少女漫画ライターがなぜ初回ゲストに?
番組の初回ゲストは、Sense of…のライターで、少女漫画ライターとしても活動する逆盥水尾さんです。逆盥さんは昭和の少女漫画が大好きで、漫画紹介の記事を中心に、漫画関係のライティングを手がけるフリーライターです。
昭和の少女漫画がすごい好きで、基本的に漫画を読んでる人なんですけれども。
今回のテーマは「スキンヘッドの話」です。逆盥さんはSense of…にスキンヘッドについての記事を2本寄せています。
1本目は2024年に書かれた、スキンヘッドを1年半続けて思うことをつづった記事です。2本目はこの夏の7月に届いた、4年間続けたスキンヘッドをやめて髪を伸ばし始めた理由とその後を書いた記事でした。
伏見さんは、4年続けたことをやめた経緯に加え、そもそもなぜスキンヘッドにしたのかなど興味深いエピソードが多そうだとして、初回のゲストに招いたと話します。
まさか初回とはっていう感じ。
スキンヘッドにした理由は「ただやってみたかった」
スキンヘッドにした理由は、誰もが最初に気になるところです。逆盥さんの記事では「ただやってみたかったから」と書かれており、イトウさんは本当にそれだけなのかを改めて尋ねます。
本当に単純にやってみたかったんです。
伏見さんが「頭の形がきれいでないとできない」と話すと、逆盥さんも同意します。イトウさんは、頭の形はやってみないとわからないものだが、やってみたら思いのほかハマったのでは、と続けました。
思ったより良かったみたいな。
ただし、逆盥さんのスキンヘッドは思いつきの衝動ではありませんでした。やってみたいと思ったのは実行の半年ほど前で、当時のバイト先から「スキンヘッドはやめてくれ」と言われていたため、そのバイトを辞めるタイミングで実行したといいます。
その時やってたバイトの関係で、スキンヘッドはやめてくれって言われたので。
さらに逆盥さんは、剃る前に周囲へ「やります」と知らせていました。前日まで髪があった人がいきなり坊主になると、待ち合わせで本人だと気づいてもらえないかもしれない、という理由です。
いっぱいいっぱいにハゲてますが、わかってくださいみたいな。お知らせをし。
逆盥さんがスキンヘッドにするまでの流れは、次のように着々としたものでした。
やってみたくなる
実行の半年ほど前に思い立つ
バイトを辞める
スキンヘッドNGだった職場を離れるタイミングを待つ
周囲に知らせる
会ったときに驚かれないよう事前に宣言する
スキンヘッドにする
思ったより良かったと感じる
スキンヘッド前は腰まであるピンクのウルフカット
スキンヘッドにする前から髪型で遊ぶタイプだったのか、とイトウさんが尋ねます。逆盥さんの答えは、ずっとウルフカットで、襟足は腰ぐらいまであったというものでした。
襟足と前髪ピンクだったんですよ。
逆盥さんのピンクの髪も、最初から色を入れていたわけではありません。保守的な職場だったため、前髪だけ、襟足だけと、少しずつ色を入れていったそうです。
でもやっぱり保守的な感じの職場だったので、じわじわ攻めていこうと思って。
技術の要りそうなウルフカットも、担当していたのは地元の普通の美容室でした。「こんな感じで」とリクエストして、いい感じに仕上げてもらっていたといいます。
「伸ばしなよ」と「なんで伸ばしたの」、周囲の声は?
