万博のパビリオンを丸ごとつくる「イベント屋」
番組は本編の一部を予告として流したあとに始まります。今回のゲストは、前回の田口拓郎さんから紹介を受けた渡邊俊さんです。
はい、ということで始まりました。アイザックです。今回は、ずっとYouTuberが続いてたんで。
(このチャンネルの)ベースは、クリエイティブと起業家みたいな。会社とクリエイティブみたいなところをメインでやっていてですね。
(田口拓郎さんに)この方の話を聞いたら絶対面白いよと紹介していただいて、今回呼ばせていただきました。渡邊さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
パレードデザインファームの取締役、あと自分の会社も持っていて、顧問みたいなことをやったりしてるんですけど、ざっくり言うとイベント屋ですね。
大阪・関西万博のパビリオンの中に、展示物、体験、映像、コンセプトムービー、PR、スタッフのユニフォームがあって。
それの建築も含めて、総合的にプロデュースしてるっていうのが、うちの会社ですかね。
万博特化なんですか?
万博特化をしてるつもりは全然なくて。ただ今、対外的に出させてもらっているのは、27年5月15日からセルビア共和国であるベオグラード万博の日本館です。
ミュージアムを作ったり、神社でプロジェクションがあって体験があるようなイベントも、プロデュースやクリエイティブディレクションをしたいなと。
バーチャルもやりますし、映像の制作もしますし、AIとクリエイティブを掛け合わせて、参加型のキャンペーンをプロデュースからディレクションまで全部やったりみたいな。
話は、万博そのものの話題へ移ります。アイザックさんは一般公開前の大阪・関西万博に、キャッチボールのイベントで参加したそうです。
大阪万博は、マジで一般公開をする前には行ったんですよ。世界の平和をプロモーションしようって、キャッチボールみたいなのをやったりするんですよ。
変な話、ディズニーのアトラクションに乗れないディズニーランドに行ってきたみたいな感じですね。
1個マジでおすすめなのは、今度横浜で、グリーンエキスポっていう園芸をテーマにした万博があって。僕は一部企業さんのパビリオンを少しだけお手伝いしてるんですけど。
我々の界隈で注目してるのは、2030年にサウジアラビアのリヤドである万博です。それはやっぱり過去最高規模になるだろうと。
えぐいやつですよね。
そうです、そうです。(リヤド万博では)都市が出来上がる。
大阪・関西万博の1個前のドバイ万博は、コロナ禍で1年延期されて2021年に開催されたんですけど、その日本館にも参加させてもらってたんですけど。
(ドバイ万博は)大阪・関西万博の倍ぐらいの規模で、砂漠の中に街が出来上がって。そのドバイに負けるわけにいかないじゃんが、リヤドなんで。
(ドバイ万博の)会場を練り歩いて、今まで見たことも感じたこともない体験というか場所だったんで、(リヤドは)行った方がいいです。
行きたいですね。マジで。5年に1回なんですか?万博って。ワールドカップより頻度少ないんだ。
オリンピックとは違う、「みんなが主役のお祭り」
ワールドカップとかアジア大会とかスポーツ大会ありますけど、オリンピックとかパラリンピックって、どこまで行ってもやっぱりアスリートが主役ですよね。
なんですけど、万博は世界中の国とか、パビリオンを作ったクリエイターとか、さらに参加させる共創、コクリエーションみたいなのがあるので。
みんなが主役になってる状態の、世界中の人が一気に集まるお祭りって思ってもらった方が、多分良くて。
昔、1970年代の大阪万博とかは、それぞれの国の。
月の石みたいな。
それぞれの国の技術とかをお披露目する場だったのが、最近は地球上の課題をみんなでシェアして、そのテーマに対して対話する傾向も非常に強いので。
なので大阪・関西万博は、共創とかコクリエーション、あと繋がるっていうキーワードが、めちゃくちゃ多かったと思うんですよね。
昔は情報が民主化してないんで、万博に行けば、この国ってこういう文化があるんだって知れる場所だったのが、もう知れるようになっちゃったから。
そこからユニティで絆を深め合って、世界の問題に。でもカンファレンスに近いですね、なんかそれ。
ちょっとAI使って調べたんですけど、(万博では)商談とかが行われてるんですよ、裏で。
めっちゃおもろい。
外交とか商談が行われていて、とあるアジアの一国のパビリオンでは、大阪・関西万博の時も、多分日本円で1000億か2000億円規模の商談が、半年間で行われてる。
万博は、そんなに商業的なものではないんですよ。何か売り上げを上げようという話ではないんですけど、経済的な効果もあるのと。
日本ってすごく豊かで注目されやすいので、全く知らない国がパビリオンを出して、そこに小さいお子さんが行くと、その国のいいところも課題も知るっていう。
すごい綺麗な話っぽいこと言うと、ちょっと自分のキャラに合ってないんですけど、子供の夢がその国と接続されて、研究者としてあの国の海を綺麗にしたいみたいなチャンスを作り出している場とも言えるので。
いろんなものが複合的に合わさっている博覧会は、イベント屋としてはすごく貴重な体験を、偶然させてもらってるって感じですかね。
電通、デジタル、そしてドバイ万博へ
そもそもごめんなさい。渡邊さん、どういうご経歴なんですか?どういう形でここまでたどり着いたんですか?
