IVSのサイドイベントで生まれた「ドパガキ」談義
番組冒頭で、先日開催されたIVSの話題が出ます。
木原さんはメイン会場ではなく、京都・東山にある「ヒトヒ」というお店でのサイドイベントに参加したと話します。
そこでは、この番組に関連するような公開収録も行われたそうです。ただし、そのまま世に出せるかは微妙な内容だったと二人は振り返ります。
いい話7割、7割8割して、2割ぐらいがほんまに使えないとか、使ったらどっかの会社から怒られそうとか。
ゲストには、DMMの亀山さん、寺田倉庫の寺田さん、そして飛び入りで川邊さんが参加したと紹介されます。
川邊さんの肩書について、木原さんは紹介に困ったと話します。小笠原さんは「LINEヤフー前会長」で「現ソロプレナー」と補足しました。
公開できなさそうな話だったため、この回は二人による解説会のような位置づけになった、と木原さんは説明します。
幸せの順番はセロトニン、オキシトシン、ドーパミン
公開収録で話題になったのが「ドパガキ」という言葉です。木原さんによれば、これはドーパミン中毒気味の子どもを指すネットスラングだと言います。
SNSのショート動画やオンラインゲームで強い快感を得て、そこから離れられなくなる状態を指す言葉として使われているようです。
小笠原さんは、本当の意味としてはドーパミンよりもエンドルフィンに近いのではないか、という見方も示します。
寺田さんが語ったという「幸せの順番」も紹介されます。セロトニン、オキシトシン、ドーパミンの順が良い、という話です。
まず健康や安心のセロトニン、次に家族や仲間のオキシトシン、最後にドーパミンで興奮する。この順番が大切なのに崩れがちだ、という指摘です。
セロトニンっていうのが安定とか安心、要するに今のこと。オキシトシンっていうのがつながり。で、ドーパミンが未来。現在地を自覚して、過去でそれを追認して、未来に対してっていう順番は、社会の中でいうといい順番なんだろうな。
セロトニン
安定・安心。今のことに対応する
オキシトシン
関係・つながり。過去や信頼に対応する
ドーパミン
達成感・やる気。未来に対応する
なぜ子どもはドーパミンに近づきやすいのか
普通に考えれば良い順番でも、現実には子どもが一番アクセスしやすいのはドーパミンだ、と木原さんは指摘します。
小笠原さんは、大人が「やりたいことを見つけろ」「目標を持て」と言い過ぎているのではないかと問題提起します。
目標に向けて取り組むとドーパミンが出るため、そうした働きかけはドーパミンを刺激することになる、という見方です。
木原さんは教育の現場から、高校一年からキャリアの授業で進路決定を迫られる状況の厳しさを語ります。
それって全部未来に対してでしょ。だからドーパミンなんですよ、やっぱり。それをすごく短期的な未来に落とし込んで、なんとかテストとか、やっちゃうわけですよ。
さらに小笠原さんは、ドーパミンを「ギャップ萌え」のようなものだと表現します。
現在と未来のギャップがプラスに働けば達成感になり、うまくいかなければ「萎え」になって落ち込む、という説明です。
SNSやゲームの世界は基本的に「萌え」で満たされる設計になっている、と木原さんは応じます。
企業側に「萎え」をさせる利益はないため、常に達成感を味わわせる。だからこそ、萎えたときの打撃は昔より大きいかもしれない、と話されています。
小笠原さんは、報酬を約束してやる気を出させる仕組みもドーパミンの元だと指摘します。ガチャやショート動画も同じ「ドーパミンドリブン」だと言います。
何かできたらこれ買ってあげるとか、これ報酬予測じゃないですか。これが一番ドーパミンの元でしょ。その努力が楽なのがガチャでしょ。
オキシトシンが生む排他性という視点
話題はオキシトシンに移ります。小笠原さんは、これを毛づくろいや身体的接触、関係性の確認と結びつけて説明します。
人間が最初にオキシトシンを感じるのは授乳のときだ、とも話されています。信頼ホルモンとも呼ばれる大切なものだと言います。
ただし小笠原さんは、オキシトシンには排他性もあると考えています。仲間内の関係で幸せを感じる分、外に対しては軽視が生まれるはずだ、という見方です。
連帯みたいなものは確かにオキシトシンを生んで、自分たちの幸せにつながるんですけど、他の幸せみたいなところには逆に軽視していくはず。なんで僕は愛情とか言われると、ちょっと違うなって感じる。
この視点から、木原さんは寺田さんの順番論を読み直します。
セロトニンで健康や安定が満たされていない状態でオキシトシンに進むと、余裕がない分、排他的になりやすいのかもしれない、と話します。
小笠原さんは、セロトニンは自然作用から得るもの、オキシトシンやドーパミンは社会生物として必要なものだと整理します。種類が違うので、セロトニンから始まる順番は正しそうだ、と言います。
また、欧米ではドーパミン、セロトニン、オキシトシン、エンドルフィンの四つを「DOSE」としてまとめて語るのに対し、日本では三つだけを語ることが多い、という文化の違いも紹介されます。
インターネットが生んだのはドーパミンというカジノ
