台風直撃の沖縄と、旅先で作業が捗る理由
収録日は2026年6月5日。ハヤカワ五味さんは5月に沖縄へ行った際、台風が3年ぶりに直撃して帰れなくなったと話します。
沖縄行ったら台風直撃して帰ってこれなくなるっていう。台風来てんのはわかってたけど、どうせ逸れるでしょうと思ってたら、3年ぶりの直撃みたいな。
招待で行ったジャングリアは、台風直撃前日で空いていて楽しめたそうです。ただし高所や閉所、落下系のアトラクションが苦手なため、ショー中心に回ることを提案しています。
台風で動けなかった日は、ずっと作業に充てていたと言います。ここから、旅先の方が仕事が捗るという話につながります。
台風めちゃくちゃ来てた日、もう何もできることがなくて、ずっと作業してたので、逆に良かったですね。
旅先の方が仕事捗るみたいなのありますよね。変にその東京の雑音というか、飲みに誘われたりとかもないんで。
usutakuさんもこの後、アメリカに3週間ほど滞在し、今回はイベントがないぶん作業に集中する予定だと話しています。
Codex Sites登場、飲み込まれるAIスタートアップ
今週最初のトピックはCodexの進化です。新機能の「Codex Sites」は、Codexで作ったサイトをそのまま公開できるものだと紹介されます。
usutakuさんによると、現状はエンタープライズプランとビジネスプランでのみ利用可能です。OpenAI系のサービスで、プレビューではなく実際のサイトとして公開できるのは初めてだと指摘します。
それをちゃんとしたサイトとしてちゃんと出せるようになった初めてのOpenAIからのAIという点で大きいですね。
イメージとしては、GitHub PagesよりもLovable ── 自然言語の指示でWebアプリやサイトを生成できるAI開発ツール。BoltなどとともにAIによるサイト・アプリ生成サービスとして知られるやBoltの代替に近いとusutakuさんは説明します。
この登場でLovableは終わったという声も海外のXで出たそうですが、usutakuさんはむしろ逆だと見ています。
名前が上がるだけでも全然まだまだ終わんないんだろうな。名もなき、そのサイト生成系のAIが一番危ないなというふうに思いました。
ハヤカワ五味さんは、AI系スタートアップの人気サービスが、後から大手に近い形でラップされていく流れが繰り返されていると整理します。usutakuさんも、2023年から2024年ごろに日本の起業家が手がけたToC向けAIサービスの多くが、今は話を聞かなくなったと振り返ります。
AIのトークンコストは、上がるのか下がるのか
話題はAI利用のコストに移ります。ハヤカワ五味さんは、Notionのカスタムエージェントが有料化され、思ったよりコストがかさむと実感を語ります。
結構しっかり使いたいよって使ったら1万円とかかかるんじゃないかな、1ヶ月で。1ヶ月で1万とか世界かかるってなると、若干ビビるとこではあるよね。
1000人規模の会社なら単純計算で相当な額が乗ることになり、経営判断が難しいとusutakuさんも同意します。すぐ売上が伸びるわけではないためです。
ここでusutakuさんが投げかけたのが、トークンコストは今後どうなるのかという問いです。技術の最適化で安くなる派か、需要増と寡占で高くなる派か、両方あり得ると言います。
トークン問題は、GPUやデータセンターの最適化で安くなるのか、それとも需要増と寡占で高くなるのか。
usutaku さんからの質問
ハヤカワ五味さんの見立ては、両方が合流するというものです。大手のモデルは値上がりしていく一方、オープンソースのモデルは約1年の時差で追いついてくると考えています。そのため中規模までの作業は各企業のローカル環境に移行し、超高性能なモデルはコストを払って一部の用途で使う形に分かれていくのではないかと話します。
ただし、その前段として一般企業では「一度ジャブジャブ使わせてから絞る」という流れがあるはずだとハヤカワ五味さんは付け加えます。usutakuさんもこれに賛同します。
一回もうバーンと使って、とんでもない赤字出た上で、でもここって相当その数字にインパクトあるよねっていうとこはじゃあ残して、そうじゃない部分はローカルで処理してくれ。
そもそもほとんどの人はAIをまだ使えていない、だからまず使う練習が必要だとusutakuさんは指摘します。ハヤカワ五味さんも一回まずは使い切ってみるが丸いと話し、激アツな使い方をリストアップして横展開するのが良いとまとめます。
値上がりしていく。超高性能な用途では高コストを払って一部で使う
約1年の時差で追いつく。中規模までの作業は各企業のローカルに移行
従量課金の緊張感と、子供の高額課金
コスト集約の恩恵にも触れます。サブスクの中で使えるうちは大手に集約された方がユーザーには短期的にありがたいと2人は話します。usutakuさんは、Claude CodeもAgent SDKやGitHub Actions周りで6月15日から一部従量課金になると補足します。
