3年前の「BCGに落ちた」縁から社外取締役まで
杉田さんと佐俣さんの出会いは3年ほど前。BCGから独立したLeapLeaper(現体制)の福島さんからの紹介で、飲みの席を持ったのが始まりでした。
その場で佐俣さんが打ち明けたのは、ANRIを立ち上げた後にBCGを本気で受けて筆記で落ちたという話でした。
しかもこれ就活、新卒とかでなく、ANRIを作った後に真剣に受けて、真剣に落ちたっていう話で
その縁がつながり、杉田さんが早稲田のビジネススクールで持つ授業を通じて、NOT A HOTELの濵渦さんへのインタビューが実現します。学生がケーススタディに選んだ企業のCEOに、杉田さん自身が会いに行く形でした。
むちゃくちゃ面白そうだったので、そのチームに「じゃあ俺がこの面白そうなCEOとのアポ取ってくるので、一緒に僕もインタビューに連れて行くことを条件にアポ取ってきてやるよ」っていうことを言って
この授業をきっかけにNOT A HOTELへの関心が深まり、1年以上を経て杉田さんは社外取締役に就任。さらにLuupの社外取締役も務めることになりました。
大企業で本気で変わる人は「1割」だけ
佐俣さんが不思議に思っていたのは、日本経済のカウンターパートとして大企業と向き合ってきた杉田さんが、なぜここまでスタートアップに踏み込むのかという点でした。
杉田さんの答えははっきりしていました。
変わる意志があり、変わることで面白いポジションや社会的価値を生み出せる可能性のある企業にだけ、自然と寄っていくのだといいます。その代表例として名前を挙げたのがリクルートでした。
ただし、本気で変革をやり遂げられる企業はごくわずかだと杉田さんは言います。
もうちょっと変革の意欲はあるかもしれませんけど、本気でそれをやり遂げて変わっていけるって、そこまでいくとやっぱり1割ぐらいになっちゃう
その差を分けるのはインセンティブではなく、自分の会社のアセットや人を使って世の中に大きな付加価値を出そうという意欲の大きさだと語られました。
リーダーシップの真髄は「人に火をつける」こと
この番組のテーマでもある「火をつける」という言葉について、杉田さんはコンサルタントの仕事そのものだと表現します。
我々の仕事って人に火つけに行くようなもので、火がつく人とつかない人がいるんですよ
第一印象で火がつかなそうに見えた人でも、深く突っ込んで話すうちに火がつくことがあるといいます。逆に、どうやっても火がつかない人はダメなのだと。
では、火がつく人とつかない人の分水嶺はどこにあるのか。杉田さんが挙げたのは「欲」と「徳」のバランスでした。
人に対して何か貢献したいという部分と、自分自身が何かやったぞという勲章を残していきたいという、その欲と徳のバランスがやっぱり高い人のような気がします
佐俣さんは、ANRIの顧問でJTの代表取締役だった新貝さんの例を挙げます。国営企業だった会社を「自分が変えないとダメだ」と30歳頃に覚悟を決め、グローバル企業へと変革させた人物です。
ここにあって、こんな機会があるのに、これを自分たちがやらずしてどうすんだっていう、そういう感覚がメラメラと湧き上がってくるタイプの人
パートナークラスの仕事とは、そうした使命感に火をつけ、長期の変革を一緒に成し遂げるパートナーになることだと語られました。
火をつける相手を探し、突き上げるカルチャーを待つ
火をつける仕事には、もう一つの側面があります。それは、変わる意志を持つ人がその組織の中にいるかを「探す」ことです。
そして、その人についてきて一緒に動ける、意欲と能力のある人材が一定数いるかどうかも見極めます。
この会社って、その人が本気になったとして、変わるだけのポテンシャルがあるのか。多くの場合はやっぱり人ですよね
火をつけるべき相手は経営層だけとは限りません。リクルートの2000年頃のように、下の世代のほうが異様に強く、上を突き上げていく組織もあると佐俣さんは振り返ります。
佐俣さんは、気に食わない課長を飛び越えて部長や執行役員に話せるリクルートのカルチャーや、週刊少年ジャンプ編集部の「上がダメなら、より上を倒せばいい」という話を例に、突き上げ上等の風土を語りました。
