休んでも疲れが取れないフリーランスの悩み
しゅうへいさんが紹介するのは、越川さんの著書『世界の一流は「休日」に何をしているのか』です。しゅうへいさんは一言で「ワークライフバランスはもう古い」とまとめ、世界のエリートはワークライフバランスなど考えていない、という内容の本だと説明します。
越川さんは815社、17万3000人の行動データを分析してこの本を書いたといいます。自身の会社では全社員の週休3日、週30時間労働、7時間睡眠の義務化を8年続け、リモートワークなど新しい働き方も実践しているそうです。
しゅうへいさんがこの本を自分事として読んだのは、フリーランスとして生活リズムに苦しんでいたからです。自由に時間を使えるはずなのに、自分で決めた締め切りに追われ、寝ても寝ても疲れが取れない状態が続いていたと話します。
寝ても寝ても疲れが取れない。なんか会社員の方が楽だったんじゃないかなって、結構フリーランス8年目ぐらいにして結構思うようになった。
金曜日が終わったらさ、終わりじゃん、もう。土日仕事しなくてよかったじゃないですか。でも切り替えができたんですよ、なんか。土日で。
会社員時代のしゅうへいさんは、ゴールデンウィークにカヌーへ行くなど休みの切り替えができていました。ところがフリーランスになってからは、毎日何かをしていないといけない気がして、休むこと自体が怖くなったといいます。
著者の越川さんは元日本マイクロソフトの執行役員で、PowerPointやWord、Excelの責任者を務め、2017年に独立した人物です。20代とマイクロソフト時代に2回うつ病を経験した「モーレツ社員」だったそうで、しゅうへいさんは健康を壊した側の著者だからこそ説得力があると話します。
マイクロソフトの副社長クラスのエリートたちが週末を非常に大事にしている姿を見たことが、越川さんにとってのギャップになり、本を書くきっかけになったと紹介されています。幸あれこさんも、メディア業界にいた頃は「休みイコール悪だと思ってた」と振り返ります。
日本人の8割が疲れている?休みの3つの種類
しゅうへいさんは、日本リカバリー協会の2023年の調査で、日本人の何割が疲れていると答えたかをクイズにします。幸あれこさんは答えた人の属性にもよると慎重に考えたうえで65%と予想しました。
正解の78.5%に、イケダハヤトさんは「疲れすぎやろ」と反応します。しゅうへいさんは、Podcastのリスナーにとっても他人事ではないはずだと話します。
この本が挙げる1つ目のポイントは、休んでも疲れが取れないのは、シンプルに休み方が間違っているから、というものです。本では休みを「休息」「休養」「教養」の3つに分けているといいます。
| 種類 | 性質 | 例 |
|---|---|---|
| 休息 | 受動的な時間の使い方 | ゴロゴロしてちょっと休む |
| 休養 | 能動的なエネルギーチャージ | 良質な睡眠、軽い運動、瞑想 |
| 教養 | 知的・感性のチャージ | 読書、芸術、自然 |
しゅうへいさん自身の休日は、昼ごろに起き、ご飯でお腹いっぱいになって布団に潜り込み、スマホでXやYouTubeを見るという過ごし方になりがちだそうです。幸あれこさんが「またTikTok見てるの?」と聞くと「YouTubeだよ」と言い訳していたというエピソードに、イケダハヤトさんは「変わんねえよ」とツッコみます。
仕事ファーストから休日ファーストへ、ワークライフハーモニーという発想
この本によると、日本人は仕事が片付いたら休む「仕事ファースト」なのに対し、世界の一流は休日のために仕事をする「休日ファースト」になっているといいます。しゅうへいさんは、休日を大事にするからこそ仕事のパフォーマンスが上がる、というロジックだと説明します。
仕事が片付いたら休む。長く働く人、残業する人が偉いと見られがち
休日のために仕事をする。休日に楽しみがあるから平日の効率が上がる
休日に楽しみがあると、締め切り効果で平日の効率が上がるとも紹介されています。幸あれこさんは、休まず働き続ける人が上に行くという感覚がメディア業界には「こびりついてた」と話します。