大学卒業した後に、イベントやりたいなと思って。コミュニケーションデザインっていう言葉が、ちょうど出始めたぐらいだったんですけど。
OOHってあるじゃないですか。Out Of Home Media、屋外広告とか看板とか。僕が学生ぐらいの時、あれのすごいクリエイティブがものすごい流行っていた時期があって。
煙突をピストルに見立てて啓蒙活動につなげるとか、ゴミ箱をバスケットゴールに見立てるとか。広告なのか何なのかわかんないみたいな。
なんとなく広告いいなと思ってる中で、リアルなものがいいなって思った時に、イベントの制作をしている大きな会社に、偶然入ることができた。
(その会社で)車とか飲料メーカーさんのイベントをいろいろやらせてもらった後、大手広告代理店がイベント担当できるアカウント営業が欲しいって話があって。
そこに転職しました。電通っていう会社なんですけど。みんな知ってます。
(電通では)トヨタ自動車さんを主に担当させてもらっていて、モーターショーみたいな展示会とか、マラソンとかスポーツ大会の協賛とかをやらせていただいてて。
ちょうどインタラクティブっていう言葉。触ると画面がパーンみたいなのが、僕がやってた頃、出始めたぐらいで。
それっていつ頃ですか?何年ぐらい?
2015年ぐらい。
インタラクティブが浸透し始めた時に、営業として俯瞰して見る立場になって、これは自分が深くまで入って勉強しないとダメだと思い。
電通も契約で入らせてもらってたんですけど、満期になる前に、デジタルのクリエイティブの会社をノックして、入れてくれませんか?って言って。
取ってもらったのが、前職で、ドバイ万博の日本館をやるきっかけになった会社です。ウェブサイトとかプロジェクションマッピングとか、デジタルとリアルを掛け合わせていろいろやらせてもらって。
自分はすごい運がいいんですけど、コロナでドバイ万博が1年延期になりました。人が移動できない状態で開催しなきゃいけない。バーチャルが必要なんですよ。
バーチャル参加が必要になって、1年延期した分の予算が新しくついて、参加しませんかという公示が国から出た。
(その公示に)普通にプレゼンをさせてもらって入らせてもらったのが、ドバイ万博の日本館のきっかけ。
その時に、総合プロデューサーとして全体のトップに君臨していたのが、今のパレードデザインファームの代表の内藤。
彼はリアルの空間全部を見ていて、バーチャルはまだ分かっていない状況の中で、僕がバーチャル周りを中心に制作させてもらって、そこから非常に仲良くなって。
ドバイが終わってすぐ、25年に大阪・関西万博があるから一緒にやらないかっていう形になって。その時はまだ別々の会社のまま。
兄のような存在の前職の社長と、今の会社の社長が非常に仲よくて、僕もその中に入って仲いいので、じゃあもう移籍しようって話で。
その間に顧問だなんだとかいろんなのがあるんで、自分の会社も作って、イベント界隈の会社の顧問とかアドバイザー業務をやったり。
電通にいらっしゃる時、何年ぐらいいらっしゃったんですか?
電通は、だから5年弱、4年半ぐらいですかね。2012年から17年までだったかな。
ユウさんは、渡邊さんの会社が万博で金賞を2回取っていることに触れます。
しかもドバイ万博と日本の万博で、金賞を2回取ったみたいな。
そうです、そうです。これは会社の話になるんですけど、僕も参加させてもらったドバイ万博2021年の日本館は、展示体験が素晴らしいねという部門で、金賞で世界一を取ってるんですね。
その前、2015年は、食が主なテーマのミラノ万博。そこで日本館がすごいことをやっていて、十何時間待ちになって。
マジっすか。何を十何時間待ちしてたんすか。
パビリオンで体験するための入場列が、最大で十何時間待ちになったことが。あっちの現地では、日本行った方が早いって。
確かに確かに、十時間くらいで日本に来れそう。
ほんまや。(ミラノ万博の)その展示も金賞を取っていて、そのプロデューサーが、当時は電通にいたパレードの代表の内藤だった。
ミラノで金賞で、ドバイで金賞。ちゃんとした記録がないらしいんですけど、同じ人間が5年越しで二連覇してるっていうのは、史上初だって話で。
すげえ。
話題は日本館の予算に移ります。日本館は国の予算で運営され、総合プロデュース、展示、運営のチームがそれぞれ別に選ばれるそうです。
国から出るんですか?その予算みたいのは。
日本館は、基本的に国のお金を使わせてもらっている状態なので。
僕がドバイの時にデジタル周りをやってた時は、一桁億円ぐらいの予算をつけていただいてたので。それで1年ぐらいの制作期間のものを、強引に半年で作りました。
やば。コロナだったんで、ってことですよね。
百何十人が僕の下にいる状態で動いてもらってたんで、エグかったですね。
後から振り返れば、ここで紹介した時刻の一部は前後しています。上の金賞と予算の会話は、1144秒から1250秒ごろにかけて交わされました。
「腹がちぎれるぐらい苦しかった」日本代表の重圧
万博ってのは、僕も全然知らなかったですよ、ドバイに入るまで。でもいざ入ってみると、やっぱすごい国の仕事なんで。
ドバイやる時、半年間でしたけど、めちゃくちゃプレッシャーでした。
うわぁ、そうですよね。ある意味、日本をリプレゼントするというか。
税金いただくみたいな感じじゃないですか、まず。しかも日本代表みたいなところで、公になるじゃないですか。
ドバイ万博日本館クリエイター渡邊俊みたいな名前が出るわけですよ。もう腹がちぎれるぐらい苦しかった。
うわー、やばそう。
一番大変だったなと思う業務って何なんですか?国と仕事するならではのこととか、あると思うんですよ。
めちゃくちゃプレイヤーが多いんで。
ドバイ万博でいうと、パビリオンをコントロールする主管部署は経済産業省さん。その下に委託を受けてJETROさんが入って、制作進行周りを全部見ますと。
さっきの総合プロデュースチーム、展示チーム、何々チームがいて、さらにアドバイザーがいて。クライアントさんも、いっぱいレイヤーがあって。
半年間でいくと、打ち合わせ行って戻しをもらって修正が入ったら、もう間に合わないんですよ。
一回一回のプレゼンは、僕がごめん、通らなかったってやった瞬間に、何十人がもう一回死ぬことになる。
うわ、やば。その人の意見は聞かなきゃいけないんですか?
