コーチとEQPIが出会った一年
後半回では、パーソナリティの廣橋ひかるさんが、マーシーさんとEQ、そしてEQPIとの出会いについて尋ねていきます。
マーシーさんはどんなふうにしてEQと、EQPIと出会ったんですか?
マーシーさんがEQPIに出会ったのは一年ほど前だと言います。ポタジュのオープンセミナーを受け、その参加特典で検査を特別価格で受けられたのがきっかけでした。
(ポタジュの)EQPIのセミナーを受けて、その参加特典にEQPIの検査を特別価格で受けられますみたいなのがあって、「受けてみたい」と思って申し込んで、(あずさんの)フィードバックセッションを受けさせてもらったのが出会いですかね。
検査からアナリスト取得、ポタジュでの活動まで、かなりスピーディな展開だったと廣橋さんは驚きます。
EQPIは、EQ(感情知能)を測定する検査ツールです。感情の認識やマネジメントに関する傾向を可視化し、フィードバックセッションで振り返ることができます。
ただしEQという言葉自体との出会いは、もっと前にさかのぼります。前職の住宅営業時代、社長が会議で口にしたのが最初だったそうです。
「IQとEQでこれからはEQが大事なんだ」みたいなことを、サラリーマン時代に社長が言って。もう十五年ぐらい前に。「心の知能指数だ」って教わって、「確かにそれ大事だよな」って。
頭でわかっても動けない、をつなげたもの
コーチングや企業研修の現場で、マーシーさんは「頭でわかっていても動けない」人間の性を何度も見てきたと言います。自分自身にもあることだそうです。
マインドフルネスや座禅、心理的柔軟性など、さまざまな学びをしてきた中で、結局それらは感情の話なのだと感じていました。
心理的柔軟性とは、しなやかな心を持つことで、その場で本当に役に立つ行動を取れるようにする考え方です。感情を無理に消すのではなく、抱えたまま行動へ向かう姿勢を指します。
そこにEQPIが加わったことで、感覚的だったものが構造としてつながっていったといいます。
そういうのって結局、要するに感情の話なんですよねっていうのが、EQPIを改めて学んだことでガチャガチャガチガチつながってった。
コーチングは行動変容を促すものですが、月に一度のセッションで次の行動を決めても、思った通りに動けないクライアントもいます。
その振り返りをすると、感情のマネジメントができていれば動けたのではないか、という場面が見えてくる。EQPIはそこを言語化・構造化してくれたと話します。
「今どんな気持ちですか?」という問いかけ
廣橋さんは、やろうと思っても動けない、逆によくないと思ってもつい行動してしまう、そんな感情の働きに共感します。そして、気持ちがうまく持っていけない人にマーシーさんはどう向き合うのかを尋ねました。
マーシーさんの答えはシンプルでした。コーチングの最後に行動を明確にしてもらった後、必ずこう聞くのだと言います。
今言葉にしてみて、どんな気持ちですか? 自分で行動を言ってみて、どんな気持ちでした?
表情もあわせて見ながら、不安などの感情的なブレーキが働いている状態では行動は起こせないだろう、という仮説に立っているそうです。
同じ「やります」でも、その言い方には大きな差が出ると指摘します。
「これやったろうって絶対思いました」って言ってくださるのか、「ちょっと頑張ってできるだけやってみたいと思います」なのかって結構違うじゃないですか。
「待って待って、全然やれるかわかんないぞ」みたいな状態で、なるべく終わらないようにはしたいなと思ってて。
気持ちを聞くことで、行動を妨げる要因が感情にあるのではないかという仮説を持つ。それがコーチングの中でのEQの活用の仕方だと語られました。
「べき」の話をする場ではない
廣橋さんは、自分が本心からそう思っていなくても、周りの目を意識して「こうします」と言語化してしまう人がいると話します。そうした人に本音で行動してもらうにはどうすればいいのかを問いました。
マーシーさんは、「やらなきゃ」「やるべき」「こうあるべき」といった思考を「べきべき」と呼びます。そして、コーチングの前段階でこう伝えるのだと言います。
この場は、べきはしなくていいです。周りからの期待に応えなきゃいけないとか、周りの目からするとこうに違いないみたいな話じゃなくて、本当のあなたがどうしたいし、どう感じて、考えていくのかが明確になることが大事な時間なので、べきべきにならないでくださいっていう。
この前提で始めているため、途中でべきべきのキーワードが出てきたら、その場で止めるそうです。
「今べきべきになってましたけど、どう思います?」って。ただの言葉の間違いなのか、べきべきになってたのかを確認する。
べきは日常の中にいくらでも溢れている。上司の指示、パートナーの期待、自分なりの責任感。だからこそコーチングの時間ではあえて外していいのだと説明されました。
上司の指示やパートナーの期待、責任感など、日常に溢れているもの。コーチングの場ではあえて外す
本当に自分がどうしたいか、どう感じ、どう考えているか。この場で明確にすることが大事
クライアントへの言葉を、自分にも向ける
この話に、廣橋さんは強く共感します。自分自身も「べき」が強いタイプだと打ち明けました。
常識的であるべき、いい人であるべき、人に迷惑をかけてはいけない。べきが結構強くて、EQPIでも誠実ってやつが非常に高くて。でもそれで自分苦しくなってるなっていう自覚もあって。
そこで廣橋さんは、マーシーさんがクライアントに使う言葉を、自分自身にも向けようと思い至ります。
感情日記を書くときや将来のことを考えるとき、「この時間はべきはいらない」と自分に声をかければ、本音が見えやすくなるかもしれない、と話します。
いいですね、それ。素敵。ひかるさんナイス。すごい。
和やかなやりとりの中で後半回は締めくくられ、マーシーさんの再登場を約束して収録を終えました。
まとめ
頭でわかっていても動けない背景には、不安などの感情的なブレーキがあります。だからこそ行動を決めた後に「今どんな気持ちか」を確かめ、日常に溢れる「べき」を一度外すことが、本音で動く出発点になると語られた回でした。
- EQPIとの出会いは一年ほど前。感覚的だった「わかっても動けない」が感情の話として構造化された
- コーチングの最後に「今どんな気持ちですか」と必ず聞き、感情的なブレーキの有無を確認する
- 「やらなきゃ」「べき」はコーチングの場ではあえて外し、本当にどうしたいかに焦点を当てる
- べきは日常に溢れているからこそ、振り返りの時間には自分にも「べきはいらない」と声をかけてよい