一方で従量課金には緊張感がつきまとうと、ハヤカワ五味さんは知人の失敗を紹介します。
(GoogleでGeminiのAPIを)間違えてループ処理かなんかしちゃって、3時間くらいで30万くらい溶けたみたいなのを、なんか「やべ、なんか今起きてる」みたいな感じで。
usutakuさんが「一千万請求が来たら入れる保険はないのか」と聞くと、ハヤカワ五味さんは「ない」と答えます。すでに計算資源を使ってしまっているためです。
ゲームの課金だったら別に何か燃えてないじゃないですか。でもさ、計算資源使ったやんみたいなとこあんじゃん。水出しっぱなしにしてましたみたいなのに近いじゃん。
話は子供の高額課金にも広がります。usutakuさんは、子供が300万円ほど使い、Apple Storeに問い合わせても返金されず支払ったという話をXで見たと紹介します。プリペイド式が主流だった時代を懐かしむ雑談で締めくくられます。
MISO TTS登場、ローカルで動かして分かったこと
次のトピックは、自然な読み上げに特化したモデル「MISO TTS」です。読み方は分からないものの、2人とも「味噌」と読んでいます。
usutakuさんは、これがオープンソースのTTS ── Text To Speech。テキストを音声に変換する読み上げ技術モデルだと説明します。8ビリオンとやや大きめで、まだAPIが公開されていないため、ローカル環境で動かす必要があったそうです。
AppleのM4 Maxチップ、120GBのRAMという環境で試したところ、結論から言うと日本語には対応していなかったと言います。
まず結論ですね、日本語対応してませんでした。どひゃーって感じでしたね。何やねん。
環境構築自体はClaude Codeがほぼ自動でこなし、必要なライブラリのダウンロードまでやってくれて楽だったとのこと。英語の読み上げはかなり自然だったと評価しています。
ハヤカワ五味さんも、知人に調整してもらった自分の音声合成モデルの精度が、本物と聞き分けられないほどになってきたと話します。
半年前か1年前くらいに一度作ってもらって、その時からわかんないなと思ってたけど、ちょっとガチでその、本当にわかんなくなってきてる。
一方で、音声のなりすまし事件は意外と聞かないと2人は話します。海外では社長の声を使った電話詐欺のニュースがあったものの、日本ではまだ多くないという認識です。
もし2人の声をAIで再現できたら、何を解説する?
音声クローンの話から、usutakuさんは架空のコーナー「ながらまるまる選手権」を持ち出します。2人の掛け合いをAIで再現できるようになった世界で、何を解説させたいかを語る内容です。
僕とゴミさんに何でもそのポッドキャストやらせられる時代が来るわけなんですけれども。何喋ったら面白いですかね?
候補として「ながらロボット」などが挙がる一方、ハヤカワ五味さんは「絶対にこれじゃないだろ」というものが面白いと言い、「ながら農業」「ながら社交ダンス」など、ながら聞きに向かないテーマを冗談で並べます。
真面目な結論として、音声の再現は簡単でも「それで何をやりたいか」が難しいという点に落ち着きます。ハヤカワ五味さんは、今さら解説するのが面倒な超基本的な用語を、片っ端から短い音声コンテンツにする案を提示します。
「LLMとは?」とか「トークンとは?」みたいなのを全部5分ずつくらいで音声化していくはありか。
usutakuさんも、そうした基本の解説にこそ需要があると同意し、検討する価値があるとまとめます。
音声合成のジレンマ、自然さと本人らしさは両立するか
3D生成、画像生成、音声生成は、たまに触ると進化がわかると2人は話します。とくにText to Speechは定点観測に向いているという流れです。
usutakuさんは、ElevenLabs ── 高品質な音声合成・音声クローンで知られるサービス。テキストや自分の声から自然な読み上げ音声を生成できるのAPIを例に、バージョンごとの違いを説明します。日本語で自分の声をクローンした場合、V2は本人に似るが不自然、V3は自然だが本人に似ないというジレンマがあると言います。
V3は限りなく人間に近い喋りなんだけど、僕の喋りじゃない。V2はめちゃくちゃ僕の喋りなんだけど、不自然なんですよ。
ハヤカワ五味さんも同じ感覚だと応じ、「どちらかを捨てなきゃいけない感じになる」と表現します。V2の再現度でV3の自然さになれば、見分けがつかなくなるだろうというのが2人の見立てです。
本人の喋りにはめちゃくちゃ似るが、発音が不自然
発音は限りなく人間に近く自然だが、本人の喋りには似ない
CTOがCHROに、メルカリの人事に見る「AIと組織」
ハヤカワ五味さんの雑談コーナーは、勤務先メルカリの人事の話題です。これまで上長だったCTOが、CHROになるという発表がSNSで話題になったと言います。
