千葉を襲った歴史的豪雨、現地の様子は?
録音は8月16日。この回はまず、全国ニュースにもなった千葉の大雨の話から始まります。
ツバサさんによれば、平年の8月1ヶ月分の雨量の約3倍が一晩で降ったとのこと。にわかに信じがたい降り方だったと話します。
確かニュースで言ってたのは、平年の8月の、1ヶ月に降る雨量の3倍の雨が、一晩で降ったって。
テツトさんは、計算上は何万年に一度という雨量だったというデータにも触れます。普段の雨が1〜2ミリなのに対し、その60倍が降ったのではと2人は驚きます。
ツバサさんは千葉駅の近くに住んでいて、この放送も自宅で録っていると説明します。自宅に浸水被害はなかったものの、少し離れた場所では冠水し、千葉駅前の商業施設も水浸しになったと振り返ります。
テツトさんは、千葉駅前の商業施設ペリエの地下に水が流れ込む映像がX上で流れていたと話します。ツバサさんが今日買い物に行ったところ、すでに復旧して店は営業していたそうです。
今日が、あの雨の日から、雨の日が多分木曜だから、金土日、3日後か。多分全部ダメになってるじゃん、地下の階は。早いね、復旧も。
大好きな公園を見に行った当事者の夜
この豪雨は、2人にとって遠いニュースではありませんでした。X上に流れる「やばい」という動画のほとんどが、見覚えのある場所だったといいます。
Xとかに流れてくる、その「やばいやばい」っていう状況、動画が、結構ほとんど知ってる場所みたいな。すごいソワソワというか、落ち着かなかったよね、あの日は。
ツバサさんは、大好きな千葉公園がどうなってしまうのか心配で、雨の中を見に行ったと明かします。ただ、本来は行ってはいけないことだと自ら繰り返します。
この大好きな千葉公園がこの雨でどうなっちゃうんだよって心配で。本当は行っちゃいけないっすよ。もうほんと大好きだから心配で見に行って。
公園の池は溢れ、魚が陸に上がっていたそうです。テツトさんが受け取った動画では、雷が鳴り、サイレンが響き、車が渋滞で止まる物々しい光景が映っていました。
自宅で作業していたツバサさんのスマホには、警報が段階的に届いたといいます。
レベル3の警報が出て、また鳴ってレベル4。次またレベル5、最大レベル。今すぐ避難してくださいのレベル。
ただ、レベル5でもどこかへ移動するより、高い場所へ移る垂直避難のほうが現実的です。2階建ての自宅で、とりあえずステイという判断だったと話します。
お便りが運んできた「日記」と嘘エッセイの話
どんよりした空気を切り替えるように、テツトさんが届いたお便りを読み上げます。送り主は「慣れちゃう一人」さん、30代の女性です。
お便りでは、日記を書いたら誰かの日記が1通だけ届いて読める「ひととき」というウェブサービスが紹介されました。自分の日記は公開しなくてもよく、知らない誰かの人生を垣間見られるのが楽しいといいます。
自分で日記書いても、結局当たり前だけど自分しか読まないじゃん。誰かが読むかもしれないってちょっとだけ可能性があると、ちょっと背筋伸びるというか、文章の。
ここからツバサさんは、ありのままの文章の話へと広げます。SNSで感想を書くときにも、つい見栄で脚色してしまいがちだと指摘します。
自分が思ってないような、あるいは借りてきたような表現とかを書いてしまいがちなんだけど、いやいや、もうありのままでいいじゃないですかみたいな。それめっちゃ大事だなって思ってる。
一方で、肝心のテツトさんの日記はというと、7月ごろから1ヶ月ほど途切れているという告白でした。Netflixのドラマにハマって夜更かしが続き、早起きの習慣が崩れたのが原因だといいます。
それでも「またやらないと」という気持ちはあるようです。アナログのノートに書くと、パラパラとめくって2〜3ヶ月前を振り返れるのがいい、とテツトさんは話します。
「盛るな」と教わったエッセイ観と、本を出したい夢
文章の話は、ツバサさんが大学時代に受けた執筆講座の思い出へと続きます。教授が口を酸っぱくして言っていたのは、冗長な表現を排除せよということでした。
「なんとかなのである」、これ冗長なんでやめてください。「なんとかだ」で済むんで。その教授にとってはかっこつけた言い回しなんです。
この教えは、借りてきた表現やもったいぶった言い回しを避け、自分のオリジナルなものを大事にせよ、という話に通じているといいます。なるべく脚色は排除した方がいいという姿勢は、今のツバサさんの文章観の土台になっています。
話は最近読んだ本にも及びます。ツバサさんが3回目という愛読書が、桜木紫乃の『砂上』でした。
『砂上』は物書きをめぐる小説で、北海道の田舎に住むバツイチの女性が、毎年新人賞に応募し続ける物語です。最終選考で目に留まった編集者の冷徹な指導を受けながら、作品を作り上げていく展開だと紹介されます。
この本を繰り返し読む理由を、ツバサさんは自分の夢と結びつけて語ります。
いつか自分、なんか本を出したいなって。だからこの本はなんかすごい俺にとってはこう、ある種道しるべ的な話だね。
創作の動機は「友達に認めてもらいたい」?
