掛り側・送り側・持ち手とは何か
この配信は、緊縛教室で教えている内容をもとに、技術の考え方やコツを解説するものです。緊縛はアダルトなイメージを持たれがちですが、たかせさんはあくまで表現やコミュニケーションの手段だと位置づけています。
今回のテーマは「掛り側への意識を絶やさないこと」です。まず前提として、たかせさんは縄をめぐる呼び名を整理します。
縛り手が縄を持つ手のことを「持ち手」と呼びます。この持ち手を基準に、受け手さんに縄が掛かっている側を「掛り側」、受け手さんに縄が掛かっていない縄尻側を「送り側」と呼び分けています。
持ち手から見て、受け手さんに縄が掛かっている側。縛り手と受け手を直接つなぐ部分
持ち手から見て、受け手さんに縄が掛かっていない縄尻側。無視してよいわけではないが優先度は掛り側の次
受け手とつながっているのは掛り側の縄
緊縛を進めるとき、たかせさんは掛り側への意識が第一に大事だと話します。送り側を無視してよいわけではないものの、まず掛り側への意識は常に持っていなければならないといいます。
理由は、緊縛という行為を通じて縛り手と受け手さんを直接的につないでいるのが、掛り側の縄だからです。受け手さんがいて、縄が掛かり、その先に縛り手の手があるという流れで、そこが直接つながっている部分になります。
(掛り側の縄が)緩んでしまうと、受け手さんとの通信が断絶してしまうみたいな状態になるんですよね。
糸電話にたとえるとどうなるか
たかせさんは、この構造をよく糸電話にたとえるといいます。2つの紙コップを糸でつなぎ、声を届かせる、あの遊びと同じロジックだという説明です。
受け手さんと縛り手をつないでいるのは、縛り手が持つ手と、縄と、受け手さんという一連のつながりです。この縄に張力、つまりテンションがかかっていないと、受け手さんに何も伝えられず、受け手さんからも何も伝わってきません。
掛り側に対する張力を失ってはいけないというのが、緊縛をするときの大原則だとたかせさんは話します。そこに常に意識を持っていないと、受け手さんとの交信が途絶えてしまうからです。
縛り手の手
持ち手で縄を持ち、テンションをかける
掛り側の縄
張力がかかっていることで通信路になる
受け手さん
縄越しに縛り手とつながり、感覚が行き来する
留めや継縄で縄が緩むのはなぜか
たかせさんによると、掛り側の縄が緩んでしまう人は多いといいます。留めや掛け留め、結びを作るときや、継縄をするときなど、縄を操作する場面で起きやすいそうです。
意識が別のところに向くだけで、掛り側への意識が疎かになり、縄が緩んでしまいます。その結果、緊縛の構造自体もぐずぐずになってきます。
ただ、たかせさんが一義的に重視するのは構造よりも、受け手さんとつながり続けるという意識です。縄越しに受け手さんの存在を感じることが、とても大事になると話します。
手順に頭を支配されると力が逃げる
最初は難しいはずだ、とたかせさんは言います。緊縛ではやることが多く、次の手順は何か、この留めはどうやるのかといったことに頭が支配されてしまうからです。
そして、そうやって手順に支配されている間は、たいてい縄が緩んでいるといいます。手元の力が少し抜け、掛り側にかかる張力が逃げてしまうことが簡単に起こります。
この止めどうやったっけ?みたいなことに頭が支配されてしまって。でもその支配されてる間、やっぱり緩んでるんですよね。
引っ張りすぎてもいけない理由とバランス
一方で、引っ張りすぎてもいけません。強く引けば受け手さんが引っ張られ、体勢が崩れて、緊縛どころではなくなってしまいます。
これも糸電話と同じだ、とたかせさんは説明します。強く引っ張れば糸が抜けたり、相手の手から紙コップがすっぽ抜けてしまったりするのと同じ理屈です。
大切なのは、お互いの引っ張り合う力がバランスするところを意識し、ちょうどいいテンションをかけ続けられているかどうかです。ここに緊縛の技術的な実力が如実に出るといいます。
テンションのバランスから生まれるコミュニケーション
たかせさんは、人の緊縛を客観的に見ても、この意識が乗っているかどうかはすぐわかるといいます。縄を道具として扱いつつ、縄を通じて受け手さんとやりとりし、バランスを取る意識があるかどうかが見えるそうです。
受け手さんが自然な状態でいるときにかかる張力と、縛り手が持ち手で引く張力。この2つがうまくバランスしたときに、緊縛に意味が、そしてコミュニケーションが生まれるとたかせさんは話します。
たかせさんは、ここは中級くらいからの話かもしれないと補足します。縛っていくことに余裕ができたら、この掛り側のテンションを改めて意識してほしいと勧めます。
そうすると、緊縛というものの受け取り方や世界観が大きく変わるといいます。
まとめ
今回は、緊縛の基本構造としての「掛り側への意識」がテーマでした。持ち手を基準に受け手さんとつながる掛り側の縄に、緩みすぎず引っ張りすぎないテンションをかけ続けることが、受け手とのコミュニケーションを生むという話です。
- 持ち手を基準に、受け手さんに縄が掛かる側を掛り側、掛からない縄尻側を送り側と呼ぶ
- 縛り手と受け手を直接つなぐのは掛り側の縄で、糸電話のようにテンションがないと交信が途絶える
- 留めや継縄など縄を操作する場面や、手順に頭が支配される場面で、掛り側の力は逃げやすい
- 弱すぎても強すぎてもいけず、お互いの力がバランスするちょうどいいテンションが要になる
- 縛りに余裕ができたら掛り側のテンションを意識すると、緊縛の受け取り方が大きく変わる

