからこそ、なあなあにはしないのだと。
「なんでそれわかるんですか?」みたいな感じで、すごい感動する人もいるのね。
なぎちゃんは、日常会話でも同じだと言います。関係性をそこまで大事にしない相手だと、テンポを切ってまで訂正するメリットが薄く、つい流してしまうと。
訂正しないことで、あんまりこの人との会話心地よくなかったな感はやっぱ残っちゃうけどね。
好きな調味料は「塩と花椒」、そして甘じょっぱ
話は好きな調味料に移ります。なぎちゃんが好きなのは塩と花椒。ゆうちゃんは初めて聞いたようです。
私塩が好きなの。塩と花椒。
日常の茹で塩などは普通の塩を使いますが、サラダや仕上げにかける塩には岩塩を使うそうです。いい塩を一種類持っておくと生活が変わる、というのが伝えたかったことでした。
いい塩をなんか一種類でいいから持っておくと結構生活変わるぞっていう話をしたかっただけ。
11月のホームパーティーでは、お土産のカルダモンクッキーにレシピにない岩塩をつけたそう。甘じょっぱい系が好きだと言います。
スイートとスパイシーを合わせたスワイシーが今年は流行るみたいですから。甘じょっぱい系が好き。
韓国で出会った「おつまみアイス」
なぎちゃんが特に推すのが、自ら「おつまみアイス」と呼ぶレシピです。バニラアイスにオリーブオイルをかけ、ピンクソルトとブラックペッパーをその場で挽いてかけるだけ。
バニラアイスにオリーブオイルかけて岩塩、ピンクソルトとブラックペッパーをその場で挽いてかけるっていう。
アイスは柔らかすぎないスーパーカップ ── 明治のカップアイス。なぎちゃんは硬さと味が塩コショウの甘じょっぱさに合うとして、おつまみアイスに最適だと話しています。が一番合うとのこと。単体ではあまり好きではなかったのに、このアレンジだと相性が抜群だと言います。
このアイスとの出会いは、2年前に弾丸で行った韓国の一人旅でした。バーで頼んだバニラアイスに、オリーブオイルと塩コショウがかかって出てきたそうです。
普通のバニラアイス出てきたと思ったら、「え?何この美味しいもの?」みたいな。
店の人に聞くと、韓国では普通に食べられている甘じょっぱい味だと言われたそう。これがなぎちゃんが甘じょっぱに目覚めたきっかけになりました。
お気に入りの塩ブランドと価格
仕上げの塩として使っているのが、カマルグの塩フルールドセル。後輩からのプレゼントだそうですが、値段が気になるゆうちゃんは3000円くらいを予想します。
3000円ぐらいであってほしい。
実際は125グラムで1380円ほど。ゆうちゃんの予想は大きく外れました。塩としては十分こだわりの一本です。
これがなくなったら次に使いたいのが、デンマークで泊まった家にあったマルドンの塩。物価が高くて自炊でしのいだ滞在中、その家の塩がおいしかったのだそうです。
日本ではカルディで買えるうえ、カマルグの塩の半額ほど。マルドンの塩は125グラムで約667円と、こちらもお手頃です。
| 名前 | 容量 | 価格 |
|---|---|---|
| カマルグの塩 フルールドセル | 125g | 約1380円 |
| マルドンの塩 | 125g | 約667円 |
なんかドラクエに出てきそうな名前だけど。なんか聖なる塩っぽさあるけど。
価値観の違いを確かめる、いい晩酌
最後に、ゆうちゃんはこの回を振り返ります。一番刺さったのは、料理が人生を楽しむパーツであり、コントロールできる部分だという話でした。
お互いの価値観の違いを確かめる、なんかいい時間になった気がします。
日常すぎてわざわざ話さないテーマだからこそ、少しずつすれ違っていた何かをすり合わせられた、といいます。
なぎちゃんは、リピートを拒んでいるわけではないと補足します。作ってみたい料理が無限にあるから、毎回違うものを作りたいだけなのだと。
人生は短いから。だけど別にリクエストされれば全然作るよ。
ただ、自分が何を作ったか覚えていないので、リクエストされても同じ味にはならないだろうとも。次回は、ゆうちゃんが覚えている「好きな料理トップテン」を語る予定だそうです。
まとめ
夫のちょっとした困りごとから始まった今回は、妻の料理観と、二人にとっての心地よい対話へと話が広がりました。料理も会話も「自分で満たす」「打ち返し合う」という感覚が共通していて、日常では話さないことを言葉にしたいい晩酌回でした。
- なぎちゃんの料理の第一原則はバランス。メインに合わせてスープも副菜も器も系統をそろえ、頭の中でコースとして組み立てている
- 料理を作る目的はコントロールそのものではなく、食べたいものを自分で作って出来立てで食べ、自分を満たすこと
- 言い換えて違えば「違う」と返ってくる対話が心地よい。訂正し合える関係だからこそ齟齬が減る
- 甘じょっぱが好きで、韓国で出会った「バニラアイス+オリーブオイル+塩コショウ」のおつまみアイスがお気に入り
- 仕上げの塩はカマルグの塩やマルドンの塩を愛用。いい塩を一種類持つと生活が変わるという




