休み方の本が3冊、どんな顔ぶれ?
本つまみぐいラジオは、本を読んでも内容を忘れる幸あれこさん、たくさんの本をザッピングするように読むイケハヤさん、本は買うけれど読まないしゅうへいさんの3人が、テーマに沿って本を持ち寄る番組です。
今回のテーマは「これからの休み方がわかる本」です。イケハヤさんは、いま休養ブームが来ていると前置きし、その火付け役とされる休養学の漫画版『マンガでわかる休養学』を選びました。
4月忙しくて、ちょっとねって感じで、もう漫画でわかるやつにしようと思って、今日は持ってきたのが漫画でわかる休養学という本で、内容非常にいい本です。
しゅうへいさんが持ってきたのは『世界の一流は「休日」に何をしているのか』です。しゅうへいさんによると、著者はモーレツ社員からうつ病を経験し、休み方を考えるようになった人で、実体験を基にした本だといいます。
幸あれこさんは『ドイツ人の戦略的休み方』を選びました。以前『ドイツの女性はヒールを履かない』を番組で紹介した縁で、著者から献本を受けたことがきっかけです。
まあいい意味で被ってて、いい意味でバラけてるよね。
「寝れば回復する」はなぜ間違いなのか
イケハヤさんは、高知の本屋で休養本がずらりと並ぶフェアを見たと話します。休み方への社会的な関心の高さがうかがえる、という見立てです。
『マンガでわかる休養学』がいきなり掲げるのは、「寝れば回復するは大間違い」という主張です。幸あれこさんは思わず「寝るの大事なんじゃないのかい」と反応しました。
イケハヤさんの説明では、現代の疲れは、肉体労働で疲れてぐっすり寝れば回復する、という世界観とは違います。スマホやSNS、複雑な人間関係、将来への不安によって、休んでいる間も脳がずっとオンの状態で回り続けているからです。
今はもうずっとオンの状態、オンとオフのオンの状態になってて、自分がこう休んでる間でも脳みそがぐるぐるぐるぐる回っちゃってて。
そこで休養学は、これまでの「活動→疲労→休養」というサイクルに、もう1つの段階を加えました。それが、エネルギーをチャージするイメージの「活力」です。
活動
仕事などで力を使う
疲労
活動によって疲れが生じる
休養
寝る、体を休める
活力
エネルギーをチャージして高める
休養学の考えでは、寝ているだけでは休養にとどまり、活力のチャージまではできません。だからこそ、明日の活力を生み出すための工夫を別に行う必要がある、という主張になります。
寝ても回復は半分?しゅうへいさんが「生きた実例」になる
寝ても疲れが取れない話に、しゅうへいさんは実体験で強くうなずきます。昼どころか夕方まで寝ても、しんどさが残っていたといいます。
僕は寝てるだけだと取れないのはもう寝ててわかってた。
昼までいやだから(いや)夕方まで寝てもしんどいから。
イケハヤさんは、読んでいる最中はピンときていなかったものの、しゅうへいさんの話で腑に落ちたと笑います。本の中では、寝るだけだと50%ぐらいしか回復しないとされています。
一方のイケハヤさん自身は、寝ればほぼ100%回復している感覚があるといいます。そのため「自分は対象読者ではないのでは」と一瞬思ったそうですが、その理由はあとで掘り下げられます。
攻めの休養とは?生理的・心理的・社会的という3つの分類
2つ目のポイントは、活力を高めるために何をするかです。片野先生はこれを「攻めの休養」と呼び、休養を3つに分けて整理しています。
| 分類 | 整えるもの | 具体例 |
|---|---|---|
| 生理的休養 | 体そのもの | 睡眠、休憩、軽い運動、栄養をとる |
| 心理的休養 | 心や脳 | 趣味に打ち込む、娯楽、創作、気分転換 |
| 社会的休養 | 人間関係や環境 | 人と話す、場所を変える、旅行や外出 |
イケハヤさんが面白いと感じたのは3つ目の社会的休養で、社会関係をメンテナンスするある種のアクティビティだと表現しています。
さらに細かく見ると、休息、運動、栄養、親交、娯楽、創造、転換といった7つほどのタイプに分けられます。ただし休養学は唯一の正解を示すのではなく、これらを組み合わせて自分なりのオリジナルの休み方を設計することを提案しています。
寝るだけじゃなくて、あなたなりの活力チャージのやり方っていうのをしっかり考えていきましょうねっていうのが主要な提案で。多分これが今の時代すごく刺さってるんでしょうね。
味噌汁に格ゲーにランニング、3人の活力チャージ法
イケハヤさんの「何が活力を回復させてくれていますか?」という問いに、幸あれこさんは栄養を挙げます。タンパク質と発酵の力がある味噌汁が大事だといいます。
タンパクとやっぱり発酵。腸ってやっぱり第二の脳って言われてるから、その発酵パワーですごいもう何、血気盛んになってる気がする。
特にわかめを入れた日は元気が出るそうで、わかめが売り切れていた時期は腸も元気がなかった気がする、とまで話し、2人から「何か入れてない?」とツッコまれていました。
イケハヤさんの活力の元は創造です。音楽やアニメ、ゲームを作ることに加え、スマブラなど格闘ゲームをひたすらプレイすることも挙げています。