杉田さんも、現代においては若い世代の知恵や見ている世界を土台にしなければ将来像を描けないと同意します。
60過ぎてるような社長が「これからの時代はこうなので、この会社こう変わるぞ」ってトップダウンで引っ張っていく、その人の描く将来なんて乗りたくないですよね
CEOを選挙で選ぶBCGの投票システム
BCGもまた、若い世代の視点を重視する組織だと杉田さんは言います。その象徴が、CEOを選挙で選ぶ仕組みでした。
BCGってそういう組織になってるかっていうと、CEOが選挙で選ばれるんですよ。本当に選挙なんですよ
投票権を持つのはパートナーグループ。BCGには持株会社があり、パートナーは一人一株を保有します。パートナーになると株を得て、辞めれば返す。その一株が一票になる仕組みです。
コンサルティング会社はアップオアアウトのピラミッド構造で成長するため、経験の浅い若いパートナーのほうが数が多くなります。
20年経っても大して数が残ってないパートナーではなくて、なって数年のパートナーの支持を得られない限りは絶対CEOになれないんですよ
この構造ゆえに、CEOになるには若手パートナーの支持が不可欠になります。彼らはテクノロジーや新しいイノベーションといった長期目線のビューを持つため、BCGはDXやAI、サステナビリティといった領域に早くから投資できたのだといいます。
一人一株・一票
パートナーになると株を得て一票を持つ
若手パートナーが多数
ピラミッド構造で経験の浅い層が多い
若手の支持がないとCEOになれない
長期目線のビューを持つ層の支持が鍵
長期領域への早期投資
DX・AI・サステナビリティに人材を育成
この仕組みの原点は創業者にありました。創業者のブルース・ヘンダーソンさんが引退時に、当時のパートナー十数名に一株ずつ渡し、自らは対価を取らずにパートナーグループへ意思決定を託したことから始まったといいます。
杉田さんは、社員や役員の支持が本当にあるなかで運営できているCEOかどうかを問う、この疑似的な仕組みを他の企業も作ってみると面白いのではないかと話しました。
優秀なプレイヤーと経営者は両立できるのか
佐俣さんが強い関心を寄せたのは、優秀なコンサルタントとファーム経営がうまい人は両立するのか、という問いでした。杉田さん自身、プレイヤー・GP・経営者・オーナーの4つの役割を兼務し、最も優れているのは経営だと考えているといいます。
これはですね、両立させ続けないとどうしようもない仕組みなんですよ
理由は、パートナーへの昇進が「腕の良さ」で決まるからです。顧客とともに長期にわたって将来を作り、チームを育みながら顧客の価値を高める。その腕がある人だけが上がってくるため、腕がない人が上がっても支持されない構造になっています。
さらに佐俣さんは、VCもまた職人集団であり、できる職人の言うことしか聞かないという点でコンサルに近いと語ります。
全員大工なんで、やっぱ腕が悪いと殴っちゃうみたいな話で、組織が大きくなると職人以外のファンクションも必要になってくる
職人が経営をしているために大きくなれず、組織拡大とともに整合性が取れなくなって詰まるファームが多い。それをBCGはどう乗り越えてきたのか、というのが佐俣さんの中心的な問いでした。
変数だらけの仕事を、仕組みで支える
杉田さんは、コンサルティングの価値の出し方が2種類に分かれると整理します。同じ形のものをカスタマイズして差し込めるモデルなら、経営と実務を分離しやすいといいます。
一方でBCGの仕事は、顧客の歴史や社員の価値観、業界の課題、その企業のポジションなど、変数が膨大にあります。
そのむちゃくちゃある変数の中で、次に作りに行く世界はどういう世界で、どこに入りに行くのかを経営層と共に議論して、多くの社員をモチベートしてそっちに動かしていく
この難しさを支えるのが、コンサルタント以外のバックオフィスの高いレベルでのオペレーションと、腕は良くてもマネジメント能力が高くない人を経営に入れない仕組みでした。
杉田さん自身が2006年から13年まで務めたBCGジャパンのトップも、選び方に特徴があります。グローバルの上位者が来て、パートナー全員にインタビューを行うのです。