聞かなきゃいけないというよりも、意向はちゃんと僕は汲み取りたいので、どういう狙いでその戻しがあるかは、ちゃんと聞くようにして。
打ち合わせも1週間に1回ぐらいのペースで、打ち合わせの前は全部徹夜でシミュレーションして。それをやらざるを得なかったのは、しんどかったですね。
結構ロビー活動っぽい部分がやっぱあって。日本館になると、クリエイター陣も癖が強い、意見が強い方々もいらっしゃる中、コラボレーションしながらやっていかなきゃいけない。
パワーバランスとかあるんで、キーマンが誰かとか、事前に握っとくとか、そういうのは、やっぱりめっちゃ重要だったと。
それで結果、クリエイティブとして良かったかどうかは、ぶっちゃけ僕も分かってはないんですよ。
(ドバイ万博の)半年間で、世界中から地球上の課題やアイデアを集めるプラットフォームを作ったんですけど、少なくとも1万6000件のコメントが世界中から集まったんですよね。
1万6000って、世界中と考えると結構パワーあるじゃないですか。よくやったなと思いつつ、果たしてあのクリエイティブは、クリエイティブとして正解だったのかが全然わかんない。
正しかったです。正しかったけど、素晴らしかったかどうかは、もっと集める方法あったかなとか。
人がいればいるほど、尖れなくなってきますもんね。
マジでそう。
ユウさんは、大きな会社との提案の場をどうシミュレーションするのかを掘り下げます。
どうやって、そのシミュレーションしていくんですか?何秒にこれ言おうとか、会議の入り方とかもやっていくんですか?
まず開口一番、何喋るかって話と、この人だったらこう質問してくるかなっていうQAも考えていたし、資料の中にも先にちっちゃくても書いておくとか。
打ち合わせの場だけではなくて、送る時のメールの本文と、資料が転送された時にどう保険がかかるかは、めちゃくちゃ計算して作ってました。
極端な話、上の方が60近い方だとして、資料の文字が10ポイントとかちっちゃくて細かく書かれてて、A4で出力されたら読めなくないですか。
それだったら、枚数が増えても(文字を)大きくするか。その人が10分ぐらいのミーティングを刻んでるような人なら、瞬間で判断したいから、裏のロジックなんてどうでもいいんですよ。
ミーティングの中で、こう言ったらこの人こう反応するかなと思った時に、どう思われますかね、何さんって、あえてその人に質問させるとかも、なんとなくシミュレーションして行きました。
やばいやばい。すごいな。ガチプロデューサー。
電通の時は、だいぶ厳しい時代の中で、トヨタさんというナンバーワンクライアントを担当させていただいたりしてて。先輩方の細かい気遣いには、僕は全然足元に及ばないなと思ったのは。
資料をホチキスで留めるじゃないですか。ホチキスの留め方の角度って、気にしないですよね。
しないですね。
けど、クライアントの会議室の人数とテーブルの大きさを考えた時に、横に開かせるのがいいのか、縦で開かせた方がいいのか。
横にしたら横に開いてくれるので横長に使えるし、縦に広い時は上に留めますよねみたいな。なので、ホチキスの角度までめっちゃ言われるんですよ。
なんでこの角度でホチキスつけたって言われた時に、うわ、すげえなと思って。
それって、めっちゃすごいと思う反面、本質的なのかなっていうのも。
全然本質的じゃない。
クリエイティブと呼ぶとクリエイティブなんですけど、広告って呼ぶとサービス業だと思ってはいて。クライアントさんの商品を広く告げるためのものが広告なので。
(広告は)サービスを作ってあげてるみたいな感覚が強くて、なんとなくサービス業っぽいかなみたいなところは、ありましたけどね。
じゃあ、ホテルのロビーの人みたいな感じで。
まさに、ホスピタリティもすごく重要。
僕の周りは、世界一を取ってるぐらいのメンバーとか、素晴らしいクライアントさんやクリエイターさんに囲まれる環境で、数年過ごしてきてて。思ったのは、そんな人たちはハイクオリティが当たり前なんで。
基本的に、素晴らしい人にはその能力を発揮してもらうために、どう円滑に動かすかってことも、めっちゃ意識しますね。
自分がクリエイティブディレクターって名乗らないのは、言った人の意見を絶対一回リスペクトして、対話の中でそれが正しいかを判断して、そのまま出すか、出し方を変えるかを考えるようにしてるので。
クリエイティブの人は必ずしも喋るの上手じゃないので、じゃあどう伝えたら、ちゃんとお金を出すクライアントに伝わるかですね。
不思議なのは、クリエイティブの人たちは世の中にアウトプットを出す時はちゃんと伝えられるのに、プロジェクトの中ではめちゃくちゃ下手なんですよね。
クリエイター、クライアント、我々営業部隊みたいに挟まれた時に、どういう立ち回りをするのかっていうのも結構重要で。悪い言い方だと、落としどころを見つけるってやつですね。
代理店の「レポートゲー」はなぜ起きる?
