埼玉発、直営で広がるぎょうざの満洲
ぎょうざの満洲は、埼玉を中心に関東で90店舗以上、大阪を中心に関西で10店舗を展開しています。
これらはすべて直営店で運営されているそうです。
近くに店舗がない人向けに通販も行われており、配信の概要欄から通販サイトにアクセスできると案内されています。
老神温泉で生まれた創業者と「満洲」の由来
創業者は、1936年に群馬県の老神温泉エリアで生まれた金子梅吉さんです。
梅吉さんは運送会社のサラリーマン、牛乳販売店の経営と独立を経て、28歳のときに1件目の店を開きます。
その年は東京オリンピックが開催された1964年で、新所沢の緑町4丁目に「満洲里」という店を開店しました。これを創業とすると、今年でちょうど60周年になります。
その後「満洲飯店」などの名前を経て、1977年に「餃子の満洲」へ屋号が変更されました。
店名の「満洲」は、満洲から引き揚げてきた梅吉さんの兄が、満洲で食べた餃子をおいしかったと語っていたことに由来します。それを聞いた梅吉さんが、日本でも餃子は流行ると考えて名づけたそうです。
クイズ「3割うまい!!」の本当の意味
餃子の満洲を知る人なら必ず知っている「3割うまい」というフレーズについて、番組ではクイズが出されました。
「3割うまい」の意味は次のうちどれでしょう。1、100個のうち30個だけが美味しい。2、他社より3割増しで美味しい。3、売上の3割は原材料費に充てる。
正解は3の「売上の3割は原材料費に充てる」です。ただし2の「他社より3割増しで美味しい」も、もともとはそういう意味だったそうで、あながち間違いではないと説明されています。
公式に認められている現在の意味は、売上の3割を原材料費に充てるというルールです。
内訳は、3割が原材料費、3割が人件費、3割が光熱費などのその他経費、残りの1割が利益という目標だそうです。
店舗が増えてスケールメリットが出ると原材料費は下がっていきます。その場合は野菜や肉の品質を上げ、必ず原材料費3割をキープするそうです。
もともとは「うまい安い元気で、うまさが3割増」がコピーで、それが3割原価のルールになっていったといいます。
「ランちゃん」と救世主ヒロミさん
この3割ルールは、店や人が増えるほどバランスが崩れやすくなります。そこで救世主が現れたと語られます。
その前に、看板でおなじみのキャラクター「ランちゃん」が紹介されます。チャイナドレスを着て調理帽をかぶり、3割うまいと3本指を立てているキャラクターです。
ランちゃんのモデルは、梅吉さんの娘であるヒロミさんだそうです。名前の「ラ」はラーメンのラ、「ン」はチャーハンのンで、意外にも餃子は入っていません。
ヒロミさんは満洲里が開店する2年前に生まれ、開店時は2歳でした。まさに満洲とともにある人生だと語られます。
ヒロミさんは満洲に入る前、都内の商社でパソコンを使うOLとして働いていました。入社から4年後、銀行員の池之谷隆さんと結婚し、その際に退職することになります。
退職から結婚式までの間に時間ができたため、父の店の手伝いをすることになりました。
財務のデータ化と代替わり
当時、餃子の満洲は8店舗ありました。ヒロミさんはその財務を一度すべてデータ化してみることにします。
すると、原材料費の理想と現実の間に8パーセントの誤差があることを発見しました。
そこで、3割うまいのルールに沿ってレシピをグラム単位でマニュアル化し、業務改善に取り組みます。誤差は約1パーセントまで、現在は0.3パーセントまで改善されたそうです。
これをきっかけにヒロミさんは餃子の満洲へ入社します。
入社から11年後、ヒロミさんが36歳になったとき、梅吉さんが代替わりを決めます。
こうしてヒロミさんが社長になり、夫の隆さんも銀行を辞めて副社長として入社しました。
自社農園と「脂身を減らす」味の変革
隆さんの実家は埼玉北部で兼業農家を営んでいました。ヒロミさん夫婦がその隣に移り住み、目の前の農園で野菜の美味しさに気づきます。
2014年には自社農園「満洲ファーム」が設立され、隆さんが取りまとめを担っています。
キャベツなどは通年ではないものの自社農園で収穫したものを使い、工場ですぐに食材として加工しているそうです。
素材が美味しければ味付けを濃くしなくても餃子は美味しくなるとヒロミさんは考えました。2018年、豚肉の脂身を3割減らして赤身を増量する変更に踏み切ります。
餃子は脂身が味のパンチになるため、そこを求めて食べる人が多いと思われていました。社員からも反対の声があったそうです。
しかし実際にやってみると、餃子の売上は3割伸びたといいます。
小野寺さんは、この変革を良い判断だと個人的にも評価しています。
パンチのある餃子は食べた瞬間美味しく感じるんですけど、だんだん食べ飽きてくる。優しく体に優しい餃子は、いくつ食べても食べ飽きない
脂身がパンチとなる味づくり
脂身を3割減らし赤身を増量、素材の美味しさを生かす
こうした変革の土台には、満洲が掲げる3つのスローガンがあります。
王将との価格比較とおまけの温泉情報
番組では、餃子6粒を店内で食べたときの税込み価格で比較が示されました。
341円
320円
満洲のほうが21円安く、ややお得だと説明されています。餃子2人前にライス、漬物、スープが付いた定食セットは780円だそうです。
最後のおまけとして、代替わり後の梅吉さんの話が語られます。2010年、梅吉さんは出身地である群馬県沼田市の老神温泉の旅館を買収し、餃子の満洲 東明館を開きました。
温泉とビールと餃子が安く楽しめると人気で、宿泊費も安いそうです。小野寺さんは行ってみたいものの、いつも満室だと話しています。
まとめ
ぎょうざの満洲の「3割うまい!!」は、売上の3割を原材料費に充てるというルールが核にあります。財務のデータ化や自社農園、脂身を減らす味の変革を通じて、その理念が守られ続けてきたことが語られました。
- 「3割うまい」は、売上の3割を原材料費に充てるという意味
- 1964年に新所沢で創業し、店名は満洲で食べた餃子の美味しさに由来する
- 娘のヒロミさんが財務をデータ化し、原材料費の誤差を大きく改善した
- 2018年に豚肉の脂身を3割減らしたところ、売上が3割伸びた
- 創業者ゆかりの老神温泉には、餃子と温泉を楽しめる東明館がある