次のオフィスのリーダーは誰が良いだろうか。で、やっぱり支持が集まらない人間は絶対リーダーにしないです
自分たちをどう生かしてくれるか、組織のことを考える人か、私利私欲にまみれていないか。そうした点を全員から見極めていくのだといいます。
VCが超えるべき「職人から経営者」への壁
佐俣さんにとって、これはVC業界の核心的な課題でした。黎明期のVCが持続するには、職人集団が制度に支えられた組織へと進化する必要があるのに、それがなかなか進まないのだといいます。
その理由は、トップキャピタリストが経営者へと役割を変化させるトランジションがうまくいかないことにあると佐俣さんは指摘します。
佐俣さんは、DeNAが持つプロ野球球団を例えに使ってこの違いを説明します。
選手と球団経営って違うじゃないですか。それなのに一番速い球を投げたやつが社長になる、でいいのか
この掛け替えを上手にやってきた先輩として、佐俣さんはJAFCOとグロービス系のファームを挙げ、組織課題を仕組みで解決する道と、創業者がトランジションを主導する道の両方があると語りました。
杉田さんは、こうした課題を重要だと認識してきたからこそ、BCGは重要なことを仕組み化してきたと応じます。それはインセンティブや評価だけでなく、人の育成と能力の評価だといいます。
我々って、入ったばっかりのコンサルタントもそうですし、パートナーになっても、CEOでさえもメンターがいるんですよ
育成に業務時間の10〜20%を投じる
BCGでは、メンター(キャリアアドバイザー)が全員につきます。上位の役割に上がるために必要な能力や、本人が悩んでいる課題を補正していく役割です。
パートナーになっても、年に一度、一緒に働いた部下や同僚からのフィードバックが評価に組み込まれます。表面上パフォームしているように見えても、部下を育てる気がゼロだといった実態が浮かび上がってくるといいます。
そこで問われるのは、本人がそれを見てどう自省するかでした。
その自省がどこまでいってもできない人間は、やっぱりそのマネジメントという役割は絶対にないです
杉田さんは、組織が大きくなると、もともと持っていた能力でマネージできる限界が必ず来ると言います。そこで新しい人を迎え入れ、次のステージに必要な知見を得られるかを見立てられる経営者ほど伸びるのだと。
こんなどんどん辞めていく環境で、自分だけで稼ぐって言ってやっても、これ持たん、みたいなことになってから手を打ったって手遅れじゃないですか
佐俣さん自身も、途中で「自分だけやっていても意味がない」と切り替え、集めてきた資金の枠を若いメンバーに渡し続けてきたといいます。人が入った組織として10年目にして、やっと育ってきたキャピタリストが出てくるワンサイクルを実感していると語りました。
この育成にかける時間は膨大です。
人の育成というところに関しての時間って、ワンオンワンのミーティングも含めて10パーか20パーぐらい使ってますよ
各人の強みと改善点、次の一年でどこを伸ばすべきか、そのためにどんな機会を提供するかを資料にまとめ、全体で議論する。杉田さんは「人が全てです。人以外に資源はないですから」と語りました。
若手キャリア本を書いた理由
杉田さんはこれまで経営層向けの本を多く書いてきましたが、今回は初めて若手向けの仕事論を書いたといいます。背景には、スタートアップの若い経営者や、早稲田ビジネススクールの学生たちとの日々のやり取りがありました。
早稲田のビジネススクールは受験に一定の実務経験が必要で、20代後半から30代が中心。倍率も高く、多くが自己投資で通っているといいます。
自分のこれからのキャリアとか、生き方とか、何を大切にしながら成長していったらいいのかに本気で向き合わないとまずいことになる、という感覚の人間がすごく多い
この本は、講談社の編集者から「コンサルの正体」というタイトルで持ちかけられたのが出発点でした。話すうちに、人がどう自分のキャリアを伸ばし、日頃どう仕事に構え、どう学ぶかという本質へと着地したといいます。
杉田さんは「自分から書きたいと思って書いてきたが、持ちかけで書いたのは初めて」と話しました。
AI時代に価値を増す「問いを立てる力」と「疑う力」