スキンヘッドにしたあとの周囲の反応について、逆盥さんは身近な人からはたいてい「似合うね」と言われたと振り返ります。一方で、初対面の年配男性には凝り固まった価値観を持つ人が多かったといいます。
すごかったですね。なんか早く伸ばしなよとか伸ばした方がいい、絶対いいよみたいな。
好きにさせてくれみたいな。
伏見さんは、本人が楽しんで良いと思っている姿に否定の言葉しか出てこない人のほうが、むしろかわいそうに思えてくると話します。逆盥さん自身は、嫌な思いも「結構あります」と認めています。
そうした言葉への対応を聞かれると、逆盥さんは言われるだけなら適当に流していたと答えます。真面目に返しても疲れるから、というのが理由です。
真面目に返事しても疲れるので。
面白いのは、髪を伸ばし始めてからは逆の声が届いたことです。スキンヘッド好きの男性や、自分もスキンヘッドや薄毛の男性からは、謎の親近感からか「なんで伸ばしちゃったの」と言われたそうです。
逆盥さんの髪型に対して寄せられた声は、剃ったときと伸ばしたときで正反対でした。
初対面の年配男性から「早く伸ばしなよ」「伸ばしたほうが絶対いい」
スキンヘッドや薄毛の男性から「なんで伸ばしちゃったの」
髪がないと、何を着てもなんとかなる
スキンヘッドにして気持ちの変化はあったのか、と伏見さんが尋ねます。逆盥さんは、人に言われて変わったことは特にないとしつつ、最初は生活習慣の変化に戸惑ったと話します。
しばらくはやっぱり生活習慣というか、なんか、シャンプーいらないんだったとか。
伏見さんが興味を持ったのは、ファッションや見た目の話でした。逆盥さんは、スキンヘッドの見た目そのものには「こんなもんか」という感想だった一方で、髪がないほうが自由に遊べると話します。
なんかこう、なんだろうな、割と何着てもなんとかなるみたいな。
逆盥さんによると、頭に人の注目が集まるので、和装でも洋服でも服装に何か言われることは少なく、むしろ「似合うね」となりがちだそうです。
それ自体(スキンヘッド)のインパクトによって他をカモフラージュしてくれる。
スキンヘッド時代の逆盥さんは、メイクもすっぴんから濃いメイクまで幅広く楽しめたといいます。記事に載っている着物姿の写真は呉服屋さんの宣伝で撮ったもので、白いドレスの写真は遊びで撮ったものです。
唇がその赤かろうが青かろうが黒かろうがイケるみたいな。
帽子が年中手放せない、夏こそ過酷な頭皮事情
スキンヘッドの逆盥さんにとって、帽子は必需品でした。理由は冬の寒さだけでなく、夏の直射日光です。
本当にもう夏は直射日光が突き刺さるので。
イトウさんは、冬が寒いのは想像できても、夏が暑いのは意外だったと話します。逆盥さんも多くの人に「夏は快適でしょ」と言われたそうですが、スキンヘッドの男性仲間とは「暑いよね」と語り合っていたといいます。
夏のスキンヘッドは、汗も大変です。髪という止まる場所がないため、頭の汗が眉毛まで流れてきて、眉毛も剃っている人だと目に入るといいます。頭皮の日焼けで皮が剥ける人もいるそうです。
なんか眉毛も多分剃ってる人だと目まで入る。
スキンヘッドにする前の逆盥さんは、山登りや寒すぎるときなど必要な場面以外はほとんど帽子をかぶらなかったそうです。それがスキンヘッド時代には年中かぶるようになりました。
逆盥さんの一番のお気に入りは、記事の写真にもある尻尾つきの帽子です。ほかに、旧ソ連の山岳兵の帽子をデッドストックで手に入れましたが、戦争が始まったため普段使いは控えているといいます。
ちょっと普段使いはできないなと思って、今お蔵入りになってて。
その旧ソ連の帽子は、最初に高円寺の古着屋で見つけたものの売れてしまい、わざわざ渋谷のミリタリーショップまで行って買ったものだそうです。また逆盥さんは、スキンヘッドだと帽子が滑るので、頭にフィットする帽子や紐付きの帽子が良く、バケットハットは飛びやすいと話します。
スキンヘッドで自己肯定感が底上げされた?
伏見さんは、髪がなくなったことで自分の他のパーツを好きになる感覚はなかったかと尋ねます。逆盥さんの答えは、特定のパーツではなく、自分全体への自己肯定感が上がったというものでした。
それまではそのなんかやっぱ目の形がとか、鼻の形がみたいなところにこう、やっぱ私も囚われがちだったところもあるんですけど。
逆盥さんは、この感覚が髪を伸ばし始めた今も続いていると話します。思春期からのコンプレックスが残っていたものが「浄化された」という表現でした。
基本的に思春期からのコンプレックスが残っていたのが浄化されたみたいな。
伏見さんは、否定する人がいる一方で「素敵だね」と認めてくれる人がいたことも、自己肯定感を持ち上げたのではないかと推測し、逆盥さんもそうした部分は結構あったと答えています。
目の形や鼻の形など、顔のパーツに囚われがちだった
そんなことは些細だと感じ、ありのままでいいと思えるようになった
逆盥さんは、スキンヘッドを一度やってみたいけれどできていない人も多いと話し、「やればいいのに」と背中を押しています。
思い切りの良さの正体は「先に周りに言う」
