爪が急に割れだした69歳が、サロンに通うまで
第25回のゲストは、通い始めて約1年になる有江淳二さんです。きっかけは、爪が急に割れだしたことでした。
年齢は69歳、男性です。約1年前ですけれども、爪が急に割れだしたので、ちょっとその相談ということで、いつかきっとデザインさんにご相談したのがきっかけになりました。
初めての来店は2024年3月。今では爪も割れにくくなり、よく伸びるようになったと話します。
最近はですね、爪が割れにくくなって、またよく爪も伸びるんですよ。少し割れてもすぐヤスリで削って磨いてもらえればすぐ治ります。
そもそも来店の動機も、はっきりした調べものではなかったといいます。商業施設レクトによく通う中で、ネイルは女性がするものという印象があったそうです。
ここ、このレクトよく通ってたんですけど、必ず女性の方が爪をなさってたので、男性もしていいんですか、ってちょっと問い合わせるぐらいのつもりだったんですよ。
問い合わせに来た日に店長の説明を受け、その場で数回磨いてもらったことが、通うきっかけになりました。
「サブスク」という言葉に慌てた世代の、便利な発見
有江さんは、爪の手入れのために爪ヤスリのサブスクに加入しています。ただ、その言葉自体には最初とまどったそうです。
まずサブスクという言葉、僕らの年代はわからなかったので慌てたんですが、来てみると便利な制度だと思って大いに活用させていただいております。
周囲の反応も新鮮だったようです。爪が綺麗になったことで、家族というより周りの人に驚かれたと振り返ります。
僕の爪が綺麗になっているので、何かマニキュアでも塗ってるの、って皆さんちょっとびっくり。爪が割れないようにコーティングしてるんだ、ってことは説明したんですよ。
おそらく僕たちの世代で爪が綺麗っていうのはちょっと珍しいと思います。
好奇心のままに動く。年齢と行動力の関係
有江さんは、まず挑戦してみるタイプだといいます。その姿勢の根っこには、好奇心を持ち続けたいという思いがあります。
やってみたいこととして、大好きなスイスの大自然や、フランスにいる友人を訪ねることを挙げます。
僕はスイスが大好きで、大自然が。ですから、スイスの山を見に行ったりしたいですね。
こうした行動力は、子どもの頃からのものだといいます。
子供の時から僕は直感で物事をやるタイプなんですね。私の母がよく考えて行動しろって言うんですけど、もう考えないで思いついたことをすぐやると。
舩木さんは、年齢を重ねると行動力が落ちるのではと問いかけます。有江さんは、40代半ばから50代前半に意欲が落ちた時期もあったと明かします。
それでも、美味しいものを食べるうちにまた元気になり、やる気も戻ったといいます。仕事を離れた今は、別の生きがいがいくつも見えてきたと話します。
バイオリンと木彫り。仕事を離れた今の一日
現在の一日は、散歩と朝食に始まり、午前中はバイオリンの練習に1時間から2時間を充てるそうです。
僕はもう趣味がバイオリンなので、約1時間から2時間は午前中バイオリンの練習をします。
午後にサロンへ来て、夕食を買って歩いて帰る。時間があれば木彫りで絵を彫ることもあると話します。
ただ、この優雅にも見える暮らしは、現役時代とは大きく違っていました。有江さんは自営業の庭師として、日本庭園や茶庭、寺社の老木の維持管理に追われていたといいます。
当時は自分を見る余裕もなく、爪はボロボロだったと振り返ります。
庭師の作業では地下足袋に作業着が日常で、おしゃれからは遠のいていたそうです。
仕事の根本は変わらない。庭師が考えてきた「喜ばれる仕事」
舩木さんは、40代でバリバリ働く自分たちの立場から、経営や仕事観について有江さんと話すことが多いと語ります。有江さんの根本的な考えは、年代を経ても変わらないといいます。
昭和の時代にはお金を儲けるのが仕事というイメージがあったといいます。しかし有江さんは、根本はそこではないと話します。
悩みがあった時は、20年、30年と付き合いのある同業者の友人や、家内に相談していたそうです。
娘が「かっこいいね」と言った日。40年分の庭を見せて
庭師という特殊な仕事を、家族はどう見ていたのか。舩木さんの問いに、有江さんは印象的な出来事を語ります。娘が大学生になったとき、初めて仕事をかっこいいと言ったそうです。
それまで僕たちの仕事って汗臭くて、汚れる仕事だったんです。それがかっこよくないのに、大学生の娘がかっこいいって。
きっかけは、娘の友達の言葉だったようです。有江さんの世代はサラリーマンでホワイトカラーが良いとされた時代でした。あえてその流れに逆行して職人の道を選んだといいます。
娘たちの時代はもうそういう技術職とか、形になるアートの世界、目に見えるもの、ああいったものに憧れてたみたいですね。
娘が有江さんの庭を実際に見たのは、意外にも最近のことでした。京都の親方が50年の仕事を写真集にまとめて送ってくれたことがきっかけです。
有江さんも40年分の自分の庭の写真を集め、親方に送る際に娘に見せたといいます。
あなたが生まれる前からお父さんこういう仕事してきたんだよって。これが報告としてね、自分の親方に送るんだよって言って。
その時期を尋ねると、なんと今年の初め頃だといいます。それまで娘は父の仕事をほとんど見ていなかったのです。
だからつい今年、今年の最初ぐらいかな。
舩木さんも、父親の仕事をよくわからないまま大人になる感覚に共感します。働く親の姿は当たり前すぎて、意外と見えていないものかもしれません。
爪は健康のサイン。美容より先に見てほしいこと
多彩な趣味を持つ有江さんに、舩木さんは爪と向き合う意味を尋ねます。60代の男性が一歩踏み出すのは難しいこともあるからです。
60代や70代、80代を過ごす中で、美容に少し興味があるという方に、有江さんからメッセージをいただきたいです。
舩木いつか さんからの質問
有江さんは、爪を美容の前に健康管理の視点で見てほしいと答えます。年代を重ねるとタンパク質不足が爪や肌に現れやすくなるため、まず爪をチェックすることが大事だと話します。爪が元気になってから、おしゃれに進めばいいという順序です。
タンパク質が不足すると、爪は割れやすくなり、伸びが悪くなり、輝きも失われるといいます。保湿や研磨で手入れをすることで、気持ちにも違いが出ると話します。
割れる
爪が割れやすくなる
伸びが悪い
爪の伸びが鈍くなる
ツヤが消える
爪の輝きがなくなる
周りの人が必ず僕の爪を見て、綺麗な人って、おしゃれだねって言われますから。ああ、いいんだなって。
舩木さんは、忙しい日々の中でも一度自分の爪を眺めてみてほしいと語り、そこに今の自分がいる気がすると締めくくります。
まとめ
爪の割れという小さな相談から始まった1年を通して、有江さんの好奇心や仕事観、そして爪を健康のサインとして見る視点が語られた回でした。年齢に関係なく、まず爪を眺めてみることが自分を知る入口になるのかもしれません。
- 69歳で爪が割れだしたことをきっかけに、サロンに通い始めた
- 好奇心を持ち続け、直感で挑戦することを大切にしている
- 庭師として40年、喜ばれる仕事を根本に据えてきた
- 娘が「かっこいい」と言ったのは、庭の写真を見せた今年のこと
- 爪は美容の前に、タンパク質不足を映す健康管理のサイン