イケダハヤトさんはベンチャー企業に勤めていた頃、夜7時に退勤して友人と飲み、忘れ物を取りに11時ごろ会社に戻ると、まだ全員が働いていたという体験を語ります。
あれおかしくない?俺タイムスリップした?俺飯食ってきて酒飲んで帰ってきて忘れ物取りに来たらみんないるんだけどみたいな。
しゅうへいさんも、役員と1階の居酒屋で飲んだあと、みんながまた職場に戻って仕事をしていた光景を覚えているそうです。当時はそれが仕事のできる人のイメージだったものの、海外では残業する人はむしろ仕事ができないと見られ、早く終わらせる人がすごいとされると説明します。
しゅうへいさんは、その背景にメンバーシップ雇用 ── 職務を限定せずに会社の一員として採用し、異動などで様々な仕事を担う日本型の雇用形態。総合職採用が代表例ですとジョブ型雇用 ── 職務内容をあらかじめ明確にして採用する雇用形態。欧米で一般的で、担当業務を終えることが評価の軸になりやすいとされますの違いもあると話します。
この本は、仕事と人生のバランスを取るのではなく「ワークライフハーモニー」で考えるべきだとしています。ハーモニーの訳語が出てこなかったしゅうへいさんに、幸あれこさんが「ルルルル」と歌い、それで「調和」が出てくるという夫婦ならではの掛け合いもありました。
しゅうへいさんは、仕事と人生を二項対立で捉えるのではなく、人生という大きな器の中に仕事も休みも入っていると考え、両方を高め合うように設計するのが世界基準だとまとめます。
休日の草刈りが年収につながる?自己効力感の話
2つ目のポイントは、年収を上げるには自己効力感が大事だ、というものです。本では17万人のデータから、休日の過ごし方が平日の生産性と年収を決めると結論づけているといいます。
しゅうへいさんは、自己肯定感 ── 自分の存在や価値を否定せず、ありのままの自分でよいと受け入れられる感覚が「自分はそれでいい」という感覚であるのに対し、自己効力感 ── ある課題に対して自分ならできると感じられる感覚。心理学者バンデューラが提唱した概念として知られますは「自分にはこれができる力がある」という自信だと区別します。
休日の小さな「できた」
草刈りや庭作りなど、休日に何かをやり遂げる
自己効力感が高まる
自分ならできそうだと前向きになる
平日の行動が変わる
判断が早く、失敗を引きずらず、リスクも取れる
評価と年収
結果として評価され、年収も上がる
しゅうへいさんが実感したのは、島で四国八十八ヶ所のお遍路のお堂の責任者を務めた日のことです。幸あれこさんと2人でお堂に座り、巡ってくる人と交流しながら判子を押し、お菓子を渡すお接待をしたとき、休んだ感覚と同時に自己効力感が増したといいます。
もう1つの例は草刈りです。しゅうへいさんの家の草を今年の自治会長さんが刈ってくれたときは「俺ほんとダメなやつだな」と感じたものの、自分で刈った日は「草刈りできた」と感じられたそうです。
いや、これは本当ですよ。草刈りの後の目の輝きが違う。
しゅうへいさんは、インフルエンサーとして事業をしていると、年収にもフォロワー数にも天井がなく、どこまでやっても上がいるため「できた」で終われないと話します。
終わりがない中、草刈りとね、お堂の手伝いはね、責任者は終わりがあるんですよ。終わりがあるし、比べようがないんだよね。
ショート動画では「もっと伸びたんじゃないか」で終わってしまうため、休日でないと自己効力感を上げにくい構造なのかもしれない、としゅうへいさんは考えます。
本では、越川さんが休日にハーレーダビッドソンに乗せてもらい、その振動と爽快感から「こんな楽しみが休日にあるから、この人たちは平日仕事を頑張れるんだ」と感じたエピソードも紹介されているそうです。その後、越川さんは大型バイクの免許を取り、トライアスロンに出たり、バイクで北海道を一周したりするようになったといいます。
今週末からできる「意外とできた」の集め方
3つ目のポイントは、自己効力感を上げるための具体的な方法です。鍵は、意外とできたという経験を1つずつ集めていくことだと、しゅうへいさんは紹介します。
例えば、本を5ページだけ読む、朝の5分だけスマホを我慢する、料理を1品作るといった小さなことでよいそうです。本では7分だけ瞑想や読書をする時間を取ればよいとしていて、2〜3ページでも「読書が自分にもできた」と感じられることが大事だといいます。