イトウさんは、逆盥さんを「やると決めたら迷わずパッとやるタイプ」だと思っていたと話し、その思い切りの良さをどう身につけたのかを尋ねます。逆盥さんの答えは意外なものでした。
気持ちが高まった時に、とりあえず周りに言っちゃう。やりますみたいな。
そうすると退路がなくなるので、やるしかなくなるので。
逆盥さんによると、「やりたいな」だけでは先延ばしにしてしまうこともあります。けれど誰かに言っておけば、「言っちゃったしな」と今やる気になるといいます。
逆盥さんが実践している、やりたいことを実行に移す流れは次のとおりです。
やりたいと思う
気持ちが高まったタイミングを逃さない
周りに言う
「やります」と宣言してしまう
退路がなくなる
「言っちゃったしな」という状態になる
実行する
やらねばという気持ちがやる気に変わる
宣言した時点で反対されても、逆盥さんは関係ないと言い切ります。そもそも反対しそうな人には言わない、というのも逆盥さんのやり方です。イトウさんは、相談ではなく「やります」と言い切るから応援が返ってくるのだと受け止めました。
背中を押してくれる家族と友人の存在
逆盥さんが宣言できる相手に恵まれている背景には、自由にしなさいというタイプの親の存在があります。2本目の記事のメインビジュアルであるグリーンヘアのショートカットの写真も、父親が家の庭で撮ったものです。
親と友人に支えられみたいな。
逆盥さんの友人も、何でもやったらいいというタイプが多いそうです。伏見さんは、意見を押し付けてくる人の声は聞こえないふりをし、聞きたい声に耳を傾けることも大切だと話します。
伏見さんは、相談先を自分で選ぶことも、やりたいことを進めるための1つのステップかもしれないとまとめます。
イトウさんは、逆盥さんをとんでもない行動力の持ち主だと思っていたものの、自分を追い込む工夫をしていると知って勉強になったと話します。伏見さんは、一般には良い意味で使われない「言いふらす」も、自分を追い込むためなら良い使い方だと笑いました。
木の棒で火起こし、ロココ調ドレス、これからやりたいこと
これからやりたいことを聞かれた逆盥さんは、軸は漫画だと答えます。読みたい漫画も、まとめたいことも、イベントもあり、最終的には少女漫画がメインのブックカフェを開業したいといいます。
最終的にはちょっと少女漫画がメインのブックカフェを開業したいなみたいなのはあるんですけど。
漫画以外で逆盥さんが挙げたのは、YouTubeで見た木の棒をこすり合わせる火起こしです。子どもの頃に挑戦して諦めた記憶があるといいます。
なんか同じ一点のところにすごい長い時間やらなきゃいけないから大変なんですけど。
火起こしの時期について、逆盥さんは暑い時期は避けて秋や冬にやりたいと話し、伏見さんとイトウさんはぜひ記事にしてほしいとリクエストしました。
もう1つ逆盥さんがやりたいのは、裾を引きずるようなロココ調のドレスです。マリー・アントワネットの時代のような、スキンヘッドでは似合わない髪を盛ったスタイルを一度試してみたいそうです。
そんな感じでゴテゴテモリモリみたいな。
逆盥さんの髪は今、一番長いところで首を超え、前髪は眉毛が隠れるほど伸びているといいます。
髪質は変わる?そして少女漫画と喫茶店のZINE
イトウさんは、剃り続けたあと伸ばしてみて髪質は変わったかを尋ねます。カミソリで剃ると毛穴の形が変わり、髪の癖が変わると聞いていたものの、逆盥さんの実感では今のところ大きな変化はないそうです。
なんか髪質変わるって聞いてたんですけど、意外と別に変わってない気がするんですよね。
女性のスキンヘッド仲間については、少し話したことはあるものの、友達になるほど仲良くなった人はいなかったといいます。そもそも女性のスキンヘッドはあまりいない、というのが逆盥さんの実感です。
最近の活動として、逆盥さんは「少女漫画と喫茶店」というZINEを制作し、書店に置いてもらっています。少女漫画に描かれた姿から、喫茶店の文化や歴史をたどる内容です。
なんか意外とその喫茶店の歴史みたいな本もなくて。
ZINEの情報は逆盥さんのXで確認できるとのことで、番組の概要欄でもアカウントを紹介すると伝えて、この回は締めくくられました。
まとめ
逆盥水尾さんのスキンヘッド生活は、「やってみたかった」という素直な動機から始まりながら、周到な準備と周囲への宣言に支えられていました。夏の暑さや帽子選びといったリアルな苦労がある一方で、ファッションの自由さや自己肯定感の底上げという大きな変化ももたらしています。
- スキンヘッドにした理由は「単純にやってみたかった」からで、実行は半年ほど前から準備されていた
- 髪がないと頭に注目が集まるため、服もメイクも自由に楽しめた一方、夏は直射日光や汗が過酷で帽子が必需品だった
- 顔のパーツへのこだわりが些細なことに思え、思春期からのコンプレックスが浄化されたと感じている
- やりたいことは先に周りへ宣言し、退路をなくして実行する。反対しそうな人には言わない
- 今後は少女漫画のブックカフェ開業や、木の棒での火起こし、ロココ調ドレスにも挑戦したいと話している