話題はAI時代の働き方に移ります。佐俣さんは、本を読むのは苦手だったが、ChatGPTの文章を読むうちにテキストを読む量が増えたと語ります。
杉田さんは、AIから得られるものは受け手の知見やフレームワークの有無で大きく変わると指摘します。マーケティングの4PやSTPを理解しているかどうかで、AIの返答の理解が変わる例を挙げました。
佐俣さんは、社内でもコンサル出身者のプロンプトがうまいと感じているといいます。問いの立て方が上手だからです。
杉田さんが加えて重視したのが、綺麗にまとまった回答を疑う力でした。
明るくいい意味で常に人の言うことに疑いを持つっていう、その能力はものすごく重要で
綺麗にまとまったものほど、前提が一つ変わった瞬間にもろく崩れる。だからこそ「その前提が変わったらどうなるのか」を突っ込み続けられる能力が大事になるといいます。
佐俣さんは、トップファーム出身者の良さを、問いの立て方や踏み込む力に加え、決められたものは必ずやり切るプロフェッショナリズムの高さだと語りました。
泥臭くやり切る人の「エンジン」とは
杉田さんは、コンサルタントであっても、実際に会社を変えるのは企業側だからと割り切って正しい分析だけ提供していては能力は伸びないと言います。鍵はオーナーシップでした。
佐俣さんは、リクルートで見た2つ上の先輩「瀬名さん」の例を挙げます。リーマンショックで全員が未達のなか、一人だけ達成し続けていた人物です。
単純に泥臭い、諦めずに泥臭くお願い続ける。断られても何回でも提案に行くんです。「もう一回聞いてもらっていいですか」って言って
杉田さんは、それはもう人のためにやっている仕事ではないと解釈します。
自分としてこれをやんなかったら、会社に殺されるんじゃなくて、自分自身で自分を殺してしまう、価値のない人間だと思ってしまうみたいな、そこがすごいエンジンが回ってる
その先輩は30代でリクルートのナンバーツーまで上り詰めたといいます。佐俣さんは、そうした人材を30代で登用できる企業システムそのものに感動したと語りました。
逆境こそがファームを躍進させる鍵
杉田さんは、成長する企業は環境が悪い時に何をしたかで後に跳ねると言います。業界のシェアが変わるのは、恒常状態ではなく悪い環境の後だからです。
要するに、いろんな業界の中でシェアの変化が起きるのって、悪い環境の後に起きるんですよね
厳しい時にすべき投資をしつつ、贅肉があれば整理する。それをじっと待つのではなく、合わせてやりに行くかどうかで大きく変わるといいます。
BCG自身、杉田さんがジャパンのトップを務めた2006年から13年にリーマンショックと東日本大震災を経験し、その後の成長性とシェアが大きく変わったといいます。ゴールドマン・サックスやPEでも同様の話を聞いたと語りました。
佐俣さんは、強いファームの経営の仕組みと意思決定のタイミングに一生関心を持ち続けたいと言います。VCでは傑物が現れても本人が語らずレジェンドになり、何が強かったのかが残らないためです。
傑物が現れたで解釈されてしまうんだけれど、傑物が外に喋んないんですよ。で、レジェンドになってってしまうので、何が強かったんだろうねみたいな
杉田さんは、戦略の組み立て以上に、どういう組織・価値観・カルチャーを作り、どんな心構えの人を育てるかにファームの強さと成長の源泉があると語りました。
なぜBCGは「割れない」ファームであり続けるのか
佐俣さんは、自身のファームで4つの役割をどの順番で誰に権限移譲するかを考えていると語ります。杉田さんは、その4つを別々に渡すのか、まとめて渡すのかで作られるファームが変わるかもしれないと応じました。
さらに、才能ある人間が複数いれば、それぞれを中心とした小さな王国ができ、ファームはいずれ割れると杉田さんは言います。
BCGってジャパンって結構割れていってる歴史なんですよ
実際、BCGジャパンからはDDIやドリームインキュベーターが分かれて生まれ、およそ15年周期で分裂が起きてきたといいます。だからこそ、どうすれば割れないファームにできるかが、杉田さんにとって重要なイシューでした。
その答えは、パートナーグループの価値観をそろえることにありました。