テツトさんは、音楽や執筆など何かを作ろうとするツバサさんの動機を掘り下げます。自分を世に残したいのか、承認欲求なのか、という問いです。
ツバサさんは承認欲求もゼロではないとしつつ、最大の理由ではないと答えます。むしろ自分自身のポテンシャルへの期待が大きいといいます。
正しい努力をすれば、もしかしたらもしかするんじゃないかっていうのを自分自身に対して思ってて。それを探りたいみたいな。
では、認められたい相手は誰なのか。ツバサさんの答えははっきりしていました。
かつて匿名で音楽活動をしていた時期、SNS上で見知らぬ人から好意的なコメントをもらう嬉しさもあったといいます。それでも一番嬉しいのは、身近な友達がその作品で盛り上がってくれることだと語ります。
テツトさんは当時を振り返り、その活動はリスナーのためというより自己実現のためだった、と見ていました。自己実現なのに自分を隠すという制約の多さが、活動をやめた理由でもあったようです。
自己実現なのに自分を隠すっていう、ちょっと嘘エッセイだね、それ。
背負い込まない代わりに、深入りもしない
話題は、テツトさんの性格分析へと移ります。以前の回で「考えて動くタイプならもう少し考えた方がいい」と言われたことを、テツトさんは受け止めていました。
ただ、深く考えないからこそ悩みが少ない、とも感じているといいます。何にモヤモヤしたかをすぐ忘れてしまうため、悩みが積み上がらないのだそうです。
1週間前のモヤモヤってさ、多分忘れてるじゃん、みんな。それはそれで考えすぎてないっていうのは、自分のパーソナリティ的にいいことなのかもな。
一方で、それは裏返しの性質でもあります。あまり熱中せず、何事もそんなに期待しないでおく、というドライさとセットになっているのです。
モヤモヤをすぐ忘れ、悩みが積み上がらない。精神衛生的に安定しやすい
熱中や深入りができず、何事も期待しないドライさとセットになっている
この「期待しない」という構えは、信頼や恋愛の話にもつながります。信頼とは期待が裏切られないことだとすれば、テツトさんはかける期待の量がもともと少ないのだといいます。
ただし、それは生まれ持ったものではないようです。恋愛で急に連絡が来なくなるといった裏切りを何度も経験するうちに、期待しないようガードするようになった、と自己分析します。
本当の自分はもう普通に期待するんだろうね。でもガードしてる。期待しないようにっていう。
ハマっているのは「ズバッと言う人」たち
後半は、ツバサさんが最近ハマっている芸人の話で盛り上がります。きっかけは、悩んでうじうじする人がダサいとされる風潮への違和感でした。
そこから、SNSやテレビで「ズバッと言う人」が人気を集める構造へと話が広がります。マツコ・デラックスや細木数子の名前も挙がり、世の中の何かに代わって言ってくれる存在は昔から人気だと確認します。
その系譜として、ツバサさんが熱を込めて紹介したのが、漫才コンビ「ドラマ★面」のなるちゃんです。2年目の若手で、個人のYouTubeで世の中や男への悪口を言い続けているといいます。
むちゃくちゃな持論をめっちゃ面白く喋るみたいな感じだから。とにかくその意見自体がもうめっちゃオリジナリティあって面白い。
動画編集の仕事もするツバサさんは、なるちゃんの良さが最も面白く映るテロップやセット、色調の設計にも感心したと語ります。取っ掛かりはまずそこだったそうです。
ここから話はフワちゃんへ。ツバサさんは、オードリーのオールナイトニッポン武道館ライブで春日とプロレスをした翌日、昼の番組でいつも通り賑やかに振る舞う姿を見て、その真面目さに感心したといいます。
あんだけおどけた道化やってるけど、やっぱりめっちゃ真面目でストイックな人なんだなって思った。
さらに話は「初心を忘れないこと」へ。売れれば環境も考えも変わるという流れから、活動休止中に次の準備を進める芸能人の姿へと展開します。ツバサさんは、休止期間に慶応大学に合格したスピードワゴンの小沢さんを例に挙げ、素直に偉いと話します。
プーさんに学ぶ「何もしないをする」の難しさ
最後の話題は「何もしない」時間について。テツトさんは、実写映画のプーさんが、ビジネスマンになったクリストファー・ロビンに向けたメッセージを紹介します。
「何もしないをする」っていうのが大事だよって言ってたけど、それは多分日々忙しい大人に向けて。
もっとも、テツトさんも認めるように、無を作るのは簡単ではありません。「何もしないをする」というのは、文章的にそもそも矛盾しているとツバサさんも応じます。
そこで2人が挙げたのが、極力何もしていない状態に近い時間を暮らしに取り入れる工夫です。ツバサさんは、夜のシャワー後にほぼ毎日、音楽だけ聴きながら千葉公園を一周する散歩を続けているといいます。
テツトさんは、サウナの外気浴を例に出します。サウナ中は考え事の時間が多いものの、水風呂の後に椅子で目を閉じる瞬間には、ふっと無になれるのだといいます。
水風呂で椅子見つけて座って、瞬間、上向いて目つぶって、すごいもう無になるかもしれない、その瞬間が。
3周4周と繰り返すうちに考えることもなくなり、研ぎ澄まされていく感覚があるそうです。もっともそれは、単に疲れているからかもしれない、とテツトさんは笑います。
まとめ
記録的な豪雨という当事者体験から始まった第21夜は、日記や創作、認められたい気持ち、そして「何もしない」時間へと、思いのままに話が広がっていきました。身近な出来事を入り口に、2人それぞれの性格や価値観がにじむ回になっています。
- 千葉の豪雨は平年8月の約3倍の雨量が一晩で降り、2人にとって見慣れた場所が浸水する当事者体験だった
- 文章は脚色せず、借りてきた表現よりありのままを大事にする、という姿勢が話の底に流れている
- ツバサさんの創作の最大の動機は、承認欲求より「友達に認めてもらいたい」という気持ちだった
- テツトさんは深く考えず期待もしないことで悩みを溜めないが、それは熱中や深入りをしない性質と裏表になっている
- 忙しい大人にとって「何もしないをする」のは難しく、散歩やサウナの外気浴がそれに近い時間になっている






