『“未”顧客理解』は何を問い直す本なのか
しゅうへいさんが持ってきたのは、芹澤連さんの『“未”顧客理解』(日経BP)です。マーケティング初心者でも、これまでマーケティングに携わってきた人でも読める、とても読みやすい本だと紹介しています。
しゅうへいさんによると、この本のメッセージを一言でいうと「今までのマーケティングを一回忘れてください」というものです。ニッチを攻める、ペルソナを一人に絞る、ファン化するといった常識が、データを見るとマーケティング効果としては疑わしいと書かれているといいます。
ファン化しろみたいな。はい、これ(ファン化・ペルソナ・ニッチ)もうやめてください。
しゅうへいさんは「効果がないとは言わないけども、疑わしい」と言い添えています。全否定ではなく、常識として信じられているほどの根拠はない、という立場です。
本の中心にある問いはシンプルです。多くの企業は、購入者がなぜ買ったのかばかりを分析しています。しかし、その外側には、まだ買っていない広大な市場が広がっています。
『“未”顧客理解』でいう未顧客とは、ノンユーザーやライトユーザーのことです。買ったことがない人、知らない人、年に1回ぐらいしか買わない人が、もっと買ってくれるにはどうすればいいかを考えたほうが売上は増えるのではないか、というのがこの本の主張です。
しゅうへいさんは「正直、教えたくない」と冗談まじりに繰り返し、「僕の生い立ちを話します」とはぐらかして幸あれこさんにツッコまれます。みんなの売上が増えて、マーケティングを教える人がいらなくなるぐらいいい本だ、というのが本音のようです。
ファンを大事にすれば売上は伸びるのか
しゅうへいさんは、この日の話を3つのポイントで進めます。1つ目は、マーケティングの常識であるファン化、ペルソナ、ニッチを疑うことです。
幸あれこさんはどれも「よく言われますよね」と応じ、ニッチについては「大事だと思う」と答えます。しゅうへいさんは「嘘つきやめてください」と返したうえで、「僕も言ってました」と自分も同じことを教えてきたと認めます。
まずファン化についてです。売上の8割は上位2割の顧客が作るという8対2の法則 ── パレートの法則とも呼ばれる経験則。売上や成果の大部分が、一部の顧客や要素によって生み出されるという考え方で、マーケティングや経営の場面でよく引用されますを根拠に、ファンを大事にしようとよく言われます。
しかし本では、8対2が成り立つのは稀だと書かれているそうです。むしろ商品の売上の約半分は、そのブランドにそれほど関心がなく、たまにしか買わない人が支えています。さらに、よく買う人とたまにしか買わない人は結構入れ替わるといいます。
売上の8割は上位2割のファンが作るので、ファンを大事にすれば成長する
8対2が成り立つのは稀で、売上の約半分はたまにしか買わない人が支えている
缶コーヒーとコンビニで考える「ファン」の実態
ファン化の常識を疑う具体例として、しゅうへいさんは缶コーヒーを挙げます。幸あれこさんに缶コーヒーの名前を聞くと、缶の形を答えたり「ジョジーナ」と言い間違えたりして、最終的に「ジョージア」にたどり着きます。
しゅうへいさんの言いたいことは、ジョージアやUCC、ボスなど缶コーヒーの銘柄はたくさんあっても、ジョージアが好きだから毎回ジョージアを買う人はそれほどいない、という点です。結局は自販機の前に立ったときに、どれにしようかと選んでいます。
モーニングショットってさ、確か朝のためのコーヒーにしてんだけど、あれ夕方飲む人もいるんだよね。
コンビニの話では、イケハヤさんは住んでいる地域にはファミマが1軒あるだけだと話し、本当はセブンが好きだと言います。しゅうへいさんもセブン好きで、「隣の島にセブンができた」と言うと、イケハヤさんは「羨ましい」と返します。
セブンあんのかよ。セブンがないんだよ田舎は。
それでもイケハヤさんは、寄り道したときにセブンとローソンがあればローソンに入る可能性も「全然ある」と認めます。しゅうへいさんは、セブンのファンに見える人でもローソンやファミマにも行くのだから、ファンを大事にするだけで売上が増えるとは言いにくい、とまとめます。
ただし、しゅうへいさんは熱心なファンの声を聞くことが大事だとも話しています。否定しているのは、それさえやっていれば売上が伸びるという考え方です。
ペルソナで「買わなかった理由」はわかるのか
2つ目の常識はペルソナです。何歳で、どこに住み、どんな仕事で、年収はいくらかと顧客像を絞り込みます。しゅうへいさん自身も、講座を売りたいという相談があると「ペルソナは誰ですか」とよく聞いてきたといいます。
しゅうへいさんが投げかけるのは、ペルソナがわかったとして、その人がなぜ今日この商品を買わなかったかまでわかるのか、という問いです。30〜40代で副業収入を作りたかったから講座を買った、という買った理由はわかっても、買わなかった理由はわかりません。
買わなかった理由ちゃんとわかればさ、分析できるわけですから。
しゅうへいさんは、同じ人でも急いで仕事に向かう朝と、家でゆっくりしている休日とでは欲しいものがまったく変わると説明します。ここで持ち出すのが、平野啓一郎さんの分人主義 ── 作家・平野啓一郎さんが提唱した考え方。人は唯一の「本当の自分」を持つのではなく、相手や場面ごとに異なる複数の「分人」を生きているとするものですです。
会社の田中さん、家の田中さん、休日にゴルフへ行く田中さんはそれぞれ違います。普段はビールを飲まない田中さんも、妻に厳しく言われた日はやけ酒でビールを飲むかもしれません。しゅうへいさんは、ペルソナだけでは買わない理由や他の文脈を説明しきれないと指摘します。
伸びるニッチと伸びないニッチの違いは?