これ、僕がめっちゃ感じてること言っていいですか?総合代理店と呼ばれる方々のプレゼンを聞くんですけど、まずプレゼン能力はめちゃくちゃ高いんですよ。
でも、ちょっと抽象度が高いんですよ。で、いざ実行ですってなった時に、「あれ?プレゼンの時と言ってたこと違くね?」みたいな感覚的に思うんですよ。
結局インパクトないまま終わって、レポートの時に、あたかもそれが良かったですみたいなレポートするんですよ。これ、レポートゲーじゃんみたいな時があるんですけど。
認めるところは認めないと、きつくない?みたいなのは結構思ってて。それ、どう思います?
いろんな力学が働いてるとは思いますけどね。代理店を僕は代表できるわけではないのであれですけど、良く出したくなるっていうのは、どのレイヤーの人間でも真理ですよね。
クライアントの中でもレイヤーがあって、事実だとしても、失敗でしたって上に報告するわけにはいかないし、株主にそう説明するわけにもいかないっていう事情とかはありますよね。
改ざんはしてないと思います。改ざんはしてないと思いますけど、いい方向にやりたくなるんじゃないかなと思います。
一方で、関係性がどこまで深いかも結構重要で。クライアントさんと並走し続けてるパートナー同士は、そこら辺は完全にシェアして、一心同体でやってると思うんですよね。
ここ失敗だったよねとか、でもここめっちゃ良かったじゃん、次やるときこうやるといいよねみたいなのは、その紙(レポート)とは別の領域で話はしてたりするのと。
例えば広告宣伝領域の人だけど、その翌年そこにいるかどうかってわかんないですよ、部署的に。ってなると、こなしてる方もやっぱりいらっしゃるんで。
そういう人は、事なかれですよね。
事なかれって、どういうことですか?
いや、何もないのが一番美しいんですよ、自分のキャリアの範囲で。だから80点でしたって言っちゃうみたいなところは、やっぱり傾向としてあるなとは思います。
そういう方は、ミーティングを重ねている中でなんとなくわかるんですよ。この人は波風を立てたくないんだな、って。
はいはい。わかるわ、それ。モチベ上がります?そういう人と仕事する。
モチベーション下がりますよね。
そのモチベーションが下がる中で、自分たちの誇りをどう守っておくかっていうのは、さっきのどうプレゼンするかとかに、結局はつながってくるのかなとは思います。
「分解するしかない」クリエイターとクライアントの間で
クリエイティブにこだわりが強い側と、お金を出してるからこうしたいっていうクライアント側。そこをうまく取り持つために、常に意識してることってあります?
もう、納得いくまで話をするしかないなってのが、ぶっちゃけあって。双方で。で、分解するしかないんですよね。
例えば1枚のキービジュアルのグラフィックを作るとして、クリエイティブ側は感性で作りますと。クライアントには、なぜこれがいいのかを求める方もいらっしゃるんですよ。
感性がそもそもずれる場合があるんです。この赤がいいと思います、え?なんで青じゃダメなの?みたいな。
これをどうつないでいくかは、もう分解していくしかやっぱりなくて。
赤は心理学的にこうで、青は心理学的にこうって、クリエイティブは全く考えてないけど、一回付随してみてどうなるかとか、とにかく粘って粘ってやるしかないなっていうのが、いつも思うところ。
もう1個は、僕自身を信頼してもらうしかないですね。
クライアントさんと実際のデザイナーって、距離がめっちゃ遠いんですよ。直接毎日話をするわけでもないし、信頼関係ってやっぱり生まれづらい。
けど、渡邊俊だったら一理あるなって話を聞いてくれる、みたいなものってやっぱりあるなとは思っていて。
万博やってましたみたいな箔も重要なんですけど、信頼できる人の意見には耳を傾けると思っているので、クライアントもクリエイターも、チーム全員の意見をものすごくリスペクトするっていうのは、常に心がけてはいますかね。
どうやって信頼されるような人になるんですか?