しゅうへいさんは、トマトを植えた1年目にたくさん実ったときは自己効力感が高かったと振り返ります。翌年は輪作障害で全然できなかったそうで、幸あれこさんは「ビギナーズラック」と笑います。
もう1つの工夫は、「挑戦」ではなく「実験」と呼ぶことです。挑戦は成功か失敗かで重くなりますが、実験なら続けるか別のことを試すかくらいの気軽さで済むため、朝散歩を始めるのではなく「朝散歩の実験をしてみる」と考えるとよいと紹介されます。
しゅうへいさんが「朝起きてみる実験」と言うと、幸あれこさんは「まあ決意してほしい、そこは」と返し、夫婦の掛け合いになりました。
しゅうへいさんが自分のコミュニティでも取り入れたいと話すのが、金曜の午後3時の棚卸しです。本では、資料作りの約30%が上司に気を使ったもので、会議の一部は会議のための会議になっているなど、日本の職場の無駄が多く紹介されているといいます。
しゅうへいさんは、PowerPointの資料を何十枚も作り込んでも実際には話さなかったり、完璧でないまま出したものが売れたりした経験を挙げます。海外の会議では箇条書きの3枚程度で済ませ、作り込むとむしろ怒られるほどだといいます。
ニューヨークで聞いた話では、金曜の昼が終わるとみんな出かけてしまうそうです。しゅうへいさんは、フリーランスは「セルフブラック」になりがちだとして、長続きするライフスタイルを自分から作っていきたいと話します。
週末は何をする?ピアノ、庭作り、ベーコン作り
しゅうへいさんが「休みを作る」と言うと、イケダハヤトさんは「具体的には?何を?」と詰めていきます。しゅうへいさんが挙げたのは、木枠の花壇での庭作り、ランニングなどの運動、読書、そしてピアノです。
幸あれこさんは、しゅうへいさんが夜中の1時からピアノを弾くのはやめてほしいと訴えます。それでもしゅうへいさんにとって、ピアノは脳が切り替わる癒やしの時間だといいます。
でもね、ほんと疲れてる時って開かないっすよ。楽器とかを。
で、音楽も聴かなくなる。で、やっぱ余裕がある時は音楽かけたくなるし、ピアノちょっと弾いてみようって思って。
指と音、コード進行を同時に扱うピアノは、草刈りやお遍路のお接待、ランニングと似た脳のリフレッシュ感があるとしゅうへいさんは話します。イケダハヤトさんは夏の庭作りは暑さと虫で難しいと指摘し、しゅうへいさんは毎日出しているショート動画を週末に向けて撮り溜めると答えました。
行動に移すのが早いと言われるイケダハヤトさんの今週末のミッションは、通販で取り寄せた4キロの豚バラブロックをベーコンにすることです。
あれやね、マジ自己効力感高まる。できた瞬間よっしゃ来たみたいな。肉、肉、肉みたいな。しかも美味しいし。
イケダハヤトさんは、島に住んでいるのだから魚を釣るのも最高だと勧めます。しゅうへいさんはイカ釣りをしていた頃を思い出しますが、幸あれこさんからは、アオサを大量に取ってきても下処理は全部自分がしていたと不満の声が上がり、しゅうへいさんは「それもやります」と約束しました。
最後に幸あれこさんは、休日にやってみたいことや金曜午後からの決意表明を、ハッシュタグ「#本つま」でSNSやコメント欄に送ってほしいと呼びかけます。次回は幸あれこさんが『ドイツ人の戦略的休み方』を紹介する予定です。
まとめ
『世界の一流は「休日」に何をしているのか』は、休みを仕事の残り時間ではなく人生の中心に置き直す本として紹介されました。しゅうへいさんは、フリーランスの疲れを抱える立場から、休日の小さな「できた」を積み重ねることが平日の行動力につながるという考え方に強く共感しています。
- 世界の一流は仕事が片付いてから休むのではなく、休日のために働く「休日ファースト」で考えているとされる
- 休みには休息・休養・教養の3種類があり、ゴロゴロするだけでは疲れが取れないこともある
- 休日の草刈りや料理など、終わりがあって比べようのない「できた」経験が自己効力感を高める
- 挑戦ではなく実験と呼び、7分や5ページなど低いハードルから始めるとよい
- 金曜15時に棚卸しとやめることを決め、来週の仕事を書き出して頭の外に出すと週末を楽しみやすい