3つ目の常識はニッチです。インスタグラムの発信なら「フリーランスは大きすぎるから20代のフリーランスに絞ろう」といった助言がよくされます。大手ではないのだから小さな市場を選ぶほうがいい、という理屈は確かにわかりやすいものです。
しかし本では、ニッチだからファンのリピートだけで成長できるという根拠はない、とされています。最初はニッチで始めてもいいものの、伸びるときには、まだ買っていない人やたまに買う人を獲得しながら市場を広げていく必要があります。
最初は少数向けでも、まだ買っていない人やたまに買う人へ広がるポテンシャルがある
ごく少数しか買わず広がりがないため、それ以上頑張っても伸びにくい
うちのお客さんは繰り返し繰り返しファンで買ってくれるからっていうけど、それはその他大勢が買う理由がない商品をやっちゃってるんじゃないかってことなんですよね。
なんか耳が痛いというか、その後(の)展開までって考えると、そこまで考えないでニッチを、ってのがそうなりがちだよね。
イケハヤさんが挙げたネオフィリア ── 新しいものを好む性質のこと。マーケティングでは、新商品をいち早く試す層を指す文脈で使われることがありますやアーリーアダプター ── 新しい商品やサービスを早い段階で取り入れる層。普及の過程で、ごく初期の革新者に続いて採用する人たちを指しますも、最初はニッチです。しゅうへいさんは、それらは広がるからこそ可能性があるのであって、広がらないニッチは見極めなければならないと話します。
買わない9割の理由をどう理解するか
2つ目のポイントは、まだ顧客になっていない人、つまり買わなかった人の理由を理解することです。しゅうへいさんは、ファン化・ペルソナ・ニッチはどれも買ってくれた人ばかりを見る考え方だと整理します。
買わない人がもう9割なんですから、こっちの人たちの理由見て、こっちの人たちが買う理由を作ってあげたら売上増えるんじゃない?
しゅうへいさんはここで「マーケレッスン」として、幸あれこさんにチーズケーキの例題を出します。普段甘いものを控えている人が、昼にチーズケーキを見かけたものの、健康が気になって買いませんでした。ところが夜、仕事を頑張った帰り道に、自分を労おうとチーズケーキを買って帰ります。
しゅうへいさんは、カロリーを考えれば昼に食べたほうがいいのだから、この行動は一見すると不合理だと指摘します。行動経済学 ── 人間が必ずしも合理的に行動しないことを前提に、心理的な要因が意思決定にどう影響するかを研究する経済学の分野ですの本『予想どおりに不合理』のタイトルにも触れています。
チーズケーキ屋ならどう売るかと聞かれた幸あれこさんは、基本はお昼に店頭で売り、夕方のお茶の時間に食べてね、という売り方かなと答えます。
昼に我慢したチーズケーキを夜に買うのはなぜ?