どうやってって話でいくと、まあ、オネストで居続けるしかないですよね。正直で居続けるしかないかなとは思いますし。
お話をちゃんと聞く。リスペクトして、あちらの意見もちゃんと汲み取るし、あっちが言語化できてないことはこういうことなんじゃないかって、対話。
すごい象徴的なのは、50過ぎぐらいの方が上にいるプロジェクトがあった時に、コロナ禍で、オンラインミーティングで全然噛み合わなかったんですよ。
物理的に会うことはできるのに、オンラインでやり続けてたっていうのは、すごい良くなかったなと思って。
らちが明かないなと思って、すいません、明日か明後日、時間ありますか?って。結構偉い方なんで、行くのはなかなかなんですけど。
このままだとプロジェクトとしてもよろしくないから、お伺いさせてくださいって言って、3時間ずっと質問攻めしました。
あっちがどういう価値観、どういうロジック、どういう事情を持ってるかっていうのも、すっごい単純な1分もののムービーのために、3時間拘束して。
ワンシーンワンシーン、ここはこういう狙いなんですけど、どう思われますか?みたいに全部ヒアリングをして。翌日には、こう更新しますって全部まとめ上げて。
そうすると、(相手の考えを)汲み取っているし、こっちの事情も落としどころを見つけているので、文句のつけどころがない方向にはなってましたよね。
それが、さっきの話で丸まっちゃってる可能性ももちろんあるんですけど。ただ、ウィンウィンにはなってた。粘り強く対話するしかないのかなと思ったりはします。
続いて渡邊さんは、ドバイ万博の参加型施策を振り返り、本当は組み込めた「余白」があったと話します。
もっとノイズになるとか、もっと嫌われるとか、もう少し過激なことが起きるみたいなことは、本当は組み込めてもよかったんですよね、余白として。
なんですけど、その余白を削らない限りは通らないってなったら、削った方が良かったりするんで。立ち位置とか事情とかによって。
ユウさんは、再生回数で結果が見えるSNSに比べ、評価が主観に左右されるアートや万博のプロデュースは難しいのではと問いかけます。
アートの世界であればあるほど、それが人々の主観だったりするじゃないですか。いろんな意見が飛びながら、その中のプロデューサーって、とんでもないなと思って。
明確にKPIとして、フラットなKPIはなんか置きたいなって、ずっと思ってるんですよね。
え、なんかKPIとかあるんですか?万博においてのKPIみたいなので。
今すごいいい話だなと聞いてたんですけど、KPIはあるんですけど、ないようなもんかもしれないなとは思う。
新しいことをやると、KPIの設定のしようがないんですよね。
さっきのコメントを集めるみたいな、誰もやったことないことをやるんで、KPIの設定のしようがないんですよ。そういうことは、比較的頻繁に僕の周りでは起きるなと。
ガラケーの光で知った、空気をデザインする仕事
めちゃくちゃ最初の方に戻っちゃうんですけど、なんでイベントだったんですか?
すごい明確に覚えてるんですけど、ダンスのイベントが両国国技館であったんですね。DANCE ALIVEって名前だったと思うんですけど。
その間のパフォーマンスで加藤ミリヤさんとかが出てきてて。僕、大学時代にそのイベントを見に行ったんですけど、コンサートとかあんま行かないんですよ。
会場がバーンって暗くなって、まだガラケーの時代だったと思うんですけど、歌が始まって、みんながうわって沸き立って、携帯をパカってやってペンライト代わりにして。
急遽コンサートになって一体になってるのを見た時に、めっちゃ鳥肌立って。こういうリアルな空間の中でなんかやりてえなっていうのが、一番でかかったですかね。
その後にさっきのOOHの情報を見たりとか。この水のペットボトルを売る方法って、CM打つのも正解だけど、ティッシュ配りするのも正解かもしれない。
学校の教室を急にジャックして、この商品を休憩時間にプレゼンするのも正解かもしれない。正解がめちゃくちゃあるなっていう、その懐の深さがめっちゃ面白いなって思ったんですよ。
リアルな空間の中ではいろんなものが正解になり得る。そこには空気も空間も人も時間軸もあるんで、その中でいろんなことを考えられるっていうのが、面白いじゃんみたいな。
真面目すぎますかね。
いやいやいや、めちゃくちゃいいと思いますよ。東京に来てまだ3年ぐらいなんですけど、いろんなポップアップに行かしてもらう経験がすごい増えてきたんですよ。
圧倒的にこのポップアップ半端ねえなっていうのと、ああポップアップだなっていうのがあって。リアルに体験することとか空間作りって、やっぱすげえ重要だなって最近超思うようになってきて。
SNSの時代だからこそ、そっちに今振ってるような感じがしてて。そういうリアルなイベントの空間作りみたいな部分に、めっちゃ興味あるんですよ。
ぜひ一緒にやりましょう。
ぜひ。何を基準に、いい空間なんですか?
あんまり基準で考えたことない。ただ、うちの代表に言われて一番鳥肌が立ったのが、空間をデザインするんでもないよ、空気をデザインするからって言われた時に。
空気デザインするから。
(大阪・関西万博の)住友館って、森を作ったんですよ。森を作るなら、木があって、プロジェクターで映像が出て、動物がいて、ライティングがあってでいいじゃないですか。
(代表が)めっちゃこだわってたのが、ドバイの時もそうだったんですけど、ミストと空調。入った時に肌で感じる、森の空気ってあるじゃないですか。
本人も、企画を考えてる段階の解像度がめちゃくちゃ高いんですよ。僕は企画したりプレゼンする時、頭の中にプレゼンのスライドが出てくるタイプ。
うちの代表とか、僕が天才たちと呼んでる人たちの共通点は、頭の中にメタバースみたいな空間がポンって出て、時間軸とともに人が流れて、それをカメラワークで追っていくんですよ。
それが企画になってくるんですよ。
めっちゃおもろい。すげえな。
そうすると何が起きるかっていうと、(代表が)何喋ってるかわかんないんですよ(笑)。
あっちは頭の中にメタバースがあるんで、ここがさ、こう行くとさ、こんな感じの気持ちになるじゃんとか言うんですけど、そこは長い付き合いで翻訳できたりとか。多分、阿吽の呼吸ってやつなのかもしれない。
いいイベントっていう話でいくと、多分、招待状を受け取るタイミングから、体験してる間、出た後までの時間がめっちゃ重要だと思うんですよ。
ここから表参道駅まで行くにも15分から20分じゃないですか。人生の20分を、表参道のポップアップに行くために奪われるっていう感覚ありませんか?あんまりないか。
あんまない。あんまなかった。