ゲームはね。あれはね、多分運動とかと似てて、もう徹底的に疲れるから楽しいみたいな。それで回復する何かがあるみたいな感じかな。
負けると台を叩きたくなるほど腹が立つ「台パン」の世界ですが、イケハヤさんはそれも含めて元気になる何かがあるといいます。
ストレス、ストレスを浴びながらストレス解消するみたいな、非常に特殊な感じでやってますね僕は。
しゅうへいさんは、活力を回復させるものは特にないかもと言いつつ、ランニングを挙げました。幸あれこさんも、モヤモヤしたら走るしゅうへいさんは自覚以上に元気になっていると指摘します。さらに猫や海辺の散歩も、2人の充電になっていることがわかりました。
仕事で活力を回復できる人がいる?イケハヤさんが寝れば回復する理由
イケハヤさんが寝るだけで回復できている理由として考えたのは、仕事を通して活力を回復できているということでした。休養学では活動と活力のチャージが別枠で語られますが、両方を兼ねる仕事もあるという見方です。
僕の場合と散歩しながらね、その森の中歩きながら30分ぐらい配信撮って運動してっていうのは、多分普通に活力回復しながら仕事してるみたいなことですよ。
本を紹介するこの番組も、2〜3時間ヘッドフォンをかけて作る音楽も、イケハヤさんにとっては仕事でありながら楽しいものです。だから別途チャージする必要があまりなく、しっかり寝れば疲れが取れるのだろう、と話します。
しゅうへいさんが東京時代を尋ねると、イケハヤさんは当時の仕事は今ほど楽しくなく、消耗していた感じがあると振り返りました。妻と安い鶏肉を買いに出かけるのが楽しみだったかもしれないといいます。
東京時代は仕事が今ほど楽しくなく、消耗していた感覚があった
高知の山の家で、散歩や創作を兼ねた仕事で活力を回復しながら働き、寝れば疲れが取れる
住環境が活力を左右する?コンクリートの家で感じた閉塞感
しゅうへいさんは、仕事内容だけでなく住環境も大きいのではと指摘します。イケハヤさんは、高知市内にもう1つ持つ普通の家で、意外な発見をしたと話しました。
いやなんか思いのほかなんかね、そこ(市内の家)で仕事してると外出たくなるんだよね。まさか自分がそんなことを思うと思わなくて。
山の家では自然に癒されながら働けていたのに、窓から家しか見えないコンクリートに囲まれた環境では閉塞感があり、30分かけてスタバに行こうかと考えたほどだといいます。
オフィスとかで働いてた時代は多分そういう閉塞感の中で生きてたから、多分やっぱストレスになってるんでしょうね。
幸あれこさんとしゅうへいさんも、東京のマンション暮らしでは外に出たくなったと共感します。ところが出かけた先のカフェは満席で、16インチのMacBookも置けないほど狭い、という都会の悩みで盛り上がりました。
土日の方が疲れる?都会の休日と「悲しい時代」
しゅうへいさんは、田舎なら渋滞やひどい行列が少なく、都会で失われがちな土日の活力チャージの機会を自然に得られていると話します。
イケハヤさんも、東京で子育てをしていた頃は土日の方がつらかったと振り返ります。人が多く、ベビーカーで電車にも乗りにくいため、結局毎週三越の遊び場に通い、かえって疲れていたそうです。
結局いつもあの三越があったんで、もういつも三越の遊び場に行って、毎週三越の遊び場に行くから面白、こっちも面白くないし、何なんだこれはみたいな感じで。
リフレッシュできないまま憂鬱な月曜日を迎える状態は、サザエさん症候群やブルーマンデーと呼ばれる、と3人は確認し合います。イケハヤさんは、いまの状況を少し皮肉を込めてこう表現しました。
仕事がチャージでも疲れる?草刈りという意外な回復法
幸あれこさんは、仕事が癒しやエネルギーチャージになっていても脳を動かしている点で本当の休みとは違うのでは、とイケハヤさんに問いかけます。
イケハヤさんも疲労はすると認めます。AIでアニメを作ると2時間ほどで脳が疲れ切るため、別の脳を使う漫画読みや草刈りに切り替えているそうです。
草刈りは非常にあれはね、癒しになりますよ。瞑想的でいいんで。草刈りしながらチャージしてんですよ。
最後に幸あれこさんがリスナーに活力の補い方を投げかけ、しゅうへいさんが次回『世界の一流は「休日」に何をしているのか』で一流エリートの休み方を紹介すると予告して締めくくられました。
まとめ
『マンガでわかる休養学』の主張は、寝るだけでは休養にとどまり、活力のチャージが別に必要だというものです。3人の実例からは、そのチャージ方法が人それぞれで、仕事内容や住環境にも大きく左右されることが見えてきました。
- 休養学は「活動→疲労→休養」に「活力」を加えたサイクルで休み方を捉え直す
- 休養は生理的・心理的・社会的の3つに分かれ、組み合わせて自分なりの休み方を設計する
- 味噌汁、格闘ゲーム、ランニング、散歩など、3人の活力チャージ法はばらばら
- イケハヤさんは楽しめる仕事そのもので活力を回復できているため、寝れば疲れが取れると考えている
- コンクリートに囲まれた住環境や混雑する都会の休日は、かえって疲れの原因になりうる