チーズケーキの例について、しゅうへいさんは、外から見ると「昼に我慢したのに夜に食べるのか」と不合理に見えても、そこには顧客なりの合理があると話します。すると幸あれこさんが、そのお客さんの気持ちがすごくわかると語り始めます。
お昼にはもうやっぱり自分の頭がシャキーンってしてるし、まあすごい我慢できる自分なんですよ。
夜になったらもうなんかいろいろ疲れて嫌なこともあったりして。ああ、なんか今日頑張ったしな、自分って言って。
もう今日は頑張ったからっていう理由ができてるから、もう(チーズケーキを)手に取れる。
あまりに具体的な語りに、イケハヤさんは「漫画みたい」と反応し、幸あれこさんは「私は経験があるんです」と認めます。
昼は頭がすっきりしていて我慢できる。健康を気にして買わない
夜は疲れて「今日は頑張った」という理由ができ、1日の締めくくりとして買う
しゅうへいさんは、従来のペルソナ発想なら「健康志向の人に昼のチーズケーキは売れない」と決めつけて売上を失っていると指摘します。実際には、同じ人が夜なら、糖質オフのチーズケーキを買うかもしれません。
まさに糖質オフのデザート。私、夜何回買ったことあるかわかんない。糖質オフならいいかって。
しゅうへいさんは、大事なのは買ったときに何をしていたかではなく、買わなかったときにその人が何をしていたかを見ることだと話します。文脈が変われば買うかもしれない、と考えるのが未顧客理解だという説明です。
ゲームを入れない理由をAIに聞いてみる
しゅうへいさんに水を向けられたイケハヤさんは、収録中にさっそく自社のゲームについてAIに分析させ始めます。ゲームはダウンロードしてもらうタイミングが難しく、ゲーム好きのイケハヤさん自身もダウンロードしないことが多いといいます。
ダウンロードしてくれた理由はわかるんだけど、(しなかった理由は)わかんないなと思って。今AIに聞いてます。
イケハヤさんによると、手元にデータがあるので、ゲームの情報を見たのにダウンロードしなかった人や、ダウンロードしたのに起動しなかった人の傾向がつかめそうだといいます。
しゅうへいさんも、この本を読み込んでまとめたものをAIの「スキル」として入れていると明かします。意味を理解したうえで入れておくのがよく、「未顧客視点で見て」と頼むと、AIがいい感じの分析を返してくれるそうです。
未顧客を増やす鍵、CEPとは何か
3つ目のポイントは、未顧客を増やすために増やすべき「あるもの」です。しゅうへいさんはまた「教えたくない」「自己紹介から入っていいですか」とじらし、イケハヤさんに「うざったい」と言われたあとで、それがCEP ── カテゴリー・エントリー・ポイントの略。消費者がある商品カテゴリーを思い浮かべるきっかけとなる場面や状況のことで、ブランドが想起される入り口を指しますだと明かします。
しゅうへいさんはCEPをポカリスエットで説明します。幸あれこさんが答えた運動会の後のように、運動やスポーツの場面で飲まれるのが一般的なイメージです。
しかしポカリスエットは、お風呂上がりや暑い日の外出、さらに熱やインフルエンザ、風邪のとき、入院した人へのお見舞い、熱中症予防でも飲まれます。運動のときと体調が悪いときとでは、まったく文脈が違います。
しゅうへいさんは、こうしてポカリスエットにつながる文脈を増やすことがCEPであり、自社の商品を思い出して買ってもらう方法だと説明します。未顧客が買わなかったのは、この文脈のつながりがなかっただけだという見方です。
イケハヤさんのゲームでいえば、「忙しい」「携帯のギガがない」と文脈がはまらずダウンロードしなかった人が大勢います。その人たちも、瞑想アプリや歩数がわかる健康アプリという切り口なら、ダウンロードするかもしれません。
イケハヤさんのゲームは、MacBook Proがもらえるという切り口で利用者を増やしているそうです。エピソード説明のチャプターでは、これで1000人増えたとされています。しゅうへいさんは、イケハヤさんが自然にCEPを増やしてマーケティングをしていると評価します。
ワークマンはどうやってCEPを増やしたのか
CEPのわかりやすい事例として、しゅうへいさんはワークマンを挙げます。幸あれこさんは、もともと年上の男性が仕事着を買う店というイメージしかなかったと言い、イケハヤさんも「作業着の店」という印象を語ります。
しかし今のワークマンは、アウトドアやキャンプの用途で若い女性にも人気です。しゅうへいさんも、草刈りのときや、高機能なのでユニクロのような感覚で行ける店になったと話します。
しゅうへいさんの説明では、仕事の現場で役立っていた高機能・低価格という強みを一般の顧客にも届けるため、ワークマンはワークマンプラスへと広げていきました。ニッチの話でいえば、専門性をなくしたのではなく、その強みが役立つ相手や使い方を別の場所に見つけたということです。
