新企画「餃子ニュース」とは
この回は、小野寺さんが運営するXアカウント「餃子ニュース」で紹介した話題を深掘りする新企画の第1回です。
「餃子ニュース」は、インターネット上の餃子に関するニュースを集めて投稿するアカウントです。常にニュースをチェックしている中から、注目したものをいくつか掘り下げてみようという趣旨で始まりました。
静岡の高校生が考案した「ドライトマトとバジルの餃子」
1つ目は、田方農業高校3年の八賀さんが考案したレシピが、西原グループの商品として販売開始されたというニュースです。伊豆新聞デジタルより取り上げられました。
背景にあるのは「高校生野菜餃子レシピコンテスト」です。静岡県が推進する野菜マシマシプロジェクトの一環で、県と県教育委員会の後援のもと、三島市に本社を置く西原グループが開催しています。
内容は、県内の高校生から静岡県産の野菜を活用したオリジナル餃子レシピを募集するというものです。今回はその第3回にあたります。
このコンテストが行われる理由には、静岡県の特徴があります。静岡県は健康寿命が男女ともに全国1位で、健康の先進県として知られています。
そのため、次世代を担う高校生に地域の健康課題を自分事として考えてもらいたい、という思いが込められています。
第3回の大賞は、八賀さんが作ったドライトマトとバジルの餃子です。セロリやバジルなど、餃子の具材としては珍しい洋風食材を取り入れ、これまでにない風味と香りを楽しめる餃子だといいます。
特徴はドライトマトの使用です。乾燥させることで旨味と甘みを凝縮させ、具材に深みとコクを加えています。病みつきになるのに重すぎず、さっぱり食べやすい味わいに仕上がっているとのことです。
キャベツやセロリなどの三島野菜、函南トマト、バジルなど、多数の静岡県産野菜を使っています。
評価されたのは、ミニトマトをドライトマトに加工する発想です。学校内の設備を使っており、農業高校だからこそできる工夫が随所に光っていたといいます。
さらに、調理で出たミニトマトの絞り汁までタレに生かすなど、細やかな工夫が施されている点も評価されました。
トマトを使った餃子はイメージしにくいかもしれませんが、トマトは昆布と同じようにグルタミン酸などの旨味成分がたっぷり入った食材です。加熱や乾燥で旨味や栄養が凝縮され、肉のイノシン酸などと組み合わせると相乗効果が生まれると小野寺さんは説明します。
受賞作は、これまでも主催の西原グループが商品化して販売してきました。今回のトマトとバジルの餃子も6月1日から販売されています。
商品名は「ドライトマトとバジル香る旨味コンボ餃子」です。限定120箱を製造し、価格は21個入りで1000円(税込)。西原グループの一番亭冷凍餃子自動販売機などで販売されています。
小野寺さんは、餃子はいろんなものを包める無限の可能性を持つ料理だといいます。その料理を、無限の可能性を持った若者が作るという組み合わせを面白いと語ります。
こうした取り組みが全国に広まるには、地域で第一歩を踏み出す存在が必要だとして、小野寺さんは主催した西原グループにも拍手を送りたいと締めくくりました。
三重県産の食材が最高賞を受賞したご当地餃子コンテスト
2つ目は、三重県産の具材を使った餃子が最高賞を受賞したというニュースです。東京で開かれた「ご当地餃子コンテスト」で、尾鷲マグロなどを使った餃子が評価されました。
主催は日本中国料理協会です。三重県尾鷲市産の水産加工品などを使った餃子が、中部地区本部三重県支部の金賞に輝きました。
受賞したのは、中国名菜白川の代表・白川さんが開発した餃子です。商品名は「海山の恵みと伝統食材で人と地域のご縁を包む三重県ガストロノミー揚げ餃子」です。
具材には、尾鷲市の水産加工業・長久丸冷蔵の本マグロの皮と血合い、大瀬商店が製造する伝統食のカツオ生節、県が運用する三重ジビエの鹿肉を使用。熊野市産の柑橘「にいひめ」で香り付けをしています。
