出展できなかったゲームマーケットで、何を見ていたのか?
Manaさんは、ゲームマーケット2026秋に出展できませんでした。行きたかったという気持ちを抱えながら、出展者たちがXに投稿する設営済みブースの写真を眺めていたといいます。
その写真を見比べるうちに、今後のブースレイアウトの参考になる気づきがあったそうです。ポイントは、ブースの後ろに掲げる「横断幕」でした。
(ゲームマーケットに)私は出展できなかったというお話は、これまでの配信でも何度かさせていただいてるんですけども、まあやきもきするわけなんですよ。
Manaさんによれば、ブースレイアウトにこだわるサークルは確実に増えています。商品を平置きにせず棚で目線の高さに置く、ポスターやタペストリー、POPを掲げるといった工夫は、以前から語られてきた基本です。
横断幕とはどんなもので、なぜ使ってこなかったのか
Manaさんの言う横断幕とは、ブースの後ろに自分の使えるスペースいっぱいの布を掲げるものです。ポスターとは違い、テーブルクロスの大きい版のようなイメージだといいます。
横断幕に載せる内容は、サークルのロゴやサークル名が多く、予算のあるサークルは新作を大きく印刷していることもあるそうです。
Manaさん自身は、これまでのゲームマーケットで横断幕を使っていませんでした。理由はまずコストが高いこと、そして目の前で人が接客していれば後ろのロゴはほとんど見えないだろうと考えていたことです。
代わりに前回のゲームマーケットでは、Xでも使っている星のマークを大きめに印刷して額縁に入れ、ポスター用の柱のいちばん上に吊るしました。隠れ家の料亭の看板のようなイメージだったそうです。
作品を見てパッと上の方を見るっていうような動きがちゃんとあったので、あ、ロゴは認知されてるんだなっていうか、見られているんだなっていうところもありました。
星マークを見て「見たことある」と話す来場者もいたため、Manaさんはこの方法を成功と捉えていました。サークルを認知してもらう目的なら、安いコストでこれで十分だと考えていたのです。
横断幕の本当の効果は「認知」ではなかった
今回あらためて多くのブース写真を見たManaさんは、懸念していた通り、横断幕のロゴは店員が前に立てば見えないことを確認しました。遠目からの認知に効くという話も、見えない以上そこまでではないと感じたそうです。
では、横断幕のあるブースと無いブースで何が違うのか。Manaさんが気づいたのは、ブースへの没入感や集中力の差でした。
横断幕が無いブースでは、視線が後ろへ抜けてしまいます。後ろのブースの人の後ろ姿、ポスターの裏面、さらに奥の会場全体までが目に入るといいます。
せっかく自分のブースのレイアウトをきっちりかっこよく世界観を全面に作ったとしてもですね、その後ろのブースの人の後ろ姿であったりだとか、
写真では後ろをピンボケさせてうまく撮っている人もいますが、実際の会場を歩けば視線は後ろへ抜けてしまいます。Manaさんは、これが世界観へのノイズになり、ブースへの集中を欠く要素になると指摘します。
視線が後ろに抜け、他ブースの後ろ姿やポスターの裏面、会場全体が目に入る。作品が背景の景色に混ざる
後ろのノイズが消え、目の前に来た人がそのサークルと作品に完全に集中できる
そのためManaさんは、ロゴが入っていなくても、後ろに横断幕があるだけでかなり違いそうだと考えています。
無地の黒い幕でもブースは「一つのお店」になる
Manaさんのブースは、棚やテーブルクロスを黒で統一しています。そのため、印刷の無い黒い幕を後ろに掲げるだけでも、ブース全体が黒く沈んで見え、かえって目立つのではないかと考えています。
多くのサークルはポスターやタペストリーを掲げていても、見える位置に宣伝として大きく出すか、背景の一部にあるだけです。一方で背景全面に幕を掲げているブースは、ちゃんと一つのお店になっていたといいます。
ただ、その横断幕があるだけで、そこがその人の完全なる空間になっておりました。
Manaさんは、お祭りのフリーマーケットのようなブースが多い中で、この違いは、立ち止まった人にインストや説明をしたときの購買率にも影響するのではないかと見ています。
ボドゲだらけの会場は視線の奪い合い
ゲームマーケットには多くの出展者と商品が並び、どこを見てもボドゲとポスターと宣伝ばかりです。Manaさんは、その中での勝負を「視線の奪い合い」だと表現します。
視線を集める
目の前を通った人の視線を、まず自分のブースに向けてもらう
視線を奪われない
集めた視線を、背景のノイズや他のブースに逃がさない
興味を持ってもらう
作品を見てもらえて、はじめて興味を持ってもらえる
で、集めたら他に奪われないっていうようなものも必要なのかなと思います。