でも、多分そこら辺まで考えなきゃいけなくて。ご招待をする立場になった時に、お金をいただくのもそうなんですけど、時間をいただくみたいな感覚もすごい重要で。
入った時にこういう空気感でこういう時間を過ごしてもらって、出て行った後に来てよかったなって思う。そこまで全部設計されてることが、すげえいい空間、いい体験かなとは思います。
住友館は完全にそうでした。建築から森から全部、一気通貫で作ってたんで。
うわぁ、行きたかった。
今おすすめのイベントを聞かれた渡邊さんは、天王洲アイルで開かれるアートフェスティバルを挙げます。
今週末に天王洲アイルでMeet Your Art Festivalっていうのがあって、エイベックス・クリエイター・エージェンシーさんだと思うんですけど、スポンサーさんの手配とかを手伝わせてもらってるんですけど。
(Meet Your Art Festivalは)うわ、めっちゃいいイベントだなって毎回思っていて。都市型のフェスティバルなんですけど。
アートって高尚な感じじゃないですか。でも最初入らせてもらった時、めっちゃ近くにあるなって感覚があって。本当にフェスなんすよ、音楽も含めてカルチャーに触れ合えるみたいな。
すごい緻密に計算されてるかっていうと、そういうわけじゃないんですけど。全員同じバイブスっていうんですか、同じ気持ちでみんなやってる感じがあって、各所がめっちゃ面白いんですよね。
楽しませようの気持ちも、楽しもうの気持ちもある感じが広がってって、いいイベントだなって毎回思います。社長さんや共同代表の方も、めっちゃ僕リスペクトしてます。
こんなイベントを作れるんだって。今までは受託して作る側だったんですけど、主催してみようとまで思いました。この人のレベルに行くには、自分で仕掛けないとダメだみたいな。
今度、まだ言えないんですけど、フェスをやるんですよ、自分で。ある企業と一緒にやるんですけど、めっちゃ参考にします。空気をデザインするっていうのとか、五感でみたいなの。
そういうインプットの数ってどれぐらいですか?イベントにどれだけ出てるかにもよるじゃないですか。結構行ってるもんなんですか?
天才の一部はめっちゃ行ってますね。だから、天才の一部は全然行かないですね。
自分の生きている人生の中で触れ合っていくものが、まさにインプットで、アウトプットしていくっていうので。天才たちは、引き寄せるんですかね。
住友館の森とか、最初話を聞いた時ゾッとしたんですけど、(代表が)ちっちゃい頃、トウモロコシ畑で迷ったのねって。迷ってバッて出て、うわって広がってる。その感じをやりたいんでって。
えぐ。すっご。
そういう感性を起点に、建築や空間デザインみたいに体系的に学んだもの、自分が経験してきたものを、さらにいろんなクリエイターたちを束ねて、最初ボコボコに立てるんですよ。
それを最終的にギューって絞っていって、まとめて綺麗な形に整えていくんですけど、うちの代表って。天才ですよね、そういう意味で。
確かに。すごいですね。それ記憶してんの。相当、感受性豊かなんですよね。
原体験ってやつなんですか。
原体験だ。確かに。自分の人生の一部を、クリエイティブに落とし込んでるってことですよね。
日本のイベントはなぜ「型」にはまるのか
この前ニューヨークとか行ったけどさ、日本でいいイベントだなって感じること、俺あんまないのよ。海外の方が、それこそ空気をデザインしてる感が伝わる。
日本って、こういうことなんでしょみたいな、ちょっとコピー感が出るんですよ。型みたいになってる感じ。あれってなんでなんですか?
最近僕、自分の立場的にもすっげえ考えるんですけど、型にはめるのは、やっぱ効率いいんですよね。
イベントって、めちゃくちゃ効率悪い業態なんですよ。人も動かなきゃいけないし、稼ぎもそんなに良くない中で、型があるのめっちゃ楽なんですよね。
だから、そういう意味だと型は仕上がり勝ちというか。大小問わず、そういうのはやっぱりありがちなのかなとは思います。
アメリカ人と話してると、悪い意味とかじゃなくて、お利口さんじゃないっていうか。自分の思うことや感情に超直球みたいな。
日本に住んでると、お利口さんになりがちだなと思ってて。そういう社会じゃないですか。
(日本の)徳島の方に、神山まるごと高専っていう、起業家とクリエイターを育てるための高等専門学校があって。
そこの文化祭に去年行かせてもらったんですけど、学生たちが基本主体で全部やるんですよね。天才キッズたちが結構いるんで、すっごい楽しかったです。大人としていても自由だし、何これ?みたいな。
確かに、文化祭とか空気違うよね。
アメリカの先人たちが、直球のアイデアをいろんな方面で実現したからこそ、ポートフォリオが残るじゃん。
セットを作りたい時に、Pinterestでパパパって、これって見せたら伝わり方が半端なく違うじゃん。アメリカは、そもそもポートフォリオが死ぬほど多いから。
直球だとしても、これが実現できたから実現できるよねってなるから、いろんなやつがボコボコ出てるのかなと思った。
あと、お金とか予算的な部分がでかいじゃないですか。投資をして挑戦を受け止める文化みたいに捉えても、日本は保険をかけたいじゃないですか。
保険になってないんですけどね。保険っていうか、言い訳を作りたがってる感じなんで。
マジでそう。
一方で、クリエイティブにお金を出す人は意外といる、という話になります。渡邊さんは、そうした相手を「共犯者」と呼びます。
出す人はいると思います。
クライアントさんの中に、共犯者になってくれる方がいらっしゃると。僕が人の運に恵まれてるっていうのは、まさにそういう感じで、共犯者になってくれる方が非常に多いなという感覚があって。
そういう人たちは、どうにか工夫して工面したり、一緒にこれは諦めようもできるし、一緒にこれはやろうができる。それは文化祭的な感覚にも近いかもしれないですよね。
います。僕も、この人はもう確実に共犯者みたいな担当者の方。一心同体みたいな。彼女より電話してるもん。
リアルだね。
一人見つければ、多分、結構世界変わる可能性ある。
僕も、人に出会う運はもう豪運だと思って生きてるんですけど、やっぱ人ですよね。面白い人たちと同じ目線で話せることは結構重要だなと思っていて、それはクリエイティブの源泉にもなるし。
立ち話の中で、これやりません?ってパッと思いついて、実際にそれですごい金額が動くプロジェクトになったりとか。
事情で発生するイベントは事情の中でしかないんですけど、人の感性とか思いの中から生まれるものって面白いですよね。めちゃくちゃ大赤字のこともありますけど(笑)。
「マウントを取る」理由と、起業しない理由
この人違うなとか、これ結構いいけど関わるとややこしいなみたいな人って、どうやって判断してるんですか?