CTOは技術系のトップですが、CHRO ── Chief Human Resource Officer。人事や組織づくりの責任者を指す役職は人事や組織の責任者です。同時にCAIOも出ていたと補足します。
ハヤカワ五味さんは、これを激アツな展開だと評します。AI推進を進めると、最終的には技術ではなく組織の話になるためだと説明します。
組織の構成だったりとか、稟議の流れだったりとか、人の採用の話だったりとか、評価制度とか、人事の話が多すぎて、CTOがやるには結構限界があったと思うんですよ。
だからこそCTOをCHROにする判断は理にかなっている、とハヤカワ五味さんは受け止めています。usutakuさんも、AIが人件費との兼ね合いになる以上、その決裁権を持つ人にすべきだと同意します。
AIってただのテクノロジーじゃなくて、その人件費とかとの兼ね合いになるってことは、じゃあそっちの決裁権持ってる人間にすべきだよねっていうのは至極真っ当ですよ。
ハヤカワ五味さんは、これを人減らしの話ではないと強調します。1000人、2000人規模になると、どこに人を当ててどこにAIを当てるか、どこにリソースを配置するのかという話がかなりタイトになってくるという論点です。
usutakuさんは、人事の仕事にもテクノロジーの理解が求められる時代が来ていると指摘します。CTOが人事をやるほどの世界が来ているのは覚えておくとよい、とまとめています。
AIに取って代わられる、正しいYouTubeコメントたち
usutakuさんの雑談コーナーは、最近YouTubeに増えたコメントの話です。プロと組んで本格的にYouTubeへ取り組み始め、今さらと思っていたClaude単体の解説動画が意外と伸びたと言います。需要があると実感したそうです。
僕はやっぱ最先端行き過ぎてるが故に、それが当たり前だと思っちゃうじゃないですか、どうしても。
ここでusutakuさんは、届いたコメントをいくつか読み上げます。1つ目は、2年前の一日Vlogに来た「25歳の時にしかできないことはもっとした方がいい」というコメントです。
正しいですね。正しくないかで言ったら正しい。
ただマウントを取られたようで不愉快だったと言い、コメント主のチャンネルを調べたところ、動画0本、登録者5人だったと明かします。
ハヤカワ五味さんは、遊ぶことと、やるべきことをやることは両立すると受け止めつつ、自身も30日連続でショート動画投稿をしていると話します。
私、インフルエンサーとしてもある程度立場あって、正社員で働きながら本書きながらやってますから。やれ。
usutakuさんは、起業家アレックス・ホルモジ ── 起業家・投資家として知られる人物。SNSでの大量投稿を推奨する発信で言及されているが全媒体で週250本ほど投稿しているという話も紹介し、まず量で質を凌駕する戦略はありだと語ります。
コメントに刺さってしまうのは、本当はもっと遊びたい気持ちがあるからではないかとハヤカワ五味さんは指摘します。usutakuさんは、25歳から27歳の今はAIをやらないといけないと答えつつ、本当はデートやアクティビティもしたいと本音をこぼします。
なんとかしないといけないという思い込み、これスキーマと言いますので。しないといけないことなんてないからね。
2つ目のコメントは「今あなたが解説することで人は必要ない、あなた自身もAIに取って代わられる、気をつけなよ」というものです。usutakuさんは、これも正しいと認めます。
YouTubeに来るコメント、正しいんですよね。ちょっとイラっとするんだけど、イラっとするということは正しい。
むしろ的外れな誹謗中傷より、正しいコメントの方が効くと言います。「寝る前のラジオとして聞いてます」というコメントに、寝落ちされる悔しさで腹が立つという反応も披露しています。
番組の締めくくりとして、ハッシュタグ「ながらAI」は唯一気を抜いて見られる憩いの場だとusutakuさんは話し、ここでは優しいコメントを待っていると呼びかけます。来週はAppleの大きなイベントを扱う可能性があると予告して終わります。
まとめ
今回のながらAIは、Codex Sitesの登場から独自モデル、大型上場、メルカリの人事戦略まで、AIの現在地を雑談まじりに幅広く追う回でした。技術そのものよりも、コストや組織、そして人の使い方に論点が移っている点が繰り返し語られました。
- Codex Sitesは、OpenAI系で初めてサイトを実際に公開できる機能。LovableやBoltの代替に近い
- AIのトークンコストは、大手は値上がり、オープンソースは約1年遅れで追いつくと予想。まずは一度使い切ってみる姿勢が推奨された
- MISO TTSは日本語未対応だったが、英語の読み上げは自然。音声合成は本人らしさと自然さの両立が課題
- メルカリでCTOがCHROになる人事は、AI推進が組織・人事の話になることを示す象徴的な動き
- SNSはまず量で質を凌駕する戦略が有効。usutakuは正しいYouTubeコメントほど「効く」と語った