強いニッチ
作業服の店として、現場で役立つ高機能・低価格を持っていた
新しい使い道の発見
その強みがアウトドアや軽い運動にも向くと考えた
ワークマンプラス
作業服っぽくないおしゃれさを加え、女性や若い男性にも届けた
CEPの増加
キャンプ、運動、暑さ対策でもワークマンを思い出すようになり、売上も伸びた
しゅうへいさんによると、ワークウェアやアウトドアウェアには、パタゴニアやザ・ノース・フェイスのような高いイメージがあります。そこに、作業服の高機能を持ちつつ見た目は作業服っぽくない服を投入したことで、ワークマンは「現場作業」以外の文脈を手に入れたという見立てです。
専門用語も多いが事例が豊富な一冊
しゅうへいさんは、ここまでの話は本のかなり入り口の部分にすぎないと話します。本には図解が多く、未顧客を増やすための5大原則なども解説されています。
未顧客を増やす5大原則の解説には、強化子 ── 心理学の用語で、ある行動の後に与えられ、その行動の頻度を高める刺激や報酬のことですや随伴性、ダブルジョパディの法則 ── マーケティングの経験則で、市場シェアの小さいブランドは購入者数が少ないうえに、その購入者の購入頻度やロイヤルティも低くなりやすいというものですといった専門用語が出てきます。しゅうへいさんは漢字の読みに詰まりながら、調べながら読む部分もあると認めています。
それでも幸あれこさんは、実際に少し読んだうえで「分かりやすい」と評価します。しゅうへいさんも、チーズケーキの例のような事例が多く、今すぐ使えることがたくさんあると話します。
- ミツカンの「締めまで美味しい鍋つゆ」がどう未顧客を増やしたか
- 台所洗剤で考えるCEP
- 転職サイトでCVRを上げる方法
しゅうへいさんは、本で紹介される上の事例を挙げつつ、1冊家に置いて気になったときに読むのがいいと勧めています。
リールの伸ばし方はどう変わったか
しゅうへいさんは、『“未”顧客理解』はナラティブのマーケティングが好きな人に特に刺さると話します。幸あれこさんがチーズケーキで語ったような個人的な物語に気づき、その文脈に届く言葉を考えるための本だからです。
僕はこの未顧客理解、この本を読んでから、やっぱ結構マーケティングのやり方が変わりましたね。
たとえばインスタグラムでAI活用を発信し続けると、一時的には伸びても「AIの人」になってしまい、その後が厳しいとしゅうへいさんは考えています。そこで、AI活用に興味がない人を前提に、別の文脈に刺さる発信を考えるようになったといいます。
インスタのリールなんてもう暇つぶしで見てるって、暇つぶしの文脈にどうやったら僕の存在を知ってもらえるだろうかっていうような考え方をするようになった
しゅうへいさんによると、その結果リールも伸びやすくなりました。動画やポッドキャストのマーケティングにも使え、この考え方とAIを組み合わせれば仕事にほとんど困らないのではないか、というほどの評価です。
しゅうへいさんは3つのポイントを振り返ります。ファン化・ペルソナ・ニッチの常識には見落としがあること、買わない人にも理由があるので場面を見ること、CEPを増やして必要なときにブランドを思い出してもらうことです。芹澤さんの他のシリーズもおすすめだと付け加えています。
買わない人の声をAIでどう集めるか
幸あれこさんは、買わない人の声を集めるのは難しいのではないかと問いかけます。しゅうへいさんも、買っていない人のデータはないと認めます。
しゅうへいさんが実践しているのは、サブエージェントのAIに、ターゲットに近いのに買わなかった人の理由を未顧客理解の視点で列挙させ、マーケティングをチェックさせる方法です。イケハヤさんは「ちゃんと使ってんじゃん、AI」と感心し、自分のところでもやろうと話します。
もう1つの方法は、講座の問い合わせメッセージを残しておくことです。しゅうへいさんによると、「Windows対応していますか」という問い合わせがとても多いそうです。
(問い合わせが多いということは)Windowsじゃないと思っただけで買ってない人がたくさんいるから、じゃあそれWindowsもできましたっていう声入れといた方がいいんじゃないですか。
しゅうへいさんは、実際にその後売上が増えたと話します。さらに、アンケート結果から連想される買わない理由をAIに挙げさせ、それを潰していくのもおすすめだといいます。
イケハヤさんは、AIはそういう想像を大量に出すのがうまいと同意します。しゅうへいさんは、社長から「買わない理由を言え」と言われても人間には大変だが、AIなら量を出させられると話しています。
商品から文脈を広げる順番でいい