僕、自分のことをすごい騙されやすい性格だと思ってるんで、めっちゃ警戒心張るんですよ。でも人とめっちゃ会うんですよ。
むずいですね。僕も結構、多分騙されるタイプだと思うんですけど。騙されても、気づかなかったらまあいいかなぐらいのスタンスは持ってるかもしれないですかね。
ただ、なんか怪しいなと思ったら、マウントは取りに行きますけど。
マウント取りに行くんですね。
僕は、マウントとか支配するっていうのは、結構重要かなと。
さっきのミーティングの冒頭からどう喋るかみたいな話。あれ、僕コントロールして支配してるんですけど。
会議の進行とかもそうなんですけど、この方向に持っていきたいなっていうのをある程度思い描いていたら、そうなるように僕は仕掛けてるわけですよ。
ただ、それはエゴだけではなくて、プロジェクトの成功がもちろんすごく重要なので、そのためにそういうことを発動はしたりはしますけど。
(話しても無駄な人には)もう淡々と、淡々とだと思います。
このクライアントは勘弁だなって、1回のミーティングの中ではめっちゃ起きるんですけど、総じて自分は多分楽観的で、あの人意外にこういう面だとめっちゃいい人だったなみたいな感じで。
嫌々やってるんだったら、もう任せてくださいと。全然動かなくていいですよと。ただ逐一報告するんでっていう風にやるのと。
大手広告代理店って、一部からめちゃくちゃ嫌われること多かったんですけど、それもうしょうがないなと思って。正しいことを自分はやってるって信じてるので、正しいことを言うだけだしみたいな。
なんで起業しないんですか?上と下の間にいる人が支配って言葉を使うのって、面白いなってずっと思ってんですよ。
僕だったら、これやるのめっちゃ疲れるわ、上がいない方がいいから上になろうみたいな思考なんですけど。
今日こういう機会だったんで、風呂に入りながらチャッピーとかとも対話しつつ頭の中を整理してたんですけど。
周りには、日本代表みたいなことやるとすげえ人たちがいっぱいいるんですよ。もうかなわねえなみたいな瞬間がやっぱ多くて。
嫉妬してるのも疲れるぐらい嫉妬するんですよ。尊敬しまくってるコピーライターの先輩がいるんですけど、1週間後にパーンって、これだみたいな言葉が出てくる瞬間とか、絶対自分じゃできないなみたいな。
そういう人に囲まれると何が起きるかっていうと、もう自分を否定し始めちゃうんですよ。
なんですけど、その後に、この面白い人たちとこの面白い人を掛け合わせると、なんか面白いこと起きんじゃね?って興味に移ってったんですよ、途中から。
今の代表めっちゃ面白いんで、代表にも言ってるんですけど、周りからはその言い方やめろってめっちゃ言われるのは、代表を自分は利用して面白いことをやろうと思ってるんですよ(笑)。
面白い人と面白い人をつないでいくみたいなポジションかなと自分は思っていて。そうすると、別に起業する必要性は全然なくて。
一時期は名刺を6枚か7枚ぐらい持ってたんですけど、ここの人とここの人が会ったら絶対面白いことになるのにとかっていうのを、すごい考えたりとか。
ここで渡邊さんは、冒頭の予告でも流れた「競合プレゼン」への思いを、アイザックさんに投げかけます。
競合プレゼンテーションとかって、出たりします?
ああ、ありますあります。
あれってめっちゃ無駄だと思いません?