地元のさまざまな企業が作るものを餃子にし、地元の中国料理店の人が仕立てたニュースだと小野寺さんはまとめます。こうした取り組みは、三重県だけでなく全国各地で行われています。
このコンテストは「定番中華と地産食材」がテーマで、毎年料理を変えて開催されているそうです。去年は春巻きで、今年が餃子でした。小野寺さん自身も今回初めて知ったといいます。
今年は北海道から九州まで12地区本部の各支部から、金賞・銀賞・銅賞・最優秀学生賞を合わせて81品が受賞しています。
見ているだけで面白い、全国のご当地餃子
受賞作のリストは日本中国料理協会のホームページに掲載されており、小野寺さんは見ているだけで面白いものが多いと話します。
金賞などを受賞しているからにはきっと美味しかったのだろうと小野寺さんは推測します。ただ、実際に食べられるかどうかは詳しく調べていないとしつつ、ホテル名なども載っているので、そこで提供されている可能性もあるといいます。
どちらのコンテストも「地産地消」が共通のテーマです。高校生のレシピコンテストに対し、こちらは中国料理のプロが本気で地産地消に取り組んだ企画だと小野寺さんは位置づけます。
中国料理協会のシェフの皆さんも、こういったところでお互い刺激を受けて与えつつ、新しいレシピを作っていこうというところに繋がっていくんだろうなと思います。
こうした動きを見ながら、世の中の多くの餃子にイノベーションが広がると面白いと小野寺さんは語り、81品のリストは概要欄のリンクから見てほしいと案内しました。
「餃子ニュース」を手作業で続ける理由
今回は、静岡の高校生野菜餃子レシピコンテストと、日本中国料理協会のご当地餃子コンテストの2つを軽く深掘りしました。日本中国料理協会そのものなど、掘れば面白い点は多いとしつつ、今回は軽めにとどめています。
Xアカウント「餃子ニュース」は、インターネット上の餃子に関する記事を拾って投稿するものです。プレスリリースやニュースが中心でしたが、最近はYouTubeやnoteの投稿も拾っているといいます。
これくらいならAIにやらせればいいのでは、と思う人もいるかもしれません。しかし小野寺さんは、実際には手作業が発生すると説明します。
今のインターネットには、AIで生成された中身の薄い記事や、あちこちにコピーされたプレスリリースなど、ノイズが多いといいます。それらも全部拾ってしまうため、元の記事を拾いに行く手間がかかるのです。
それでも続けるのは、小野寺さん自身が世の中の餃子ニュースのトレンドや新しい記事を知りたいからです。自分が見たものをXに投げているだけ、という感覚だと語ります。
だからフォローしたと報告する必要もなく、面白いと思ってくれるだけでいい、と小野寺さんは話します。トレンドが気になる人は、Xの「餃子ニュース」アカウントを覗いてみてほしいと案内しました。
この餃子ニュースを深掘りする企画は、好評であれば続けていくとのことです。感想はXやThreadsで「#聴く餃子」を付けて投稿するよう呼びかけました。
まとめ
新企画「餃子ニュース」の第1回として、地産地消をテーマにした2つのコンテストが紹介されました。高校生の発想と中国料理のプロの技という対照的なアプローチが、それぞれの地域を餃子で表現しています。
- 静岡の高校生野菜餃子レシピコンテストでは、田方農業高校の八賀さんによるドライトマトとバジルの餃子が第3回大賞を受賞し、6月1日から商品化・販売されている。
- 農業高校ならではの設備でミニトマトをドライトマトに加工し、絞り汁までタレに生かす工夫が評価された。
- 日本中国料理協会のご当地餃子コンテストでは、尾鷲マグロなど三重県産食材を使った揚げ餃子が三重県支部の金賞を受賞。全国から81品が受賞した。
- どちらも「地産地消」が共通テーマで、若者とプロがそれぞれの立場で地域の食材と課題に向き合っている。
- Xアカウント「餃子ニュース」は、ノイズの多いネット情報を手作業で拾い、餃子のトレンドを追うために続けられている。