一枚岩としてのパートナーグループの価値観がすごく揃ってるので。何を作るためにここにいるのか、自分たちがどういう存在になるためにここにいるのか
価値観が合わない人は、ある時点で自然に離れていくようにしている。優秀さ以上に、昇進する人間の価値観の軸を重視してきたと語られました。
新卒育成と中途採用、インテグレーションの壁
佐俣さんは、大手ファームになってヘッドハンティングが可能になっても、あえて未経験のジュニアから育てる道を選んでいると語ります。時間はかかっても、価値観のすり合わせを続けた人だけが上がる仕組みです。
杉田さんは、育成の仕組みが整えば、中途採用者のインテグレーションも速くなると指摘します。リクルートもかつては新卒中心で中途が馴染めなかったが、今は半分以上が中途でも見分けがつかないほど溶け込んでいるといいます。
BCGも全く同じなんですよ。あるいくつかの仕組みにおいて価値観に染まっていくので、わかんなくなるんですよ
ただし、この境地に至るまでには失敗もありました。杉田さんは自分の代でシニアな中途採用を進め、定着しないとパートナーグループから吊し上げにあったといいます。
二人も残ってんじゃないかと。二人いなかったら、うちって成長できてないじゃんみたいな。痛いところに頭ぶつけながら回してって、少しずつ積み上がってくるんですよ
佐俣さんは、新卒は真っ白でインテグレーションしやすい一方、未経験者採用だけしか戦い方がないのも危ういと語ります。インテグレーションの方法がわかれば、他のファームとの合流といった経営の選択肢も増えるからです。
「消費」ではなく「創造」こそが人生で一番面白い
杉田さんは著書の話に戻りつつ、昨今のホワイト企業のあり方に疑問を投げかけます。お互いに何も言わず、きついことも言わず距離を置く関係が「ホワイト」とされることの残酷さです。
残酷さに気づくのは、みんな五年とか十年経ってからなんですよね。今は居心地がいいように見えても
そして、一番難しくて面白いのは仕事だと杉田さんは語ります。お金がいくらあっても、消費だけで人生を過ごすのは相当大変だと。
佐俣さんは、消費だけで人生の目的を満たせるのは、むしろ稀な「消費の才能」だと応じます。目の前でお金持ちになっていく経営者を見ても、消費で幸せを見つけられた人は少ないといいます。
佐俣さんは、メルカリの山田進太郎さんが世界一周を1年やってメルカリを作った例を挙げ、起業家は1年以上次のことをやらずにはいられないのではないかと語りました。
杉田さんは、あるところまで上がる人は、新しい変化を生み出したり、自分が関わったから何かができたという場面にワクワクすると言います。仕事は環境が変わり続け、過去の正解が今の正解ではないからこそ面白いのだと。
今だからAI時代なんで、前提がボンボン変わるから、仕事の面白さたるや、たまらんなと
佐俣さんは、VCを拡大解釈した「チェンジャーキャピタル」として、奨学金やアートのアワードも含め、世の中を変革する人を支援するのがANRIの仕事だと定義していると語ります。杉田さんも、対象や武器が変われば、それに合わせてVC自身も変わっていけばいいと応じました。
まとめ
この回は、BCG元日本代表の杉田浩章さんが、人にどう火をつけ、職人集団のファームをどう育て、なぜ割れずに成長し続けられるのかを語った対話でした。仕組みと価値観、そして人への投資こそが、強いファームの源泉であることが繰り返し確認されました。
- 変わる意志のある人にこそ火をつける。第一印象では見極めきれず、欲と徳のバランスの高さが分水嶺になる
- BCGはCEOを選挙で選び、若手パートナーの支持がなければトップになれない。この構造が長期投資と若い視点を組織に根づかせている
- 優秀なプレイヤーと経営者は両立が前提。腕とマネジメント能力の両方を、メンターや多面フィードバックの仕組みで育て、支持のない人は経営に入れない
- 育成には業務時間の10〜20%を投じる。人が全てであり、人以外に資源はないという発想がファーム経営の中心にある
- 逆境こそがシェアを動かす好機。価値観をそろえて割れないファームを作り、消費ではなく創造にこそ人生の面白さがある