はい、無駄と思います。
すごいクリエイターの人とすごいクリエイターの人が1ヶ月ぐらいかけてプレゼンして、どっちかのすごいクリエイティブなアウトプットが、世の中から抹消されるんですよ。
これ、ものすごいもったいないなというのをいつも思っていて。
価格とかいろんなことで競争は競争ですごい重要だと思うんですけど、オールジャパンって何なんだろうって、すごい考えるようになっていて。
日本代表をマジで選ぶみたいなことってどういうことなんだろうって。クリエイティブ界の日本代表。
リヤド万博の日本館を日本代表チームでやるってなった時に、手を挙げた人しか参加資格がないのが、果たして正解なのかなって。
国のルールもあるので、じゃあ日本代表のクリエイターのみんなでスポンサーを募って、日本が注目されやすいリヤド万博に、みんなでネットワークしてドンと乗り込みに行く。
建築、中の体験、ホスピタリティ、ユニフォームのデザイナーさん、映像クリエイター、物販。日本代表すげえじゃんって話になると、リアル体験系の日本代表チームがある種見えてきて。
確かに。それが一番いい組織になる。
じゃあ誰が監督すんの?っていうのは全然わかんないんですけど、その筆頭候補にはうちの代表がいるんじゃないかなとは思うんですよ。要は束ねることができるんで。
野球で阪神が勝ったから阪神が日本代表じゃなくて、WBCだったらいろんなところから(選ぶ)。
そうだね。ほんとそうだね。付け焼き刃的な感じもあるけど、あれはあれで面白いじゃないですか。
日本代表に資本が集まるような構造の方が、投資とかもしやすいのかな。そんなことを思ったりはしてます。
刀がそうあってほしかったんだけどな。
ここで刀出すのやめようぜ(笑)。
3Dプリンターの椅子と、人とのつながり
アイザックさんは、渡邊さんが持参した3Dプリンター製の作品に話題を向けます。
この話の後にやるのもあれなんですけど、すいません、僕(これについて)全く話を聞いてなかったです。3Dプリンターですね。
これは、日本に3Dプリンターを広めたと言っている、加藤大直って呼んでるんですけど、彼が作った3Dプリンターを使ったONE THIRTYというブランドがあるんですよ。
彼はプロダクトデザイナーなんですけど、これ全部3Dプリンターなんですよ。
椅子なんですか?
椅子です。めちゃくちゃ強度が高くて、多分この4分の1ぐらいの大きさのボックスに、僕が立てるぐらいだと思うんですよ。
これはPET樹脂なんで、崩してもう一回材料に戻して、違うものをプリントできます。壊れても、はんだごて的にペッてつけることもできる。
(加藤さんが)これをたまたま持ってて、くれっつって、ただでもらっちゃった初号機みたいなやつなんで。今日も仕事で売り込みに行くついでに持ってきちゃったんですけど。
ミラノデザインウィーク、ミラノサローネにも置いてあって。今年は2つの企業さんと組んで出ていて、イッセイミヤケさんとか、表参道ヒルズのクリスマスツリーにも採用されて。
彼とすごい仲良くなったおかげで、ワールドビジネスサテライトの特集に、会議の様子とかで僕も出させてもらったんですけど。
すごいポテンシャルが高くて、グローバルでも評価が非常に高いんですよね。
僕がめっちゃ好きなデザイン会社さんが、Nendoさんっていう。
ああ、はいはい。(Nendoさんは)ミラノ万博の日本館にも参画されてまして。
僕まだ28なんすけど、35歳ぐらいになった時、こっちの方面で1回だけ仕事したいなと思うんで。
いや、普通にそういう人いっぱい紹介したいもん。めちゃくちゃ面白い人。Nendoさんもそうですし、デザインエンジニアリングっていうロボット的な人たちもそうですけど、やっぱすごい。
感受性豊かな人が横にもう1人いたら、もっと僕パワーアップできると思ってるんですよ。同じ年代で同じ文脈を歩んでいれば、それを表現できるから。
人ですよね。
恒例のあれ、人とのつながりで、毎回誰か紹介していただいてるんですけど、いい方いないかな。
今週末のフェスの社長さんや共同代表とか、海外でこのプロダクトをやっている加藤さんを呼ぶっていうのも1人。
確かに。めっちゃ話聞きたい。
僕らがまだお話できてないところでいうと、デザイナーさんとか。視聴者の方々にも初めてのジャンルになると思うんで。
(加藤さんは)マグナレクタという会社で、産業用のロボットアームとか、東京藝大でもいろいろやってるんですが、元々ニューヨークで働いてたみたいです。
今まで会った中で、一番やばっ!って思った人を紹介してほしいです。
それが多分、今回のフェスの代表。ただ、出れるかわかんないです。
もうお一方いらっしゃるんですけど、多分あんまり名前を出さない方がいいかなっていう。僕も恐れおののく大御所の方がいて、名前を出すと売名っぽいみたいな。
お二人とつながることで、そういう方々がより広がっていく、お二人が広がっていくみたいな話になった方が、日本のクリエイティブ産業的に言うとめっちゃいいじゃないですか。
もう、そんなこと言っていただけるの大変光栄です。
クリエイティブ産業は、1つの企業じゃなくて、業界全体を持ち上げていかないとやばい時代かなって思ってはいるし、それが今できる時代かなと思ってるんで、いくらでもご協力させていただければと思います。
ありがとうございます、拓郎さん。拓郎さんが始まりで、ここまで来て。
田口くん、やったよ。
ありがとうございます。ということで、また次回のエピソードでお会いしましょう。ピース。
まとめ
渡邊俊さんは、ドバイ万博の日本館で「日本代表」の重圧を背負いながら、多くの関係者の間を粘り強い対話でつないできた経験を語りました。イベントの本質は空間ではなく、招待から帰り道までを含む空気をデザインすることだと話されています。すごい人たちに囲まれた経験から、面白い人同士を掛け合わせる役割に自分の居場所を見出したことも明かされました。その延長に、選ばれなかったアイデアを惜しむ思いから生まれた「クリエイティブの日本代表」という構想があります。
- 万博の日本館は関係者が多く、プレゼン前の徹夜のシミュレーションや根回しが欠かせなかった
- クリエイターとクライアントの感性のズレは、分解と対話、そして信頼で埋めていく
- いいイベントは空間ではなく、招待から帰り道までの空気をデザインしている
- 日本のイベントが型にはまりがちなのは、効率と「言い訳づくり」の文化があるから
- 競合プレゼンで消えるアイデアを惜しみ、オールジャパンで挑むクリエイティブの日本代表を構想している