しゅうへいさんは、この考え方なら1つの商品を幅広い世代や年齢の人に届けやすくなると話します。マーケティングでよく言われるSTP ── セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字をとったマーケティングの基本的な枠組み。市場を分け、狙う層を決め、自社の立ち位置を定める手順ですの順番についても、しゅうへいさんは「間違っているかもしれない」と断りながら、本の考え方を紹介します。
しゅうへいさんの説明では、「こういう人がいて、こういう人ならこういうものを買う」と顧客から考えるのはあまりうまくいかないと本に書かれているそうです。むしろプロダクトアウトでよく、商品があるなら、それをどういう文脈に置けば広げられるかを考えればいいといいます。
文脈とその、顧客って鍵穴と鍵の関係なのね。そう、そこでバチッと鍵穴にはまっていけばいいっていうような考え方なんですよね。
こういう人がいて、こういう人ならこういうものを買う、と顧客像から考える
まず商品があり、それをどんな文脈に置けば広げられるかを考える
しゅうへいさんは、マーケティングにおいてパラダイムシフトになる人もいるかもしれないと話します。イケハヤさんも「いろいろやるべきことが出てくる」と応じ、今も未顧客理解をAIにやらせていると明かします。
講座で6回に分けて教えた理由
しゅうへいさんが「有料級でしょ」と得意げになると、幸あれこさんは元は芹澤さんの本だと念を押し、イケハヤさんも「ただ紹介してるだけだから」と笑います。
しゅうへいさんは、去年の夏に自身の講座でこの本の内容を6回に分けて全部紹介したといいます。みんなに理解してほしいという思いからで、OSをインストールするような回になり、大人気だったそうです。
一方でしゅうへいさんは、マーケティング初心者には少し難しいとも認めます。イケハヤさんは、すでに商品を持っている人でないとわかりにくいと補足します。
しゅうへいさんは、逆に言えば商品さえ作ってしまえばいいし、どんなものが受けるかを考えるときにもCEPは大事だと話します。幸あれこさんが、自分のSNSアカウントを商品として考えるときにも使えると言うと、しゅうへいさんは「めっちゃいい」と強く同意しました。
失恋した夜にだけゲームを入れた話
番組の締めくくりで、幸あれこさんはリスナーに、低糖質のデザートを買った場面や、思い返すと買わなかった理由などをコメントで寄せてほしいと呼びかけます。しゅうへいさんは、ゲームのダウンロードの話題もいいかもしれないと加えます。
ドラクエ5とか今スマホでゲームできるけど、あれを入れたらめっちゃ時間溶けるんやろなと思って入れないっていう選択をずっと。
幸あれこさんは、昔からゲームをまったくせず、インストールもしないと話します。ただ20代の頃に一度だけ、ゲームをインストールしたことがあるといいます。
大失恋して、なんかもう仕事もうまくいかなくなった時、その時に(ゲームを)インストールしたっていう記憶があって。
夜中に眠れず、ターザンのような男性が谷を越えていくゲームをずっとしていたそうです。幸あれこさんは、普段はゲームをしない自分がこういうときにはしたくなるのも、未顧客の例なのかもしれないと振り返ります。
しゅうへいさんはこの文脈でどう訴求すればいいか考えますが、幸あれこさんの「彼氏に振られたんじゃないですか?」という案に「うちのゲームをどうぞ」と続けて、「それは無理だ」と笑います。CEPを見つけても、すべての文脈に訴求できるわけではない、という余韻が残るやり取りです。
最後に幸あれこさんは、ハッシュタグ「#本つま」での感想のシェアを呼びかけ、次回は幸あれこさんが『ちびまる子ちゃんの社会学』を紹介すると予告しました。
まとめ
しゅうへいさんが紹介した芹澤連さんの『“未”顧客理解』は、買ってくれた人ではなく、まだ買っていない9割の人の理由と文脈に目を向けることで売上を伸ばすという本です。チーズケーキやポカリスエット、ワークマンの例を通じて、顧客には顧客なりの合理があり、それに合う文脈を増やすことが大切だと語られました。
- ファン化・ペルソナ・ニッチは効果がないわけではないが、データで見ると常識ほどの根拠はない
- 売上の約半分は、ブランドにそれほど関心がなく、たまにしか買わない人が支えている
- 買わなかった理由を知るには、同じ人の中でも場面や時間帯で変わる文脈を見る必要がある
- CEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)を増やすと、必要なときにブランドを思い出してもらえる
- AIに買わない理由を列挙させたり、問い合わせを分析したりすると、未顧客の声を補える