さらに、横断幕を使うサークルはまだ少ないため、掲げるだけでブースとして目立つ効果もありそうだといいます。お金をかけられることや、イベントへの向き合い方が遠目にも伝わり、「本格的だな、しっかりやってるな」という印象を与えるそうです。
次回は横断幕を用意し、視線の変化を比べたい
多くのブースを見比べた結果、Manaさんは次回のゲームマーケットで横断幕を用意したいと考えています。実際にどれくらい効果があったかも測りたいそうです。
Manaさんによれば、出展者は通りがかる人の目線の動きをかなり把握しています。チラシを渡すタイミングや声をかけるタイミングを計るために、集中して見ているからです。
出展してる側って結構通りがかってる人の動き、すごく集中して見てるんですね。なので、あ、どこ見た?こっち見た?みたいな、そういったこと結構把握してるんですよ。
そこでManaさんは、これまでの視線の動きや立ち止まり方、興味の持ち方と、横断幕を掲げたときの様子を自分の中で比べてみたいと話しています。
横断幕のコストをどう回収するか
一方で、横断幕は印刷しなくても布のサイズが大きいため、それなりに高価です。Manaさんは、一回使って終わりでは厳しいと考えています。
以前の配信でも、作品ごとやイベントごとに一回きりで使う什器はコストを回収しにくいという話をしていたそうです。Manaさんは商品ごとにアクリルパネルのPOPを用意しており、イベントに出るほどコストが償却されていきます。
商品ごとに作り、何回イベントに出ても使い続けられるので、出るほどコストが償却される
商品ごとに作ると作り替えが必要になるため、長く使えるものを1枚作る方針
これから見積もりを取りつつ、サークルのロゴを印刷するかどうかを検討するそうです。最悪、黒い暗幕がかかっているだけでも及第点だと考えています。
サークル名「バーストオブマナ」とラドルゲームズの悩み
話のついでとして、Manaさんはサークル名の悩みも明かしました。ゲームマーケットでのサークル名「バーストオブマナ」は、最初に出した作品名をそのまま付けたものです。
作品が増えるにつれ、サークル名がバーストオブマナのままでよいのか迷うようになりました。周囲から「マナさん」と呼ばれることが多かったため、作者名はマナに決め、アカウント名もマナに絞っています。
さらにManaさんは、出版社名のようなレーベル名として「ラドルゲームズ」で活動しています。箱の裏やホームページもラドルゲームズで、ゲームマーケットのサークル名だけがバーストオブマナのままです。
ゲームマーケットのサークル名変えるか変えないかをもう延々と悩んでいるわけなんですよ。
いまだにXで「バーストオブマナさん」と呼ばれることもあり、せっかく浸透した名前を手放すかで迷っているそうです。そのため、横断幕にどのロゴを印刷するかも決めきれていません。
ラドルゲームズのロゴは作ってあり、当初は専用のXアカウントを運用する案もありました。しかし、個人アカウント1つでも手いっぱいで、興味関心がアカウントで分散するのも懸念だといいます。
ロゴなしの暗幕と星マークというブースの現在
こうした事情もあり、Manaさんのテーブルクロスには何も印刷していません。使っているのは、体育館にあるような暗幕です。
普通のテーブルクロスはペラッと薄く見えるのが嫌だったそうです。暗幕は厚みがあり、光を吸収して反射しないため、沈んで見えるところが気に入っているといいます。
ロゴが無いぶん、何のサークルかわかりにくい可能性もあるため、ずっと使い続けている星マークのアイコンだけは高く掲げてきました。
今後の案としては、暗幕をもう1枚買って背景にし、これまで通り星マークを高く掲げる形も考えています。それでも、サークルのロゴを全面に印刷したブースには憧れがあるそうです。
ただやっぱりサークルのロゴを全面に印刷してるところはかっこいいですよね。ちょっと憧れるんですよ。
Manaさんは、方針を決めたら配信で報告し、実際にゲームマーケットで変えてみた結果のレポートも発信したいと話して、この回を締めくくりました。
まとめ
ゲームマーケットのブース写真を見比べたManaさんは、横断幕の価値はロゴの認知よりも、視線を後ろに逃がさずブースを一つの空間にすることにあると気づきました。次回は横断幕を用意して効果を確かめるつもりですが、コストやサークル名の扱いには悩みが残っています。
- 横断幕のロゴは、店員が前に立つと見えにくく、認知の効果は限定的だと感じた
- 横断幕が無いと視線が後ろに抜け、他ブースや会場がノイズになって集中が削がれる
- 背景全面に幕があるだけで、ブースが「その人の完全なる空間」になり、本格的な印象も与える
- コストを回収するため、商品ごとではなく長く使える1枚を作る方針で、無地の黒い暗幕も選択肢
- サークル名をバーストオブマナのままにするかラドルゲームズにするかで、印刷するロゴも決めかねている