木原さんは、自分自身がショート動画を見てしまっていた経験を打ち明けます。
その弊害の大きさから、インスタグラムとTikTokのアプリを削除したと言います。ただ、最近の店の情報がインスタで発信されるため、見られなくなって不便だとも話します。
小笠原さんは、インターネットが人に一番生み出したものはドーパミンではないか、と指摘します。
配信していて「いいな」と思ってくれる人の数が見えると気分が上がる。これはソーシャルという名のカジノのようなものだ、という見方です。
大半の人はいいねっていうチップを貼るだけなわけですよ。で、配信者側で人気が出た人はそれを買った方なんですよね。トータルカジノっぽいなっていうのは思いますけどね。
賭けているものが通貨ではなく時間や努力である、というだけの違いだと小笠原さんは言います。
ここから話は「時間とお金」に及びます。小笠原さんは、お金も時間も人間が信じているだけのものだと語ります。
だからこそ「時間単価」という言葉のように、時間とお金がセットで語られる。しかし小笠原さんはその発想が嫌いだと話します。
その人が何をやったか、どう取り組んだかの方が価値があった方が良くない?一時間二千円の人って言われたら嫌じゃない?あなた二千円グレードの人です、なのに給与レンジとかみんな作るじゃないですか。
木原さんは、時間単価は便利だから使われると応じます。小笠原さんはそれを「便利に負けている事例」だと表現します。
四つのうち二つ選ぶなら
小笠原さんは木原さんに、四つの脳内物質のうち二つだけ選べるとしたらどれを選ぶか、と問いかけます。
この四つだと、二つだけ選べるとしたらどれとどれを選びますか。
木原さんは、自分は保守的な考え方だと前置きします。安定した幼少期ではなかったからこそ、上の二つを選ぶと答えます。
まずは当たり前に生活できることに感謝します、僕は。それを摂取して。
木原さんは、セロトニンとオキシトシンの二つを選ぶと答えました。安心して生活できることへの感謝を土台に置く、という選び方です。
小笠原さんは、それを「安全な貴族」のようだと表現しつつ、平和でいいと肯定します。
ただし、オキシトシンの範囲が広く持てれば平和だが、範囲が小さいと周りとの争いが生まれ始める、と補足します。
どこまで仲間だと思えるかという問いに、小笠原さんは「全人類」と答えます。しかし木原さんは、他大学を救わなければとは思えない、と正直に語ります。
「全ての大学を救いたい」って言ってる人、嘘くさく見えるじゃないですか。それがなんかこう、排他性みたいなところにもあるかなと思ってて。
小笠原さんは、仲間意識や帰属意識が高いほど、外に対して排他的になりやすいと指摘します。
だからこそ必要なのは幅広い知識と経験だ、と話します。それによって仲間だと思える範囲を広げられる、という考えです。
小笠原さん自身も、正直に言えば選ぶのは同じ二つだと明かします。
一方で、この人と何かできると思いついた瞬間には、ドーパミンやエンドルフィンが一時的に出てしまうとも語ります。
大きく成功したわけではないからこそ、周囲にオキシトシンをどう感じてもらうか、目標設定でドーパミンをどう適量発生させてもらうかを考えている、と話されています。
他では感じられない、発生しないオキシトシンを作りたいんですよ。だから独自ルールめっちゃ作っちゃうでしょ。
一方でセロトニンについては「自分で得てください」というスタンスだと小笠原さんは言います。
お金持ちは幸せなのか、という宿題
最後に木原さんは、公開収録の締めのテーマだった「幸せとは」に触れます。
お金持ちって幸せなんですか。
木原さんは、ドーパミンを出す行為自体はお金がなくてもできる点に注目します。スマートフォンさえあれば、SNSや無料ゲームで誰でも公平にドーパミンを得られる、という指摘です。
だとすれば、お金持ちがSNSでドーパミンを出して幸せを感じるのか、疑問に思いながら話を聞いていたと言います。
公開収録では、年収一千万円くらいに行くまでが一番幸せなのではないか、という「中庸」の意見が出たそうです。
ただ木原さんは、それ以上を体験したことがないため、本心かどうかは分からないと率直に語ります。
このテーマは深いため、次回に持ち越すことになりました。
いや、幸せやと思うけどな。
まとめ
この回は、セロトニン・オキシトシン・ドーパミンという幸せの順番を軸に、現代の環境と働き方を二人で掘り下げる雑談でした。ドーパミンに近づきやすい時代だからこそ、順番や範囲をどう捉えるかが問われています。
- 寺田さんが語った幸せの順番は、健康や安心のセロトニン、つながりのオキシトシン、そして達成感のドーパミン。
- SNSやゲームは常に「萌え」で満たす設計のため、うまくいかないときの落ち込みが大きくなりやすい。
- オキシトシンによる仲間意識は幸せを生む一方で、外への排他性も生む可能性がある。
- 小笠原さんは、幅広い知識と経験が、仲間だと思える範囲を広げる鍵だと語る。
- 「お金持ちは幸せなのか」は結論が出ず、次回に持ち越しとなった。
