忘れられた「本当の初対面」
番組は、ネイルを「その人の考え方や今の状態が正直に出る場所」と捉え、指先をきっかけに話を聞いていくスタイルです。第28回のゲストは、ゆみさんです。
ゆみさんは、いろんな人をサポートする事業を営みながら、15年ほどフラダンスをしてインストラクターも務めてきました。現在は現役を退きつつも、月に一度、デイケアでフラダンスのボランティアを続けています。
いつも派手に爪を綺麗にしておかなければと思って、こちらのitsuka KIT DESIGNさんにお世話になることになりました。
いつかさんは、ゆみさんが初めて来店したのが2020年7月だったと切り出します。ゆみさんは、足指のインストラクターをしている「ごくんさん」に連れてきてもらったことをはっきり覚えていると答えました。
ところが、いつかさんはそれよりも前に一度会っていると明かします。商業施設レクトでのイベントの合間に、ゆみさんが一人でふらっと来店したというのです。
いやもう記憶障害かしら私って。だって今とってもおしゃれに(初対面の話を)言ったはずなのに。
ゆみさんはその日のことを覚えていませんでしたが、いつかさんの記憶は鮮明でした。
フラダンスのお話も伺ったりして、なんかすごい素敵な方だなと思って。いつも笑顔も素敵で、お話の内容もされ方も素敵だなと。すごく印象に残ってるんです。
この会話をきっかけに、ゆみさんは当時を思い出します。ジェルネイルを派手にするより、爪のお手入れをしてくれる場所を探していた自分の記憶がよみがえりました。
派手にしなくても、爪を整える理由
ゆみさんは、仕事柄ギラギラしたネイルは好まず、お手入れをしてくれる場所を探していたと振り返ります。その気持ちが、このサロンとの縁につながったのかもしれないと話します。
ゆみさんにとって爪を整えることは、単なる装いではありません。フラダンスの所作にまで関わる、大切な準備でした。
派手に爪を綺麗じゃなくても、お手入れをしておくことで、指先まで神経が生き渡るし、フラダンスの先の所作まで意識が行くので、綺麗にしておきたいなという気持ちがあったんですね。
フラダンスは素足で踊るものだといいます。若い人の運動にもなり、年を重ねても裸足で踊れる健康的なものだと、ゆみさんは魅力を語りました。
「あれぐらいなら踊れる」から始まったフラダンス
フラダンスを始めたきっかけは、ハワイ旅行でした。まだブームになる前、現地で見たフラの美しさに心を奪われたといいます。
風の音、爽やかな風、そしてハワイアンミュージックに合わせた音楽がとても素敵だったんです。そして、あれぐらいなら踊れるわって正直思いました。
日本に戻ると、家の近くにフラダンスの教室ができ、体験会がありました。友人に誘われて参加したゆみさんでしたが、思惑は外れます。
あれぐらい踊れるなんて思って行ったら、ところが全然手と足がバラバラ。踊れないじゃないって。
踊れなかった悔しさが、かえって火をつけました。先生から「月曜日やってるから来てね」と言われ、思わず「はい」と返事をしたのが始まりだったと、ゆみさんは笑います。
面白いと思ったら、できるまでやる
ゆみさんの挑戦はフラダンスだけではありません。今はゴルフにもハマっているといいます。
ゴルフの世界も止まった球だから大丈夫と思ったのに、言うこと聞かないことがなんかチャレンジ精神をかき立てるというか。
いつかさんが「負けず嫌いなのか」と尋ねると、ゆみさんは少し違うと答えます。何でも挑むわけではなく、面白そうだと感じたときにこそ力が湧くのだといいます。
自分が面白そうだなと思わない限りは、チャレンジもしないですし。でもちょっと面白みを感じると、できるようになるまではやりたいっていう、そのチャレンジ精神は昔からあったと思います。
その継続力は、自分が本当にもう十分やったなって思うまで次の段階を目指すという形で、昔から変わらずあったと話されています。
7年続けた「感情ノート」という習慣
話題は、いつかさんがゆみさんから教わったという「感情ノート」に移ります。いつかさんは、自分の気持ちを整理する方法の一つとして毎日書き留めることが習慣になったといいます。
ゆみさんがこの習慣を始めたのは、自分自身の取り扱いの難しさを感じていたからでした。仕事でも趣味でも挑戦する中で、対人関係に悩むことも多かったといいます。
学びの場に足を運んだゆみさんは、そこで「大切なのは自分を知ること」だと教わりました。その具体的な方法が、感情を書き出す日記だったのです。
出来事を書くのではなくて、その日の感じた自分の感情を全部書き出すっていうのをやってみるといいよと言われて、7年ぐらいやりましたね。
ゆみさんは、ノートに「バカヤロー」や「悔しい」といった感情そのものを全部書き出したといいます。書き終わると、意外とすっきりする自分がいたそうです。
書いて終わりにせず、自分を労う
ゆみさんのやり方は、すっきりして終わりではありません。感情を吐き出した自分を、もう一人の自分が読んで声をかけるところまでが習慣です。
その感情を吐き出している自分自身を、もう一人の自分が読んで、大変だったねって声をかけて終わる。しんどい思いしたねって。
この積み重ねを続けることで、ゆみさんは変化を感じ始めました。感情が出てきても、その感情に振り回されず、労える自分の側に意識が向くようになったといいます。
感情にとらわれず、感情をお疲れ様って言える自分の方に意識が、だんだんと持てるようになってきたのは3年目ぐらいですかね。
一連の流れを整理すると、感情ノートは次のような手順で進みます。
ノートには家族への本音なども書くため、見つかると大変だとゆみさんは注意を添えます。だからこそ、自分の感情というのを大切に扱うという姿勢が土台にあります。
自分の機嫌は、自分で取る
いつかさんは、実践してみて感じたことを率直に打ち明けます。人にバレないよう押し殺している気持ちや、こう見られたいという思いと本音のギャップに、自分で苦しむことがあるといいます。
こう見られたいっていうところで生きてたりするけど、そことの乖離とかギャップとかに自分が勝手に苦しんだりとかってあると思うんですけど。
一方で、いつかさんは向き合うことの大切さを実感したと語ります。ゆみさんは、その向き合う相手が自分自身であることを強調しました。
ノートに書き出しながら自分の感情を見てあげることで、少しずつそれを掴めるようになる。そうすれば、少しずつ楽に生きていけるのではないかと、ゆみさんは経験から話します。
いつかさんは、感情をノートに書くなど、何か少し変化を与えることで気づきが生まれると締めくくりました。
今の自分がいるような気がします。ぜひトライしてみてください。
まとめ
フラダンスもゴルフも「あれぐらいなら」と飛び込み、できるまで続けてきたゆみさん。その根っこには、感情を書き出して労い、自分の機嫌を自分で取るという7年来の習慣がありました。指先を整えることも感情を整えることも、自分を大切に扱う一つの形として語られた回です。
- ゆみさんは爪のお手入れを、フラダンスの所作にまで意識が届く準備として大切にしている
- フラダンスもゴルフも「面白そう」と感じたら、できるまで続けるのがゆみさんの流儀
- 感情ノートは、出来事ではなく感じた感情そのものを書き出すのがポイント
- 書いて終わりにせず、吐き出した自分を「大変だったね」と労うところまでが習慣
- 自分の感情は自分で整え、自分の機嫌は自分で取ることが、楽に生きるための土台になる







